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取り返しがつかないこと

昨夜、ペット葬儀社の担当者が来宅。
お別れの儀式で、
水を含ませた綿棒でミルクの亡骸の口元を濡らしていると、
ミルクの最期の姿が思い出され、泣けてきた。

「お水が飲みたかったねぇ
 ごめんね、ミルク
 お水が飲みたかったよね」

おそらく血糖値が高くなり、喉が猛烈に渇くのだろう。
水を飲みたくて、飲みたくて、
水を入れたボウルの中に頭を突っ込んで
口元を水のすぐそばに近づけて・・・
それでも、
舌を動かしてピチャピチャ飲むこともしないまま、
箱座りして動かないミルク。

点滴をしていたから、一応、水分は身体に入ってはいたから
敢えて水を飲む必要はなかったからなのか?
それとも、
点滴をしても、喉の渇きは癒えず、
でも、舌を動かして水を摂り入れる力がもうなかったのか?
・・・
きっと後者だったのだ。

私は後悔している。
どうして、あの時、点滴治療を止めなかったのか?
点滴を止めていたら、
最期の最後に、あんなに苦しまなくて済んだのではないか?

詳しい状況をここに書くのは差し控えるけれども、
あの苦しい息の状況は、
死のうとする身体に余分に入ってきた水分が
肺に貯まって、溺れるように息が苦しくなる
いわゆる「肺水腫」の状態だったと思う。

一回目の点滴までは、まだよかった。
インシュリンも入れて、皮下点滴をして、
吐き気止めも入れたので、
もう吐くことはなくなり、
点滴で入れた水分も一応は吸収し、
ミルクは夜中に自分で歩いてトイレまで行き、
トイレの側に大きな水たまりを2つ作っていた。
そして、その後、暖房のついていない、
2階のリビングにあがり、ソファに飛び乗り、
そこで一人、静かに寝ていた。

医師からは「体温が37度6分に下がっているので、
暖房をがんがん焚いて、暖めてやって」と
言われていた。
猫の平熱は38~39度なのだ。

でも、ミルクは暖かくしてやっても、それを嫌がって、
冷たいほうへ冷たいほうへ行きたがった。
暖房の効いている部屋では、気がつくと、
洗面台の冷たい陶器の中にすっぽり入り込んでいた。
水を飲もうとして落ちて這い上がれないのかと思い、
そこから出して暖かい布団でくるんでやっても、
また、自分から洗面台の陶器の中に入るのだった。

そのこと自体、猫は自身の死期を悟っていたのだと、
今にしては思う。
でも、ノーテンキな私は、
ミルクが自分で歩いて動けることを、
点滴治療が奏功したと思っていた。
「まだ生きられる」そう思いたかった。

翌日も、また、私はミルクを動物病院へ連れていった。
動物病院へ着いて、バッグを開けてミルクを見た時、
「えっ・・・死んでしまった?」
死んではいなかったけれども、もう虫の息だった。
意識が遠のいているようだった。
そう、前日は病院へ行く道中、走っている車の音が恐くて
まだ、ニャーニャー鳴く元気があったけれども、
その日の通院道中、もう一言も鳴かなかった。

診察室に呼ばれ、体温を測ると36度6分。
昨日の点滴によっても、効果はなく、
ミルクの身体は一層衰弱していたのだ。

もう、看取りの時期なのだ、と思った。

体温を測ってもらったところで、
まっすぐミルクを連れて帰るべきだったのだ。

でも、私は、
まだ「この子が死ぬのだ」ということを
受け入れられない気持ちがあったのかもしれない。
それに、何かしてあげられることはないのか、
と思った。

「あ~、ひどい脱水ですね。」と医師は言う。
そこで、私は
「あの~、点滴だけしてやってください。
 血液検査はもういいです。」
医師は「本当は血液検査をして、血糖値にあった量のインシュリンを打つのがよいのですが・・・」と言うが、でも、もう死のうとしているのに、さらに身体に針をさして血を採ることも可哀想だった。

でも、でも・・・
結果的には、死のうとしている身体には、あの点滴も余計なことだったのだ。
あの時のミルクは既に意識が遠のいていた。
その脱水状態のまま、冷たくなっていけば、
あれほど苦しまなくて済んだのではないか・・・?

猫の看取りは初めてではない。
ミルクの前に飼っていた猫は、動物病院に1週間の入院の後、
やはり糖尿病を発症してインシュリンが必要な状態になった。
でも、それ以上の入院も治療も可哀想なだけだったので、
家に連れて帰り、少量の餌と水とで、そのまま1ヶ月生きた。
そして、最期に大きな息をひとつして、静かに逝った。
やせ細って骨と皮だけになっていく姿は痛々しかったけれども、
決して苦しんでいるようには見えなかった。

ミルクはたった3日の間に急変したので、
覚悟ができていなかったから・・・というのは言い訳か。

あんなに可愛い子を、ひどく苦しませてしまったことが
申し訳なくて、可哀想で、可哀想で・・・

「取り返しがつかない」というのは、こういうことだ。

ミルクは身を以て、私に教えようとしてくれたのか・・・

まだミルクがそこらへんに居るような気がする。
きっと居る・・・

ミルクごめんね。
ダメなママでごめんね。
お水、飲みたかったねぇ。

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コメント

No title

うん、きっと居る!
ママありがとって言いながら、ママが後悔しなくなることを願ってる。
そう思えてきます。





No title

ミルクちゃんお悔やみ申し上げます。
ペットも家族ですから色々な事が悔やまれるますね。
それでもミルクちゃんは十分に可愛がってもらって幸せに旅立ったのではないでしょうか?あまりママが悲しむとミルクちゃんも心が残ってしまいそうです。

我が家も3年前だったでしょうか?22年間生きたジジが段々弱っていく姿はとてもつらかった事を思い出しました。
しばらくいつもジジの姿を探していました。

急変していく姿に覚悟が出来ないのはよくわかります。
それは今の夫の姿に通じます。

No title

ミルクちゃんお空に・・・
どうかぼ自分をあまり責めないで
ミルクちゃん、十分にパパとママの愛情を受けたと感謝していると思いますよ。

トルさん

おはようございます。

そうだよねぇ。きっと居るよねぇ。泣けてくる。

小さないのちの一所懸命な姿を心に刻みます。

可愛かった。可哀想だった・・・

ありがとうございます。

mjijiさん

おはようございます。

ジジちゃんは22歳でしたか! 
あらためてそのご長寿に感銘しました。
もう、家族の一員としているのが当たり前のように居た子が居なくなってしまった時の寂しさ。家のあちらこちらに、その姿がふと見えてきますよね。

貴ブログのコメント欄で、ご主人が肺炎再発後に、今再びゼリーを50gずつ食べ始めていらっしゃると・・・
肺炎がおさまっていらしたということですね。

希望を持って、焦らず、慎重に、私たち、一日一日を積み重ねていきたいですね。

さくらさん

おはようございます。

ミルクはお空に・・・
そう、ミルクは今度は自由にどこへでも行けるようになったのかもしれません。

いつも、怖がりで、人見知りで、来客があっても、隠れて出てきてくれない子でした。でも、しっかり聞き耳を立てていて、来客が玄関から帰って、リビングに戻ってくると、もうリビングにちょこんと座っているような猫でした。

さくらさん、クリスマスイブに、サンタさんはプレゼントを運んできてくれましたか?
ご主人は、さくらサンタさんがプレゼントを運んでくるのを待っていますよ~

もらい泣きです

ごめんね、です、私も。どの子の命日にも、謝り続けてます… いくつ経験してもまた新しいごめんねを作ってしまいます。
でも、ママが生かそうとしてくれたのはわかったんじゃないかな。
意識が遠のいたままいつのまにか終わってたより、頑張ってだめだったから納得してるんじゃないでしょうか…

ほんとに美人さんですね!
腕まくら… 私にもひとり、そうやって毎日寝てたこがいました。あの子のときばかりは号泣しました。2歳の誕生日にいなくなって、翌日見つかった。やっぱり夫が診断された最初のころうちに来て、、、
11年も居てくれて、よかったですね!
ミルクちゃんも、長い幸せありがとうって 言ってくれてますね。

marinaさん

おはようございます。

美子さんは、たくさんの猫ちゃんたちにご縁があって、お世話をされてこられて・・・。それぞれの子たち、きっと美子さんの真心に感謝していると思います。

うちのミルクに恨まれても仕方がないママですが、許してくれるかなv-409 

お借りしたDVDで拝見したご主人さま、とっても素敵な方ですね。
美子さんの花嫁姿も、まぶしかったぁv-410

あの映像が撮られてから10年、いろいろ大変だったのでしょう・・・
今度ゆっくりお話を聞かせてくださいませ。

No title

深いお悲しみに申し上げる言葉がございません。
ご主人様もどんなにか心を痛めておいででしょうかと思います。
ご主人様のご病状に響かないことを祈ります。

モカちゃんがどんなに寂しがっている事かと心配ですが仕方がない事です。
お忙しい事とは思いますがモカちゃんをしっかり抱いてあげてください。

我が家の残されたみみは、未だにごんを忘れていませんし、録音の声に反応し、動画の再生に反応します。そして、未だに主人が亡くなったことを理解していないと思います。急に救急隊員の方に運ばれ出て行って未だに帰宅せずと思っていると思います。
モカちゃんがミルクちゃんを探し、ご主人様がどれほどのショックをお持ちになっているかと思うと涙が出ます。

アワキビさんにしっかりしてねとお声をかけるのもどれほど重荷かと思いますが、お体を労わりながら少しだけ頑張ってください。

くれぐれもお体をお大事に。 手を抜けるところは最大限手を抜いて!!!
ミルクちゃん、、、幸せだったね。 パパとママとモカちゃんの守り神になってあげてね。いつまでも皆一緒だから。虹の橋で待っていてあげてね。       合掌

わたしも、先月愛犬無くしました。
餌がわるかったのか、あの時あれがダメだったのかと、思い悩む毎日です。

No title

こんにちは。
おつらいですね…
私も今までの子のことで後悔することいっぱいあります。
でもミルクちゃんはアワキビさんのことが大好きな甘えん坊さんだから、きっとまだそばにいて「大丈夫だよ、最高のママだよ」って言っていますよ。

myu u さん

myu u さん、お久しぶりですね。
コメントありがとうございます。

2年前の秋、夫がお手伝いをしたがる(けど、かえってめんどうでタイヘン・・・)等とブログを書いた際に、myu uさんが、「うちの夫も同じです」・・・というコメントをくださいました。
その後、ご主人さまは、急変されて、みまかられたのですね。
ご主人さまの快復を祈られていた myu u さん、お家に帰ってくることを信じて待っていたみみちゃん、お察し致します。

ミルクはモカの姉さんでした。実際の生まれた順番はわかりませんが、二人の関係を見ていると、あきらかにミルク姉さんが妹のモカのめんどうをみている・・・というふうでした。
ミルク姉さんがいなくなってしまって、モカは淋しいのか、今迄に増して、ニャーニャー鳴くことが多くなりました。
ミルク姉さんがいなくなった分、モカちゃんにマメに声かけして抱っこしてやらねば・・・

夫は既に数年前から、毎朝、起きると「わぁ、どうしたの? 猫が居る!」と驚いて居ます。
猫を飼っていることを忘れていて(猫だけでなく、私が妻だということもわからないし、自分の家がどこなのかも?)、そんなふうなので、ミルクのことを自分から思い出すことはできないのです。

でも、ミルクと共に過ごした一瞬一瞬は確かに輝いていました。
ミルクが私たちを支えてくれていた。その事実は確かです。

ありがとうございます

年末は寒波が来るそうです。
myu uさんとみみちゃんもお風邪など召しませんように!

えむさん

えむさんも、大事な愛犬を亡くされたのですね。

私も、餌が悪かったから糖尿病になんてなったのか?と悩みます。
本来、肉食の猫ですが、売られている猫の餌には炭水化物が含まれていますから、そのせいなのでしょうか?
また、多頭飼いだったせいもあって、ミルクのおしっこ量が増えていることに気づきませんでした。
ミルクが居なくなってから、猫トイレのおしっこ量の少なさにびっくりしています。
2匹分のおしっこと思っていたものが、ほとんどミルクのおしっこだったようで・・・

私は至らない飼い主でした。

それでも、えむさん、私たちは、また、日々の生活を重ねていくしかないのですよね。

一歩、一歩、進んで行きましょう。

だださん

こんにちは。コメントありがとうございます。

だださんのブログにコメントしようと思いながら、なかなかできなくて・・・

お母様の早期の退院を決断されて良かったと思います。

急性期病院は、決まった時間のオムツ交換以外は、自分で危なげなくトイレに行ける人以外はトイレに行けない・・・ような体制になっていますから、お母様のおっしゃること、よ~くわかります。
お孫さんの元気とニャーニャー鳴いて寄ってくる猫たちが一番の薬ですよね。

今回、私は、だださんのアジャリが亡くなった時のことを思い出していましたよ。

それにしても、猫って(犬だって、馬だって!)、人に寄り添って、たくさんのしあわせを運んでくれるものですね。

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プロフィール

アワキビ

Author:アワキビ
夫と2人暮らし。子どもはいません。
それに現在は猫1匹の家族。
夫、要介護5。アルツハイマー型認知症。生まれつき耳が聞こえない。
父は2018年秋に特養に入所。要介護4。毎週木曜日に実家へ介護タクシーで帰り、2泊3日。土曜日の朝、特養へ帰ります。
母は要介護1で、MCI? いや初期認知症かな? 最近、もの忘れが顕著になってきました。弟の家族と玄関が一緒の二世帯住宅に同居。私の家からは電車で1時間ほどの隣県です。

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