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認知症の夫の「人間力」

テーブルの上に、夫の薬と、私の飲む風邪薬、
両方を用意して置いておいたら、
夫が両方とも掌に掴んで、しまおうとしたのか、
どこかへ持って行こうとしたのか・・・

私は、夫の掌の中の薬を取り換えそうと、
夫の手を掴んで掌をこじ開けようとした。

そしたら、夫は私の手を振り払って、

 ボクはひとりの人間として、
 ちゃんと自分で考えてやりたいんだよ。
 そんなふうに手を捕まれたりしたら、
 ボクという人間の尊厳が壊れてしまうよ!

と言って怒った。

私は、二人分の薬を掴んでいる夫を見て、
「またいつもの困ったちゃんが始まった!」とばかりに、
何も夫に話しかけることなく、いきなり
手を引っぱって、薬を取り返そうとしたのだった。

私から見ると、
「また、何わけのわからないことを、やっているんだか!」と
イライラの種であっても、
夫にすれば、自分なりの理由があって、
自分でやりたかった何かがあった。

私が無神経すぎた。

自分に対してされた不当な扱いを敏感に感じ取り、
鈍感すぎる私に対して、
夫はビシッと抗議の声をあげたのだ。

私は、いつも、夫の「人間力」に、かなわない。
夫はいつも私に教えてくれる。

夫の偉大なる魂(マハトマ)を抱きしめて、
謝った。

なお、念のために申し添えると、
夫は日本語で表現したわけではない。
夫は生まれつき耳が聞こえず、音声で話をしない。
いつも手話で話している。
夫が手話で表した内容を日本語に翻訳すると、
上記のような言葉になるのだ。

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コメント

No title

本当にすごい人間力ですね。
ご主人は今認知症と言っても心の奥深く持っている物までは失われずに、ずっと人間の尊厳を大切に思っていらしたのですね。

私は夫はもう何もわからなくなってるのではないかと思う気持ちでいつも本気で向き合う事を避けています。
だから病気だから仕方ないとあきらめて腹をたてる事もありませんが実は真剣に向き合っていない自分がいるだけなのだとアワキビ様に気づかされています。

mjijiさん

今日も夫とケンカをしてしまいました。

だって、もう、訳の分からない妄想の世界に入ってしまって、ちっとも言うことを訊いてくれないんだもの・・・って、結局は、私の思うとおりにならないことにイライラしているわけで・・・

でも、なんとか回復できました。

夫が私の顔を見て「笑ってる」と言いました。
「さっきまで、鬼の顔をしていた?」と訊いても、答えませんが、たぶん、鬼の形相をしていたのでしょう。

mjijiさん、確かに「腹を立てる」というのは、期待しているからこそ、そのようにならないことに腹を立てるのでしょうね。
でも、年がら年中腹を立てていたら疲れてしまいます。

あきらめて腹を立てないことも、心の平安のためには必要なことですから、一概にそれが悪いことだとは言えませんし・・・。

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アワキビ

Author:アワキビ
夫と2人暮らし。
子どもはいません。
2人と猫2匹の家族です。

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