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映画「ぼけますから、よろしく」を見に行った

ドキュメンタリー映画「ぼけますから、よろしく」を見に行った。
場所はまた「ポレポレ東中野」。
私とほぼ同年代の監督が、遠く離れて暮らす両親
(父95歳、母87歳、撮影終了当時)の姿を撮ったもの。

監督自身が乳がんになり、
抗がん剤の副作用で髪がすっかり抜けてしまった娘が、
鏡を見ながら「わたし、可哀想じゃない?」と母に訊くと
母は「うん? 可愛い。可愛いよぉ」

乳がんの手術の日、やっぱり切りたくない!と
泣きながら駄々をこね、
友人にわがままを言って困らせたりしていると
母はこっそり友人に「ごめんなさいねぇ」と謝る。

そんな母が認知症になった。
認知症になると、なんにもわからなくなると思われがちだが、
自分が以前とは違う、何かおかしい、
いろいろなことが分からなくなってきて不安だ・・・
そういう自覚がある。
この母もまた、得体の知れない
もののけに捕まってしまった自分がどうなるのか、
不安で不安で、怒り、泣き叫ぶ。

娘は泣きながら、
今まで母が自分を支えてくれたから、
これからは私がお母さんを支えるからね。
大丈夫だよ・・・

そんな場面が印象に残った。

今回の映画も夫を車椅子に乗せて連れて行った。
暗闇の中、夫が不安にならないように
ぎゅっと手を握りながら。
夫は上映中、静かに座っている。
寝ているのかなぁ?と思って、夫の横顔を見ると、
目を開いている。
画面をじっと見ているようだ。

耳の聞こえない夫に、
字幕のない映画を見るのに付き合わせて申し訳ないけれども、
自宅でテレビを見る時にいつも字幕をつけてはいても、
認知症が進んでしまった今となっては、
字幕から内容を把握することは難しい。
その瞬間、瞬間の印象が夫のすべてだ。

でも、私が夫とデートして映画を見たかった。
私の思いに夫が付き合ってくれた。
夫が私のためにしてくれたこと・・・だよね。

映画が終わった午後2時頃、遅い昼食を
ビルの1階にあるポレポレ坐というカフェで食べることにした。
二人ともキーマカレーと珈琲を注文。
1階では、監督のサイン会をやっている。
私もパンフレットを買ったから、サインしてもらおう。
でも、長い列をなしているから、
夫と一緒に食事をしながら、最後の人が終わるのを待っていよう。

キーマカレーと珈琲が運ばれて来た。
紙ナプキンで手を拭かせて、
スプーンを夫に持たせて「食べてね」と言って、
私は夫の側を離れた。
サイン会の担当者に、
列の最後の人のサインが終わったら、
カフェの中にいるので、声を掛けて欲しいと伝えに。
ほんの1~2分で、席に戻ると、
夫は口をくちゃくちゃして何かを食べていた。
ふと、夫の手を見ると、
ちぎれた紙ナプキンを握りしめている。
もしや、紙ナプキンを喰った!?
「あ~ん、して、あ~ん!」
夫は素直に口を開けてくれた。
案の定、紙ナプキンの切れ端が
小さな固まりになって舌の上に乗っていた。
口の中に指を突っ込んでつまみだした。
ほんのちょっとの間も目が離せない。

口の中に入れた時、
「これは食べ物じゃない!」
と気づかないのかなぁ?

監督に、私自身の両親のこと、
一緒に連れてきている夫も認知症であること等
話した。
夫が、ぱくぱくご飯を食べ、愛想良くしている様子を見て、
「なんか、かわいい 」と監督。
うん、私も、夫は可愛い人だと思う。

♪。゚o。(★・ω・)人(・ω・★)。o゚。♪。゚o。(★・ω・)人(・ω・★)。o゚。♪

別の日、月に1回の書道の時間に夫が書いたお習字。

千歳飴 (2)     柊の花

最近は、複雑な漢字が書けなくなっていたのだけれども、
この日は集中力が続いて調子よく書けた。
お手本は「千歳あめ」と1枚の半紙に書かれていたが、
半紙いっぱいに「千歳」と書いたので、
別の半紙に「あめ」と書いて繋げたもの。

右の「柊の花 ひいらぎのはな」は、お手本なしで、
手話で「木 と書いて、隣に 冬 と書く」と伝えたら、
ちゃんと書いてくれた。

「サザンカ」は昨年も書いたような気がする。

ボランティアで来てくださっている書道の先生に
「個性的な字ですね」と褒められていた。

書道の後は、お楽しみの手作りシフォンケーキと珈琲。
穏やかな日常がありがたい。

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コメント

No title

ご主人をお連れしての映画鑑賞ですか。
素敵なデートをができましたね!
(ハプニングもおありのようでしたが(^-^;)

私も昔、夫を連れて「明日の記憶」を観に行きました。
当時その映画の内容に似た環境にいた夫は
どんな気持ちで観るだろうかと一抹の不安を抱えながら。
でも、終わった後の食事の時はもうすっかり内容を忘れ
何事もなく美味しそうに食事をしていたことを思い出しました

ご主人こんな素敵な素敵なお習字書かれるのですね。
凄いです!
たくさん作品を作っていただきたいですね。

アワキビさんは素敵な介護そしていらっしゃいますね!
自分で自分をほめましょう!
(これ、今施設の介護家族との間で合言葉にしてます(*^^)v)

さくらさん

こんばんは。

私も「明日の記憶」を小説で読んでから、夫と一緒に映画でも見ました(日本語字幕付き版で)。
帰りの電車の中で、夫に「映画、どうだった?」とおそるおそる訊いたら、「ああいうこともあるんだねぇ」と他人事のような答え。
自分も同じ立場にあるとはまったく思い至らなかったようで、愕然としたことを覚えています。
でも、今からすれば、映画の感想を言えただけでも、すごいことだったんだと思います。

夫は私に連れ回されて迷惑しているかもしれません。
いつも、ムリを強いているんじゃないか? でも・・・と、日々、葛藤しながらです。

さくらさんこそ、素敵な介護をなさっていらっしゃいますよ。
学ばせていただいてます。

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プロフィール

アワキビ

Author:アワキビ
夫と2人暮らし。子どもはいません。
それに現在は猫1匹の家族。
夫、要介護5。アルツハイマー型認知症。生まれつき耳が聞こえない。
父は2018年秋に特養に入所。要介護4。毎週木曜日に実家へ介護タクシーで帰り、2泊3日。土曜日の朝、特養へ帰ります。
母は要介護1で、MCI? いや初期認知症かな? 最近、もの忘れが顕著になってきました。弟の家族と玄関が一緒の二世帯住宅に同居。私の家からは電車で1時間ほどの隣県です。

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