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家族会の旅行

若年性認知症家族会 彩星の会 の一泊旅行に夫とともに参加しました。
東京駅前からマイクロバスで片道約4時間、伊豆半島の川奈に宿泊。
参加者は25名ぐらいで、介護家族、介護卒業者、認知症医療に携わっている医師、それに認知症の本人は4名(男性ばかり)。4人のうち3人は妻と一緒に、一人は東京駅までは奥様が見送りに来られて、旅行中は一人での参加でした。車椅子利用者は夫一人。
本人のうちのお一人で参加された方が、旅行の間中、夫の車椅子を押してくれたり、バスへの車椅子の積み込みを買って出て下さいました。

現地の旅館で、現地在住の若年認知症の本人と介護家族も夕食会に合流。
また、現地からのボランティアさんが男女合わせて8人ぐらい(アバウトですみません)。
ボランティアと言っても、いずれも病院などに勤務している作業療法士(OT)さんですから、プロ中のプロですね。夫の入浴や移動の介助をしていただきました。

入浴については、旅館のホームページに、「家族風呂あり」とあったので、夫と一緒に家族風呂に入るつもりでいましたが、朝、東京駅で集合した際に、医師のK先生にご挨拶をすると、「今日、ボクは、アワキビさんのご主人と一緒にお風呂に入ることになっていますので、よろしくお願い致します。」と。
あら、そうなんだ~。それなら、遠慮なくお願いしようかなぁ。
午後4時、旅館に到着すると、夕食まで2時間ある。30分ぐらい休んだ頃、K先生他、入浴介助をしてくださる男性ボランティアさんが3~4人、お部屋まで夫を迎えに来た。
夫は何が何だかわからないうちに(いや、ちゃんと「これからお風呂にはいるよ~」とは言っていますが、すぐに忘れるので)、風呂場へ拉致されて行きました。
その間に、私はのんびり女湯に入ることにしましたが、さて、夫は無事に入れたのか?
後でどうだったか様子を聞くと、夫は、
「どうぞ、お先に入ってください。」とか、
「みんな一緒に入りましょう。」だとか言っていたようです。
入浴介助してくださった方々は、「ご主人は、僕たちに気を遣われていたようで・・・」と受け止めてくださったようですが、「どうぞ、お先に入ってください。」というのは、夫が「自分は入らないから、あなたがたが入ったらいいですよ」という遠回しの断りの常套文句なのです。
でも、なんやかんやあっても、夫は服を脱いで、浴場に入り、自分で身体をこすったり、手すりを持って大きな浴槽にも入り、着替えもさしてもらって、出てきました。
お風呂に連れて行かれる時は、目を白黒させていた夫ですが、お風呂から出てきた時は、とても良い表情をしていました。気分良く入浴できたようです。

その後、部屋に戻って、少しベッドで休んでいるうちに、夕食の時間になりました。
また、ボランティアさんたちが3~4人、お部屋に夫を迎えにきました。
私が、ベッドに横になっていた夫を起こし、夫はベッドに腰掛けました。
それから、みんなで「夕食を食べに下へ行こう」と夫を誘ったところ、夫は、
「どうぞ、お先に行ってください。ボクはいいですから。」と言って立ち上がってくれません。
5分~10分ぐらい、なだめたり、すかしたりして、部屋の出口までようやく歩いてくれて、部屋の外へ出るためにスリッパか靴を履かせようと椅子に座らせたら、また、そこで「行かない」と駄々をこねる夫。
「う~ん、これは、気分的なものなので、少し時間を置いたほうが良いと思います。皆さん、夕食にいらしてください。」と言うと、ボランティアのリーダーさんが、「奥さん、ボクがご主人とここに一緒に居ますから、先に行って、食べていてくださいよ。大丈夫ですから。」

そこで、リーダーさんと夫を残して、みんないったん階下の宴会場へ向かいました。
夕食宴会が始り、少ししたところで(15分ぐらいか)、私は2階の部屋へ上がっていった。
部屋の入り口で夫とリーダーさんが座っていた。
「夕飯の準備ができましたよ~。さあ、食べに行きましょう~。」と夫に話しかけると、今度は、「じゃあ、行こうか」とばかりに立ち上がってくれました。
リーダーさんに、「二人で何を話していたんですか?」と尋ねると、「ご主人が、「キミ、いい身体しているね。何をやっていたの?」と訊くので、「剣道をやってました」と話していたんですよ。」
リーダーさんは、手話ができるわけではないけれども、夫と身ぶり手ぶりで、そんな会話をしていたんですね。

夕食宴会で、夫は、舟盛りの刺身や金目鯛の煮つけなどをもりもり食べてくれました。
そして、それに続いて大いに盛り上がったカラオケでは、夫は歌声も音楽も聞こえないけれども、一緒に手を振り振り、それなりに楽しそうにしていました。

一次会が終了した後は、場所を二階の部屋に移して二次会です。
私と夫はいったん自分たちの部屋へ戻り、疲れたであろう夫をベッドに休ませました。
夫を一人部屋に置いて二次会へ参加することはできないし、どうしようかなあ~?と思っていると、先ほどのボランティアのリーダーの方が、「ボクが部屋の前でご主人を見ていますから、奥さん、どうぞ二次会へいらしてくださいよ。」と。
「う~ん、どうしようかなぁ。まあ、とりあえず、ちょっと二次会の様子を見てくるか」と思い、二次会の部屋に顔を出すと、ふと、朝から車椅子を押すのを手伝ってくれた認知症本人のHさんが、
「ご主人、どうされました? いや、ずっと車椅子を押していたから、居ないと、なんだか寂しくて・・・」と声をかけてくれました。
「あ、部屋で寝ているんですよ。起こしましょうか? すぐ隣の部屋ですから、一緒に来てください。」
夫を部屋に一人にしてはおくのは危険なので、もう戻らなければ・・・
それに、Hさんが誘いに来たら、一緒に二次会の部屋へ行ってくれるかもしれない・・・
Hさんを伴って、自室へ戻ると、ベッドに横になっていた夫は、案外、すぐに目を開けて起きてきたのです。
「向こうの部屋で一緒に話をしようか?」と言うと、夫は立ち上がったので、そのまま二次会が行われている隣の部屋まで連れて行き、午後11時ぐらいまで皆と一緒に居ました。
ブログのコメント欄でだけ知っていた方との初顔合わせもありました。
私の実家の近くにお住まいだということがわかり、ローカルな話題にも話の花が咲きました。

翌朝の朝食時はスムーズで、元気に美味しい朝ごはんを食べました。
朝9時半に出発し、城ヶ崎海岸へ。城ヶ崎の名所、断崖絶壁の門脇吊橋の上を、ボランティアのリーダーさんが夫の車椅子を押してくれました。


長さ48m、高さ23mの吊橋です。

IMG_1284.jpg 

ひゃ~、高いよ~~ 最高に良いお天気で、海と空の青さがまぶしい!
この断崖絶壁には海燕が巣をつくっているそうです。

この後、大室山の周りをバスで周って、ドライブインで昼食。
名物のイカメンチカツの弁当を食べ、その後、夫はサマーオレンジソフトクリームを食べ、私は、揚げパンソフト(温かい揚げパンに冷たいソフトクリームがはさんである)を食べました。
そして、バスの出発前に、夫はトイレで無事  をしてくれました。
やれやれ、これで一安心。

帰りは事故渋滞に巻き込まれ、到着が遅くなり、午後4時半過ぎに東京駅前に到着。
さあ、これから自宅へと帰るばかり。
マイクロバスから皆さん順次降りて、残るは夫と私だけ。
夫の車椅子も下に置かれ準備万端です。
ところが・・・夫、バスから降りてくれません 。゚(゚´Д`゚)゚。
「皆さん、どうぞ、行ってください。
 ボクは行かないから。
 どうぞ、どうぞ・・・」
「もう、バスから降りて、お家へ帰るんだよ。」と言ってもダメです。
マイクロバスの運転手さんも、早く伊豆へ帰りたいでしょうし、気持ちが焦ります。
先に降りた皆さんも、心配そうに、夫に向って、おいでおいでと手を振ってくれています。
あまり時間をかけていられません。
心配したK先生とAさんがバスの乗り口に来て、夫を降ろすのを手伝ってくれようとしています。
仕方ない。窓際に座っていた夫ですが、私は、夫の膝の上に乗らんばかりに無理やり窓際の席にお尻をねじ込んで座り、夫を通路側の席に移動させます。
それから、補助椅子を出して、夫を補助椅子側に押して座らせます。
そこから、K先生やAさんが手を貸してくれて、半ば強制的に、私も後ろから夫を押すと、ようやく観念したのか、夫は素直にされるがままになって降りてくれました。
バスの外に出しておいた車椅子に座らせ、ベルトを締めました。

以前、河口湖行きの高速バスに乗った時も、終点の河口湖に到着して、みんながバスを降りたのに、夫が「ボクは降りない。君だけ行ったらいいよ。」等と言ってバスを降りてくれないことがありました。
こういう時は、少し時間をおけば、気分が変わって大丈夫になるのだけれども、時間に制約があり、他の人に迷惑をかけてしまう・・・という情況にあると焦ります。
今回は、周りのみんなが認知症のこうした症状には慣れているメンバーなので、気持ち的に楽でしたが、バスの運転手さんには手間取らせてしまって申し訳なかったなぁ~と思いました。

いつも夫と二人だけで旅行に行くことが多いのですが、認知症についてよくわかっているメンバーたちと一緒に旅行に行くと、見守りの目がたくさんあるので、助かります。
また、こうした機会があれば参加したいと思います。


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コメント

No title

お疲れ様でした。
楽しまれて良かったです。
ご本人のHさんにはびっくり、適切なサポートをされていました。
現地でのOTさん達(8人)には大変お世話になりましたね。最初は全く予定していなかったのですが顧問の肥留間先生の声かけで集まっていただきました。以前の旅行の時もサポートと宴会の盛り上げに頑張ってくれました。
金目鯛は美味しかったですね。久しぶりに食べました。
料理も値段の割には良かったと思います。
ぜひ、また企画したいですね。今回は私が企画した3案の中の一つでした。

No title

こんばんは
凄いですね!!
御両親の病後の介護の御心配をなさっていると思っていたら何ともう旅行ですか?お母様は落ち着かれたのでしょうか?
御主人は発病なさってから10年ぐらいになったのでしょうか?
車椅子ながら旅行も行かれるのですものね。アワキビ様の日ごろの介護の効果でしょうか?
我が家は診断が確定してから5年弱ですがもう立ち上がる事も出来ず排泄はここ2,3ヶ月ですっかりオムツ生活になってしまいました。
私の力では車椅子に乗せる事も出来ず乗っても姿勢を安定させていられません。
アワキビ様の介護を目指していましたが夫はその先を行って御主人の病状を追い越してしまったようです。
今やっぱり施設を考えなくてはならないのかと又思っています。
何時までも現状維持が続きますようお祈りしています。

アルバの会さん

こんばんは。
今回の旅行は、アルバの会さんの企画案のひとつでしたか。
世話人の皆様にはいろいろご配慮いただき、ありがとうございました。
OTさんたちの若いパワーがまぶしく、元気をもらえました。
3歳のダウン症のお子さん連れのOTのお母さんがいらしたのも良かったですね。お子さんとHさんとのコミュニケーションも微笑ましく・・・
Hさんからは、いろいろ学ぶところが多いです。

mjijiさん

こんばんは。

お陰様で、母は順調に回復しています。「要支援1」の決定のとおり、いわゆる介護が必要な状態ではありません。ただ、まだムリはできず、特に右腕にはしびれが残っていて、入浴もお嫁さんにシャワー浴を手伝ってもらっています。
父は、ショートステイのロングステイを継続しています。今月中に、2泊自宅へ戻ります。私も実家へ両親と泊まって、父が自宅へ戻って生活ができるかどうかを試行することになっています。

夫は診断されてから10年経過しています。
でも、あきらかに認知症らしくなってきたのは(自分の家や私のことが分からなくなってきたのは)、4年ぐらい前からで、時を同じくして歩行障害も出てきました。今も認知症はゆっくりと、でも、確実に進行しています。

ところえ、一口に「認知症」と言っても、認知症を起こす病気はいろいろありますし、同じ診断名がつけられていても、果たしてその診断が正しいかどうかは、病理解剖をしてみるまでは確定できないといいます。
また、同じ診断名だったとしても、脳の損傷部位や程度、また他の病気の合併具合などが個人個人違いますから、年数だけで単純な比較はできません。
ご主人の症状が急激に進んでいくので、心も身体もついていけないとおっしゃることお察し致します。

mjijiさん、今まで在宅で十分に頑張ってきましたから、ご自宅の近くの施設に入所できたら、頻繁に見舞ってあげられると思います。
そのようにしている介護仲間はふつうに多いです。
どなたかがおっしゃたように、施設に入所してからも介護は続きますし、mjijiさんが身体を壊してしまうことがありませんように。

お帰りなさ~い!

楽しかったことが、とっても好く伝わって来ました(^-^)。

美味しいものを、口にしますと人に優しくなれます(汗)。

プロって、素晴しいと感激しますよねえ?
数々の裏打ちされた経験・基礎を身に着けた技能etc.。
どれだけ、励ましていただいたことか、しれません。

アワキビさんの、よりリラックスされた文章からも、このご旅行が、内容の濃い(?)ものだったのねと。

楽しみの、お裾分けもありがとうございます。

ムクロジ[無患子)さん

こんばんは。

夫と二人で旅行をすることはよくあるけれども、それは団体旅行のペースについていけないから・・・という面もあるのです。元気な人たちのペースで、あちこち観光したりは無理ですし、すんなりと周りの人たちに合わせて動くということができないので・・・
^でも、家族会のメンバーは、みんな認知症の家族を持っていたり、認知症に関わる人たちなので、理解してもらえるし、手伝ってもらいやすいです。
日ごろ、二人暮らしで、いろいろなことを自分一人でやることに慣れてはいますが、人手があると、ずいぶん楽だなあと思いました。
二人だけだったら、キ~っとなってしまうようなことも、何人も周りにいると、冷静に余裕をもって対することができるものですねぇ。

インカのめざめとフレッシュにんにく、ありがとうございました!

No title

アワキビさん
おはようございます。
初めてコメントさせていただきます♬

晴天に恵まれての旅行、良かったですね。

アワキビさんのチャレンジ精神のたまものだと思います。

『イカメンチカツの弁当を食べ、その後、夫はサマーオレンジソフトクリームを食べ、私は、揚げパンソフト(温かい揚げパンに冷たいソフトクリームがはさんである)』
なんと魅力的!

このメニューを見て、過去に主人と『無理やりドライブ(主人の運転で)』で立ち寄った数々の道の駅を思い出します。
アサリのフライ(串に刺してある・・こんなもの初めて見た)、クジラの竜田揚げ、紫芋のソフトクリーム、落花生アイス、びわソフト、巨大なベーコンサンドetc.

大変な時こそ美味しく食べられる、と今実感しています。
今は主人と出かけることもなくなりました。

Yさん

こんにちは~! 初コメありがとうございます。

そうでした。私たちが立ち寄ったところも「ドライブイン」ではなく、「道の駅」でした。私たちは車が運転できないので、「道の駅」に行く機会というのは、このように皆さんと一緒の旅行でないと、なかなか。
Yさんとご主人は、初めの頃はご主人の運転で、後からはYさんの運転で、あちこちドライブされましたね。「道の駅」って、地元の産物を使った珍しい食べ物がいろいろあって、その土地ならではのおもしろさがあります。

「大変な時こそ美味しく食べられる」

Yさんの経験された大変さに比べれば、私が「大変だ~」と言うのはおこがましいことですが、大変な中でもいろいろチャレンジできるのは幸せなことなのだ、と心して日々を過ごしていきたいと思います。

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Author:アワキビ
夫と2人暮らし。
子どもはいません。
2人と猫2匹の家族です。

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