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家族思い

今日は夫の外出に車椅子を押して同行。
と言っても、夫本人は、何のためにどこへ行くのかなんて、すぐに忘れてしまうけど。
用向き先は、夫の実家の近くだ。
「時間があったら、○○の家に寄ろうね。」と夫に言うと、夫は、
「じゃあ、今日は、二人で、お父さんとお母さんに会えるね!」と・・・
どうやら、夫は自分が20代の独身だと思っていて、恋人である私を、夫の両親に紹介してくれる・・・ということらしい(#^.^#)

夫の幼なじみのバールフレンドガールフレンド二人と待ち合わせて、四人でランチ。
席に着くと、夫はわざわざ立ち上がって(目の前には二人しかいないのに)、
「今日は久しぶりにお目にかかれて、お元気なご様子で、とても嬉しく思います・」
と丁寧にご挨拶(もちろん手話で)。
でも、その後は、女三人のかしましいおしゃべり(もちろん手話)に、夫はほとんど口(手)を出さずに、黙々と食べ続ける。
話の内容は、夫のよく知っている友人・知人の話ばかりだけれども、記憶が数秒しか続かないので、以前のように適当に話を合わすことも難しくなっているのだ。

ランチの後、用事を適当に切り上げて、夫の実家(今は末妹が住んでいる)へ電話をする。
約束はしていなかったけれども、夫の末妹が一人で在宅していたので、ちょっと顔を出すことに。
お仏壇に手を合わせた夫は、私にこっそり言った。
「なんか、うちの仏壇に似ているみたい。」
「そうだよ。これは○○の家の仏壇じゃない。お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんの仏壇ですよ!」
「えっ? そうなの。」
末妹は私たちがこういう会話をしていたことは知らなかったが、仏壇の中に飾っていた夫の母の写真を取り出して夫に見せてくれた。ついでに、祖父母の写真も。(なぜか父の写真はなし。)
夫は写真を手にとり、「ほんとだ~」。
しばし、末妹と他のきょうだいの消息など雑談。
夫がトイレに行くときに、介助するためについていくと、
「これから○○の家に帰るの?」
「え? ここが○○の家じゃない。▲子(末妹)と今話していたじゃない。」
「あ、そうだったの? え~、そうだったんだ~」
・・・・・
さあ、そろそろお邪魔をしよう。
末妹は別れ際に夫の顔を見ながら、
「お兄さん、しあわせね~。お兄さんが幸せそうで、私も嬉しいわ!」
と言ってくれた(夫のきょうだいたちは誰も手話ができないので、私が通訳)。
末妹と夫、堅く手を握り合って、
「また会いましょう!」と笑顔の夫。

夕方6時過ぎに自宅に到着。
朝からずっと出掛けていたので、疲れているはずなのに、夫は落ち着かず、家の中をあちこち見て歩く。
私が夕ご飯の支度をしている間、三階にあがって、何かがたがたやって、そして、下りてきた夫は、私を見ると、
「あれ? なんだ、居たんだ~?」と言う。
今日はずっと一緒に居たし、わずか数分前まで一緒に居て、その後、上の階に行って戻ってきた時には、私と一緒に居たことを忘れている。
「おかしいなあ? 妹が居たはずなんだけど、いなくなっちゃった。
 家に二人しかいない。
 みんなどうしたんだろう? 帰ってこないなあ・・・」
と、心配そうにベランダの方へ行き、外に目をやる夫。

夫は、両親や祖父母や兄弟姉妹と大家族でにぎにぎしく暮らしていたあの頃に戻っているのだ。
家に二人しかいない」と夫が言った時、きっと私のことは妹の一人と思っているのだろう。
「みんなまだ帰って来ていない」と心配そうに言うのは、おそらくは戦争中の記憶なのだろう。
戦況が悪化して東京にも空襲が始まった頃は、その日、外出した家族たちが無事に帰って来られるかを、いつもいつも、こんなふうに心配していたんだろうなあ。

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無理矢理では、うまく行きません

小規模デイを利用した後、陽気も良いので、帰りは車ではなくて、徒歩で帰りたいと思った。
夫を迎えに行って、「帰りましょう」と言うと、なんか「まだ帰らない」とか言っていた。
「帰らない」だなんて、アホなこと言ってないで、さっさと帰りましょう!
送りの車を断って、「歩いて帰ります」と宣言し、夫の手を引いて出た。
夫は、施設の前に止めてある車を見て、「ボクはこの車に乗るから」と言ったが、「何言ってるの? 足は何のためにあるの? 家までは近い(私の足で10分、夫だと30~40分)んだから、歩きましょう!」と言って、夫にウォーキングポールを両手に持たせて歩き出した。
けれども、今日の夫は全然歩いてくれない。ウォーキングポールも手に持ってぶらぶらさせて、地面を突いて歩かない。
少し歩いては立ち止まって、抵抗する。
夫が言うことには「まだ、あそこ(小規模デイ)で仕事が残っていて、やらなくちゃならないから戻る。」と。
夫は小規模デイで今日何かをやっていたわけではない。
今日は私と一緒に病院に行って、その帰りに昼食を食べて、私が薬局で薬をもらっている間、小規模で待っていただけなのだが・・・
そして、夫は、歩いている途中にあった別の法人の老健施設の中に入っていこうとする。
そこは曜日によっては喫茶店が設けられる時があり、夫と私もたまに利用することもあるが、あいにく店休日だったし、そういう日には施設は公開されていないから、老健に入ろうとする夫を押しとどめて、自宅への道を進もうとした。
ところが、夫は嫌がり、ムリに夫の手を持って歩こうとしたら、電柱に取りすがって、行くまいと抵抗する。
「じゃあ、もうここに置いていくから。私一人で帰る! 好きにしたら!」と私が言い放つと、
「君のことは好きだよ! 君を手放したくないだ!
 だけど、他のみんなとの関係で・・・云々
と必死に訴える夫。
(「ホオ~、そうなんだ」と、ちょっと、嬉しい、私 o(^▽^)o
要は「やらねばならないことがあるから、帰れないのだ」と夫は主張するが・・・
そうかぁ~? ただ、歩くのが嫌なだけなんじゃないかぁ?
どこかに腰掛けたいと夫が言うので、とりあえず、植え込みのところに腰をかけさせた。
自宅までの道のりの1/4ほどでこの調子では、とても自宅まで辿り着けそうにない。
仕方がないので、小規模デイに電話をする。
「今、○○老健の前に居るのですが、夫が歩けなくなって立ち往生しています。
 すみませんが、車で迎えに来ていただけますか」と助けを求める。
ほどなくして、小規模の車が私たちを拾いに来てくれた。
小規模多機能は、いつもこのように柔軟に対応してくれるので、とてもありがたい。
夫は、疲れていたのか、素直に車に乗り込んでくれた。
車に乗ってからも、夫は「あっちだ、こっちだ」と自宅とは逆方向を指さして、そちらに行くようにスタッフに指示している。
スタッフが「いやいや、こっちにいきますよ~」。
5分ほどで自宅前に到着。
しかし、夫は自宅だと認識したのか、していなかったのか、いつもは自宅に着くとすぐに車から降りるのに、今日はしばし車から降りない。
が、それほど強い抵抗は示さず、なんとか車から降りてくれて、車を運転してくれたスタッフに「ありがとう。また、会いましょうね。」とご挨拶。
自宅内に入ってからは、今度は「強盗が来るかもしれない。怖いよ~」とか「強盗が来てお金を盗まれた」と被害妄想を訴える。
う~ん、もしかしたら、体調が悪いのか? 
以前も恐怖発作(妄想)が起きたときは、体調悪化の前兆だったけれども・・・
夫の手や足を触ると熱い感じがする。
念のため熱を測るが平熱の範囲。
でも、陽気が熱い割に、汗をうまくかけていなくて、熱がこもっていて、脱水もあるかも?
水分を補給して、被害妄想の訴えを丁寧に聞いて、「大丈夫だよ~。平和だよ~」と我慢強く伝える。
そうしているうちに、だんだんと落ち着きを取り戻した。
夕食の準備の際に、
「疲れているところスミマセンが、料理を手伝ってもらえますかぁ?」と夫に訊くと、夫はちょっと嬉しそうに「手伝うよ~」と、切ったり、炒めたりをやってくれた。
夫にできることは、ほんとうにわずかなことしかないけれども、夫にできるような仕事を探して、やってもらう。
そのほんのちょっとのことは、夫にとっては結構大変な作業で、なにか「やった」感があるのだと思う。
こうした作業に手を動かしているうちに、妄想にとらわれてとんがっていた夫の口が、だんだんゆるんで、笑顔が出てくる。

こうして今日も
 「私たち、しあわせだねぇ」
と言いつつ、一日が終わった。

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急激な環境の変化に弱い

五月晴れが続き、外出にはもってこいの陽気・・・のはず。
午前中から昼食までを小規模で過ごした夫を迎えに行き(私は午前中体操教室参加)、今日も夫を歩かせて帰宅することにトライ。
今日は○○老健の喫茶コーナーが営業している日だったので、途中、そこで珈琲タイム(私は昼食にカレー)。
そこで夫が痰のからんだ咳を何度もすることに気づいた。
あれ? どうしたんだろう? 風邪という感じではないけれども?
小一時間のんびりしてから、再び、自宅への道を歩く。
夫の歩みは相変わらず亀のようだ。
だいぶ暑くなってきているので、外を歩くのにはぎりぎりの陽気と思った。
なんとか自宅に辿りついた。
休憩時間を除けば、歩いている時間は30~40分弱ぐらいだと思う。

小規模を出る前にお茶を飲み、休憩時に水と珈琲を飲み、歩かせたが、
帰宅してから夫の手を触ると、かなり熱い感じがする。
私は汗をかいているのに、夫の皮膚はさらっとしていて汗をかいていない。
汗をかかないので、体温があがっているのではないか?
冷蔵庫から冷やした豆乳を飲ませ、さらに、トマトジュースも飲むというので飲ませた。
体温を計ってみたが、35.8度。正しく計れているかわからないが、平熱の範囲のようだ。
その後も、注意して、水やら珈琲やらお茶やら、こまめに飲ますが、暑さのためぐったりしている。
室温は30度で蒸し暑い。
ちょっと意識障害を起こしているみたいだ。
なぜそう思うかというと、水分を摂らせているせいか、いつにも増してトイレに頻繁に行く。
そのとき、リハパンを下ろしている最中におしっこがジャーと出てしまっているのだ。
こういうときは、ほとんど意識がもうろうとしている時、頭が半分寝ている状態になっている。
急に気温が上がり、体温調節がうまくできないことが原因のひとつではないかと思う。

さらに、もう一つ困ったことが。
部屋が蒸し暑くなるので、窓を開けて、風を入れたい。
まだエアコンを入れるほどではないと思うのだ。
ところが、窓を開けると、夫がゴホゴホ咳をする。
もしかしたら、黄砂が飛んできていて、影響しているのではないか?
夫は長年の喫煙習慣によって、COPDという呼吸器疾患がある。
現在、抗菌薬のクラリス錠200mgを朝1錠(長期投与)とフルティフォームというステロイド吸入薬を朝晩2回ずつ吸入して呼吸器の管理をしている。
こういう状態の呼吸器なので、健康な呼吸器の人と比べて、感受性が強いのだと思う。
花粉が飛べば痰も増え、息が上がるとニャーニャーと喉の奥が鳴る。
(一般的にはヒューヒュー喉が鳴ると表されるけど、夫のはニャーニャーに近い。)

猫ですか? 

そして今日、痰がからんだ咳の量が急に増えて、何度痰を吐いても、またすぐからんでくる。
これは黄砂や、もしかしたらPM2.5とかも飛んで来ていて、夫の呼吸器が敏感に反応しているのではないか?
これから数日間は外出せずに、家の中で窓を開けずにこもっていたほうがよさそうだ。
そんなわけで、室温があがっていても、窓が開けられない。
蒸し暑いよ~!

一昨日まで、夜はこたつを入れて足を温めていたのに、
もう冷房が必要?
認知症の人は、急激な環境の変化というストレスに弱い。
夫の体調コントロール、なかなか大変です。


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要介護認定の更新

要介護認定の更新の審査結果が送られてきた。
どれどれ・・・

 ガ~ン! Σ(´Д`*)  要介護3

たぶん要介護2のままで行けるだろうと思っていたので、ちょっとショック。
身体的な機能は、リハビリの成果で、昨年や一昨年よりも向上していると思っていたから。
でも、妄想に陥っている時間が長くなってきてはいるし、トイレも必ず一緒に付いていないときちんと始末ができないし・・・
いや、介護度自体に不満ということはないのだけれども、なにせ利用料のアップにつながるのでね~。
今までと変わらないサービスの利用をしているのに、明日から料金だけがアップになってしまうって、つい思ってしまうんですよね。
小規模多機能デイの利用は、週1~2回、2時間~長くて4時間、本当に必要な時間だけしか利用していないので、それほど大変な手のかかるような介護をやってもらっているという実感がないからということもある(本当に一番大変なところは私がやっているので)。
でも、予定外の緊急利用や、車の送迎など柔軟に対応してもらっているメリットはすごく大きい。
「一番大変なところは私がやっている」と言っても、それは小規模多機能という後ろ盾があって、はじめて成り立っているんじゃないか? 自分一人で夫の介護ができているなんて思うのはお門違いだ。
私に何かあったら、小規模多機能に全面的にめんどうを見てもらわなければならないのだから・・・

それに実際、要介護2では、介護保険の点数が足りず、一部自己負担になっていたわけだし。
要介護2で介護保険で利用しているサービス
 ・小規模多機能居宅介護
 ・訪問診療
 ・訪問リハビリ
 ・車椅子のレンタル
訪問リハビリは、介護用ベッドを返却して点数が浮いたので、利用できるようになった。しかし、5週ある月は点数オーバーになってしまうので、1週を休みにして調整していた。
現在は介護用ベッドがなくても、布団で寝起きができているが、高熱を出したりして体調が悪化すると、途端に起き上がれなくなるので、綱渡り状態とも言える。
車椅子は、昨年バス車内で車椅子が転倒してから、転倒しにくい後輪が大きなタイプに変更したら、介護保険点数を若干オーバーしてしまい、オーバーした部分だけ自費になっている。

そういう現状を考えると要介護3は相当なのだろう。

6月に入ったら、サービス担当者会議が行われる予定。
サービスメニューを変更して欲しいとか、特にそういう希望は持っていないけれども、何か変わるのかな?

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『八重子のハミング』

夫がアルツハイマーだと診断されたのは2005年の冬。
その頃はまだ認知症/介護ブログのようなものは一般的でなかったから、とにかく情報を得たくて、たくさんの本を読みあさった。
先達の体験談は特に貴重なものだった。
その中に『八重子のハミング』もあった。
教員夫婦が、夫が癌になり初めての手術・入院した頃から、妻の異変に気づくところから始まる。
夫は癌が再発し計4回だか5回だかの手術をしながらも生還し(現在もお元気で、この映画作りにも原作者として関わっていらっしゃる)、若年性アルツハイマーになった妻を12年にわたって介護した記録をドラマ化したものだ。
現在、東京で上映され、順次全国で上映される。

「明日は二人でデートしようね。新宿で映画を見ようね。」
と前の晩に夫に言っておいた。
そして朝起きてから、ネットで座席を予約購入。
なぜって、朝起きたら、体調が悪くて起きられない・・・
ということが多いから。前々から予定を立てておくことが難しい。
だから、いつもぎりぎりまで夫の体調を見極めてから行動する。

玄関に出て、車椅子を出して、夫に靴を履かせて・・・
はっ! (*゚Q゚*) しまった! 
 この映画は邦画だった~! 日本語字幕がついてないよ~ ( ノД`)
夫は耳が聞こえない。だから、邦画を見る時は、いつも日本語字幕上映のあるわずか数日に合わせて見に行くようにしているのだけど、最近、洋画鑑賞が続いたせいか、うっかりしていた。

「ごめ~ん、ごめんね。今日の映画は日本の映画なの。でね、字幕がついていないの。」
と夫に謝る。
夫は「いいよ、いいよ」と言ってくれるけど、結局は無理矢理つきあわせている私。
さて、新宿武蔵野館に着いた。
新宿武蔵野館には、夫と一緒に『千と千尋の神隠し』の字幕上映を見に行ったのが最後だ。
最近、建て替えられて新しくなっている。
車椅子席や車椅子用トイレもあって利用しやすくなっている。


映画の中の八重子の姿に夫の姿が重なる。
比較的初期の頃の八重子が、指を折って動かしている場面が何度かあった。
夫もよく指を折ってなにやら動かしていることがある。
一見手話をしているかのように見えるが、手話の手の動きとは別のものだ。
いつも何だろう?と思っていたが、耳の聞こえるアルツハイマーの人たちもやるのかも?
それから、八重子の歩き方。
夫に支えられてトイレまで歩いていく姿。
外で一緒に手をつないで歩いている姿。
歩みに意思が感じられないというか、身体にひっぱられて、足がよろよろとしかたなくついていくような感じの歩き方。
まだ介護保険がスタートする前だから、車椅子のレンタルとかも身近じゃなかったのかもしれないが、かなり歩けない感じになってからも最後まで車椅子を使わず歩かせていた。
歩かなければ歩けなくなってしまうから、そういう意味では良いけれども、介護保険が使える現在では、車椅子もどんどん利用して、気軽に外へ連れ出していくこともまた大切だと思う。

見ている最中、思わず、涙があふれてきて、嗚咽をぐっとこらえなければならない場面もあり。
周りからも、鼻水をすする音が・・・男性が鼻水をすすっている音が多いように聞こえたのは、きのせいだろうか? 
平日の午前中上映だったので、見渡したところ観客はほとんどシニア層。
現在どなたかを介護しているのだろうか。

夫が八重子を献身的に支え、介護の中心を担っているけれども、認知症が進んでからは、娘夫婦と同居し、孫も居る。実は夫の実母までも同居しているという大家族。
私は夫と二人きりの家族。
支え合える家族がたくさん居るっていいなあ、とうらやましく思った。
また、夫の同級生たちが集うカフェが、この夫婦の日常を支えていて、さながら現在のデイサービスか、認知症カフェかと言ったところ。
また、かつての教え子が介護を支えようとしてくれたり・・

映画の中の言葉。
「アルツハイマーの一番の薬は「やさしさ」です。」

字幕がないから、夫にはなんだかさっぱりわからなかったろう。
いや、字幕があっても、記憶障害重度だからストーリーを追うことはできなかったと思うが。
上映中は真っ暗だから、手話で簡単に解説してやることもできない。
夫は途中、目をつぶって寝ていた時もあったけれども、2時間近くのほとんどを起きていて、黙ってスクリーンを見つめていた。私はずっと夫の手を握っていた。
映画が終わった後、夫はスクリーンに向かって合掌していたよ。(´・_・`)
「どうだった?」と夫に訊くと、
「よかったよ~」と、いつも私への配慮満点、やさしさいっぱいの夫。

ところで、新宿武蔵野館で映画を観たら、是非地下1階の「茶BAR」へ寄ってみてください。

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ここのマフィンは、私たち夫婦が最近よく行くカフェレストラン(知的障害者の就労継続B型事業所)の皆さんが焼いたものを出しています。
おかず型の甘くないマフィンで、ちょっと温めて食べます。
1個230円です。是非食べてみてくださいね。

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マイノリティの困難さ

映画『八重子のハミング』を観た後、初めて入るレストランにて昼食。
ビーガン(完全菜食主義)のレストランで、夫は玄米のハヤシライス↓


私は玄米のスープランチ↓

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「いや~久しぶりに会えて、こうして二人で食事ができて嬉しいよ。
 いつもいろいろな集まりにもさ、キミが来ていなかったからさぁ、どうしているかなあって思ってたんだ。他にボクとつきあいたいっていう申し込みが結構あったんだけど、断ったんだ。
 やっぱりキミとはぴったりだ。嬉しいよ。」

ずっ~と、ほぼ24時間一緒に居るんだけど、あらためてレストランで向き合ったりすると、状況がわからない。目の前に居る私がどういう関係の人なのかもわからない。
ただ、親しい人らしい、一緒に居て心地よいなあ・・・ていう感じかな。

「ここのお店に来るの、久しぶりだけど、昔から変わらないなあ。
 以前よく来たんだ。なかなかいいお店だよね。」

昔って、いつよ? せいぜい20代とか30代ぐらいでしょ?
その頃はビーガンレストランなんてものは、なかったと思うよ。
食事が進んで行き、終わる頃に、夫は自分の鞄をがさごそしている。
支払いを心配して財布を探しているようだ。

「あのね、さっき、○○からお金を渡してもらったでしょ?
 それで支払いをするから大丈夫だよ。心配しないでね。」

「そうだったけ? よかった。お金が足りないんじゃないかと思って心配した。」

二人の生活費は夫の年金でまかなっているから本当のことだよ。
私は無収入だもの。

「ねぇ、八重子さん」

ブ~! 私は「八重子さん」ではありませ~ん (#^ω^)ビキビキ
『八重子のハミング』という映画を観た後だから、「八重子」という名前が記憶障害の脳にも残っていたのか?
はたまた、幼なじみのガールフレンドである「八重子さん」の名前が出てきたのか?
ま、両方が混ざっているんだろうな。
最近の夫にとって、名前の固有名詞に深い意味はないと考えるべきだと思うから、気にしないことにしている。
でも、小学生からの幼なじみの友人たちの名前は、まだ、フルネームで言えるし、書けるんだよね。
私の名前の方はさっぱり (*´~`*) 
1ヶ月に一度ぐらい、まれに名前を呼んでくれる時があるかな?

夫がアルツハイマーと診断されて以降、これまでの十数年間、私は夫の外出に、ほぼ100%同行してきた。
誰かとアポをとること、約束の日時・場所にちゃんと行くこと、ちゃんと帰ってくること、そういう基本的なことができなくなっていたから。
もちろん友人たちとの会話の内容を記憶することが全くできなくなっていたから、私が話の内容を覚えて、夫の外付け記憶装置のような役割をした。
毎回いつもいつも必ず一緒に行くので、私は夫の友人たちと親しくなり、その人間関係内でのエピソードや消息にもかなり詳しくなった。夫の友人たちと会話をする上での基本的な知識として必要なことだったから。「え~、学校違うのに、よくそんなことまで知っているねぇ」と驚かれた。
そんなふうにして、夫が友人たちの輪の中に入って、会話に加われるように、サポートしてきた。

けれども、そのような方法にも限界が来ている。
ここ数年は、もっぱら私と夫の友人たちが会話をし、夫は黙っている。
夫は妻である私との会話ですら、ほとんど妄想の世界一色と言ってもよい状態だから。
記憶障害が重度になり、過去の記憶をもとに、自分で記憶をつくりあげて、会話をするしかないんだよね。でたらめ話をしているとか、作話だということになっちゃう。
こうなってくると、友人・知人と会話をさせるというのも、躊躇を覚える。
みんな戸惑うだろうし、妄想中の夫とどうやって話を合わせたらよいものか?
妻の私にでさえ、妄想中の夫と会話を続けていくことは、至難の業なのだから。
現実の具体的な話がいっさいなく、妄想ばかりを話す人を、話し相手とするのは、おもしろくないだろうしね。

でもね、夫は、やはりデフ・コミュニティ(手話を母語or第一言語とする人たちのコミュニティ)の中の人間だから、認知症になっても手話で自由に話せる仲間たちの中に居させてやりたい、居させてやるべきだと思う。
言語的少数者が認知症になった時の困難さというものがある。

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歯を抜くなんて、ムリ~!ヽ(*゚ロ゚)ノ だって

ご飯の後は、夫がトイレを済ませてから、歯磨きです。

洗面所に行き、
立位のままだと不安定なので、椅子に座らせます。
歯磨きケープを掛けます。
「歯磨きをしますよ~。
 入れ歯を出してね(手話では、入れ歯を外す仕草をする)」
と、夫は泣きそうな顔になって、イヤイヤをします。
もう一度、夫に歯ブラシを見せながら、
「歯磨きをするから、入れ歯を外してくださいね。」と言うと、
夫は、
こわ~い、歯を抜くなんてムリ~!」と。

夫の記憶は昔に戻っているので、ちゃんと自分の歯が生えているつもりなんですね。
あんまり、やりたくはないけれども、ここで押し問答をしている時間もないし、夫の口の中に手を入れて、下の入れ歯をさっと外します。下の入れ歯はゆるくなっているので、ちょっと手を掛けるとすぐに外れるのです。

「ほらね~」と夫に入れ歯を見せると、夫は「あら? 入れ歯だった?」というような表情になり、私が続いて、「上の入れ歯もとってね」と言うと(上の入れ歯はぴったりとあっているので、私が外すのはちょっと難しい。本人に外してもらうようにしています)、上の入れ歯はすんなりと外してくれます。

食後の入れ歯には、食べかすがびっしりと、歯の周りにも、入れ歯と歯茎の間にもいっぱいです。Σ(´Д`*)
なんでこんなに?と思うぐらい。
 唾液の量が少ないのか、舌の動かし方が悪いのか、たぶん両方だな~。

私が入れ歯の上下を洗っている間に、夫には水(またはお湯)を入れたコップを渡して、自分で口の中をぶくぶくやってもらいます。
「口の中をぶくぶくする」とか「うがいをする」とかいう手話は、その動作をそのままやります。

ところが、最近は「うがいをする」真似をしても、夫は、ははは~と笑うばかりで、ちっとも自分でうがいをしないことがあります。通じていないのです。
その場合は、夫の手からコップを受け取って、私自身が水を口に含んで、夫に私がうがいをしている様子が見やすいようにしゃがんで、ガラガラガラとうがいをして見せながら、水の入ったコップを渡すと、真似して、ガラガラガラとうがいをしてくれます。

そのあと、フルティフォームという吸入ステロイドの吸入が必要です。
口に吸入器をくわえさせてから、ボタンを押すと、シュッと薬が噴霧されるので、そのタイミングで吸い込むのですが、これが難しいんです。
シュッと薬が出た瞬間、夫は、ふっと息を吐いてしまい、ふわ~と薬が外へ出てきてしまいます。
「吐くんじゃなくて、吸うの。そう、吸うの。」
2回吸入します。これを朝晩2回です。
こうしていても、息が上がったときに、ニャーニャーと少し音がするのは、ちゃんとステロイドが効いていないのかもしれません。それでも、完全に吸い込むことはできてはいなくても、いくらかは入っているかな?という程度で妥協しています。

ステロイドを吸った後は、必ず、口の中をぶくぶく、がらがら、うがいをしなければなりません。
そのままにしておくと、カンジタなどのカビが生えてしまうそうです(怖いですね)。
なので、再度、コップに水を渡して、ぶくぶくとがらがらうがいをさせます。
さらに、オーラルピースという食べても大丈夫な練り歯磨きを歯ブラシにつけて、夫に口を開けさせ、舌の上を掃除します(ま、撫でるという感じですが)。
その後、その歯ブラシを夫に渡して、自分で口の中をブラシで好きなようにこすってもらいます。
このオーラスピースの練り歯磨きで舌を掃除し続けていると、舌苔がなくなりました。
クラリス200という錠剤を毎朝1錠飲んでいるのですが、これでも舌苔が減りましたが、しばらくするとまた舌苔が少し戻ってきていました。それがオーラルピースを使って舌を掃除していると舌苔がきれいになります。
 なお、オーラルピースでなくても、蜂蜜を舌に塗っても、舌苔をなくす効果はあると思いますが、歯磨きの後に、毎回甘い蜂蜜が口に残るのは、ちょっとね。それに、1歳未満の腸内細菌が発達していない乳児に蜂蜜を与えるのはボツリヌス菌の萌芽があるかもしれず危険だということだけれども、身体の弱った人にも同じことがないとは言えないんじゃないか? どうかな? でも、喉が痛くて風邪を引きそうなときに、使ってますが・・・

最後に、もう一度、水でぶくぶく、がらがらうがいをさせてから、きれいに洗った入れ歯を入れます。
以前のブログにも書きましたが、夫は入れ歯を2組持っていて、毎日交互に使っています。
強くかんだときに入れ歯が割れてしまったことがあり、入れ歯がないと食事にも困るし、見た目もフガフガしてしまいます。入れ歯を作り直すには最低でも1週間ぐらいかかるでしょう? だから常にスペアを持っていたいのです。
そして、入れ歯は使っていないと口にあわなくなってしまうので、2組の入れ歯を毎日交互に使うようにしているのです。
休ませている入れ歯はよく洗って、専用の洗浄剤につけ置いています。
夜間は、入れ歯を外して歯茎を休ませたほうが良いらしいですが、夫は睡眠時無呼吸症候群のため呼吸器のマスクをつけて寝るのですが、入れ歯がないと、頬がこけてしまって、マスクの隙間が大きくなってしまうため、空気圧がうまくかからず、漏れてしまうのです。
だから、寝ている間もずっと入れ歯をしています。その点でも、異なる入れ歯を交互に使っていると、入れ歯の歯茎にあたる癖がそれぞれ違うので、歯茎の同じところにずっと同じ刺激がかからないという点でもよいのではないかと思っています。

何も問題がなくても、3ヶ月に一度歯医者さんに言って、口腔内のチェックと、入れ歯の清掃・点検をしてもらっています。

IMG_0108.jpg 

 ↑これ名前がわかりませんが、とても小さな花です。
  いわゆる雑草なんでしょうが、群生して咲いていると清楚でとても綺麗です。
  うちにはないのですが、薄い紫色の種類もあるようです。
  手前の大きな葉っぱはオダマキの葉です。

IMG_0110.jpg

 君子蘭。昔、住んでいたアパートの近くにあった本屋さん。
 夫が常連でした。そこの店番をしていた方(夫は「そのおばあさんが」と言います)が、夫の手を引いて、その本屋のビルの屋上の庭に連れて行き、一所懸命、君子蘭を掘り出してくれて、夫にくれました。その君子蘭が増えて、今も咲いています。

IMG_0143.jpg

ヒメシャラ(ナツツバキ)の花が咲きました。
これはベランダの上から摂った写真。
ヒメシャラの花って、小さくて、下から見上げてもよく見えないんです。
地面に白い花が落ちているのを見て、初めて、咲いていることに気づきました。

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汚パンツ、何とかしてください

夫は月に1回、地域カフェの書道教室に参加している。
毎回、先生が書いてくださったお手本の中から好きな文字を選んで書く。
でも、最近は、お手本の文字が難しく(画数の多い漢字は集中力がなくて書くのが困難)、一番やさしそうな文字のお手本を選ぶようにしている。
今回は平仮名のみのお手本を選んだ。

 「 げひ
   しな 」

じゃ、書いてみて~
・・・平仮名なので、漢字の時と違って、さらさらっと書いてくれた。
が・・・あぁ! 何書いているの? なんじゃこりゃ~???

  

 ((∩^Д^∩)) 他のみんなにも大いにウケました。
 本人は冗談のつもりではなくて、まじめに「ひげなし」と思っていたようです。
 (「ひなげし」という花の名前を夫は知らないみたいです。)

 仕方がないので、文字を書くときに、一文字ずつ指を差して、書かせました。
 お手本は、半紙に2文字ずつ縦に入っていたのですが、夫は最初の「ひな」の文字が大きく書きすぎてしまい、左側に文字が入らなくなってしまいました。
 どうするのかな~?と見ていたら、下に文字のサイズを小さくして入れていました。
 これはこれで味があるような・・・私にはちょっと書けない味わいですわ。

  IMG_0144.jpg 

 左側に名前を入れるのですが、最近、名前を正しく書けません。
 平仮名で下の名前だけを入れるのでも、なぜか、間違えます。
 文字を間違えて書くこともありますが、他の名前を書いたり、意味不明のことを書いたり・・・・
 午後の時間は、意識レベルが少々低下しており、集中力もかなり落ちているせいもあると思います。

 さて、今日は、私が古文書入門講座に参加している間、夫には小規模多機能デイに行ってもらいました。
 デイに着いた時、フロアに夫が居ませんでした。
 トイレかな?
 探してみると、夫はドアの開いたトイレに居ました。
 どうやらトイレの電灯をどうやって消したらよいか、スイッチを探しているようでした。
 デイのトイレの電灯は自動になっています。
 それより、どうして夫は一人でトイレに入っていたのか?と。
 トイレには必ず一緒について行って、確認して欲しいとお願いしてあるのに・・・
 その後、すぐに夫と一緒に車で自宅まで送ってもらいました。
 自宅に着いて、夫の後ろから階段を上っている時、クンクンクン。
 どうもちょっと臭いますよ。
 ちょっと、ちょっと、ちょっと、おトイレに入ってくださ~い。
 あぁ、やっぱり・・・( ノД`)
 リハパンはぐっしょり重くなっていて(出てから時間が経っている感じ)、 も少しついています。
 一応、お通じの後、自分で拭いたようだけど、きれいに拭ききれていなかったんでしょう。
 この状態のリハパンで脱いだり履いたりしたせいなのか、ズボン下や太ももにまで少し  がついてしまっています。
 数時間、この汚パンツのままでいたのかと思うと悲しくなります。

 自ら、不快だとか、替えて欲しいとか訴えることができないから、トイレの時には必ず一緒について行って、確認して欲しい・介助して欲しいと何度も言ってあるのに、どうして?

 夫の場合、一人でトイレには行くので、たぶん、そのままやらせているのだと思います。
 でも、トイレまでの距離が、自宅よりもデイのほうが長くて、歩いているうちに間に合わなくなるとか、上手にズボンやリハパンをおろすことができないとか、お通じのあと、きちんときれいに拭けないとか・・・だから介助が必要なのです。それなのに~。

 6月からは要介護3になって、小規模多機能の利用料金も要介護2の時よりも月額約7000円アップになる。小規模の利用時間は週に7~8時間だけのことなのだから、おしりはいつもきれいな状態にしていて欲しいのです。
 
 「一人でトイレに行ける」というところが難しいのかと思います。
 「一人でトイレに行けるよ」と本人が言っているのに、
 「いや、いや、ちょっと」と遮って、
 一緒にトイレに押し入り、
 パンツを下ろして、
 パンツの中身を確認して・・・
 なんていうのは、私は妻だから平気でやってしまうけれども、他人だったら、なかなか難しいだろうなあと思います。
 そうは言っても、この「汚パンツ」は耐えがたい。

 どうなんでしょう?
 よそではどうやっているのでしょう?

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「ボク、みじめになってしまった」

家事も一段落して、昼食も食べ終えた午後。
さて、古文書講座の課題にでも取り組もうかな。
江戸時代、高知から漁に出て遭難し、無人島の「鳥島」(あのアホウドリのいる島)に漂着。そこで数年アホウドリを(生のまま)食べて生き延びていたところ、その数年後に、漂着してきた舟の乗員たちと様々に工夫して無人島生活を営み(最終的に生き延びたのは18人)、最後には自分たちで舟を造って、八丈島にたどり着き・・・無事に故郷へ戻ってきた人たちに対する「取り調べ書」を読む。
すごくおもしろそうな内容なのだ。
でも、古文書のかなはだいぶ読めるようになったけれども、漢字のほうはさっぱり。
古文書事典をひきひき、気が遠くなりそう~

そんなふうに私が本やパソコンなどに集中して取り組んでいると、夫が、落ち着かなくなり、ウロウロ、ごそごそ始める。
そのうち「今から、家に帰るから。」と言い出す。
「お父さん、お母さんが居る、生まれた家に帰るから。」
そうなのだ。夫は一人で時間を過ごすことができないのだ。
一人でテレビを見るとかも全然できない。(テレビと現実の区別がつかないし。)
だから、私が何かに集中してしまうと、夫は一人で何をどうしていいのかわからない。
自分の居場所がない・・・と感じて、「家に帰ろう」とする。

「ここがあなたの家じゃない。
 お父さん、お母さんって、もうずっ~と前に亡くなっているじゃない。
 もう、お父さんとお母さんと暮らした家はないんだよ。」
と、つい言ってしまう。
夫は困惑した表情だ。
「あのね、私は、今、本を読みたいの。勉強をしたいの。勉強させてくださいよ!
 私が勉強している間、○○はここで座って、新聞を読むとかしててよ。」
夫は、「ごめん。うん、わかった。」といったん座ってはみるが、すぐに立ち上がって、落ち着かずそわそわ帽子を被ったり、私の携帯電話を見たり・・
「これは私のケータイだから、触らないでよ!」
「いや、なんか、ボクの妻のケータイと似ているなあって思って」
「だから、私があなたの妻じゃない? これは私のケータイなの。」
「? あなたがボクの妻?」
・・・等と、私がかなり厳しい口調で言い続けたのだと思う。
だからだろうか?
その後、トイレに入った夫の介助をしていた時、
「ボク、みじめ(指文字で)だ。みじめになってしまった」
と夫が言う。

えぇ? 夫を、惨めな思いにさせてしまったか~ 。゚(゚´Д`゚)゚。

「ボク、な~んにもできない男になってしまった。
 キミに迷惑をかけてばかり。
 ほんとうにすまないと思っている。」

「ボクは弱くなってしまった。
 キミに頼って生きている。」

目の前を横切ったモカ猫を見て、
「ボクは失格だ。
 ボクより、この猫のほうが上なくらいだ。
 ボクのほうが負けてしまう。」

「これから益々、キミに頼っていかなければならない。
 だから、キミとボクとの間に橋をかけたいと思う。
 これからも、また、よろしくお願いします。」

と言って、私に頭を下げる夫・・・ (´;ω;`)

夫は、自分のおかれている状態・状況をよくわかっているんだ。
でも、自分でもどうにもしようがなくて、うろうろし、そわそわしてしまう。
そして「家に帰る!」と口走ってしまう。
そうなってしまうことを自分でもコントロールすることができないんだ。

寺山修司の「書を捨てよ、町へ出よう」ではないけれども、
「書を捨て、目の前にいる生身の人間に向き合え!」なの・か・も・しれない。
書物よりも、目の前にいる生身の人間からこそ、学ぶべきことがいっぱいあるんじゃないか~

そう思いつつも・・・
やっぱり、書を捨てることもできず、
かと言って、集中して読むこともできず、
細切れに囓っているばかりの宙ぶらりん。

ブログを書くのは、いつも、夫が眠ってからです。

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映画「ペコロスの母に会いに行く」と講演会を観に行く

介護者のつどい東大和主催の映画会&講演会に夫と一緒に参加した。
映画は「ペコロスの母に会いに行く」
 字幕スーパー付き(聴覚障害者向け)と音声ガイド付き(視覚障害者向け)
講演会は「認知症について何を知っておいたらいいだろう」
 講師:繁田雅弘先生(医師)で手話通訳付き
字幕が付いていようが手話通訳が付いていようが、夫がその内容をしっかり理解できるわけではないけれども、少なくとも「その場から自分は排除されてはいない」と感じることはできるから、私も大手を振って夫を連れていくことができる。

「ペコロスの母に会いに行く」は、岡野雄一さんの漫画が原作。
私も「ペコロス」シリーズの2冊を読んでいる。

ペコロスこと岡野雄一さんの母みつえさん。
父親が亡くなった頃から認知症を発症し、進行している。
離婚したペコロスが一人息子を連れて実家に戻り、認知症の母と同居する。
みつえ母は、ペコロスの帰りを、暗い駐車場でずっと待っている。
ペコロスは母親をあやうく轢きそうになる・・・
危ないからこんなところで待っていてはだめだと言っても、
翌日もまた暗い駐車場で息子の帰りを待っている・・・

 ペコロスの母のように、うちの夫も待っている。
 今日も私は買い物に出る。
 30分ぐらいの外出には、小規模多機能デイは利用しない。
 冷蔵庫に貼り付けたホワイトボードに
 「○美は□□へ買い物へ行き、4時半頃に戻ります」
などと書きおいて、出掛ける。
 買い物を終えて、家までの坂を上がってくると、
我が家の前あたりに、夫が出てきて立っているのが見える。
私が帰ってくるのを待っているのだ。
私は遠くから、お~いと手を振る。
 夫の手話名を大きく表して合図する。
でも、夫からはよく見えないらしい。
近づいていくと、ようやく私の姿に気づいたらしい。
 と・・・私の後ろから車が夫の方へ走っていく。
夫は、車が近づいているのに、気づいていないのか、
狭い道の端に寄ることもせず、よろよろ立っているので、心配になる。
 「危ない~!」と手話でやってみたところで役に立たないだろう。
とにかく、車の運転手さんがうまくよけてくれるのを願う。
・・・
無事、車をやり過ごした。
待っていてくれるのは嬉しいが、車に轢かれないか、心配もいっぱい。

「ペコロスの母に会いに行く」では、認知症の家族を持った人なら、誰でも経験するようなエピソードが描かれ、身につまされ、涙もこぼれる。
 
 みつえのもとには、亡くなった夫や妹や友達が訪ねてくる。
 夫のもとにも、亡くなった両親や祖父母、先輩、友達らがよく訪ねてくるんだよ。
 あの世とこの世を行ったり来たりしながら、生きているんだね。
 死んだ人も生きている人もごっちゃになった中で生きているんだね。
 それも決して悪くないよ・・・ということを、この映画は教えてくれる。

♪。゚o。(★・ω・)人(・ω・★)。o゚。♪。゚o。(★・ω・)人(・ω・★)。o゚。♪

講演会の繁田先生のお話は共感することばかりだった。
その中で特に心に残ったことをここに記しておこう。

★認知症になった人に対して、家族は何をしたらよいだろうか?

1.認知症でなかったら”一緒”にやりたかったことは何かな?
   → それを一緒にやろうよ。

2.本人が困る場面はどこかを見極める。
  ・本人が自分からできること
   → 時間がかかっても、手を出さずに、本人にやらせる。
  ・声をかければできること
   → 声をかけてやる
  ・できないこと 
   → 黙って(さりげなく)代わりにやってしまえばよい。
     できないことを無理に訓練させて、
     本人の自信を喪失させないようにする。

3.本人の監視役にならないこと。あくまでも家族なんだからね。

4.”認知症”だからと、あきらめさせないこと!
   →”認知症だから無理だと決めつけずに、
    どうしたらできるかを考える。
    工夫することによって、人の手を借りることによって、
    実現できることはないか?

以上、繁田先生の講演を聴いて、私が理解した内容ということで・・・了解ください。


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Author:アワキビ
夫と2人暮らし。
子どもはいません。
2人と猫2匹の家族です。

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