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ガールフレンドの来訪

幼馴染みのガールフレンド2人が来宅予定の朝6時。
 夫がトイレに起きたので、2回目のトイレ介助。
 いずれもズボンや紙パンツを下ろしている最中におしっこが始まってしまい、紙パッドをしていなかったので、紙パンツを新しく取り換えた。
 こういう時は決まって意識が朦朧としている。
 意識が朦朧としていても、尿意を感じて起きることはでき、けれども、排尿のタイミングをコントロールすることまでは、できないくらいの状態だということだろう。
 夫は、「めまいがする」と言って、再び布団に横になる。

 体調はどう?
 今日はM子さんと、Y子さんが、うちに来る日だよ。


 と言っても、目は開いてはいるが、呆然とした表情で私の言っていることを理解しているふうではない。

 ねえ、今日はM子さんとY子さんが来るんだよ。

 糞(ふん)は捨てたから、×△●&%▼□#・・・

 全然話が通じていません

 脱水状態だとせん妄がひどくなるから、少し水を飲ませる。
 睡眠時無呼吸防止のASV呼吸器のマスクをつけようとしたが、せん妄状態に陥っているため、マスクを手で払いのけられる。
 無理をすればせん妄がひどくなる一方。仕方なしにASVなしでそのまま寝かせる。
 目は開いていても、頭は寝ている、せん妄状態。
 こういう時は、何を言っても通じない。
 もうしばらく寝かせておいたら、回復するだろうか?
 果たして、今日は来客をちゃんと迎えられるだろうか?
 断りの電話を入れないとだめかな?
 と不安に思いつつも、もう少し待ってみようと腹をくくる。

 午前8時半頃、様子を見にいく。揺り起こす。
 ゆっくり目をあけた。

 今日はM子さんとY子さんが来るから、もう、そろそろ起きようか?
 体調はどう? 大丈夫?


 う~ん、大丈夫・・・と思います。

 コーヒー飲もうか?

 うん。

 何とか起きてきた。

 フェルガードB1包、フェルガードLA2粒、プロルベイン2粒を飲ませてから、珈琲(ココナッツオイル入り)とバナナとキウィにプレインヨーグルトをかけた朝食。
 私の方は、フェルガードM1包とプロルベイン2粒、朝食は夫と同じ。

 朝食後、私は来客を迎えるための昼食の準備。
 夫はというと、だいぶ覚醒してきているようだったが、何となく冴えない、鬱っぽい顔つき。
大丈夫かなあ。

 今日はM子さんとY子さんが来るんだよ。

 何度も繰り返し言う。
 冷蔵庫の扉に貼ってあるホワイトボードにも、

   昼頃、M子さん Y子さん 来宅 

 と書いてある。

 久しぶりに会えて、嬉しいね?

 うん。嬉しい。

 と言いながらも、不安があるのか、ちょっと浮かない顔 

 昼頃、M子さんとY子さんが来宅する。二人はいずれも未亡人。
 夫は玄関まで出迎えて、

 久し振りだね~。元気にしてた?

 と握手。型どおりの挨拶にはあまり問題がない。
 けれども、会話が始まると、夫はそれについていくことができない。
 自分でも分かっているので、会話にはほとんど口を挟まない。
 時々、水を向けられると、発言はするが、いつもずれている。
 かつては、話がうまくて、面白くて、いつも話題の中心にいた夫なのに・・・

 今日は、秘蔵のお宝映像、50数年前の8ミリフィルム(DVD化したもの)を一緒に見た。フィルムの中には、M子さんもY子さんも映っている。

 わぁ、よくこんなの残ってたわね。もうすっかり忘れていたわ~。
 わ、私、若かったなぁ~。


 フィルムの中の夫も、若く、輝いている。

 女3人が姦しくおしゃべりをしているその横で、夫の視線は冷蔵庫のホワイトボードへ。
 どうやら、「今、目の前にいる人は、誰だっけ?」と確認をしているようだ。
 そのうち、夫は洗い物をしたり、洗った食器を片付けたりをし始める。
 会話についていけなくて、手持ちぶさたになり、そういう行動をするのだ。

 ほんの1年くらいまでは、まだ、友人たちと楽しくおしゃべりができていたのに。
 
 時々、夫は、二人に何かを問いかけられるも、それに対して全然別のことを話し出す。
 二人はそれでも真剣に聞いてくれてるけど・・・。
 私は、二人に、夫が認知症だとは言っていない。
 けれども、別の友人たちから夫のことはたぶん聞いていると思う。
 夫の様子を見て、それぞれ自分で判断して対応してもらえればよいと思う。
 だって、認知症になったからと言って、夫は夫だもの。

 でも、夫は、友人たちと会うのが苦痛になってきているのかな・・・?
 こうして、友人たちと会うのは、私の自己満足に過ぎないのかな 

 M子さんと夫は同い年。6歳の時から77年にもわたるおつきあいだ。
 Y子さんとは高校時代から、M子さんも含めてグループ交際をしていた。

 認知症になっても、古くからの友人たちとのおつきあいは続けていきたい。

 3時半頃、車椅子に乗せた夫とともに、二人をバス停まで見送った。
 そして、バスに乗り込む直前、夫はM子さんとY子さんの手を固く握った。

また、会いましょう!

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車椅子と紙パンツでGO !

 今日は貴重な梅雨の晴れ間。
 明日からはまた雨だというし、今日は映画を見に行くには絶好のチャンス。

 コロンビア大学の言語学教授のアリスが50歳の誕生日を迎えた直後に家族性(遺伝性)の若年性アルツハイマー病との診断を受ける。その後のアリスと、その夫と3人の子どもたちの仕事、生活、葛藤等をアリス自身の視点で描かれた映画『アリスのままで』を見たいのだ。

 幸い、今日、夫は9時頃には起床できた(睡眠がうまくとれていないと朝がおきられない)。顔色も悪くないので、今日は「映画に行こう」と誘う。
 バナナにヨーグルトをかけたものと、珈琲だけの簡単な朝食の後、着替えて出掛ける。

 夫がアルツハイマーだと診断されて約10年。
 一昨年末前までは、たまに失敗することはあっても、ずっと布パンツで大丈夫だった。
 しかし、昨年から出現し出した歩行障害、転倒以降は紙パンツが必要になった。
 たまに調子が良い日が続くと、布パンツでも大丈夫かな~?と思って、布パンツを履かせると、そういう日に限って失敗する。・・・というか、紙パンツだと多少漏らしていても目立たないだけなのかもしれない。

 紙パンツだと、確かに蒸れやすいという問題はある。
 自分の経験に照らしても、生理時のナプキン使用は毎月たかだか1週間程度だから我慢できたが、あれが毎日だとちょっと・・・。 夫が使っているうす型紙パンツを私も履いてみたが、股のところがごろごろして、どうしてもがに股歩きになってしまうし、あまりよろしくない。
 が、布パンツで外出するにはリスクが大きい。人前で、ズボンを濡らしてしまうというのは絶対に避けたい。そうかといって、家に閉じこもりきりにもなりたくない。
 というわけで、紙パンツを常時使用している。
 幸い、夫は紙パンツを嫌がらない。
 というか、布パンツとの違いがわからないみたいで、脱いだ紙パンツを他の洗濯物と一緒に洗濯機の中に入れたりする。
 また、外出時に紙パンツを丸ごと取り換えるのも、なかなか労力が居るので、紙パッドも使用。紙パッド付きだと股の部分がもっこりとしがちではあるが、薄型を使えばそれほどでもない。万一の時には紙パッドだけ捨てれば、簡単、快適。

 それと外出時の必需品 車椅子!
 一番軽量の折りたたみ可能な介護用車椅子を使っている。
 「車椅子を利用し始めると、ますます歩けなくなってしまうから、できるだけ車椅子の利用を遅らせた方がよい」という人もいるけど、歩行訓練をするのが目的ではないと思うのだ。 

 歩くのは、どこか行きたいところがあるから、でしょう?
 そこに行って、何かをしたいから、楽しみたいから、歩くのでしょう?

 夫は、歩かせようと思えば、少しは歩けるけれども、夫にとって外を歩くのはかなり神経をすり減らす大変なことで、歩くだけで疲れ果ててしまい、目的地に着いたら、それだけでダウン。
 こんなことでは本末転倒。
 だから、車椅子を使って、積極的に外出しよう。
 車椅子でGO、GO、GO 

 車椅子は介護保険のレンタル1割自己負担で400円。
 自走式の車椅子でなく介助専用。あくまでも外出用として考えている。
 我が家の周りは、坂が多く(これが車椅子利用者泣かせ )、
 歩道も狭くて水はけのために道路側に斜めに傾いており、
 とても認知症の本人が安全に車椅子を操れる状態にない。
 そもそも見当識障害があるから、本人一人での外出は論外。
 さらに我が家には自動車がないし、運転免許証も持っていないから、バスやタクシーに乗るときには、車椅子を折りたたんで乗せるので、できるだけ軽い方がよい。

 バスは車椅子のままでも乗れるけれども、運転手さんにわざわざ出てきてもらって、スロープを渡してもらって・・・というのは時間がかかるし、乗客で込んでいる時には車椅子のまま乗っているのは結構大変。
 夫の場合、バスに乗り込んで椅子に腰掛け、また、バスから降りる程度の歩行は可能なので、将来はわからないけれども、今のところ折りたたんでバスに乗るのがベスト。

 今日の目的地の映画館はビルが新しく、車椅子でも快適に利用できた。
 車椅子用トイレもある。
 トイレは、いつでも車椅子用トイレを利用したい。
 以前こんなことがあったから・・・
 ある時、車椅子用のトイレがなく、やむを得ず、夫一人を男性用トイレに送り出したところ、すぐに戻ってきた。
 トイレを済ませた様子ではない。

   どうしたの?

と訊いても、何だか訳のわからないことを言っていて、とにかく一人ではできないらしい。
 男性の利用者が誰もいなくなった?ところを見計らって、夫の手を引き男性用トイレの個室に車椅子に乗せて連れて行った。
 車椅子に乗せているところがミソ。介護していると判りやすい。
 立ったまましようとするのを押しとどめて、ズボンとパンツを下ろして便器に座らせた途端 

   ポロン、ポロン  

   あ~、危なかった!

 これまでも、外出時、トイレに行ったばかりなのに、

     したい

と言うことが幾度かあり、そういう時は、
トイレを見つけて駆け込んでも、もうだいたいが間に合わない。

 家でだったら、すぐにシャワーも浴びれるし、着替えるのも容易だけど、外出先ではそうはいかない。
 だから、できるだけ車椅子用トイレに一緒に入って、「おしっこだけ」だと本人が言っても、一応必ず、便器に座らせるようにしている。

 さて、映画ですが、夫の今の記憶力から言って、ストーリーを追うことはできない。
 映画の中でアリスが、アルツハイマー病の本人と介護者向けの集会で、スピーチをする中で、

   私は瞬間を生きている

 と言っていたけれども、
 夫もまさに、瞬間、瞬間を生きている人になっている。

 今、この場、この瞬間がすべてで、過去に流れ去ったものはどんどん消えていってしまう・・・

 そういう世界に生きている。

 そんな夫に映画を見せる意味があるのか?

 夫が映画を楽しんで見れるかということについては、否定的かもしれない。

 けれども、今日、映画を見ながら、私はずっと夫の手を握っていた。
 夫は暗い映画館の中では、たいてい眠くなって寝てしまうことが多いけれども、
 今日の夫は、上映時間101分もの間、ずっと起きていた。
 私の手を握りながら、ずっと辛抱強くスクリーンを見ていた。
 夫がこの映画をどのように見ていたのかはわからない。
 内容をちゃんと理解しているとも思われない。
 だから、夫にとって映画を見ること自体が楽しいものであったかは大いに疑問だけれども・・・
 でも、夫は、私のことを大切に思い、私のために何かしたいと思ってくれる人なので、

  今日は「妻の映画を見たい」につきあってやった。
  妻の役に立った 


 ということで良いのではないかな。

 映画の後、近くのオーガニックレストランのテラス席でランチをしました。
 ちょっと奮発して、前菜、メイン、ケーキとドリンク付き。

 夫の前菜(雑穀のコロッケ)
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 私の前菜(2色ムース トウモロコシ)
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 夫のメイン(車海老とホタテ ソテー マンゴーソース)と玄米ご飯
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 私のメイン(八海山鱒のココナッツオイル焼き)と玄米ご飯
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 夫のデザートは和栗のモンブランと有機コーヒー
 私のデザートはイチゴたっぶりショートケーキとライスミルク

 満腹になって、バスで帰宅。4時頃着。
 はあ、疲れた~。
 夫がさかんに

  ありがとうございます。

 を連発している。
 「ありがとうございます」が出る時は、夫の認知状況が悪くなっている時だ。
 つまり、私を妻だと認識していなくて、ヘルパーか誰かと思っているのだ。
 ランチの時の会話から、私が誰か判らなくなっているような感じはあった。

 これは・・・今日は・・・・危ないな?

 夫が「コーヒーを飲みたい」と言うので、コーヒーを煎れて飲んでから、ちょっと二人で昼寝。
 5時頃になると、夫が起き出してきて、家中の部屋のドアを開けてイチイチ確認して歩いている。
 私は眠いのでまだ寝ていると、夫が、鞄を抱えてやってきて、

   夜ご飯、どうする? 外に食べに行く?

   もう、夜ご飯は用意してあるんだよ。ちゃんと作ってあるよ。

このやりとりを数回繰り返す。

豪華ランチで満腹になったし、5時の夕食はいくら何でも早すぎるが、仕方なく、起きてみると、リビングのテーブルの上に、バナナや果物が置いてある。食べ物を探していたようだ。

 冷蔵庫の中を見せて、

   ちゃんとご飯もおかずも用意してあるんだよ。

   でも、何か足りないものを買いに行ったほうがいいんじゃない?

   う~ん、ほら、野菜でも何でもいっぱい入っているよ。

 こうしたやりとりを数回繰り返すが、夫はなかなか納得せず、ソワソワ、ソワソワが治まらない。

   じゃあ、一緒に買い物行こうか? それじゃあ、着替えてね。

 このようにして、夕方、夫がそわそわして外に出たがった末に、外出する時には、車椅子は使わないことにしている。

 さて、どこへ行こう? いつも私が買い物に行くスーパー(徒歩6分)は、急坂の上り下りがあり、車の通りも多いから、避けた方がいいな。
 値段は高いけど、車の通らない道を歩いて行けるコンビニ(徒歩5分)にしよう。

 夫が歩き出す。
 歩調はいつもよりスピードがあるが、前のめりになりがちで、
 いわゆる突進歩行、身体は前に行こうとするが、足がついて行ってない。
 あやうい足取り。
 腕を組まないでいると、夫は両手をぐるぐる回すようにして、歩く。
 第三者的に見ると、とても ヘン 

 コンビニまでは、いつもより短時間で到着したが、店内に入った頃には、夫はまっすぐ立っていられない。
 支えていないと、前のめりに倒れそうになっているのだが、本人は自分の身体が前に傾いているのに気づいていないようだ。
 このような歩き方・症状は、パーキンソン症候群の歩き方とは異なると思う。
 夫はアルツハイマーに加えて、何らかの神経の病気を発症しているのかな?
 大脳皮質基底核変性症とか? 
 夫は、起きている時も血中酸素濃度が低く、SPO2の平均は93~95位。
 睡眠時はチェーンストークス呼吸も出現するし、いわゆる睡眠時無呼吸症候群の治療で対応しているが、こうした症状は多系統萎縮の症状として新潟大学脳研究所神経内科のホームページで紹介している。
 心配は募るばかり・・・

 コンビニで高いバナナを購入し、夫を支えながら歩き、ようやく帰宅。
 私ならわずか5分ほどの距離ですが、夫にとっては長~い道のり。
 あともう少しで自宅・・・・というあたりで、もう、疲労困憊 
 玄関に入ると、すぐ横の部屋に敷いてある布団に倒れ込むように寝る。
 そのまま、夕食をとろうともせず、夜8時半まで眠り続けた。
 まあ、あの時点で外出しなければ、ずっと、そわそわし続けただろうから、
 こうなることは判っていても、仕方がないね。
 9時近くになって、ようやく起きて、軽く夕食を食べ、
 さっとお風呂に入ってから、また、再び寝ました。
 こんな一日でした。

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雨続きの日常・・・我は紙パン

 今日も雨降りです。
 洗濯が終わったら、今日も、夫が洗濯物にアイロンをかけます。

 アイロン (2)

 そこで、一句。 
 紙パン (2)

   雨続き
   アイロンがけする
      愚妻のパンティ
   我のものなし
      我は紙パン

      作: 私
      字: 夫
         (お粗末様でした 

 午後から、グルタチオン点滴を受けるために、コウノメソッド実践医のもとへ行きました。
 実践医へは、バスを2つ乗り継いでいくことができます。
 歩く距離も短いのです。

   自宅からバス停まで徒歩5分、夫は10分
   乗り継ぎのバス停からバス停まで徒歩3分、夫は8分
バス停から実践医まで徒歩5分、夫は10分

 たった、これだけです。夫にとっては大変ですが、頑張れる範囲の距離。
 しかも、小雨が降っています。車椅子のカッパもあるけど、二人で相合い傘   で、
夫を支えながら歩くのにぴったりの条件です。

     バス停まで、歩ける?

  歩けるよ。

 ではLet's GO! 
 おっ、なんか、今日は、足が軽いみたい。
 坂道もゆっくりおりていきます。
 夫は、歩く時に、手をグルングルン振りまわすようにするのですが、
今日は、傘があります。
 片手で傘を支えるのは重いので両手を添えています。
 私は後ろから夫の背中に手を回して支えます。
 先に青信号が見えるけど、無理をせず、次の信号を待ちます。
 バス停にバスが停まった!
 ちょっと、無理して、夫をひっぱって歩きます。

あ~、疲れた。

 でも、よく頑張って歩きました。

  今日の点滴内容:

グルタチオン 2000mg
ソルコセリル   4ml
シチコリン   250mg
ビタミンC  1000mg

  1ヶ月前からソルコセリルを入れるようになりましたが、悪くない。

 帰り道も、いつもより、軽い足取りで歩いていた。
 何よりも、前のめり現象、突進歩行がほとんど出なかった。
 
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上高地への1泊2日の旅へGO !


  一泊二日で上高地へ行ってきました。

 メンバーは夫の幼馴染みのガールフレンドのYさんとKさんと私たち夫婦の4人。

 YさんもKさんも、数年前までは夫婦揃って一緒にグループ旅行をしてきた仲ですが、昨年相次いでYさん、Kさんのご主人が亡くなりました。
 いずれも最期は疾病に合併する形で認知症となり、寝たきりとなられ、ご主人を介護されるYさん、Kさんの心身の疲労も大変なものだったとお察ししています。
 そんなお二人なので、認知症がだいぶ進んでしまった夫と一緒でも、気楽にしていられます。

 今回は一般募集のバスツアーに4人で申し込みました。往復のバスとホテル(夕・朝食付き)がセットになっています。

 申し込んでから、片道5時間のバスの道中のことが心配に。
 紙パンツに紙パッドをしていれば大丈夫・・・が、問題は
 夫は便秘はなく毎日快便ですが、その時間帯は、朝起きてから昼食後までの間が多いですがマチマチです。
 その上、一旦、もよおしたら、すぐにトイレに直行しないと、我慢ができず、パンツの中に  が出てしまうのです。
 密室の狭い車中で、そのような事態は絶対に避けたい 

 今回のツアーバスにはトイレは付いていない。
 2時間に1回はトイレ休憩があるというけれども、夫のトイレ間隔はもっと短い。
 それに、短いトイレ休憩の時にうまくコントロールして排泄するということ自体なかなか困難と思われ、申し込んだ後、やっぱりトイレの付いている電車での旅にすれば良かった、と行く前から、後悔。

 でも、もうとにかくやってみるしかない。

 前日の夜は9時頃には寝床に入る。
 だいたい寝てから明け方までに2回はトイレに行く。
 当日は朝から台風9号の影響で雨模様。こういう日は気圧の影響で夫は眩暈がして起きるのが大変。
 いつもなら、8時半から10時ぐらいの間に起きるけれども、3回めのトイレが6時半頃だったので、そのまま起こす。

 案の定、夫は眩暈がすると言ってはいるが、そんなに具合悪いそうでもない。
 簡単な朝食を摂ってしばらくすると、うまい具合に  をもよおした模様。やった!

 その後、バス出発の集合場所まで、どう行くか?
 荷物は、
    車椅子
    ASV呼吸器セットのバッグ
    リュック(ほとんどを夫の紙パンツと紙パッドが占めている)
    お弁当(初日の昼食分)
    夫に持たせる小さなショルダー(こちらも紙パンツと紙パッド入り)
 できればタクシーで行きたいが、直接集合場所まで行ってしまうと、そこにはトイレがない。
 2時間に1回のトイレ休憩だとすると、バスが出発する前にもう一度トイレに行っておきたい。

 雨もそれほどひどくなく、ポツポツ程度。
 ヨシッ!

 小さいショルダーとお弁当の入ったバッグを夫に持たせて車椅子に乗せ、
 ASV呼吸器のバッグを車椅子に引っかけ、リュックを背負い、
 ポツポツ雨の中を地下鉄の駅まで車椅子を押して、地下鉄の駅まで小走り。

 地下鉄に乗って、集合場所近くの駅まで移動し、駅内の車椅子用のトイレへ。
 ところが、朝の通勤時間帯にあたっているせいか、車椅子用トイレがなかなか開かない。
 ・・・待つことしばし・・・
 やっと開いた。出てきた男性は車椅子用トイレが必要な人には見えない。
 が、いやいや、オストメイト利用者かもしれないし、外見だけで判断してはいけない。

 で、肝心の夫。

  出ない・・・

  えっ~。この後、2時間ぐらいトイレに行けないから、今やっておいてよ。

 うまくは行かないものだわねぇ。
 今のうちに少しでも出しておいて欲しいんだけどな。
 家を出る前にはトイレに行ったから、まあ、仕方がないな。
 あきらめて集合場所へ。
 ガールフレンド2人とも合流し、 いざ、出発!

 1時間後に1回目のトイレ休憩があり、ホッとする。
 以降、到着まで、全部で3回のトイレ休憩があり、そのたびに、運転手さんやガイドさんに、バスから車椅子を出し入れしてもらう。トイレまでの距離は、夫でも歩けないでもないが、短時間でトイレを済ませて、場合によっては買い物したり、昼食を摂ったりして、素早く戻って来なければならないので、車椅子が安心。
 でも、夫はトイレを特に我慢することもなく、スムーズに上高地へ到着。

 他のツアーの皆さんは、大正池で下りて、ホテルまで歩く人がほとんどだったが、あいにくの雨  
 私たちは、上高地帝国ホテルの前で下りて、小雨の中を、宿泊するホテルまで徒歩10分という道のりを選び、車椅子用のカッパを夫にかけ、傘をさしては車椅子を押せないので、私もカッパを着込み、ガールフレンド二人も傘をさして杖をついてのヨタヨタ歩きで、20分ぐらいかけてホテルに到着。

 ロビーでコーヒーを飲んでくつろいでから、客室へ。

 客室内のお風呂も源泉掛け流しのが出るとのことだったが、普通のバスタブでは、やっぱり温泉気分が味わえない。
 夫は一人で大浴室を行くのは不安がり、嫌がるので、有料の家族風呂を利用することにした。
 45分1680円也。

 家族風呂は檜の浴槽になっており、外の景色を見ながら入れる。ところが、源泉掛け流しの湯の設定温度は46度!
 我が家での湯温は41度。
 湯に手を入れた夫は「熱い!」と、とても入れず、水で、じゃあじゃあ、うめて、ようやく、夫は30秒ぐらい?温泉に浸かっていたが、早々に「出る」と言う。
 夫の手を持って浴槽から出るのを介助していたところ、

  わぁっ  ツルリ!

 夫の手を掴んでいたので、危うく転倒するのを免れた。冷や汗もの 
 夫を脱衣場に連れていき、籐椅子に座らせて、私は浴室へ戻る。
 ドアはガラスで透明になっているので、夫の様子を見ながら、時々出て行って着替えを手伝い、また、戻って温泉につかり・・・。
 着替えて、ドライヤーで髪を乾かしても、所要時間正味30分ほど。30分コースにすれば良かったなあ。

 夕食は、ホテルのレストランで、フレンチのコース。
 えっ? また、フレンチ? 逆流性食道炎で吐血して懲りたんじゃないの?
 今回のは軽めな感じだから、たぶん大丈夫 

 お料理のタイトルは

    蛍飛び交う安曇の夕暮れ

 食前の一皿(山葵のムースに鱸とサーモンのタルタル乗せ)
 2015-07-09鱸とサーモンタルタル+わさびのブラマン

 明科産信州サーモンと彩り野菜のテリーヌ
 2015-07-09野菜のテリーヌ

 72時間じっくり、コトコト丁寧に仕上げたコンソメスープ
 2015-07-09 18コンソメスープ
 夫はコンソメスープを最初はスプーンですくって飲んでいたが、うまくすくいきれなくなったのか、皿を持ち上げて口をつけて飲もうとした
 こうやって、皿を少し傾けてスプーンですくうんだよ・・・とやって見せる。
 勿論、以前の夫なら、皿に口をつけてスープを飲もうとしたりはしなかった。

 鱸のポワレ、オレンジソース、ワイルドライス
 2015-07-09魚料理メイン
 写真は、一口食べてから、「あっ、写真撮るんだった」と思い出して撮ったもの。
 お箸も付いているので、私はお箸で食べました。ワイルドライスはプチプチした食感がおもしろい。
 夫は、最初はフォークとナイフで食べ始めたが、ふと、見ると、鱸のポワレを手で持っている。
 外見からパンと勘違いしたんだね。

  それはパンじゃなくて、魚だよ。

  え?  本当に、魚だ。

 と言いつつ、そのまま手で食べている。まあ、いいか 

 国産牛フィレ肉のポワレ、
 富士見町の農園で収穫したルバーブを添えて
 2015-07-09肉料理メイン
 写真は、私が一口食べた後のお皿。
 夫やガールフレンド二人は、あらかじめ一口大にカットして出してもらう。
 牛フィレ肉はとてもやわらかく美味しい。脂も少なく、お腹にやさしそう。
 これなら夫も大丈夫な感じ・・・
 
 ココナッツブラマンジェとマンゴーソルベ
 2015-07-09デザート
 上には、三つ編みのチョコレートと木イチゴのマカロンが乗っている。
 とてもさっぱりとした酸味が美味しかった。
 夫はパンも最初からパンもぱくぱく食べて、あんまり食べると、後のお皿が食べられなくなると心配。
 4つ目のパンは食べ過ぎと思い、私が頂戴する。
 美味しいコーヒーもいただき、ごちそうさまでした 

 夕方5時半頃から食事を開始し、7時過ぎに食事を終え、部屋に戻った。

 夫は食後すぐに横になると胃内容物が逆流するおそれがあるので、できるだけ起きていたい。
 いつもは食後すぐに眠くなることが多いが、この日は結構起きていて、テレビを見ている。
 テレビのニュースを見ながら、いったいどこからそんな妄想が出てくるのか、

  仙台から北の方は、ずいぶんあちこちやられて、ひどい被害らしい

 などと言っている。が、目を開けて起きている。

 咳も出ていないし、今日は大丈夫かな? 歯を磨いて、薬を飲ます。

 私は、もうちょっと温泉を楽しむために、大浴場へ行きたい。

  このまま部屋で待っていてね。外へは行かないようにね・・・

 と、夫に何度も言ってきかせて、大浴場へ。
 でも、夫は自分がどこにいるかわからなくなっているので、気が気ではなく、大浴場へ行き、露天風呂にもさっと入って、急いで部屋へ帰ってきた。所要15分程度。

 わずかな時間だったけれども、夫は、私の顔を見ると、

    来てくれて、良かった~。一人で不安だったよ~。

 こうして、夜は10時くらいに寝たでしょうか。
 夫はASV呼吸器を付けて・・・あとは0時過ぎに一度、トイレに起きただけで、静かに寝ていました。

 私が目を覚ましたのは、午前4時半。温泉は24時間入れるので、夫がよく寝ている間に・・・と大浴場へ行き、朝風呂。

 雨はあがっており、目の前の梓川の向こうに迫る山々にはまだ雲がかかっているが、そのうち雲も晴れるだろうと思われた。

 夫は7時頃にトイレに起きた。大をもよおした模様。夫がトイレに入っている間に、ロビーで提供されているフリードリンクのコーヒーを持ってこようと思い、部屋から出て1階へ。
 部屋へ戻ってみると、夫はベッドで横になっていた。

    コーヒー持ってきたから、飲みましょう。

  うん。

 夫は薄目を開けて私を見たが、起きて来ない。先にコーヒーを飲んで待っているが、起きないので、もう一度、コーヒーを飲まないか誘ったところ、

  なんか気分が悪い。頭が痛い。

 と言って、頭を抱えるようにして右下を横にして寝ている。

 持参したSPO2を計る機器を指先に付けて調べてみるが、SPO2は94ぐらい。
 脈もだいたいいつもぐらいで、そんなに悪い徴候はない。
 けれども、私の方が不安になり、心臓がドキドキ。自分のSPO2を計ってみたら、脈が100を超えていた。
 夫の具合が悪いとなると、私はその不安に押しつぶされそうになり、いつも夫と一緒に具合が悪くなってしまう。

 時間が経つにつれて、夫の眉間によっていた皺が、少しずつ和らいできた。
 7時50分ぐらいには普通の顔に戻ってきて、目が開いてきた。

  上高地に来ているんだよ。ほら~

 と窓の外を指す。
 2015-07-10ホテルの窓から
 夫は驚いたように、

  本当だ~!

  朝食は9時までに入らないといけないから、
8時半にはレストランへ行こうか?


 夫はゆっくり起きて、すっかり冷めてしまったコーヒーをすすった。

 朝食のビュッフェは私たちが最後だった。おかゆとおかずは和食で。

 11時がチェックアウトだったけれども、10時過ぎにチェックアウトして、ロビーでコーヒーを飲んでから、4人でゆっくり出掛けた。

 昨日とは打って変わっての晴天。青空に緑の山々が栄える。気持ちの良い林の間を抜け、梓川沿いに河童橋に向けてゆっくり歩いていく。
 
2015-07-10梓川と白樺

 夫は車椅子の上。途中の道は、石ころだらけのところもあり、車椅子では進みにくいところもたくさんある。
 昨日雨だったため、狭い道の中には水たまりが大きく残っているところがあり、そこでは、夫に車椅子に下りてもらって歩かせ、私は車椅子を折りたたんで抱えて渡った。

 2015-07-10梓川沿いの道

 車椅子のまま、こんな山中みたいなところまで来られるとは思わなかった。
 上高地の平らなところだからね。もし、大正池の方面に行こうと思ったら、普通の車椅子では無理みたいだ。
 ネットで調べたら、特別なオフロード用の車椅子を使った人の体験記があった。

 でも、満足、満足。4人でゆっくり無理をせず、身の丈にあった旅。

 帰りのバスの中、夫は、何故か、群馬県を通っていると思い込み、

    もう少しで高崎観音だよ。

  いや、山梨に入ったところだよ。

 しばらくすると、また、

  高崎観音がもうすぐだね。

 と何度も、高崎、タカサキ、タカサキと10回以上言っていた。

 ようやく到着し、荷物が多いから、

  ここから家まで、タクシーで帰るよ。

  えっ? 3万円以上かかるんじゃない?

 どうやら、隣県にある夫の実家までの距離を言っているらしい。
 相変わらず、自分の家がどこかわからず、混乱している。
 でも、いつものことだから、気にしない、気にしない。
 いつものように、あなたと私は、どこどこに家を買って暮らしているのだよ~と、何度も何度も、説明をする。
 夫は、ちょっと戸惑ったような顔をしつつも、タクシーが自宅に着き、ドアを開けて、猫たち  の出迎えを受けると、やっと嬉しそうに

    ああ、やっと、自分の家に帰って来た。
     疲れた~。


 1泊2日のバスの旅、無事、帰って来ました。

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我が家がIHクッキングヒーターを選んだ理由

 我が家は2010年11月にガスコンロをIHクッキングヒーターに買い換えています。
 その理由は、認知症の夫が、調理器具の利用を継続できるようにするためです。

 夫は、この年代にしては珍しく「厨房に入る男」です。
 認知症がだいぶ進んでしまった現在でもなお、私が調理するのを手伝って、野菜を切ったり、炒めたりをし、また、食べ終わった食器を流しに持っていって洗い、食器棚に入れる等しています。(まあ、きちんとした仕事にはなっていませんがね。夫の「やろう」という、その心意気を買いたいと思います)。
  IH調理2
  (この写真で、夫が、IHクッキングヒーターのサイドにお腹をくっつけ、寄りかかって、炒め物をしていることにご注目ください。料理は、炊いたモチキビ(黄色)をズッキーニとトマトとキノコを炒めた「夏野菜のピスト」) 

 そして、夕方になると「今日の夕食はどうしようか? ご飯を炊かなくては・・・」とソワソワし出します。
 ある日の夕方など、夫と二人で自宅に居た時、夫から「ご飯を作らなくてはいけないので、家に帰ります」と言われたこともありました。

 私は今年の3月まで仕事をしており、一昨年までは定時帰宅が夜7時という生活でしたので、実際、夫がよく夕食を準備してくれていたのです。
 2005年にアルツハイマーだと診断された後も、夫は炊き込みご飯や、シチュー等、得意料理をしてくれたりしました。

 2008年5月に介護保険の申請をしたところ、認知症の診断が出ていたので、「認知症の人には要介護1以上の認定を!」という家族の会の運動の成果もあり、「要介護1」の判定が出ました。
 けれども、夫の場合は、区分変更申請をして、すったもんだしたあげく、ようやく「要支援1」をもらい、その後、更新時もまた「要介護1」が出て、再度区分変更申請をし、「要支援2」の決定をもらいました。
 わざわざ、軽い方の認定をもらうように区分変更申請をした理由は、利用したいサービスが「要支援の人向けに限られていた」からです。
 すなわち、我が家の近くにあるデイサービス(座っての体操と、機械を使った筋トレを中心とした1時間半のサービス)を利用したかったことと、それから、週2回の見守りヘルパーを利用したかったからです。当時、夫は時間についての見当識障害はありましたが、自宅やデイサービスの場所などの場所についての見当識はまだ保たれていました。

 既にご存じかと思いますが、「要介護」のヘルパー利用の場合、食事の準備はヘルパーが行いますが、要介護者本人の食事のみに限られています。つまり、家族が食べる分の料理まではやってくれません。
 「要支援」のヘルパーの場合は、要支援者本人が調理を行い、それを見守り助言する範囲になるのです。つまり夫の場合は、夫と私の夕食を作り、ヘルパーが助言をし、見守りをしてくれます。

 私が仕事に行っている間、週に2回、午後3時から1時間半ずつ、ヘルパーが来てくれるよう依頼をしました。

 この時間内にヘルパーと一緒に買い物に行って、帰ってから調理をするのをやってみましたが、とても慌ただしくて無理がありました。
 そこで、私があらかじめメニューとレシピを決めておき、必要な食材を用意して置いた上で、夫はヘルパーの援助を受けながら、火を使って調理をする簡単なおかず2品と、米をといで炊飯器にセットするという夕食のための調理を、毎週2回、昨年3月まで5年あまりにわたり続けてきました。

 私は、当時、仕事をしながら、日常をどんどん回していかねばならない忙しい生活者でしたので、夫に合わせて、ゆっくり丁寧に調理作業に付き合ってあげることができませんでした。
 どうしても、私が主体となってさっさと調理を進め、夫にはちょっと手伝ってもらうのがやっとです。
 しかし、プロのヘルパーは、夫が自分自身で調理できるように、1時間半を丁寧に付き合ってくれます。それが要支援者へのヘルパーの仕事なのです。

 「要支援」のヘルパー利用を開始した2008年当時、我が家はガスコンロを使っていました。加熱が過ぎると自動消火する機能が付いたタイプで、これは夫がアルツハイマーと診断された後に買い換えたものです。この時は、長年使い慣れたガスコンロの方が、認知症の夫には馴染みやすいだろうと考えたからです。

 ところが、それからしばらくした後、夫の調理をしている様子を観察していると、火を使っている時の手元が何やら危なっかしいのです。
 ガスコンロの前に、まっすぐに立っているのが辛いのか、お腹をガス台に寄りかかるようにして、炒め物などをしているのです。見ていると、裾に火がつきそうで、思わず、

  危ない、危ない  
     袖口に火がついちゃうよ~
  コンロからもっと離れて!


 と何度も注意しなければなりません。
  けれども、本人は「どうしたの?」と、いたって平気な顔をしています。

 実は、夫には白内障があります(現在も、諸事情によりまだ手術をしておりません。これについてはまたいつか書きたいと思います)。
 いつだったか、夫と一緒に美術館に行ったときに、白い紙に鉛筆でデッサンされた絵が展示されていました。夫は、

  これ何? 真っ白だけど?

  えっ? 鉛筆で絵が描かれているよ。

え~、本当? 真っ白にしか見えないな。

 館内の照明は、絵を傷めないように薄暗くなっていたことも拍車をかけているようでした。
 次のような資料があります。
着衣着火の危険性
   NITE製品安全センター 独立行政法人製品評価技術基盤機構 東北支所 堀英一氏

 上記のとおり、白内障の夫は青い炎がよく見えていないので、危険を察知することもできないのです。
 おまけに、夫は身体機能も落ちてきていて、ガス台に寄りかかって調理をするので、実に危険極まりない状態です。

 けれども、ガスコンロを買い換えたばかりだしなあ・・・

 そうこうしていた2010年7月、森毅さんという数学者が、一人暮らししていた自宅で卵料理を作っていた最中に、ガスコンロの火が着ていた衣服に燃え移り、腕、胸、背中など全身の30パーセント以上に大火傷の重傷を負い、その結果、敗血症性ショックで亡くなったというニュースに接したのです。
 このニュースは大変なショックでした。とても他人事とは思えません。

 夫には引き続き調理器具を使って調理をしたり、大好きな珈琲を自ら入れられるようにしてあげたい。
 IHクッキングヒーターを設置するとなると、200Vの電源を新たに増設しなければならないし、それなりの出費が必要ですが、着衣着火事故で火傷などを負ってしまったら、治療費はそれ以上となることは明らかで、何より生命と健康に取り返しがつかないことになる!・・・と直ちに決断しました。

 問題は、認知症の夫が、IHクッキングヒーターという新しい機器を使えるようになるかということです。
 私は、ショールームや売り場に足を運んで、自分で実際に、各メーカーの操作性を確認しました。
 その結果、スイッチを入れた時に、天板が赤く光るタイプを選びました。現在はわかりませんが、購入当時、スイッチを入れた時に天板が赤く光るIHクッキングヒーターを作っているのは1社だけでした。
 鍋を置いてスイッチを入れた時に、赤く光るほうが、火を使っているというイメージに近く、馴染みやすいと思います。

  IHコンロとヤカン

 操作については音声案内も付いています。
IH前側面から

 ① ヒーターの前側面についている「電源 切/入」スイッチボタンを押す。
    (これを探すのが、認知症の夫には一番難しかった  
 ② 天板上の「メニュー」ボタンを押す。
 ③ 天板上の「切/スタート」ボタンを押す。

 この3ステップができれば、とにかく加熱を開始することができます。
 その他、火力の強さやタイマー設定などもありますが、これらは使えれば便利だけれども、使わなくても、何とかなる機能です。

 この3つのステップをなかなか覚えられなかった夫も、毎日、朝は珈琲を入れるのに使い、ヘルパーが来ては調理に使い、私が一緒にいる時も使い・・・と、とにかく毎日毎日繰り返すことによって、アルツハイマーと診断されている夫であってもIHクッキングヒーターを使えるようになりました。

 ちなみに、同じ頃、我が家と同じIHクッキングヒーターを入れた友人夫婦の家では、認知症の夫は、結局、IHクッキングヒータを使えるようにならなかったそうです。もともと調理をする方ではなく、たぶん興味を持てず、使う頻度がそもそも低かったからだろうと思います。

 現在、夫は認知症が進んで「要介護2」になってしまい、集中力が以前のようには続かなくなり、1時間半という長い時間にわたって調理をすることはできなくなってしまいましたが、今でも、お湯を沸かしたり、炒め物をする時には、フライパンをIHクッキングヒーターの上に置いて、油をひいて、加熱を開始するということもできています。やらなければ、すぐにできなくなるので、毎日、毎日、やってもらっています。

 うっかり、消すのを忘れて鍋を焦がしてしまうと(焦げる前は無理)、自動で消えます。
 また、電源スイッチも、一定程度の時間の利用がないと、自動で消えます。
 そして何より、裸火がないので、私が居ない時に、夫が一人で使っても、着衣着火などの大きな事故は起きないという安心感があります。

 ただ、ひとつ、アルミ鍋も使える「オールメタル」製品を選ばなかったので、我が家のIHでは、アルミ鍋が使えません。IHクッキングヒーターに変える時に、アルミ鍋は捨てましたが、玄米を炊くための圧力鍋がアルミ製で、私はこれだけはどうしても使いたい。
 そこで、この圧力鍋を使うために、カセットコンロを利用しています。
 もちろん、これを使うのは私だけで、夫は使いません。

  圧力鍋

 震災の原発事故の経験からも、調理器具が電力だけというのは停電の時には困ります。最近はガスコンロも電気を使いますしね。なので、カセットコンロとカセットボンベを常備し、日頃から使い馴れているというのも、いざという時のためにかえって良いかと思っています。

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夫と2人暮らし。
子どもはいません。
2人と猫2匹の家族です。

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