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人力車で浅草、隅田川クルーズ

シチコリン注射の効果が出てきたのか、夫の傾眠は少し治まった。
歩行障害は相変わらずで、足が前に出ない、トイレに座るのも一苦労だけど、
私一人でも、夫を階段から下ろすことができるようになった。
我が家の階段には両方に手すりがついており、階段は足を置くべき箇所がはっきりとしているので、「すくみ足」の夫には、かえって歩きやすい。
掴まるところも何もないフラットなフロアを歩くほうが難しい。

日曜日、季候もよくなり、絶好のお出掛け日和だ。
夫の好きな浅草へ連れて行こう!
玄関の2段ある階段の下までは、夫を支えながら、歩かせ、
そこから車椅子に乗って、地下鉄を乗り継いで行く。

つくばエキスプレスの浅草駅で下車。
この駅の車椅子用トイレは2つあるので安心だ。
1つしかないところで、使用中だと、長く待たされることになるのでね。
ここでトイレを済ませておきたい。でも、夫ったら、出なかった。
(この日は、出掛ける前に、自宅でお通じを2回済ませている。)

浅草六区を通り過ぎた頃、既に私のお腹がぐ~と鳴った。
行こうと思っていたお店(車椅子用トイレがある)には、まだ距離がある。
日曜日の昼時なので、めぼしい店は行列ができている。
目指すお店も、予約をしていないので、おそらくは長い行列だろう。
お腹がすきすぎていたので、車椅子ですぐに入れそうな目にとまった店に入った。

「ひつまぶし」を注文した。
夫はお腹があまりすいていないのか、上に乗っている鰻は全部食べたが、ご飯は2口程度しか食べない。だから、夫は、おだしでお茶漬けにして食べる・・・なんてこともしなかった。せっかくのひつまぶしなのに・・・もったいないけど、しかたがない。

さて、このお店のトイレは、夫が使えるかな?
私一人で偵察に行ってみると、段差が1段あり、元和式トイレを洋式に変えたような作りで、掴まるところがなく、夫にはとても使えそうになかった。
仕方が無いので、近くの浅草公会堂のトイレに行こう。
食事が終わり、椅子に座らせた夫を、車椅子に移譲させようとしたが、夫はなかなか椅子から立ち上がらない。
外食する時は、車椅子で行っても、食事の時はそこの椅子に座り替えて食べてもらっているけれども、最近は、食べ終わった後、車椅子への再移乗に苦労するようになった。なかなか椅子から立ち上がってくれないのだ。
夫は立ち上がる気になれば、椅子から立ち上がることができる。
問題は、立ち上がろうという意思がなかなか出てこないのだ。
何度か「立ち上がって、こちら(車椅子)へ座る」と促して、ようやく立ち上がってくれた。

さて、浅草公会堂、公共施設だから、必ず、車椅子用トイレがあるはず・・・
と、ありました。
ところが、ここでも、夫をトイレに座らせるのに一苦労。
なにせトイレと認識していないので、なんでこんなところに座らせられるのか?とばかりに抵抗する。
「ここでおしっこしておいてね。この後、しばらくトイレに行けないよ。」
ようやく済ませた。

その後、雷門のあたりから、人力車に乗ることにした。
人力車の客引きに、「車椅子なんだけど、乗れますか?」
「あ、たぶん、乗れると思いますけど、ちょっと待っててください」
と言って、人力車のリーダー?らしき人を連れてきた。
「車椅子を台車に乗せれば、乗れます」とか言っている?
台車ってどこのことだろう? でも、車椅子の分、重くなるしね
「車椅子を置かしてもらえませんか?」と。
その場で、人力車の車夫の人とリーダーと協議して、
私たちが下りる頃に、リーダーが下りる場所まで車椅子を運んでくれることに。
値段表を見た。ひゃ~、やっぱり高い。
今朝、コンビニのATMで、人力車に乗ることを想定して、お金を下ろしておいて良かったよ。
でも、うちの予算では30分しか乗れません。
浅草は何度も来ているし、観光メインというよりも、人力車に乗ることを楽しみたいので、30分コースにした。
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人力車って、座るところは結構高いところにある。
踏み台を使ってよじ登る感じなのだが、夫は乗れるのか?
屈強は男が2人ついているので、何とかなるだろう?
両方から押さえて、一応、踏み台に乗せると、夫は人力車の椅子にしがみついて、なんとか向きを変えることができた。あとは、屈強な男2人で、ちゃんとした位置にお尻を持って行ってくれた。
この日の夫は、身体が右に傾くので、私は夫の右側になるように座った。
人力車に乗ると、視線が高い位置になり、いつもの見慣れた街が違ったように見える。
あら? いつも私って、下ばかり見て歩いていたんだなあ?
上の方も、おしゃれな建物がいっぱい並んでいるじゃないの。
全然、今まで気がつかなかったよ~。
人力車は、車道では、風を切って、かなりのスピードで進みます。

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浅草演芸ホール前。

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スカイツリーをバックに。        浅草寺の二天門(国の重要文化財)前にて。

隅田川の水上バス乗り場のところで下ろしてもらった。
人力車から降りるときは、最初は、屈強な男2人で夫の両脇を抱えようか?と思ったが、結局、一人が夫をおんぶしておろし、おんぶしたまま、車椅子に乗せてくれた。
サッカーをやっていたという車夫のお兄さんは、大学2年生で、教員志望で、教職課程の履修がみっちり入っているため、日曜日だけのアルバイトなのだそうだ。

さて、水上バスに乗ろう。その前に、トイレだ。ここにも車椅子用トイレがある。
昨年も水上バスに乗ったけれども、やっぱり川風に吹かれて進むのは気持ちがいいからね。
どこまで行こう?
昨年は、日の出桟橋まで行ったけれども、そこから車椅子で駅にたどり着くまでが大変だったなあ。
(日曜日なので、普段動いているエレベーターが動いておらず、大幅に遠回りすることになってしまった。)
「浜離宮」には、私はまだ行ったことがない(夫はあるらしい)ので、そこで下りて行こうか?
切符売り場で、「浜離宮って、車椅子で行けます?」と訊くと、
「う~ん、かなり大変かもしれないです。」という答えだった。
そうかあ。車椅子では無理なのかなあ?(事前の下調べしてなかったし)仕方が無い、去年と同じ、「日の出桟橋」までのチケットを買う(障害者と介護者の割引)。

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 これは勝ち鬨(かちどき)橋。

「浜離宮」に船が近づくと、「浜離宮」を歩いている人の中に、ベビーカーを押している人が見えた。
ベビーカーで行けるのであれば、車椅子だって大丈夫なはず。
そう思って、急遽、「浜離宮恩賜庭園」で船を下りることにした。

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 車椅子で行けるコースの案内が置かれていた。
 この矢印にしたがって、園内を歩いた。
 海が近くて浸食が激しいのか、道にも、ぼこぼこ穴があいていて、車椅子がガタガタ上下する。

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池にかかる橋を渡りたいと思ったが、橋の端に行くまでに、高さは低いけれども数段の階段があり、車椅子のままで行くのはちょっと無理そう。
だから庭園の外側のみをぐるっとまわって、出入り口へ。
案内所で、最寄りの駅を訪ねると、「汐留」駅が一番近いらしい。
汐留駅で、また、車椅子用トイレに入り・・・
無事、帰宅。ニャー子が待っていました。

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 夫は、外出している間は、ずっと目を開いて起きていた。
 もし、自宅に居たら、おそらくは寝てばかりだっただろう。
 午前11時過ぎに家を出て、帰宅したのは午後6時近く。
 私は久しぶりに車椅子を押して歩いたので、くたびれたよ~。
 運動不足です。

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シチコリン注射、効果があったと思う

今日、シチコリン注射(500mg)の最終回、7日目が終わった。
結果として、効果はあったと思う。
夫の側に居ての実感である。
夫の頭にかかっていた霧が晴れてきたような感じで、
一時のように、昼間も寝続け、ご飯を食べながら居眠り、カップを手に持ったまま居眠りして中身をこぼす・・・というような傾眠はなくなった。

それに笑顔が出るようになった。
傾眠がひどい時は、起きても、目が据わっていて、半眼で、怖い感じだった。
猜疑心にとりつかれているようだった。
今日は、明るい顔、笑顔が見られた。

歩行障害は・・・う~ん、すくみ足は相変わらずだけれども、
ほんのわずかだけど、すこ~し、足の動きも良くなっている。
もちろん転倒前には比ぶべくもないけれども、
ほんのすこ~し、足の動きが良くなるだけでも、介助がずっと楽になる。
そう、良くなっている・・・と感じるのは、介助が少し楽になったからだ。
もしかしたら、私自身の馴れも加勢しているかもしれないけれども。
でも、なんとかやっていけそうな感じ。

歩行はたいしてよくはならないと思う。
だけど、室内は物に掴まったりしながら、ゆっくり移動すれば良い。
外へ行くときは車椅子がある。
覚醒して居さえすれば、車椅子を使って、あちこち出掛けられる。
いろいろ楽しめることがある。

夫の脳のCTを見た神経内科医は、脳の萎縮がかなり進んでいることを伝え、
「この海馬のところは、ぺらぺらになっています。」
海馬があるべきところには、ぽっかり、黒々とした穴が開いていて、海馬はほとんど残っていない、海馬の皮?だけがちょこっとついている程度。こんな状態だから、何にも記憶できないのはあたりまえで、夫には、寄って立つべき記憶がないので、自分の頭に、ふと、浮かんだことが、現実に起きていることだと思うしかない → これが「妄想」と言われるものだ。だから、夫の妄想話は、もう仕方が無いことで、当たり前のことなのだ。

それから、夫の脳は、右側の側頭葉のところが特に大きく萎縮している。
そのあたりの脳が、ごっそり、ない・・・黒く抜けている。
神経内科医は、
「側頭葉のこのあたりは、歩行を司っているところです。
 こんなに萎縮してしまっているので、歩くのが困難だというのも、そのせいでしょうね。」
逆に言うと、こんな脳でありながら、今まで歩けていたほうが不思議なくらいなのかもしれない。
夫の脳はよく頑張って足を動かしていたのだ。
それが、転倒して、脳出血が起き、今まで頑張っていたところのタガが外れて、一気に歩けなくなった・・・っていう感じだろうか。

夕方、夫がデイサービスから帰って来た。
車椅子に乗って家の前に着き、迎えに出た私に気づいた夫の顔が、ぱぁ~っと嬉しい顔に変わった。
ああ、もう、これだけで十分だ。
私が妻であるとか、名前とかは、たぶん分かっていないけれど、私の顔を見て「会いたかった人だ~」と嬉しそうにしてくれれば、それだけで私も嬉しい。

IMG_0456_201710042255104e8.jpg 
ミルクがモカを抱くようにして眠る。
ミルクのほうが姉さんなんだな。
いつもミルクがモカをなめてやったり、抱いてやったり、お世話をしている。
2匹は、同じ時に同じ母猫から生まれた姉妹猫です。たぶん異父姉妹なんだろう。

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要介護度の「区分変更申請」、介護のために1部屋だけリフォームする決断

さて、夫は7日間連続のシチコリン注射で傾眠がとれて覚醒したが、
「すくみ足」「姿勢反射障害」(まっすぐに立っていられない)等は
相変わらずだ。たぶん、転倒前のように、自由に歩くことは叶わないだろう。

でも、本人が動こうと思えば、一人で椅子から立ち上がるし、
歩こうとする・・・が、やはり歩き始めの一歩が出ないため、
いったん立ち上がって、また、椅子に座る・・・を繰り返す。
時には、近くの家具に手をついて、ちょこちょこちょこ・・・と
歩くときもある。
しかし、後ろのほうに倒れそうになり、いったん倒れかかったり、
斜めになってしまうと、自分で姿勢を立て直すことができない(姿勢反射障害)。
そのため、夫が立ち上がって、歩こうとし出した時は、
すぐに側に行って、夫に気づかれないように、
ズボンのお腹のゴムのあたりを後ろからそっと掴んで、
夫が倒れないように、一緒に歩く。
いや、やはり自分では歩き出すことができない。
夫が椅子から立ち上がる時は、だいたい「トイレに行きたくなった」
ということがほとんどなので、「トイレ? お手洗い? はばかり?」と訊いてみる。
そして、トイレのドアの方向を指で指し示しながら、
その方角へ向かって、夫の後ろからそっと押すようにして、足を前に出させる。
時間が無いとき、お通じが切迫してそうな時は、
夫の前に回って、手引き歩行で、急いでトイレまで移動させる。
ただ、手引き歩行だと、どうしても夫自身で歩くのではなく、
引きずるようになってしまう。

今日、訪問リハビリの理学療法士さんが来た時に、
夫の動きを一緒に見てもらった。
体重計に乗って体重を計るのは、かなり難しい。
狭いところに両足を乗せて立位を保持できない。
椅子に座らせ、体重計の上に両足を置き、
そこから理学療法士さんが夫の両手を引いて、立たせ、
一瞬、夫の両手から手を離した時に体重計の目盛りを見る。
本当に瞬間のことだけど、たぶん52キロぐらいだった。

簡易ベッドからの起き上がりもやった。
いつもは、夫の足をベッドの下に下ろして、
夫の身体を横にしてから、夫の左手をベッドにぐっと押しつけてもらって、
右手の側に、えい、やあ!とばかりに抱き起こしている。
ところが、今日、理学療法士さんが居る前で、
夫をベッドに寝かせた上で、「ベッドから起きてみて」と言うと、
なんと、すっと、一人で起きられるではないか!
な~んだ、一人で起きられるんじゃない。
いつもはベッドから起きる気になっていないうちに、
「起きる時間だから」という理由で、
無理矢理起こしているから、起きられないのか?

ベッドに端座位で座らせて、そこから、
「立って!」と言うと、自分で立ち上がれるように姿勢を調整して、
(足を後ろに引いて、両膝より、上体を前に移動して)立ち上がる。
本人がやる気になりさえすれば、できるのだ。
また、いつも、理学療法士さんが来ている時のほうが、
夫の身体の動きがよい。
家族以外の人間が居るほうが、夫は頑張るのだと思う。

でも、デイサービスの連絡帳には、
「5メートルぐらい手引き歩行したところで、足がからまってしまい、
身体が傾いても、自分で姿勢を直せないので、椅子に座らせながら、
少しずつ移動した」と。

夫は歩ける足を持っているし、立ち上がれるのだが、
日常生活で、自由に歩行をするというのは、もうできない。
でも、こんな少ししか動けなくても、在宅生活を送る上では、
結構、役には立つ。
お風呂の浴槽への出入りもできる。
階段の上り下りもできる。

今日、介護区分変更申請を提出した。
今回の転倒後の認知機能と歩行の悪化を踏まえて、
再度、評価してもらう。
また、自宅1階の書庫にしていた「納戸部屋」の本棚10架を
狭い方の部屋へ移した。
本棚のうち5架を粗大ゴミに出した。
そして、空いた「納戸部屋」をリフォームすることにした。
1階には「洗面所」がない。
手を洗ったり、口腔ケアをするのに、洗面所がどうしても必要だ。
水道栓をあらたに引き、1階は冬とても寒いので、暖房設備を新たに入れ、
部屋から直接トイレに入れるように、壁に穴をあけて、トイレの扉は引き戸にしたい。
また、玄関の上がり框の段差を解消して
車椅子に乗ったまま玄関から部屋へ出入りできるようにしたい。
リフォーム会社に、現場を見てもらって、当方の希望を伝え済み。
連休中に、リフォーム案と見積もりを持って説明に来ることになっている。
さて、いくらでできるのか、戦々恐々。
既に介護保険による住宅改修は上限まで使ってしまっているので、
今回のリフォームでは介護保険は使えない。
介護度が三段階アップすると、再度使えるそうだが、
要介護5というのは、さすがに、ちょっと無理かと思う。

それはさておき、
9月に新しくオープンしたばかりの、
夏目漱石の晩年の9年間住んでいた住居跡につくられた
「漱石山房記念館」へ夫を車椅子に乗せて行ってきた。

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展示物の中には、夏目金之助(漱石)の巻紙の手紙や、猫の死亡通知はがき等もあった。
が・・・夏目金之助のくずし字が全然読めない (T_T)
古文書講座に通って(月2回、合計10回)、くずし字に少しは馴れたと思ったけれども、まったく歯が立たず。道はまだ遠し・・・ ○| ̄|_

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「我が輩は猫である」のモデルになった猫が死亡した時につくられた「猫塚(猫のお墓)」
大きくてりっぱです。漱石公園内にあり。

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 Cafe SOSEKI にて。
 左側は、柿アイスクリーム、右側はブレンドコーヒー
 紙のカップを回転させると、猫の後ろ姿も描かれている。

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 バターケーキという、その響きに引かれて注文してしまった。
 おいしくいただきました。

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河口湖へ1泊旅行へ(1)

夫を連れて、また、温泉に行きたい。
6月に予定していた温泉旅行は、その数日前から体調を崩して、キャンセル。その後、左下肢の動脈閉塞で入院した。
8月に予定していた温泉旅行も、これまた、数日前に転倒して頭を打ち、旅行どころではなくなり、これまた断念。
そして、今回、夫の歩行障害はひどいけれども、今ならなんとか旅行へ行けるのではないか?、行きたい! 

ネットで、夫と私で泊まれるような候補の宿が予約できるか検索。 
そして、天気予報を確認。
先の予定のほうが、私の都合はよいが、天気は悪そうだ。
2日先は、私の予定が入っているけれども、天気は良さそうだ。
私の予定は変更してもよい。思い立った時が吉日。
夫の体調は変化しやすいのだ。行けるときに行かなくてどうする!
バリアフリーの宿として有名な(?)富士レークホテルの富士山の見える側の部屋を予約。
夫は一人で大浴場を利用できないので、客室内に温泉付きは必須だ。

次は足を確保しないと。
新宿(バスタ新宿)から高速バスで河口湖まで2時間だ。
高速バスは、車椅子のままでは乗り込めない。
車椅子は折りたたんで、他の荷物などと一緒にバスに積み込む。
夫は、今ならぎりぎりバスのステップを何とか上がれそうだ。
どの席にするか?
高速バスは最後尾にトイレがついているタイプ。
トイレの近くにしようかな?
いやいや、夫は今「すくみ足」があるので、後ろまで細い通路を進むのはとても大変だ。
リハパンを履いているし、2時間だから、きっと大丈夫。
最前列の席を予約した。
夫は身体障害者手帳1種2級を持っているので、障害者と介護者割引で片道合計1760円也。

さて、当日の朝、夫は早めに起きることができた。
さあ、がんばって(?)、お通じだ!
バスに乗る前に済ましておきたい。
朝食後、上手い具合に第一弾が出た。

荷物はリュック1つを私が背負い、呼吸器のバッグは夫の車椅子の後ろにかけ、夫の小さなセカンドバッグは車椅子に乗った夫の首からかけて膝へ。
夫が、朝早く起きられたので、バスの出発時刻より1時間半前に自宅を出られそうだ。
当初はタクシーでと思ったが、時間に余裕があるようだから、地下鉄で行こう。
ところが、ところが・・・
新宿西口駅で降りると、駅の係員さんが寄ってきて、
「今、エレベーターは工事中ですので、使えません」
「えぇ?」
「車椅子の昇降機というのがあるのですが・・・」
「はい、知っています。それでお願いします。」
「でも、あの~、45分ぐらいかかってしまいます。」
「えぇ~? それは困ります。間に合いません。」
「あの、失礼ですが、立つことはできますか? 支えますので、車椅子も私たちが持ちますので、エスカレーターでどうでしょう?」
「支えれば、立てます。それでお願いします!」
こうして、駅員と私と二人で夫の両脇を支えてエスカレーターへ。
現在の夫は「すくみ足」があるので、乗るとき、下りる時が怖い。
でも、二人で両脇を支えるのであれば大丈夫。
その後ろから、車椅子を運ぶ駅員がもう一人。
なんとか、無事、上まであがることができた。
そこから、もう一度地上行きのエレベーターに乗り、地上へ。
新宿西口の雑踏の中、選挙の街頭演説会が始まるようで、
その人混みをかき分け、バスタ新宿(高速バスターミナル)まで、夫の車椅子を押して走る羽目に。
バスタ新宿を利用するのも初めてだし、ちゃんと時間までに行けるのか~?

バスタ新宿のビルの4階までエレベーターで上がる。
まずは、電話で予約したチケットを買わなければ。
車椅子で行ったら、係員が、すぐに窓口へ案内してくれた。
障害者手帳を提示して、料金を支払う。
乗り口は? チケット売り場のすぐ目の前だった。
さて、まだ、20分ぐらい時間がある。
夫をトイレに連れて行かないと~。
多機能トイレへ。
使用中。しばし待つが出てこない。
もう一つ、少し離れた場所に多機能トイレがある。
そこまで車椅子を押して走る。
ところが、こちらも使用中。
しかたがない。そこでしばらく待っていると、
大きなキャリーバッグを持った男性が出てきた。
荷物ごとトイレに入るために入っていたんじゃないか?
と勘ぐりたくなるが、う~ん、オストメイトの人かもしれないしね。
オストメイトの人は、外見からはそうとは分からないから、多機能トイレを使って出てくると、待っていた人に白い目で見られると言って、嘆いていたからなぁ。
ま、とにかく、夫を何とか多機能トイレに座らせることができた。
万歳! なんと2回目のお通じがありました!!
よかった~。このまま高速バスに乗って2時間だもの。
ここで出しておけば安心だ!

バスが来た。
最初に乗車させてもらう。
高速バスのステップは結構高い。
最初の一段を上るために、小さな踏み台を用意してくれたが、
その後は、自力で上らないといけない。
夫と一緒にステップを上る。
全部上りきって、すぐそこが座席なのだが、
その座席に入るために、足を動かすことができない夫。
しばらく根が生えたように動かず、私も焦る。
乗務員さんも心配したように、「大丈夫ですかぁ?」
なんとか、ぐっとひっぱって、座席の中に引き入れた。
車内がまだ薄暗かったから、怖かったのだろうか?

私たちが乗車する間、他の乗客は乗り込むのを待たされていた。
無事、定刻に出発。
車内で聞こえるのは、フランス語、中国語、英語、○○語、etc.
日本語はほとんど聞こえない。私たちも手話だしね。
トイレ付きの高速バスなので、終点の河口湖まで休憩なしで走る。
乗車中の夫は、眠るのかと思ったら、意外と目を開けて起きていた。
一度だけ座席から立ち上がろうとしたことがあったけれども、ちょっと制したら、おとなしく座っていた。
ただ、足下の床に打ち付けてある金属製のプレートが、何かに見えるのか、何度もかがんで手を伸ばして、それを掴もうとする。床に打ち付けてあるものなので、「汚いから触らないで」と私も何度も制することになった。(日常生活でも、歯磨きや洗面中に、手を伸ばして置かれているゴミ箱やその他、諸々のものに手を伸ばして触ろうとする。たいていが、触って欲しくないものばかりに手を伸ばすので、そのたびに制することになる。夫は制されると、おとなしく引き下がってくれるが・・)

平日だったせいか、渋滞に巻き込まれることもなく、ほぼ予定通りの時間に河口湖に到着。
乗客が全員バスから降りたあと、私たちはゆっくり降りることにした。
「さあ、降りますよ。」と夫に言うと、
「どうぞ・・・ボクはいいから。」
って、降りないわけにはいかないのだよ!
立たせようとするが、梃子でも動かないふう。
何度か立たせようとズボンのゴムのところをぎゅっとつかんで上に上げると、ようやく立ち上がってくれた。
はあ・・・( ノД`) 疲れます。

河口湖の停留所に着いたところで、ホテルに電話をして、迎えの車を頼んだ。
そして、迎車が来るまでの間に、河口湖駅の多機能トイレに入り、夫のパッドを交換。
トイレから出て、ホテルの迎車の止まるところに行くと、既に迎車が待っていた。
このホテルには、車椅子ごと乗れる車両はないようだが、椅子が車の横にスライドして乗れるタイプの車があることを知っていたが、ま、高速バスに乗れるのであれば、普通のマイクロバスでも乗れるかなと考えて、「普通のでいいですよ」と言っておいた。

ところが、実際に乗ろうとすると、乗車するのに一苦労。
車高が高いところは、ドライバーが手を貸してくれて乗せられたが、その後、車内で少し足を動かして座席に座らせねばならないのだが、車の天井が低くて中腰で移動せねばならず、夫は天井に頭をぶつけてしまったし、なかなか腰を下ろして座るという動作ができず、苦労した。
また、ホテルにチェックインするには時間が早かったので、ホテルへ行く途中にある遊覧船乗り場で下ろしてもらうことにした(荷物だけ先にホテルへ運んでもらった)が、下りる時もまた座席からなかなか立ち上がれず、四苦八苦してようやく車から降ろした。
はあ、(ノ_<) いろいろなことができなくなっているということを思い知らされる。

河口湖の遊覧船アンソレイユ号の乗船チケット(障害者5割引き、介護者は2割引き)を買い、出発時刻まで少し時間があったので、少し何かお腹に入れよう。
実は昼ご飯をまだ食べていない。今夜はご馳走をたくさん食べる予定だから、昼ご飯は軽めにするつもりとは言え、さすがにお腹が減る。
何か適当な食べ物を売っていないかなあ?
見ると、チーズケーキガーデンとかというお店があったので入ってみた。
そこでカマンベールチーズどら焼きを2個買い、夫と1個ずつ食べた。
ふと、見ると、夫が自分の親指を口の中に入れてしゃぶっていたので、衝撃を受けた。
食べている最中、はみ出したチーズが手についたのだろうか?
それにしても、これはちょっと・・・幼児がやるような仕草だよ~。
やはり幼児レベルにまでなっているということなんだろうな。
ティシューペーパーで夫の手を拭いてやった。

そろそろ乗船時間だから、船着き場へ行こう。

・・・つづく


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河口湖へ1泊旅行へ(2)

河口湖遊覧船アンソレイユ号は、船着き場へ下りる橋桁はスロープになってはいるが、傾斜角度がかなりきつい。
そのため、スタッフが「傾斜がかなりきついので、ボクが車椅子を押しましょうか?」と声を掛けてくれたので、お願いすることにした。
スタッフが後ろ向きに車椅子をゆっくりおろしてくれたので助かった。
他にも1名、車椅子の方が乗船していた。

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船室は階段を登ったところにあるので、車椅子の場合、テントの張られた後方デッキに乗ることになる。後方デッキはこんな感じ↑

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よく晴れていたので、富士山がきれいに見えた。
右側に見える建物が、私たちの宿、富士レークホテル(創業は昭和7年)。
心地よい湖の風を感じながら、河口湖を遊覧した(約20分)。

遊覧船の船着き場からホテルまでは徒歩10分もかからない。
お腹が減ったので、途中にあったコンビニで、おにぎりと野菜ジュースを買った。
ベンチも見当たらなかったので、遊歩道のようなところで、夫は車椅子に乗ったまま、私は植え込みの縁石に腰掛けて、おにぎりを食べ、ジュースを飲んで腹を満たして、ホテルへ向かった。
ちょうどチェックイン時刻の午後2時くらいになっていた。

ラウンジで、ウエルカムドリンクのふどうジュースをいただいた。

部屋の窓のカーテンを開けると富士山が・・・
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ホテルの貸し出し備品から借りたもの:
 ベッドに敷く防水シーツ(水色のもの)
 床置きの立ち上がり補助手すり

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 なお、この部屋のベッドは電動リクライニング付き。
 ただし、ベッドの高さの昇降はできないタイプ。
 別にあるバリアフリー室だと、高さの調整もできる電動ベッドになる。

 それから、トイレにはもちろん手すりがついているが、そのトイレには、紙オムツを捨てる専用のゴミ箱を置いてもらった。「おしめ王子」というネーミングらしい・・↓
 こういうゴミ箱は初めて利用したわ~。

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富士山を眺めながら入れる部屋のお風呂 ↓

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でも、夫をこのお風呂に入れるのは、苦労したわ。
夫は、自宅のお風呂はまたいで入っているが、
この陶器製のお風呂は、自宅のものより何センチか高く、またいで入ることはできなかった。
またいで入るためには、手すりか何か掴まるところが必要なのだ。
普通は、この陶器の風呂の縁に手を置いて、またいで入るのだろうが、ちょっと幅もあるので、夫は向こう側の縁まで手を伸ばすことができない。
そこで、両サイドについている木製の台に腰を掛けて、それから、足を片方ずつ浴槽に入れるという方法で入った。
でも、それも、浴槽の縁のでっぱりが邪魔して、足を浴槽に入れてからも、でっぱった縁をお尻が越えるのが難しくって・・・
このホテルでは、浴槽の出入り用の台も貸し出しているので、それを借りるべきだったかも。
浴槽に取り付け可能な手すりも貸し出しているのだが、この陶器製の浴槽には取り付けることができなかったのだ。他の部屋の木製の浴槽には取り付けることができるのだった。
また、お風呂用の車椅子も貸し出しているのだが、今回は借りなかった。
でも、夫は、私が想像していた以上に動けなかったので、風呂用車椅子(ゴロゴロ動かせる)も借りたほうが楽だったと思う。今回はシャワーチェアだけしか借りなかった。
浴槽内に敷く滑り止めは備え付けになっている。
また、この浴槽、夫が入るにはサイズが大きすぎた。
夫は、浴槽に入るときに「怖い、怖い」と言っていた。
他の部屋についている小さいサイズの浴槽の方が、足がしっかりと固定されて安心感があると思う。
再び来る機会があったら、小さいサイズの浴槽のある部屋にしようと思う。

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いろいろ困難はあったけれども、この富士山の見えるお風呂に、到着時と翌朝と合計2回、夫を入ることができた。
私? このお風呂には5回入ったかな? 男女入れ替えの大浴場にもそれぞれ1回ずつ入ったし。

つづく・・・

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河口湖へ1泊旅行へ(3)

宿泊先のホテルの室内。
私は、夫に客室内ぐらいは歩いてもらうつもりでいた。
客室内ぐらいは、たぶん歩けるだろう・・・と。
ところが、思っていた以上に、夫は歩けなかったのだ。

自宅内では狭くて家具が歩くすぐ近くに置かれているので、
それらに手をついたり、つかまりながら、伝い歩きしながら、
私が手を引きながら歩かせている。
自宅では車椅子を動かすほどのスペースがないので、
イヤでも歩かせて連れて行っているのだ。

しかし、ホテルの客室内には余計な家具は置かれていない。
広々とした何もない空間が多い。
ベッドからトイレまでは5~6メートル?いや、もっとある。
夫の手を引いてトイレまで歩いて行き、座らせるのに四苦八苦。

トイレに手すりはついているけれども、
手すりのあるところまでの距離を、手引きしても歩いて行けないのだ。
結局、客室内でのトイレや風呂への移動は車椅子で・・・になった。
一定の広さの空間が広がるホテルの客室内は、逆に、うまく歩けないという結果に。

幸いユニバーサルデザインのホテルなので、
トイレも便器のすぐ側までも、
お風呂も浴槽のすぐ側までも、車椅子で入れる。
車椅子で自在に動けるのは便利だったけれども、
夫がこんなにも歩けなかったのか・・・
という現実を突きつけられることになり、
それなりにショックなことだった。

さて、夕食は部屋食にしてもらった。
このホテルでは、食事の形態も、希望に応じて、
一口大、きざみ食、極きざみ食、ミキサー食に展開してくれる。
ただし、展開食にすると一食あたり1080円別途かかる。
夫には、最初、一口大にしてもらおうかなと思ったが、
懐石料理なので、料理の一品一品の量は少なく小さいことが予想されたので、
普通食のままにして、念のため、キッチンばさみを持って行った。

IMG_0549.jpg
 一の膳・・・
 松茸の土瓶蒸しは美味しかったけれども、それ以外は精彩を欠いていました。

IMG_0561.jpg
 二の膳・・・お刺身と焼き物のお魚は美味しかった。バイ貝とエビは今一つ。
 野菜のシチューは、ホテルの名物とのことだが、食事の組み合わせとしては、ちょっといかがなものか?と思った。単独で美味しい物であっても、この中では生きてこない。余計だったと思う。
 ・・・と言いながらも、食べ物を残すことができない私なので、夫が食べられなかった野菜シチューとパン、銀杏蒸しまで、全部、私のお腹の中へ。

IMG_0568.jpg

 三の膳・・・和牛と野菜の朴葉味噌焼き、松茸ご飯、赤だし、香の物。
 ここで持って来たキッチンばさみの出番。
 和牛肉を夫が食べやすいように一口大に切った。
 このお肉は柔らかくて美味しかったけれども、サツマイモ、ズッキーニ、パプリカ、豆腐の朴葉味噌焼きは、なんだかな~?とい感じ。
 松茸ご飯は美味しかった。でも、残念ながら、夫は三の膳に来るまでに既にお腹いっぱいになっていて、ほんの一口二口食べただけ。和牛肉は8割がた食べさせ、赤だしも少しすすらせて、残りはですね、全部、私のお腹の中へ入りましたよ。久しぶりに、もうこれ以上は入らないというところまで食べました。

IMG_0571.jpg

 デザートは、ぶどうや栗をあしらったモンブラン。う~ん、まあまあ。
 食べ終わってからも、なぜかずっとチョコレートの味が舌に残っていた。
 お腹いっぱいの上に、さらに甘い味がずっと口の中に残るのはちょっと・・・

まあ、いろいろ文句を言う割には、
夫の残した分も含めて、全部、食べてしまう私だけど (*´ω`)┛。
翌日、大浴場の温泉に入った時に体重計に乗ったら、前日よりも1キロ体重が増えていた。

IMG_0586.jpg 

翌朝、朝食バイキングは、午前7時~8時半まで。
夫が朝食に間に合うように起きられるか心配した。

明け方起きて窓の外を見たら、あたり一面まっしろで濃い霧がかかっていて富士山は見えず、「今日は曇りかぁ、残念!」と思った。
けれども、午前7時頃に夫が目覚めたときには、霧も綺麗に晴れて、富士山が目の前に見えた。
さっそく、夫を、富士山の見える浴室に連れて行き、朝風呂に入れた。
「ほら、富士山だよ~」と指さすと(指ささないと富士山にも気づかないのだ)、「ほぉ~」と見ていたが、わかったのかな?
浴槽に入るとき、夫はまた怖がっていたが、なんとか無事入れる事ができた。

朝食後、夫はベッドでまた一眠り。
その間に、私は大浴場へ行き、また、一風呂浴びる。
午前11時までにチェックアウトすることになっているが、
午前10時半にはフロントへ行きチェックアウト。
河口湖駅まで車で送ってもらうのだが、送り時間が決まっていて、次は10時45分。
その際に、迎えのマイクロバスの乗り降りに苦労したので、送りは福祉車両を希望すると、
「申し訳ありません。故障して、2週間修理に出してしまって、ご用意できないのです。
 代わりに車高が低い車をご用意しますが、そうでなれば、介護タクシーなどをお呼びいただくか・・ですが。」
 な~んだ、よりによって、ついてないなあ! 
 10月下旬にならないと、その車両は戻ってこない
とか。
 まあ、じゃあ、車高が低い車でいいですよ。

 河口湖駅までは5分ほどで到着。
 この後は、まっすぐ帰る。
 夫は、チェックアウトで車を待っている間にも、車椅子に座ったまま傾眠しているし、疲れているようだし。
 それに、車もない私たちが、他の観光施設に移動するのも、巡回の観光バスに乗ったり、タクシーに乗ったりしなければならないけれども、そこまでのパワーはない。それに「ただ見るだけの観光施設」に、夫が興味を示すことはないからね。
 帰りは、電車で帰ることも考え調べてみたけれども、電車だと3時間かかるし、料金も高い。
 やはり高速バスのほうがいったん乗ってしまったら楽だし、安いし・・・
 帰りの高速バスのチケットは買っていなかったので、河口湖駅で、長い列に並んで買うことになった。う~ん、今後は、往復でチケットを買っておいたほうがいいな。
 11時10分のバスは、一番前の席はとれなかった。
 バスに乗る前に、夫をトイレに連れて行っておきたいし・・・
 11時50分のバスは、河口湖駅発で一番前の席も空いている。
 だいぶ待つことになるけれども、トイレに行ったりしてたら、あっという間だろうから、そうしよう。

 その後、出発までに2回、多機能トイレに夫を連れていったけれども、
2回ともまった何も出なかった~。
 う~ん、大丈夫かぁ? 大丈夫じゃないよなぁ。
 まあ、リハパン履いているから、なんとかなるな。

 帰りの高速バスも渋滞に巻き込まれることもなく、予定時刻どおりにバスタ新宿に到着。
 バスタ新宿で、さっそく多機能トイレへ。
 あ~、やっぱりね。パッドを取り替えだぁ。
 高速バスが到着した3階からタクシーにも乗れる。
 でも、まあ、まだ午後2時ぐらいだし、頑張って、節約するために、路線バスで帰るかなあ。
 バスタ新宿から新宿西口のバスターミナルまで、リュックを背負い、呼吸器のバッグを車椅子にかけ、夫を車椅子に乗せてゴロゴロ押して移動。
 午後3時前には自宅に無事戻った。

 玄関のドアの鍵をガチャガチャやっていると、猫のモカがドドド~っと階段を下りてきて、ニャ~とお出迎え。

 お疲れ様でした。天気に恵まれた1泊2日でした。
 私は、河口湖での夜、これからのことをいろいろ考えていたら、目が冴えてしまって眠れず、そのため夜中に3回も部屋の温泉に浸かっていました。

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また、転倒 (;д;)

今日は来客があった。
夫の教え子が遊びに来た。
3時間ほどお茶や珈琲を飲みながら、お菓子を食べながら、おしゃべりをした。
夫は、私たちが話すことは、よくわからなかったと思う。
私たちの話とは関係がない話をしながらも、なんとなく会話に加わっているふうではある。
でも、そのうち、お客さんが話しかけていても、相手の顔を見ていなかったり、トイレに立て続けに立ったり・・・そのトイレへ行くのも、足が動かなくて、大変で、その様をお客さんにお見せすることになった。
でも、二度目のトイレは何にも出なかった。
会話が続いていることに疲れてきて、それから逃れるためだったのかも・・・
その後、三人(と猫)の写真を撮って、お帰りになった。
帰り際、お客さんを2階のリビングから玄関先まで見送ろうとした。
その時、夫が「トイレに行く」と言うので、「ちょっと、待ってて。見送ったら、一緒にトイレに行くから」と言って、階下へお客さんと一緒に降りた。
そして、お客さんが玄関をドアを閉めたところで、バタン!という大きな音が2階で聞こえた。
慌てて2階へ上がってみると、夫が椅子に居ない。
トイレのドアの前あたりで、尻餅をついて起き上がれないでいた。

ああ! やっちまった!
ど~して、待っててくれないの?
 って言ったって、認知症だから、言っても忘れることはわかっているじゃない?!
あの時、お客さんを見送るよりも、トイレに行きたいと言っている夫を先にトイレの便座に座らせるまで、せめてそこまでやるべきだったのではないか?
でも、トイレの便座に座らせるまで、すごく時間がかかるんだよ~。
だから、帰ろうとするお客さんに気を遣って、お客さんを先に・・・と思ってしまった。

大丈夫? 痛い? どこか痛い?
2階のリビングは夫が転んでも衝撃が弱まるようにコルクマットを敷いているが、選りに選って夫が転んだところはドアを開け閉めする位置でコルクマットを敷いていないところだった。なんで~?

尻餅をついたままの夫をそのまま、トイレの中までひきずってきて、トイレの手すりに掴まらせて、立ち上がらせた。
それから、トイレの便座に座らせて、
「バカあ! どうして待っててくれないの? 一人じゃ歩けないでしょ!(と言っても仕方がない文句を、言わずには居られない私)。
 どこか痛い? どう? 背中は? お尻は?」
夫は、むにゃむにゃ言うが、要領を得ない。
前回の圧迫骨折は、自宅のリビングで尻餅をついて起こした。
えっ? この程度の尻餅で?と思うようなものだったけれども、圧迫骨折を起こした。
だから、今回も?
今のところは、それほど痛がってはいないが・・
う~ん、もし、圧迫骨折を起こしていたとしても、今までの経験からして、2~3日してから痛みが強くなって起き上がれなくなるというパターンだ。
夜になって、身体の右側への傾きが強くなっている。
今日は、椅子から立ち上がった時に、後方へ倒れやすい状態が続いていた。
転倒しないようにと注意してきたのに・・・
ほんのちょっとのことで、また、転倒してしまった。
もうちょっと、気をつければ良かった。
これくらいは大丈夫じゃない? という思いが落とし穴なのか?
ちょっとの間も目が離せない (;д;)

明日の朝、腰や背中の痛みがなく、夫が起きられますように。

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期日前投票に行ってきました

尻餅をついた転倒後、夫の様子に特に変わりはない。
腰椎を圧迫骨折していると、寝た状態から起こす時に一番痛みが出るのですが、朝、ベッドから夫を起こす時に、それほど大きな痛みは訴えない。
小さな痛みの訴えはありますが、これは以前からで、長時間同じ姿勢で寝ていることによって生じる痛みのようだ。(最近の夫は「寝返り」をしなくなった。「寝返り」ができなくなっているようで、歩行障害と同じように、脳の萎縮が進んだことによるのではないかと思う。)
コメントをいただいたアルバの会さんの奥様は、転倒後3~4日経ってから骨折に気づいたとのことですから、楽観はできないけれども・・・

今日は、夫と一緒に、衆議院議員選挙の期日前投票に行ってきた。
小規模多機能居宅介護の車で投票所まで送迎してもらった。
夫は、前回の都議選の時から、投票用紙に自分で書き入れる方法ではなく、投票所に控えている
「補助人」に書いてもらう「代理投票」にしている。
受付をする前に、期日前投票をする理由や、名前、生年月日などを書くのだが、「書けないので、代理投票をお願いします」と言うと、そのところから代理で書いてくれた。

前回の都議選の時は、夫は自分が以前から支持してきた候補者や政党を指さすことができていたが、ここ1~2ヶ月の急激な認知機能の低下によって、今日はもうそういうレベルではなくなっていた。

私が手話で投票前に、「投票したい人の名前を指し示せばいいんだよ」と夫に言っていると、選挙管理委員に制止された。
私が手話で話しかけたことによって、夫が耳が聞こえないということを補助人らは理解したようで、夫がなかなか指を指さないので、紙に何か書いて夫に示していた。
しかし、最近はデイサービスでも、筆談が通じないというコメントが頻繁に返って来ている状態。
私が手話で言っても、なかなか通じないのに、筆談ならなおさら通じないだろう。
日本は識字率が高いとは言え、世の中には読み書きができない人だっているし、さらに夫は耳も聞こえないから、音声でのやりとりもできない。
そういう人もいるのだから、投票所には、手話の使える補助人を配置して欲しいものだ・・・

とはいえ、仮に、私が手話で夫に、「投票したい候補者名や政党名を指さして」と伝えたとしても、現在の夫では、それさえもまともにできなかったのではないかと思う。

会場の外で、中の様子を見ていると、夫は、候補者名の書かれている紙の前で、人差し指をあげて、その指をふらふら動かしているが、特定の場所でとまらず、あちらこちらに指は動く。
そのため、補助人2人(2人で確認することになっているようだ)は、どれかわからず、結局、右端から順番に補助人が指さして、夫が頷くところで書こうと試みたようだ。
でも、それでも、何だかよくわからない感じ?
外から見ていたら、夫が、ある候補者の最初の一文字を手話で表すのが見えた。おそらくその候補者名を代理で書いてもらったと思う。補助人はたぶんその手話は理解しなかったと思うが・・

代理で書いてもらっても、投票用紙は、自分の手で投票箱に入れなければならないことになっているらしい。
小選挙区の投票用紙は、投票箱を近くまで持って来てもらって、なんとか入れられた。

最高裁の裁判官の国民審査は、辞めさせたい裁判官の名前の上に×をつける・・・これは、もっと難しかったのではないかと思う。

比例選挙の投票用紙を投票箱に入れようとしたが、きちんと中まで入らず、下に落ちずに、ひっかかっていた。それを補助人らは、夫自身の手できちんと投票用紙を下に落とすように伝えたかったのだが、うまく伝わらず、私もじれったくって、中に入って、夫に「ちゃんと入れるんだよ」と手話で言ってしまったが、夫はわけがわからず、また、投票用紙を自分の手に戻してしまった。私が再度「投票箱に入れるんだよ」と言うと、今度は、投票箱の入れ口の隣あたりに投票用紙を置いてしまった。選挙管理人?と思われる人が、「もう、いいですから」と、代わりにその置かれた投票用紙を入れてくれた。

なんだか、ずいぶん杓子定規じゃないか? 
投票用紙を投票箱に入れるだけなのに、こうまで厳格にやらないといけないのだろうか?
おそらく、手に障害があって、投票用紙を掴んで入れることができない人の場合は、代わりに入れてくれるはず。
夫は、投票箱に投票用紙を入れるということの意味が理解できていなかったと思うが、それだけではなく、脳の萎縮のために手指の巧緻性が落ちていて、あの細い投票穴に投票用紙を入れ込むことができなかったという面もあったと思う。

投票用紙を投票箱に入れられないでもたもたしているときに、私が思わず中に入っていった時に、夫の投票用紙に書かれている政党名が見えた。残念ながら、夫が長年支持してきた政党名ではない名前が書かれていた。
ちょっと残念だが、これも仕方がないことだ。

こんな状態で、意思表示ができたとは言えるのか?
こんな状態で、投票をする意味があるのか?

でも、国民の権利だから。
重い認知症の人もこの社会の構成員の一人として存在しているのだから、
簡単に棄権させたくない・・・
と思うのだ。

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喉がヒューヒュー言い始めた。

季節が変わった途端、夫の喉がヒューヒュー言い始めた。
そして、ゴホッ、ゴホッという咳をする。
その音で、私には喉の奥に痰が絡んでいるのがわかる。
けれども、夫は耳が聞こえないので、痰が絡んだ咳を自分がしているということが分からない。
だから、夫がゴホッと咳をすれば、私はティシューペーパーを持って、夫の元にすっ飛んでいく。
「はい、ゴホンとやって!」
夫は、きょとんとしている。
なぜ、私が血相を変えて、ティシューペーパーを差し出すのか、わからないからだ。
今、自分がごほっと咳をしたことも忘れているか、あるいは咳したこと自体気がついていないのかもしれない。
そして、夫は「ゴホン」と意識的に咳をして痰を出すことができない。
これが、本当に、じれったいったらありゃしない!
「はい、ほら、今、ゴホンとやる! 違う、違う、鼻をかむんじゃないの。咳をするの!」
いくら言ってもわからないし、聞こえないから、ゴホンと意識的に咳を出すことができない。

あぁ~、でも、このゴロゴロ言っている喉が気になって気になって。
このまま放っておけば、肺炎になっちゃうんじゃないか?と心配なのだ。

意識的に咳をして痰を出すことができないので、咳反射が自然に出やすいようにするしかない。
痰を出すためにうちが試みている方法は次のとおり。

1.まず寝た状態だと痰が出にくいので、身体を起こす。寝返りをさせる。

2.背中などをさすったり、腕を上げ下げさせる。

3.口や喉が渇いていると痰が出しにくいので、水分を摂る。
  うちは、寝ている状態でも飲めるアイソトニックゼリーを使っている。
  夫は、あまり水分を摂らないのだが、このアイソトニックゼリーは喜んで食べる(飲む?)。
  服薬の時にも使うので、一日に最低でも5~6本は使っているかな?
  喉を潤すという意味で、はちみつをなめさせたりもする。

  IMG_0236 (2)

4.室内に加湿器を置く。今日は外は雨で、室内の湿度計を見ると50%は上回っていたが、エアコンを使っているせいか、室内は乾燥気味。乾燥はてきめんに喉の具合に影響する。

5.口腔ケアの時に、ぶくぶくうがいだけでなく、がらがらうがいをする。
  がらがらうがいをすると、喉が刺激されて咳反射が出て、その拍子に痰が排出されることが多い。
  でも、最近は、このがらがらうがいをするのが、難しくなってきている。
  コップから水を含んで上を向いてがらがらとやって見せて、夫の口にもコップから水を含ませ「一緒にやって」と言う。これで真似してくれることもあるが、全然やってくれないことも。

6.アカペラという痰の排出器具を使う。
  acapella_w01.jpg

これは夫自身でアカペラを口にくわえて息を吐き出さねばならない。これを通常は10回程度繰り返すのだが、夫は2~3回やったら、疲れてしまうのか、続けてやってくれない。息を吐き出す力の設定は調整できるようになっており、夫には一番弱い息の吐き出しの設定にしている。
 夫は時に「口にくわえて息を吐き出す」ということがわからず、アカペラの形状から飲み物と勘違いして、すーっと吸ったりしてしまう。(ノ_<)
 さらに、アカペラを使って息を吐き出すということが何のためなのか夫は分からないため(もちろん説明をしてはみるが了解不能)、なぜ、こんなことをしろと言われるのか、夫にとっては不可解千万のようで、なかなか協力を得られない。
 でも、このアカペラで、数回だけでも息を吐き出すと、しばらくすると上手い具合に、ゴホッと大きな咳をして痰を出してくれることが多い。とても有効な器具なのだ。

7.ホットシャワーという超音波温熱吸入器を使う。

  ホットシャワー    

超音波振動によって、水を霧化したものが出てくる。
それを口を開けて吸うと、咳き込むのを利用して、痰を出そうというもの。
本来の目的は、喉や鼻孔を潤すものだが、副次的な作用で、咳き込んで痰も出てくれる。

以上のようなものだけれども、なかなか痰は出ないは、ゴホゴホ言う咳、ゴロゴロ言う喉、毎回、毎回、やきもきしている。
痰の吸引まで行かない段階で、認知症の人に痰を出させる良い方法は、他にないでしょうか?

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意思疎通の難しさ、言語機能も失われつつある

夫との意思疎通が目に見えて難しくなってきた。

夫と「意思疎通ができない」と私が言う時、その態様は2種類ある。
1つは、夫の意識レベルが低下している時。
もう1つは、意識レベルは良い時でも、言語そのものの理解が低下していること。

「意識レベルが低下している」徴候は、私が夫に何か話しかけても、夫がちっとも私の目を見ないこと。すぐに目をそらしてしまう。目がふらふらと宙をさまよってしまうのが特徴的。
聞こえる人同士であれば、目を見ないで(顔を見ないで)も会話はできる。
けれども、耳の聞こえない人間にとっては、相手の顔(目)を見ないことには、会話が成立しない。
夫の目が宙をさまよってしまう時、そういう時にこそ「ユマニチュード」だ。
真正面から夫の視線をとらえに行く。
夫は視野がすごく狭くなっているため、正面から夫の視野に入るように顔を近づけて、手話で話しかける。
でも、手話で2~3語の文を言い終える前に、すぐに夫は視線をはずして、目が宙を泳ぐ。
またまた、視線をとらえに行く・・・・

最近は、とみに言葉(手話、日本語)そのものが通じなくなっていると感じる。
例えば、口腔ケアをしたい時、まずは義歯を外してもらいたい。
けれども、夫の記憶の中では、自分が義歯をしているなんていうのは抜け落ちているし、「入れ歯」という手話そのものも、どうも通じていないみたい。
「入れ歯を磨きます。入れ歯を外してください。」と繰り返し視線を捕らえてから言って、ようやく「入れ歯を外す」という手話をオウム返しに返してくれはしても、それが「自分が入れ歯を外すのだ」という行為に結びつかない。
ここで、私がじれったくなって、無理に夫の口に指を入れて入れ歯を外そうとしようものなら、夫は「自分の歯が抜かれる!!!」とばかりに、パニックになって抵抗する。何度かこの失敗を繰り返した私。
そこで・・・
「あのね、○○(夫の名)は入れ歯だよね?」とにっこり笑って言う。
夫は「うん」と応える。(本当に分かって応えているのかは、疑問だけれども。)
「私が、○○の入れ歯を磨くからね。任してくれる?」
「うん」
「じゃあ、私が入れ歯を外してもいい?」
「うん」
こうしてから、夫の口に指を入れて入れ歯を外すと、すんなり外させてくれる。
「入れ歯を外す」という言葉のやりとりの意味があまりわかっていなくても、穏やかなやりとり(会話と言えるかはわからないが)があって、夫自身が「承認した」ときは、すんなり行くようだ。

 ちなみに、夫は総入れ歯だ。
 下の入れ歯はゆるくなっていて、指で掴むとすぐに外れる。
 上の入れ歯はぴったり入っているけれども、親指を入れ歯の前歯のところに当てて、軽く上に押すと、パカッと外れる。(これは訪問歯科の先生に教わった入れ歯の外し方)

今日は、台風一過の晴天で、夫の意識レベルは良かった。
洗濯物が乾いたので取り込んで、夫に畳むのを手伝ってもらおう。
タオルを1枚、畳んで見せて、「やってね」と言う。
夫はタオルを1枚掴んでやりかかった。
ちょっと目を離すと、やっていない。
「こうやって、畳んでね。」
ようやく1枚畳んで、他のタオルはよけてしまっている。
「これらも畳んでね。」
何度か促して、ようやく5枚ほどのタオルを畳み終えた。
「ありがとう!」
夫からタオルを受け取るときに、夫が言った。
「これ、なんていう名前?」
「えっ?」と私が怪訝な表情をしたのだろう、夫が続けて、
「いや、ほら、会話をするときに(これの名称が)必要だからさ・・」と言う。
「タオルだよ。タ・オ・ル」と手話と指文字で伝えた。
夫は手話でタオルとやり、指文字でタオルとやって、
「へえ、そうなんだ~」という表情だった。
タオルなんて日常的な言葉を、初めて知ったようなリアクションをする夫。
私は不安になって、テーブルの上に寝て居た猫のミルクを指さして、
「じゃあ、これの名前はなに?」
夫は、猫のミルクの背中を、ぬいぐるみでも触るように、わしづかみに掴んで「これは何だろう?」というふう。生き物と気づいていない感じだった。
「これは猫だよ。猫。名前はミルク」
「ネコ? ああ、ネコ!」

意識レベルが低下している時は、意思疎通がしにくいのは当然だとして、今日のように意識レベルが清明なのにもかかわらず、言葉そのものの意味を忘れ始めている。

それに、本人はいろいろ(自分の妄想の世界の話を)しゃべるのに、私が同じ手話の単語を使って話をしても、通じない。了解してくれない。
難しい単語を使っているわけではない。
「立って」とか、「おしっこ」「小便」「うん○」(排泄関係ばかりだなぁ)とか、日常的で必要な言葉ばかりなのに。
「座って」と言ったら、椅子の座面に足をかけて上がろうとしたので、慌てて止めた。

ああ、それから、こんなこともあった。
実家の家屋の夫の持ち分全部を末の妹に贈与した件。
これについては、8月21日に司法書士さんが我が家に来宅して、夫の意思を確認し、司法書士さんの面前で、遺産分割協議書や委任状へ署名をした。
贈与については、契約書がなくてもできるということだったので、委任状へ署名・押印だけだった。
その後、登記は無事に済んだのかなあ?と思っていたところ、先週になって、法務局から「本人限定受取郵便物(特例型)」という郵便物が届いた。受取については本人が本人確認書類とともにしなければならないという厳重な形で届いた。
そして、夫から末妹への贈与の登記申請が出ているが、事実と相違なければ、「氏名を書いて、委任状に押印したのと同じ印鑑を押して、返送せよ」とのこと。

8月21日には、夫は、司法書士さんの面前で、自分の名前を書けた。
しかし、その後、8月24日に転倒して、頭を打った。
その後、意識障害・傾眠、認知機能の急激な低下、歩行困難(すくみ足)になり、果たして、夫の自分の名前を書けるのか?
届いた日の夜、夫に名前を書かせてみた。
なかなか書き始めない。
「どうしたの? 自分の名前を書くんだよ。ここに書いてね。」
そしたら、夫は紙に、
 自分名
と書いた。
確かに自分の名前を書けとは言ったが、まさか「自分名」と書くとは!
「なんで~? 自分の名前を書くんだよ」
夫は、考え込んで、なかなか書かない。
そして、ようやく書いたのが、
 聴無名
なんだ?
「聴無」というのは、耳が聴こえない自分のことを指しているらしい。
なんかウィットに富んでいるような感じだけど、
もしかして、もしかして・・・自分の名前を忘れているのか?

「○○△△と書くんだよ!」
ようやく、自分の名前らしいものを書いた。
でも、くずし字になっていて、これでは他の人が見たら、なんと書いてあるのか読めないのではないか?
(でも、あとで「くずし字用例辞典」で調べたら、正しくくずされてはいた。)
ちゃんと、読めるように楷書で書いて欲しい・・・

その日の晩はあきらめ、翌朝、意識が清明な時に試してもらうことにした。
そして、その翌朝。
期待に反して、夫の意識レベルが極めて悪く、「名前を書いて!」と言っても、
ただ、短い縦線を何本も引くばかりで、文字にすらなっていない。
昨晩のほうがマシだった。昨晩はまだ文字を書いていたし。

結局、また、日をおいて、意識が清明になってきた時に、ようやく名前を書くことができた。
意識レベルの変動が激しく、ダメな時は、全然ダメだ。

デイサービスの連絡帳に、「筆談が通じない」と書かれている時が増えた。
デイサービスのスタッフらは手話ができないので、夫との意思疎通はもっぱら筆談でやってきたけれども、もう筆談は使えない。手話でさえ、通じないことが多くなっているのだから。

わずか2ヶ月前、あの司法書士さんが来宅した時は、まだ、自分の名前を書くことは、ちゃんとできていた。
遺産分割協議や贈与をするために、署名できる、本当に、本当に、ぎりぎりの時期だったのだ。
奇跡的に間に合った。
今だったら、できなかったよ~。
そして、成年後見人を立てなければならない!とか、大変なことになっていたよ、きっと。

今後は、言語(日本語・手話)のみに頼らないコミュニケーションを。
和やかな、温かい雰囲気、笑顔、表情、スキンシップ。
しっかり視線を掴んでから、コミュニケーションをとること。
そういうことが必要な時機に来たのだ。

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夫と2人暮らし。
子どもはいません。
2人と猫2匹の家族です。

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