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手鏡カバーに食らいついた (*゚Q゚*)

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。

今、午前11時になろうとしていますが、夫はまだ起きてこない。
一度午前7時くらいにトイレに起きて、いったん寝かせて、リビングの暖房やコタツをつけ、朝の薬+サプリメントを服薬ゼリーに混ぜて、夫が寝ているところに持っていき、寝たままで服薬。
服薬ゼリーはとてもすぐれもので、水で飲むのと違い、寝た状態で飲んでも、むせたりせずに、すんなり飲み込めます。コツは服薬ゼリーを多めに使うことかな。
最初の頃は要領がわからず、少量のゼリーに薬を混ぜて飲ませていたら、薬だけ口の中に残ってしまい、「なんだ~?」と思っていたが、ゼリーの量を多くしたら、こんなに飲ませやすいものはない・・というのが実感。

あ~、昨晩、夫は私につきあって紅白歌合戦を最後まで見て、その後、年が明けてから、お風呂に一緒に入って、床に就いたのが午前1時をまわっていた。なので、案の定、今朝は起きられません。
元旦は夫を連れて私の実家へ行くつもりだったけれども、予定を変更して、今日は(今日も)のんびり家にいよう。

大晦日の朝食。自家製甘酒+無調整豆乳(1:1の割合)で、一口大に切ったバナナを煮たバナナを食べました。いつもはヨーグルトにバナナをかけて冷たいまま食べるのだけど、こう寒いと、温かい朝食が食べたくなったので。
食べ終わった後、ふと、夫を見ると、手に持って何か食べている。
何?
テーブルの上に置いてあった下の写真の手鏡のカバーを、一所懸命、囓っているところだった!
IMG_9664.jpg
この手鏡、うちの実家に放置されていたのをもらってきたのだが、某県警のマスコットキャラクター(鳥なのか?)がフワフワのクッションが入って立体的に縫い付けてあり、裏側には「●●県警察」(!? 県警がこんなものを配付しているのかっ・・・)と刺繍が施されている。
なんでしょう? ぺろぺろキャンディーみたいなものだと思ったのか、
なんだかやわらかくて美味しそうだと思ったのか、ど~して?
「あっ、これは食べ物ではないでしょ。ダメだよ~」と、慌てて取り上げた。
本人は、「え~?」っと、ちょっと納得がいかない顔をしている。
もう少し何か食べたいのかなあ~と、追加でリンゴを小さく切って炒めて(焼きリンゴ)ヨーグルトをかけたものを食べさせた。

これが話に聞いていた「異食」という現象なのか。
口唇傾向が強まっているようだ。
テーブルの上に下手なものを置いておけない。
注意しなくちゃ・・・

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ボクの名前は何?

朝8時前、ASV呼吸器を付けた夫の様子を見ると、目をうっすらと開けている。
そろそろトイレに行きたいのでしょう。呼吸器をはずす。
「おしっこしたいね?」と訊いても、何かトンチンカンな答えを言う夫。
しかし、しばらくすると「おしっこたまった」と言って、起きようとするので、手を貸して起こす。
夫は、布団(ベッドではなく、布団で寝ています)の横にある棚に手をかけて立ち上がり、私は夫のお尻をその棚に寄りかからせるようにして、尿瓶でおしっこをとる。
何故かと言うと、階下のトイレまで階段を下りているうちにおしっこが出てしまうので。
それに、冬の間は、温かい部屋から、まだ温まっていない階下へ下りていくと、血圧の変動も大きくなるので、それを避けたいということもある。
おしっこをした後の夫をもう一度布団に寝かせてから、尿瓶の尿を階下のトイレに捨てに行く。
その後、朝の薬+サプリメントを服薬ゼリーに混ぜたものを、まだ寝ている夫のもとへ持って行く。
そして、寝た状態で薬+サプリメントを飲ませます。朝は飲む量が多い。
処方薬は次のとおり。
1. メインテート錠2.5mg(肥大型心筋症あり。心臓の薬)1錠
2. プレタールOD錠50mg(脳梗塞の再発予防のため。嚥下反射にもよいらしい?)1錠
3. コバシル4mg(降圧薬、副作用に咳が出る薬だが、嚥下反射の助けになる?)1錠
4. ハルナールD錠0.2mg(前立腺肥大あり。おしっこを出やすくする)1錠
5. アルファロールカプセル0.5μg(ビタミンD補いカルシウム吸収を改善)1錠
6. ムコダイン錠500mg(痰を出しやすくする)1錠
サプリメントは次のとおり。()内は期待する効能。
7.フェルガードB 1包(覚醒、発語)
8.NewフェルガードLA 2錠(嚥下改善、意識障害改善、活力)
9.プロルベインDR 2カプセル(動脈硬化改善)
10.NAC(N-アセチルシステイン)1カプセル(何だろう? 意識障害改善か?)

以上の薬を飲ませた後、30分ぐらいしてから、夫が起きてきた。
そして、私の顔を見るなり、
「ボクの名前は何?」と訊くのだ。
「え? 自分の名前がわからないの?」
「う~ん・・・なんだっけ?」
コタツに座らせ、「寒い」と言うので、上着を着せる。
(朝は、まだ、エアコンを入れたばかりで、室温が十分に上がっていません。)
「で、あなたの名前は何ですか?」
「○○○(指文字で苗字を綴った)・・・」
「下の名前は?」
「・・・・う~ん、ちょっと待って、後で思い出すから」
「○○○ ▲▲▲(夫の名)でしょ?」
「ボクの名前なの?」
「そう。私の名前は○○○ ■■■(私の名)だよ。」
「え? (もしかして)ボクの妻? えへへ」
「そうだよ~。
 バナナ(手話で)、食べる?」
「何?」
「バナナ(指文字で)だよ」
「バ、ナ、って、何?・・・???」
「バナナ(手話で)!」
「バ、ナ? 太いの?」
(太いの?と夫が言ったのは、バナナの形のイメージは頭に浮かんだのかな?)
バナナを持って来て見せて、
「これだよ、バナナ。食べますか?」
「うん、食べる。」

どうも調子が悪い。
自分の名前も思い出せないし、「バナナ」が何を意味するのかわからなかった。
念のため、脳梗塞を起こしていないか、目をつぶって、両腕を前に突きだして、しばらく様子を見る。どちらかの腕が下がってしまうようなことはなかったので、大きな脳梗塞が起きているようなことはないようだ。
けれども、今日は晴れてはいるけれども、かなり気温が低い。低気圧も近づいているのではないか?
こうした気温や気圧の影響を受けやすいので、脳の血流のどこかが悪くなっているのではないか(脳虚血状態)。
または、寝ている間に、脱水状態になっていたのかもしれない。寝ている間の9~10時間ぐらい水分補給がないので、脱水状態になってもおかしくない。
本人的にもあまり元気がない。
ヨーグルトバナナを食べたが、大好きな珈琲は「あとで・・・」と言って飲まずに、コタツに入ったまま座面が低い(23センチぐらい)ソファで目をつぶったまま寝ている。

いつもはサプリメント(上記7~10)を朝晩のみ飲んでいるが、今日は脳血流がよくなるように、昼にも同じサプリメントのセットを飲ませた。

昼食後もまた「何か身体がおかしい、調子が悪い」と不安そうに訴える。
「気分が悪いの? 気持ちが悪い?」と訊くと、そうではないと言う。
「どこか痛い? 頭が痛い?」と訊くと、大丈夫だと言う。
でも、不安そうに、頭を抱えて「何かおかしいんだ」と訴える。
「大丈夫だよ。今日は寒いし、低気圧も近づいているから、その影響を受けているんだと思うよ。私もちょっと頭が痛いもの。今日みたいな日はみんなちょっと調子が悪くなるよ。大丈夫から、もう少し目をつぶって寝ていてごらん」と夫の手を握りながらなだめた。

夕食近くになると、だいぶ調子がよくなってきたようだ。
「あなたの名前は何ですか?」
「○○○ ▲▲□□□」
「それはお父さん(夫は義父の名前から頭の一字もらっている)の名前でしょ?」
「じゃあ、お祖父さんの名前は?」
「▲※※」(夫の名前は祖父の代から同じ一文字をもらっている)
「あら! その通り!」
「じゃあ、自分の名前は?」
「○○○ ▲▲☆☆」と答えた。
惜しい! でも、間違いとは言えない。昔、義母が姓名判断で、家族全員の名前を変えたことがあり、夫も若い頃の数年間、その名前を通称として使っていた時期があった。その通称で答えたのだった。通称の漢字を訊いたら、正しく答えた。でも、戸籍名の名前をなかなか思い出さなかった。
そこで、今日は一日、何度もフルネームで呼びかけたけど・・・
朝は、生年月日も、すっかり忘れていた。
夕方になって。途中までヒントを言ってあげたら、思い出したようで、正しく言えた。

夫は、一日のうちでも、かなり覚醒レベルというか、意識障害のレベルというのか、が変動する。
さっきまでかなり良いなぁと思っていたら、すごく悪くなったり、また、回復したり。
おそらく脳血流が一時的にすごく低下したり、また、回復したりを繰り返しているのではないかと思う。
脳血流を少しでも改善するには、脱水にならないことと、あとはサプリメントに期待するぐらいかなあ。
夫は食事は十分な量が摂れていると思うので、それなりに水分も摂れていると思うけれども、飲水量という点では足りないかもしれない。特に夜間の寝ている時。どうしたものかな?

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遺産分割未了の実家の家屋

お正月に、隣県にある夫の実家(末の妹が住んでいる)へ夫と共に行ってきた。
夫の実家は、東京大空襲で焼け出されたので、隣県の借地の上に、夫の父が家屋を建てた。
昭和23年頃のことだと思う。
夫が、みずから「自分の家」として認識できるのは、この隣県の家なのだが、実際に行ってみると、そこが「自分の家だったところ」とは気がつかない。外装も内装もリフォームして、あまりにも変わってしまっているから。
現在は1階を食事処としてお店に貸し、2階に義妹とその内縁の夫が住んでいる。
1階のお店からの賃料を受け取り、そこから地代を支払って、やりくりしてきたのだ。

この家屋、義父が亡くなったときに、一応、遺産分割をして、義母と兄弟姉妹(異母妹含む)が持分を持っている。その後、義母が亡くなった時は、遺産分割協議をしていないので、亡義母の名義が入ったままになっている。
兄弟姉妹は、実家に住んでいる末妹を除いて、それぞれ自分の住み処を確保している。
(あっ、異母妹の事情は不明。)
末妹は現在74歳だが、認知症の初期にあり、外階段を使って登る2階の家に住み続けることは難しくなるだろう。
だから、できるだけ早い内に遺産分割協議をして、この借地権付き家屋を処分し、末妹名義の財産を確定させて、今後の住まいのことやらを決められるようにしなければならない。

1階のお食事処で、この問題を、末妹夫婦と私たち夫婦で話し合ったのだ。
・・・と言っても、夫にはもう何の話をしているのかはチンプンカンプンだ。
末妹は、短気記憶障害はあるけれども、まだまだ初期なので、普通に会話はできる。
話の大筋も理解できる。もっとも細かい点になると内縁の夫のサポートがないと無理なのだが。

夫は自分の持分については、基本的には、末妹に無償で譲渡してよいという考えだ。
恐らく他の2人の上の妹たちも末妹に譲渡する方向でよいと思っているのではないか。
しょっちゅう兄弟姉妹にお金をせびっている末弟は法定相続分は欲しいと言うだろう。
異母妹も、きっと、法定相続分は主張するだろう。
昨年亡くなった義弟の持分については、義弟は遺言書を残したときいているが、実家の持分について、どのように遺言しているのか判らない。
本当は、家業を継いだ義弟が兄弟姉妹の中のリーダーとして、この懸案をまとめる方向で動くことになっていたそうなのだが、着手する前に亡くなってしまった。

昨年末、義弟の奥さんから我が家に電話があり、実家の家屋の持分の名義書換を進めたいという話だった。もちろん、うちは「協力します」と返答し、この正月に末妹のところへ行って、情報交換をし、お互いの考えをざっくばらんに話し合った。
とにかく、今年中に、この問題について解決しよう・・・と。

兄弟姉妹間の話し合いの方向がついても、その後、地主(とっても難しい人たち)との交渉もあるので、年内にすべて終えるのは難しいだろうな・・・というのが末妹の内縁の夫の見立て。

とにかく、できるだけ早く、この問題を解決しなければ!
夫が自分の名前を書けるうちに!
夫は、意識レベルが良い時には、自分の名前を一応は書けるが(見本がないとちょっと心配だが)、意識レベルが悪い時は、自分の名前が書けなくなる。
遺産分割協議書や委任状に氏名を書けなくなってしまうと、成年後見人を立てないとならなくなってしまう。そのような事態は絶対に避けたいのだ。→(「私が成年後見制度を利用しない理由」を参照してください。)

末妹だけでなく、二番目の妹も認知症の初期なので、綱渡りだ。
しかも、兄弟姉妹の中でリーダーシップをとる人がいなくなってしまった。
結局、夫の実家○○家にとっては他人の、末妹の内縁の夫や、亡義弟の妻や、私らが実質的なことを進めていかねばならなくなってしまった。

兄弟姉妹に、もっと知力、気力、体力のあるうちにこうした問題は解決しておくべきだった。
先延ばしに、延ばした結果がこれだ。
この件、ちょっと気合いを入れて、頑張らねば。

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娘家族との同居を選択した友人夫婦

昨年の正月の日記をひもといてみた。
夫はもちろん車椅子だったが、バスに乗って食事に行ったり、初詣に出掛けたり、片道2時間かけて有料老人ホームに入居している友人夫婦を訪問したりと、結構、アクティブに行動していた。
今年の正月は、夫は昼間もうつらうつらしていることが多く、外出するという感じではなかった。
それに私も1年分年をとったのかもしれない。冷たい風にあたると、ブルブルッ!外へ出るのが億劫になってしまった。
体調もイマイチ(膀胱炎やヘルペスの再発が頻繁)だし、夫を車椅子に乗せて、外へ出て行くパワーが出てこない。

その、去年の正月に訪問した有料老人ホームに入っていた友人夫婦のことだが、今年いただいた年賀状を見たら、その後、自宅を売却して、実娘の家に同居したらしい。
夫婦二人で毎月40万円もかかると言っていたから、二人の年金だけでは賄えず、預貯金を取り崩している状態だったものね。
奥さんのほうが、「施設に毎月それだけのお金を支払うのなら、そのお金を娘にやってめんどうをみてもらったほうがいいわ」と言っていたので、家族で話し合ってそういう選択をしたのだろう。
ちなみに友人夫婦は、夫は認知症(たぶんアルツハイマーで要介護2。短期記憶障害は顕著だけど、今のところ人間関係や場所の見当識障害はないようだ)だが身体は元気で歩行等も問題ない。
妻の方は、認知症はなく、難病による神経障害で、手は使えるけれども、立ち上がりは困難で、車椅子生活10年以上。現在は、ほとんどベッド上での生活。
娘さんは、優しい夫と、中学生の子ども1人。パートタイムの仕事をしていたと思う。
両親と娘さんとの関係は良いけれども、同居で毎日顔を見合わせていたら、どうなるかはわからないけれど、夫婦は「安心できます」とのことだった。
今のところベストの選択だろうと思う。

うまく行かなくなったら、また、その時に考えればよいよね。

IMG_9702.jpg 

夫に「鶏の絵を描いて!」と言って描いてもらったもの。
ちょっと怖い顔の鶏になりましたが、鶏のは何も見ずに描いています。
色も自分で選んで付けました。
「酉年」と「2017年」は見本を見せて書かせました。
お正月に食べた鈴廣の蒲鉾の板の上に描いています。

IMG_9704.jpg

友人からいただいた袋物がステキなレースになっていたので、ミルク猫に被せてみました。
何だか高貴な雰囲気が漂っていませんか?
写真を撮ったら、すぐに外してあげましたよ。

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どうしたら歩けるのか?

夫は家の中では歩いている。
とても狭い室内なので、「歩く」というほどの距離はないが、トイレや洗面所へ行ったり、寝室に行く時に階段の上り下りを、置いてある家具に手をつきながら、手すりをつかまりながら、あるいは私が手引きをして、あるいは後ろから支えての歩行。

外出する時には車椅子だ。
でも、本音はもう少し歩いてもらいたい。
だから、週に1回ぐらいは気候がよい時を選んで、昼食を食べに行くということを口実に、自宅から150メートルぐらい先にあるレストランまで、夫と一緒に歩く。

外に出ると、夫はなかなか歩けない。
なぜ歩けないのか?

夫は、本来、足の機能的には歩けるはずである。
確かに脳梗塞を起こした影響で、右側が少し弱く(手足とも)、足も右側に動かしにくさがあり、ずるっずるっとひきずってしまうが、どちらかというと廃用症候群によって、足が上げられないだけなのだと思う。
「足を上げて歩いて!」とやって見せると、1~2歩は足を上げて歩くこともできる。
足を上げて歩行を継続できないのは、
(1)廃用症候群と
(2)「足を上げて歩かねばならない」ということを忘れてしまう記憶障害による。

その他に、
(3)「高次脳機能障害の中の注意転導性の亢進」と
(4)「同時に2つのことができないこと」
が、外での歩行を困難にさせている。

夫は、外のいろいろなものに気が散ってしまい、きょろきょろ顔を動かして見てしまう。
夫は聞こえないので、周りの状況を把握しようと、一所懸命に目で見ようとするので尚更だ。
そして、夫は「注意を払って見る」ということと、「歩行する」という2つのことを同時にできないのだ。
 「2つのことが同時にできない」という症状は、歩行がまだできていた認知症初期の頃から見られた。
 健常の聞こえない人は、手話で会話をしながら、難なく道を歩く。
手話で話す内容に目で注意を払いながらも、電柱や人にぶつからないように、足下にも注意しながら、ちゃんと歩ける。
 けれども、認知症が始まった頃から、夫は、歩いている時、手話で話しかけると、立ち止まって、手話をするようになった。
 だから、「おしゃべりを楽しみながら、歩く」というのが難しくなった。
 急いでいる時は無理。ゆっくり時間がある時は、時々立ち止まりながら、歩くのでもよかったけれども。
 認知症が進行してからは、手話で話をしていなくても、ただ外を歩くだけでも、周りの事象を見るだけで精一杯になって、歩くどころではなくなったようだ。
 また、いつも見知った街を歩いているのだけれども、記憶障害重度で自分の家の周りであっても夫にとっては、初めて歩く街のようなものなので、余計まわりをきょろきょろ見てしまうのだ。

さらに、
(5)きょろきょろ顔を動かすことによって、歩行のバランスを崩してしまい、転倒しそうになる。

 「競馬馬の目隠し」のように、横が見えないように前だけ見えるようにしたら、もっと歩けるのかも知れない。実際に、細長く狭い単調な廊下が続いていると、夫は歩きやすいように思う。
 でも、実際に、人間がそんなことをして歩くわけには行かないし、夫の目は既に「競馬馬の目隠し」されたように視野が狭くなっており、それ故に、「もっとよく見よう」として、顔をぐっと振り向くようにして見ているのだから。

 どうしたら歩きやすくなるのか?

 手を組んで歩くと、どうしても私の手や身体にぐっと寄りかかってくるようになり、夫が歩いているのではなく、私が夫を引きずっているような状態になる。
 先日も、外のビルのガラスドアに、私が夫を支えて歩いている様子が映っているのを見たら、夫がへっぴり腰で私に引きずられている。夫は「なんで歩かねばならないのか~、歩きたくない。引っぱられて、渋々歩いている」という風情で、事情を知らない人が見たら、尋常な雰囲気ではない。

 では、夫が自分の意思で歩くのを支えよう・・・しかし、転倒しかかったら、すぐに支えられるように、夫のズボンの腰のあたりや、上着の後ろ側を持ちながら、夫のすぐ後ろを歩いてみた。
 これは歩きにくい。私も後ろで開脚歩行でずりずり歩くしかない。

 それで試しに、ノルディック・ウオーク・ポールを利用してみた。
 「シナノ」というメーカーの安心二本杖。
IMG_9667.jpg 

ポールの握り方です。左手用と右手用のポールがあります。
ポールに左(L)・右(R)の区別が書かれ、色も違えてあります。
IMG_9666.jpg

最初、夫はこのポールをぶらぶら持ってしまって、「ポールを地面に突いて歩く」ということができなかった。
特に、左手の方が遊んでしまう(地面にポールをつけずにブラブラもっているだけ)。
そこで、左右のポールを夫に握らせて、夫の左側について、左側のポールを夫と一緒に握り、夫の右足が前に出る時に合わせて、左側のポールを地面に突くようにした。
夫に右足の動きにあわせつつも、左側のポールで、「イチ、ニ、イチ、ニ」としっかりリズムをとるようにする。
もし聞こえる人であれば、「イチ、ニ、イチ、ニ」という掛け声があれば、だいぶ歩きやすくなると思うが、夫は聞こえないので、一緒に握った左手でポールで地面をリズムよく突くことによって、夫にそのリズムが伝わるようにしているのだ。

夫を一人で歩かせると、リズムがめちゃくちゃになる。
ト、トトッ、ツトトトト、ト、ト、ツト、ット、トッ・・・
のようなリズムで、前のめりになっていき、今にも転びそう。
前のめりに倒れそうになると、支えて起こそうとしても、なかなか体勢を真っ直ぐに戻すことができない。

左側のポールを一緒に持って、一方だけでも、トン、トン、トン、トン・・・
とリズムよくついていくと、夫の右側の足も、何とかそれに付いて行こうとして動く。

杖が両手に握られて地面を突くということで、周りを気にしてきょろきょろするのが、少し減り、仮に顔を振り向いても、両手に杖があるので転倒しにくくなる。

この方法でのポール・ウオーキングをすると、結構、調子よく一緒に歩いていける。
ただし、やはり長い距離は難しい。
だんだんリズムが乱れてきて、歩くのが苦しそうになる。
夫の「脳が疲れてしまう」のだと思う。
身体自体は、おそらくたいして疲れてはいないはずなのだが、
「外の状況を把握しながら、足を動かす」
という作業は、夫の脳にとってはかなりの重労働らしく、すぐに疲れてしまうのだ。

でも、だからと言って、歩かなければ、ますます歩けなくなってしまう。
気候の好い時に、短距離・短時間のノルディック・ポール・ウオーキングをやっていこうと思う。

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慢性気道感染症にて、マクロライド系抗菌薬の少量長期投与

昨年の12月頃から、いや、もっと前の秋頃からかもしれないが、夫が痰の絡んだ咳をするようになった。
「咳」と言っても、風邪をひいた時のように、コンコン頻回に出るわけではない。
痰の絡んだ「ゴホッ」という音が聞こえてくる。
ところが、夫は耳が聞こえないので、自分が痰が絡んだ音を出しているとの認識がない。
私は、この「ゴホッ」という音がするたびに、血相を変えて夫の元に走って行き、ティシューペーパを手渡して「はい、エヘン!と咳をして!」と(手話で)言うのだが、夫には、何故、私が、そのように言うのかが判らないようだ。
そして、「咳をして、痰を吐き出す」ということを意識的に行うことができない。
「咳をして! はい、エヘン!」
「フ~ン!」
「フ~ン!じゃないよ。フ~ンでは痰は出ないの! エヘン!」
・・・と言っても、「エヘン」と声を出すのではなく、文字で書き写すことができないようなエヘン!という咳払いを、どうやったら、やってもらえるのか?
どうやってもわかってもらえず、いらだちが募る。
いくらやっても、できないことは仕方のないことなのだが、
「このまま痰を吐き出せないでいたら、身体に害があるのではないか? 
 また肺炎になってしまうのではないか?」
と不安になってしまう。
「アカペラ」という気道分泌物排除器具を使って息を吐かせたり、「超音波温熱吸入器」を使うことによって、咳を誘導しようとするが、「アカペラ」の努力呼吸は、本人にやる気がないとちっともできないし、「超音波温熱吸入器」から出る霧を吸うのが、怖いのか、夫はとても嫌がり、うまく行かない。うまく行かないと、私は心配とイライラとが重なって不機嫌になり、私の方が具合が悪くなってしまう。

年が明けても、この痰が絡んだゴホッという咳はよくならない。
昨年12月に行った2回の血液検査で、CRPが3~4台で、好中球の値も高かった。
ただ、熱が高く出るわけではない。
なんとなく体調不良で日中うつらうつらしている状態がずっと続いているのだ。
1月に入って初めての訪問診療で、医師は夫のこの状態を「慢性気道感染症」と言った。
50年以上の長期の喫煙によって、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、慢性気管支炎があり、慢性的に細菌感染を起こしているのだ。
昨年のうちに、マクロライド系抗菌薬のクラリスの少量長期投与を勧められていた。
通常量の半量(一日1回200mg)を3ヶ月~半年~1年~更に長期に亘って服用していくというものだ。
最初に勧められた時は、抗菌薬をそのような長期間に亘って服用すると耐性菌ができるのではないかと思い、「もう少し、本人の免疫力で治せないか、様子を見たい」と断っていた。
けれども、その後もあまりはかばかしくないのだ。
昨年の肺炎を起こす前も、今のような慢性的な痰の絡んだ咳が続いていたのだ。
たぶん、それをこじらせた結果、肺炎になってしまったというのが、訪問診療医の見立てであり、私の実感も同じである。
肺炎になって、強力な抗菌薬で叩いた結果、副作用の下痢に苦しんだが、回復して退院した後は、慢性的に続いていた痰の絡んだ咳がすっきりと治ったのだ。
それまでは、夫の痰の絡んだ咳は、COPDの症状でやむを得ないと思っていたのだが、COPDそのものではなく、COPDで弱っている気道に感染症を起こしていたんだなあと実感した。
慢性的に起きていた感染症が増悪した結果、あの肺炎になったのだと思う。
だから、現在の状態を放置していては、また、肺炎になるおそれがあるだろう。
本人の免疫力・・・と言っても、限界があるのだ。

以上の理由で、医師の勧めに従って、クラリス200mgを一日1回朝服用することにした。
「始めたからと言って、止められなくなるわけではなく、やっぱり止めたい、ということだったら、止めることもできるし・・・」とのこと。
とりあえずは2週間。
でも、効果は少なくとも3ヶ月ぐらいは服用してみないとわからないらしい。

認知症以外にも、あれこれ持病が多く、薬も多く、ため息が出る。

夫のこうした持病をもたらした元凶のタバコ。
最初は「光」を、その後はずっと「Peace」を吸っていた。
今では、考えられないけれども、昔は、記念日にデザインされたタバコが販売されていた。
夫の「Peace」の空き箱コレクションの中からいくつかを紹介しよう。

1964年の東京オリンピックシリーズ。
左下の金紙は、タバコを包み紙で、オリンピックの五輪マークが刻印されている。
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東海道新幹線開通記念、首都高開通記念、東京港開港15周年記念
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東海道電化完成記念、鉄道開通90周年記念、金閣復興記念

1964年東京パラリンピック記念、上野動物園開園80周年記念
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これが1964年の東京パラリンピックのロゴマークだったのかな?
1962年の上野動物園開園記念の版画の動物たちも可愛い。

(夫の「Peace」の空き箱コレクションの一部)

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嚥下反射を促進するカプサイシン(唐辛子の辛み成分)

唐辛子の辛み成分であるカプサイシンには嚥下反射を促進する働きがある。
フィルム状の健康食品をを口の中に入れて溶かして摂ってから、食事をすると、嚥下反射が促進される「カプサイシンプラス」とか「カプフィルム」といった商品もあるけれども、唐辛子を少し使ったおかずを利用してもよいと思う。

自家製の甘酒が余っていたので、甘酒でキムチをつくりました。
簡単につくれて、甘酒がとてもよい仕事をして、美味くできますよ!

材料:白菜(1/4株)、塩(白菜の重量の3%)

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白菜を一口大に切って、重量の3%の塩をまぶして、30分ほど置く。

材料:粉唐辛子(韓国製の唐辛子の粉を!) 25g
   長ネギの青い部分(1本分) みじん切り
   ニンニク 1かけ すりおろす
   生姜   1かけ すりおろす
   いりごま 小さじ1
   醤油   小さじ1
   甘酒   100g(麹と米だけでつくったもの。うちは自家製)

 これらを全部混ぜてキムチの素をつくる。
 このキムチの素の半量で、白菜1/4株分のキムチになる。

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 白菜に塩をして出てきた水は捨てる。
 下は白菜キムチの素を混ぜたばかりの状態。
 まだあまり浸かっていないけれども、混ぜてすぐに食べることができる。
 白菜の芯の硬いところは、一日ぐらいおいてからが食べ頃。

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 残りのキムチの素は冷蔵庫で保存。結構長く保存できると思う。
 大根や胡瓜などに同じく塩をして、このキムチの素を混ぜれば、大根キムチや胡瓜キムチになる。

★注意★
 うちの夫もそうなのだが、逆流性食道炎がある人(高齢者に多い)は、辛い食物をたくさん摂ると、胃酸がたくさん出て、逆流してしまうおそれがある。
 したがって、キムチをそのまま食べる時は、夫には、ほんの数片だけ食べさせている。
 炒め物や鍋に入れる時は、他の食材とまじって辛みがやわらぐので、もうちょっと量を食べられるかな。いずれにしても、過ぎたるは及ばざるが如し。

 このキムチは、ほとんど私のお腹の中に入ってしまうので~す。
 

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いろいろ利用できる甘酒のつくり方

以前のブログに載せたことがあったけれども、シマウマさんから「甘酒のつくりかた」のリクエストをいただきましたので、「超簡単! 冷やご飯から甘酒をつくる」です。

材料:冷やご飯 300g、熱湯 300cc、板麹 100g

IMG_9722.jpg 

近くのスーパーで買った板麹は300円弱でした。
これで200g(100g×2枚)入っています。

1.冷やご飯300gに、熱湯300ccを入れて混ぜる!
   炊きたてのご飯を使う場合は、水300ccを入れて混ぜる。
   要は、麹菌は80度を超えてしまうと死んでしまうので、高温にならないように。
   だいたい55度~60度が適温だそうです。

2.板麹100gをパラパラになるようによくほぐしてから、1に入れて混ぜる!
   私は、麹を入れる前に、念のために、1の温度を温度計で測って確認しています。

3.あとは55度~60度ぐらいで保温します。
  時間は10時間ぐらいから甘くなりますが、
  私は20~24時間ぐらいかけて保温します。
  長い時間保温した方がより甘くなるのです。
 (注意: 長すぎるとすっぱくなっていまいます。)

4.保温は、私は下のような「ヨーグルティア」を使っています。
  ヨーグルトをつくるものなのですが、温度と時間の設定が簡単なのです。

  炊飯器の「保温機能」を使って保温することもできます。
  その場合の注意点としては、蓋をしてしまうと温度が上がりすぎてしまうので、
  蓋をあけて、濡れ布巾をかぶせておきます。

  コタツの中に入れておいても可能です。
  足で蹴飛ばして、こぼさないようにご注意を!
  コタツでつくる場合は、入れる前の温度が55~60度になっていることを確認してください。
  温度が低すぎると、麹菌がよく働きません。

IMG_9723.jpg

5.できあがったら、そのままでも食べられますが、
  私は、フードプロセッサーにかけて、なめらかにして、使っています。
  冷蔵庫で保存します。糖度が高いので、1週間ぐらいは大丈夫です。
  もっと長く保存するなら冷凍庫で。
  
 私の好きなレシピ  

1.甘酒:豆乳=1:1にして温めて飲む。
  生姜の絞り汁を入れて飲んだり、この中にバナナを切って入れて、バナナがとろんとするまで煮て食べると美味しいです。朝食やおやつにぴったり。

2.甘酒を料理の甘味料として使う。
  我が家では料理に砂糖を使いません。
  例えば、卵焼きをつくる時に、砂糖の代わりに甘酒をいれると美味しいです。

3.甘酒アイスクリーム
  フードプロセッサーに豆腐と甘酒と塩ひとつまみをいれてよく攪拌して
  アイスクリームのベースをつくる。
  量は適当でも大丈夫。味見しながら、好きな甘さに甘酒の量を調整しましょう。
  冷えると甘さが弱く感じるから、甘めと感じるぐらいがよいと思います。
  塩は、お汁粉に少し塩を入れるとより甘くなるのと同じ要領です。
  そのベースに、好きな物を・・・
   例えば、抹茶やバナナ等の果物、レーズンやナッツ類、胡麻などを入れます。
   もちろん入れなくても構いません。
  そして、冷凍庫で冷やし固めます。
  かちんかちんに固まってしまうので、
  食べる前に、室温にしばらくおいてからスプーンで取り出しましょう。

3.先のブログに載せたように、キムチの素つくりに甘酒を!
 
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「認知症の人から、できることを奪わないで」って、なかなか大変です

「認知症の人から、できることを奪わないで」と当事者本人からの発信。
「時間はかかるかもしれないけれども、待ってあげて」と。

「果たして、私は、夫から、できることを奪わないでいるだろうか?」と、日常をふりかえって考えてみる。

最近の夫は、日中もウトウト眠っていることが多い。
そして、目が覚めると、「仕事」に動き出す。
そうすると、私は片時も目が離せない。

夫はきれい好き。
私が机やテーブルの上に置いてあるやりかけのものを片付けをします。
ふと見ると、さっきまでテーブルの上に置いておいたものが、なくなっている。
「えっ? ない! さっきまであったのに!」
捨てはしない。けれども、どこにいったかが、わからない。
本来その物がありそうなところには、絶対にないのだから。
本人に「どこへやったの?」と訊いたところで無駄。
急ぎでやろうとしていたものが、滞ってしまう。
「もう~、余計なことをしないでよ!」
と、私はイライラ。

ベランダを見ると、洗濯物が翻っている。
さっそく取り込む夫。
夫が物干し竿から外した洗濯物を奪って、
「まだ、乾いてないでしょ! さっき干したばかりなんだから!」
と、三角眼で怒る妻。
その剣幕に驚いて、椅子に座り込んだ夫。
「ボク、なんにも、出来ない・・・」という言葉に、
・・・胸を突かれる。

食べ終わった食器を見れば、夫は、さっそく洗い物をしてくれる。
でも、袖が、袖が~、服のお腹が水でべちょべちょになっているよ~。
エプロンして~、袖をちゃんとめくってね。

あっ、ほら、ちゃんと見て! ここに汚れが残っているよ。
スポンジで、食器の縁をぐるっと洗ってね。
あ、ほら、ちゃんと見て! あちこち見ない!
仕事をするなら、きちんとやって欲しいんだけど・・・

洗った食器を食器棚に持って行って、しまってくれる。
ヒヤヒヤ。
あっ、落とした! 割れちゃった。
あぁ、危ないから、どいて、どいて。
片付けるから、向こうへ行っててね。

夕方になると、炊飯器の蓋を開けて、「ご飯がない」と心配し、ウロウロする夫。
「買い物に行く? 外で食べようか?」と訊いてくる。
「外は寒いからね。冷蔵庫にいっぱい材料があるから、家で作って食べようね。」

夕食の準備。夫にできることを探しましょう。
お米をといでね。

お米の袋を出して、1合升を夫に渡す。
夫は、1合升を米袋に突っ込んで、1合に満たない量をすくって、炊飯器の内釜に入れる。
「あっ、こうやって、すりきりで測ってね」と言っても、
夫はあらぬ方を見ている。仕方がないので、足りなかった分を足しておく。
「はい、といでね。あ、内釜をシンクの下に置いて研ぐんだよ。」
夫は、水道から水をジャージャー出して、内釜に手を入れて、しゃかしゃか。
まあ、米を研ぐっていう感じではないけれども、あまり研ぎすぎないほうが栄養分が逃げなくて、いいかもね。いいことにしよう。

野菜を切る!
見本を見せて、この大きさに、このように切るんだよ~。
と言っても、大きさ、厚さ、さまざま。
でも、まあ、いいや。
それより手を切らないか?
野菜を押さえる手の置き位置があぶなっかしく、目が離せない。

フライパンで炒める!
フライパンとフライ返しを夫に渡す。
IHコンロだから、袖に火が移る心配はない。
電源を入れ、スタートボタンを押す手順。
だいぶ迷って、迷って、ちょっと教えてあげて、なんとか開始。
(このIHコンロ、音声で次の手順を案内してくれる代物だけど、夫は聞こえないからなぁ、残念)
「油をしいて」
「どれくらい?」
「適当に~」
夫は適当に油を入れ、調理スタート。
切った野菜を、炒める順番に、夫に渡す。
夫は、炒め始めるが、すぐにあらぬ方向を見たりして、集中力が続かず、ふっとコンロから離れる。
「ほら、火を使っているときに(IHだけど)、コンロから離れないで!」
コンロの前に戻った夫。
「あっ、焦げてる、焦げてる! ひっくり返して、ほら、ひっくり返して! 焦げちゃうよ~」
途中で、夫からフライ返しを奪って、炒めた。
「はぁ~、疲れた~」
「疲れたね、ご苦労さ~ん。休憩ね。座って休んでね」

さあて、卵焼きをつくろうか~。
疲れた? 大丈夫? 手伝ってくれる?
玉子を割ってね。
あっ、これはゆで玉子じゃないよ。生玉子だよ。
ゆで玉子の殻を剥くみたいに、そんなふうにいっぱいヒビを入れてどうするの~。
あっ、殻が中に入っちゃってる。
はい、じゃあ、よくかき混ぜてね。
糸三つ葉を切って、入れよう。
はい、これくらいに切ってね。
卵焼き器をIHコンロの上にのせて、油を敷いて、スタート!
はい、玉子を入れて~。
あぁ! ぎゃ~、こぼれてるよ~! はみ出してるでしょ。
▲※□◎×★~!!
なんとか形になったみたい。

IMG_9724.jpg

「認知症の人からできることを奪わない」ことは、結構、大変だ。
「できることを奪わない」というのは、「放置しておくこと」とは違う。
うまくできるように、(さりげなく)お膳立てをしていかないとならない。
「待ってあげて」というのもね、介護者に待ってあげるだけの余裕がないとできないことだよ。

私、フルタイムで仕事をしている時は、とてもそんな余裕はなかった。

夫の認知症がまだ初期の頃の約5年にわたって、同じ耳の聞こえない・手話のできるヘルパーさんに週に2回自宅に訪問してもらって、1時間半で2~3品の夕食のおかず(今、思うと、3品ってすごい!)+炊飯までを、一緒に作ってもらっていた。
ヘルパーさんが、丁寧に辛抱強く、夫自身の手でできるように、声を掛けて導き、見守ってくれた。
私が夜7時頃に自宅に帰ると、夕食の支度ができていて、本当にありがたいことだった。
私は、仕事をしていて、日々の生活も滞りなく進めていかなければならなかったので、そんなふうに丁寧に時間をかけて、夫につきあってあげることはできなかった。

でも、次第に、夫の認知症は進んでいった。
夫は、ヘルパーさんが帰ると、自分でおかずをつくったことを忘れて、「夕ご飯の用意がない」と、コンビニへ行ってサンドイッチを買ってきたりするようになった。
(でも、まだ、一人でコンビニまで歩いて行き、買い物もできたし、自宅へもちゃんと帰ってこれたんだなぁ。)
そのうちに、ヘルパーさんが代わりにやらなければできない(集中力がなくなってきた。疲れてしまい、調理中に立っていられなくなった)ことがだんだん増えていき、そんな頃に、歩行障害が出始めて、転倒して圧迫骨折を起こした。

転倒して歩けなくなったので、今までのように一人で自宅に居てもらえない。
私の仕事を続けるために、小規模多機能居宅介護サービスを平日週5日フルで利用することになり、手話のできる訪問ヘルパーさんの来訪は残念ながら断ることになった。

そのうち、もっともっと夫の認知症が進んで、自分が自分の家に居ることもわからなくなり、私が仕事を終えて自宅に帰ると「久し振りだね! 会えて嬉しいよ!」と言われるようになった。(今でも毎日「久し振りだね!」と言われている。)
勤務時間が午後6時半までだったのを午後4時までにしてもらって、1年間頑張ったけど、とてもよくしてくれる職場に迷惑をかけるし、もう限界だと思った。
何より、どんどんいろいろなことがわからなくなって、常に不安のただ中にいる夫の側に居てあげたいと思った。
それで仕事を辞めた。

仕事を辞めて、時間に追われない生活になった・・・はず。
夫にできることを奪わないで・・・だが、
 夫に任せて、一人でどんどんできることなんて、もう何にもない。
 だから、細かくお膳立てをして、夫にやってもらう。
 その間は、片時も目を離さずに見ていないと、とんでもないことになってしまう。 
 結局、その間、私は何にもできないという現実。

ゆっくり夫につきあって、待ってあげなければ・・・
が、日々の生活の中ではそんなふうにはできなくて、
イライラ、イライラのし通し。

 そんなにイライラするくらいなら、デイサービスの利用時間を増やしたらいいんだよね。
でもね、気持ち的にできない。できるだけ夫のそばに居たい。
 だったら、イライラしないように、自分の気持ちをコントロールしたら?

夫は、いつも「役に立ちたい」って思っているんだよね。
上に書いたような、ささいなことであっても、やってもらうと「自分はここに居ていいんだ。自分の居場所がある」と感じることができるようだ。
そうしないとね、「今から家に帰ります」って、玄関から出て行かれちゃう。

意欲があるということを大切にしなくては。
いつかは「あの頃は、あんなに意欲があったのに」と思う日が来るのだから。

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成年後見人が必要かな

昨年亡くなった義弟(夫の弟)の奥さん(K子さん)に電話をした。
夫の実家の家屋の名義が、亡義母と兄弟姉妹の名義になっているのを、そこに現在住んでいる義妹のM子さん(夫の妹)名義に書き換えようという件についてだ。
K子さんとしては、亡くなった自分の夫の名義が入って降り、その相続問題を解決する目的で、税理士に依頼をしている。

K子さんは、今年になって、既に2回、M子さんを訪ねているそうだ。
私たち夫婦が、正月にM子さん宅を訪ねたことを言うと、K子さんは、まったく聞いていないと。
「M子さんの認知症、だいぶひどくて、1時間前のことだって忘れちゃうのよ。
 借地契約書も、金庫の中を探してもらったけれども、見つからなくて、しょうがないから、地主さんに頼んでコピーしてもらったの、借地契約書を見たら、M子さんとTさん(亡義弟)の名義になっていたわ。ようやく昨日、税理士さんに郵送したところ。
 今、1階を食事処に貸しているのも、賃貸借契約書もないのよ。
 (そもそも最初から作っていないのか、無くしてしまったのか、不明。)
 金庫の中に、くしゃくしゃになった100万円の定期預金証書があって(本人はすっかり忘れていて)、一緒に銀行まで行って、普通預金に入れてもらったのよ~。」

K子さんに、「夫については、既に遺産分割済みの分についてはM子さんに「贈与」し、未分割の義母名義の分については「相続分の譲渡」をする意向なので、税理士さんから直接、我が家に電話をしてもらって構いません。連絡をお待ちしています。」と伝えたのだが・・・

よく考えたら、K子さんは、あくまでも自分の相続問題で、税理士に依頼しているのだ。
税理士への委任の範囲がわからない。
少なくとも、現段階で、M子さんからその税理士に依頼しているわけではないのだから、夫からM子さんへの「贈与」や「相続分の譲渡」について動いてくれるわけはない・・・な。
それに税理士はあくまでも税務上の問題の相談と処理が仕事なのだから。
ここはやはり、M子さんが司法書士か弁護士を代理人に依頼をして、処理を進めていかないと、事は動かないよね。

K子さんに、
「M子さんへの名義書換の問題ですけど、ここは、やはり、Rちゃん(M子さんの一人娘、夫と小学生の子1人)に関わってもらったほうがいいと思うんですけど、Rちゃん、去年からフルタイムの仕事に就いたそうですよね? 忙しいのかしら?」と言うと、
「Rちゃんはね大変なのよ。
 Rちゃんはね、M子さんに冷たいの。厳しいのよ~。」

「大変」の中身が、何だかわからない。
 ただ、M子さんの元夫(Rちゃんの実父)は、直接は知らないが、みんなの話を総合すると、ヤミ金に手を出して、元夫はどこかに逃げ出して不在の自宅まで取り立てにこられて・・・という苦労をした末、離婚。
 現在は、M子さんは内縁の夫(Iさん)と暮らしている。たぶん、それぞれ子どもがいるので、相続問題とか、ややこしいから、籍を入れないのだろうと想像している。
 私の知らないこれまでの家族の歴史、親子関係の歴史があるのだろうな。

 だけど、M子さん(74歳)の今後の生活を考えると、実家の名義の権利関係が複雑なまま放置しておくわけにはいかない。
 とにかく、認知症初期だけれども、短期記憶障害はだいぶ進んでいるM子さんが、名義買い換えについて、自分で手続きを進めていくのは無理だ。
 まさに成年後見人が必要にな局面だけど・・・

 「不動産処分に限ってだけ成年後見人を付ける」というのが制度上認められていないから、一度、成年後見人が付くと、本人が死ぬまで成年後見人を付けないといけない。それはちょっとなぁ~。
 成年後見人を付けると家計のいちいちを全部報告していかないといけない。
 M子さんは内縁の夫Iさんと生計をともにしているので、難しい面があるよぁ。
 M子さん自身は、離婚後、飲食店を経営していたけれども、国民年金だけだから、年金額は月額数万円ぐらいではないかと思う。
 今までは、実家に住んでいるから家賃がかからず、二人の生活費の多くは内縁の夫の年金から出してもらって、やりくりしてきているのだと思う。
 内縁の夫のIさんが成年後見人になって・・・というのが良いようにも思うけれども、Iさんも今年80歳になるから、いくらしっかりしているとは言え、細かい成年後見人の事務や報告をきちんとやるのは難しいだろう。
 実子のRちゃんが成年後見人になったらなったで、Iさんを含めた生活費について、つまびらかにしてもらわないといけなくなり、それはRちゃんにとっても、Iさんにとっても、やりにくいことだと思う。
 はぁ~、難しいなあ。
 
 今なら、RちゃんがM子さんをサポートしながら、司法書士か弁護士に依頼をして、交渉や事務手続きを進めていけるはず・・・と思うのだが。
 とにかく、今、中心になって進めていく人がいないので、やきもきしている。
 なんだか、みんな、中途半端な立場なので、動きにくいのだ。
 どうしたものかな?
 もう、しばらく様子を見て、何らかの連絡があることを待ってみる。
 それから、私がどんなふうに動けるのか考えよう。


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夫と2人暮らし。
子どもはいません。
2人と猫2匹の家族です。

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