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「認知機能の変動」に翻弄される

 夫は一日のうちで「認知機能」の状態がいろいろ変動するのです。
 昨日も夫の「認知機能の変動」に翻弄された一日でした。

 でも、私が使う「認知機能の変動」は通常の使い方と少し違うな。
 「夫が私のことを正しく認知しているかどうか」という意味で使っています。
 何が悲しいかって、夫が私のことをわからない時が何とも辛いのです。
 今居るところが自分の家でないと思ったって、それも耐えられる。
 けれども、目の前に居る私が誰かが分からない、誰か他の人だと思われる・・・ことに遭遇すると落ち込みます。

 夫の「認知機能」は、たいていは朝起きた時が一番良い。マシというべきか・・・
 目が覚めて私の顔を見つけると、

  「スキ! ダ~イスキ。セカイデ イチバン スキ!」

 と言います。
 昭和6年生まれの日本男児が、妻に対してそんなことを言うものか?と異和感を覚えるかもしれませんが、認知症になる前から夫は、「好き」「愛している」「ありがとう」を口に出して言う人でした。どちらかというと欧米人の感覚に近いと思います。
 そして、朝食を食べ終わった後、夫はニコニコしながら、

 「・・・子ども、作りましょうね! いいでしょ?」

 「はい、はい、そうしましょうね」

 「今日はどういう予定?
  これから(ボクの)両親のところへ(挨拶に)行きましょう!」

 この時、私は夫の恋人で、夫は私を両親に紹介しようとしています。私は、

 「お誘いはとっても嬉しいけど、でも、あなたのお父さんもお母さんも亡くなっているでしょう?」

 「えぇ? そんなことないよ。お母さんはまだ生きているはず・・・」
 (この時点で、お父さんは、もう死んでいるかもと思ったようだ。)

 「ねぇ、今、(年齢は)いくつ?」

 「う~ん、50歳・・・ぐらいかな?」

 「今、八四歳だよ。84」

 「え~と、そうだっけ? 84だったかな?」

 「お母さんが、●●(夫の名)を生んだのは、お母さんが24歳の時だよ。
  もし、お母さんが生きていたら、84+24=108歳になるでしょ?
  普通はもう生きていないでしょう?」

 「そうかあ・・・」
(似たような会話の兄弟姉妹バージョンもよくあり。)

 昼食後、夫も私もこたつに入って、ウトウト眠くなりごろ寝している間に、夫の認知機能が悪化してくる。
 夫が先に起き出して、ガチャガチャ食器を片付けている音を、夢うつつで聞いていた。 食器だけではなく、テーブルの上に置かれている様々な物を、夫はお片付け(あとでいろいろな物の所在が分からなくなり、探すのに一苦労)。
 1階の玄関のドアをガラガラと開ける音で、ハッとして目が覚めた。
 夫が外へ出て行こうとしている!
 慌てて階下へ下りて行くと、夫がデイサービス用の手提げ袋を持って、帽子を被り、出掛けようとしている。服は室内用のまま。介護用ズボンの下にモモシキも履いていないから、外では寒いはず。
 私は、つい、夫が手にしている手提げ袋をひったくって取り上げ、

 「どこへ行くの?」とやってしまった。

 ひったくって取り上げたのがマズかった。
 夫はムキになって取り返し(当たり前の反応だよなあ・・・)、

 「友達に会いに出掛けてくる!」

 「そんな約束はないでしょ?」

 「また、戻ってくるから・・・」

 と言って、外へ出てしまった。
 後を追って出る。(「あ~、しまった。ケータイも財布も持って来てない」)
 夫は今はもう大して歩けないので、家の前からせいぜい10メートルぐらいのところで、押し問答。

 「あなた、私が誰だか分かっている?」

 「妹でしょ。」

 「違う、妹じゃないよ! あなたの妻だよ!」

 「えぇ? 違うよ!」

 (そうだよね。こんな三角眼で、威張って、指図するような態度の人が妻だなんて思えないのはもっともだ。心の隅でそう思いはするものの、感情を抑えることができず、)

 「もう、いい! 好きなようにすれば! もう、知らないから!」

 と言って、自宅に向かって歩き出すと、夫も後ろからトボトボと着いてくる。

 「車が来ないから、もう、行くのを止めにする。」

 家の中に入ってからも、私のモヤモヤとした気持ちが治まらず、夫に意地悪をしたくなって、今度は、私自身が帽子を被り、リュックに財布とケータイを入れて出掛ける格好をして(近くのマーケットに買い物にでも行って頭を冷やして来よう)、ソファに座っている夫に、

 「じゃあ、さようなら!」

 「えっ? 出掛けるの?」

 「うん、さようなら」

 「行っちゃうの?・・・それじゃあ、仕方がないね。」

 「そう、じゃあ、さようなら!」

 と言って、階段を下りて行くと、夫が2階のベランダのドアを開ける音がする。
 私が、玄関のドアを開けて、外へ出て行くと、夫が2階のベランダのドアを開けて、私を見下ろして、手を振って、

 「ボク、泣いてる。泣いてるよ~」

 そして、ベランダの手すりのところまで出てきた。
 「泣いてる」って・・・、泣かしちゃった~。
 それにベランダから落ちやしないか?
 心配になって、慌てて自宅に戻り、2階に上がって行った。

 「もう、行かないから。家に居るからね。」

 本当に、なんて馬鹿な芝居を二人でやっているんだろうと、皆さん、お思いでしょうが・・・

 山田洋次監督の『家族はつらいよ』の新聞広告?で、上野千鶴子さんが、

 「やっぱり、夫は、年をとって(介護が必要になった時に)、妻に世話をしてもらいたかったら、可愛くなくちゃね。」

 という趣旨のことを言っていて、私も「そう、そう!」と同感しています。
 (これは上野千鶴子さんの発言そのものではなく、あくまでも私がそういう趣旨だろう理解したということですが。)

 よく病院とかで、車椅子に乗っていたり、杖をついたりして病気持ちらしい老夫が、付き添ってきている老妻を「何やってんだよ!」等と口汚くガミガミと叱っており、老妻がそれに黙って耐えている様子を見たりするのですが、病気がそのようにさせている面もあるのでしょうが、女の立場からすると、どうしても、割り切れない、嫌な気持ちになってしまう。

 うちの夫は奇特な人なんだと思う。
 何があっても、絶対に、私のことを叱りつけたりしない。
 私がへそを曲げて、二人の間が険悪な状態になっても、必ず夫の方から「ボクが悪かった。」と謝ってくれる。
 認知症になっても、そこはまったく変わらない。
 そして、とても「可愛い人」(顔かたちではありません、念のため。心が可愛い人)なので、ついついほだされちゃうのです。

 夫の可愛さにほだされて、ハッピーエンドと思いきや、さらにまた夕食後、今度は、私のことを、他のガールフレンド(私の友人でもある)だと思って、名前を間違って言ってくれる。
 しかも、そのガールフレンドの旧姓でフルネームを言うんだよね。
 私の名前は忘れちゃっているのになあ。プンプン
 でも、最後は「ボクが悪かった。ゴメンナサイ」って。

 毎日毎日、そんなことの繰り返し。

 天気が優れず、一日中家に籠もっているような日に、とりわけ「認知機能の変動」が激しいように感じる。
 それは天候(気圧とか?)の影響もあるのか、はたまた別の理由なのか分からないけれども、外出している時や来客がある時の方が夫の「認知機能」は良いみたい。


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ちょっと嬉しい「妄想?」なので、許す!

 昨日のブログで、「年をとって(介護が必要になった時に)、妻に世話をしてもらいたかったら、可愛くなくちゃね。」ということを書きました。
 けれども、戦後の障害者運動が、健常者に可愛がられる障害者であることを否定して、物を申す障害者・対等な権利を主張する障害者を目指してきたことを否定するものではありません。念のため・・・
 病気になったり、年をとって動けなくなったら、妻に世話をされるのが当然と思っている世の夫たちに、そんなに甘くはありませんよと言いたいだけです。

 さて、今日も朝から雨模様でしたが、昼頃から雨もあがり、桜が散ってしまう前に、夫を車椅子に乗せて、お花見に行きましょう。

 都バスに乗って、椿山荘(ちんざんそう)前で下車。
 椿山荘から目白駅に向かって少し先、「和敬塾」という広大な敷地の中の緑に囲まれた男子大学生寮と目白台運動公園の境に「幽霊坂」という坂がある。
 目白台からこの「幽霊坂」を下りて行くのだが、結構な急勾配。
 車椅子のブレーキを両手でぐっとひきつつ、後ろに体重をかけて、ゆっくり慎重に下りる。
 下りきった先が「神田川」。左手に「新江戸川公園」がある。

 「新江戸川公園」は、幕末には熊本54万石の細川侯の下屋敷に、明治15年には細川家の本邸となり、現在は「新江戸川公園」として東京都文京区の公園になっている。
  松声閣2階
 今年1月16日から、園内にある「松聲閣(しょうせいかく)」という建物が一般公開されるようになったので、初めて訪れてみた。
 古い建物なので、車椅子で中に入ることはできないだろうと思っていたのだが、改築されて、館内には車椅子トイレも設置され、2階までのエレベーターも設置されていた。ただ、車椅子に夫を乗せ、私が押して入るとギリギリです。私が背負っていたリュックは下ろさないとエレベーターのドアが閉まらない。
 車椅子が使えるのは2階のエレベーターを降りたところまでで、そこから畳の部屋は車椅子を降りて利用する。

 かつては旧熊本藩細川家下屋敷内の学問所として使用されていたとのことで、一時期は細川家の住まいとしても使用されていた・・・などという案内ビデオが2階のお部屋で上映されていました・・・と、ビデオの中で案内をしているのは、なんと、「若年性アルツハイマーの母と生きる」ブログをやっている岩佐まりさんでしたよ。

 2階から庭を眺めていると、夫は、もう既に、この時点で、「疲れたぁ、疲れた~」を連発。 
 早々に1階へ下りて、休憩所「椿」で、お庭を眺めながら、和菓子とお抹茶セット(500円)をいただいた。
 季節の和菓子は桜餅。
  IMG_6565.jpg
  このお部屋には椿の絵柄の花手箱が・・・
  松声閣花手箱
 松聲閣を出て、新江戸川公園のお庭を見て、神田川沿いに出た。
 今まさに桜が満開です。神田川と桜
  神田川沿いの桜
 左手の黄色の壁は椿山荘の敷地。右下には神田川。

 帰り道、途中、早稲田大学近くの喫茶店「香磁」に入ってコーヒーを飲む。
 コーヒーを飲みながら夫が、

  「今晩、ボクの家に泊まりに来る?

 と言われました。(ナンパされてます、私 

  「は~い、モチロン、いいですよ~ 」(だって、私の家でもあるし・・・ね)

  帰宅して、夕食を食べている時も、

「これ食べ終わったら、すぐにボクの(両親のいる)家に行こうね。」

 この後は、なんだ、かんだ、言って、「今日はここに泊まる。明日の朝、行く」ということで、一応の納得をしたようだった・・・? さて、本当に大丈夫かな?

 でも、今日は、一応は、私のことがわかった上で、プロポーズしてくれるという、ちょっと嬉しい「妄想?」なので、許す!


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久し振りの徘徊

 今日の夫、「夕方症候群」になる。

 昨日の「あさイチ」でやっていたように、他に気持ちを切り替えできるように、昔の写真の整理をしてみたり、話題を転換してみたりして、しばらくは良かったけれども、結局、「これから相談事があるから出掛けてくる」と言って聞かない。

 「あきらめることも必要」と「あさイチ」でも言っていたし、これ以上は無理と諦める。

  日没になり、外は寒いので、とにかく、もう少し服を上に着るように勧めて、私も急いで着替えて、一緒に家を出る。

  夫のおぼつかない足では遠くまでは行けないだろうが、転倒が心配。

  実際、車が向かってくるのを見ると、フリーズしてしまうので(猫と同じで)、超危険。
 夫は道の端を歩かないので、車が来るたびに、夫を道の端にひっぱって行く。

 それ以外は、夫のすぐ後ろに着いて歩き、気がつかれない程度にそっと服の端を掴んでおき、万一、転倒しそうになった時にすぐに抑えられるように。

 坂を転がるように下り、大通りに出る。
 車がひっきりなしに通るのに渡ろうとするので、「ここは横断歩道ではないよ」と腕を組んでおく。
 「あちら側に渡る」と言うので、一緒に道路を渡った。

 そこで、夫はタクシーを止めて乗ろうとした。
 一瞬、タクシーは止まりかかったが、私ともめている様子が見えたのが、スーッと通り過ぎて行った。
 もし、夫一人で外へ出てしまったら、タクシーに乗って、隣県の夫の実家のある市まで行ってしまったかもしれない。まあ、最悪、タクシーに乗ったのなら、乗客の様子がおかしいと交番か警察署にでも連れて行ってくれるだろうが・・・

 また、タクシーを止めようとしている。
 私は、夫に
 
 「あのね、お金を持っていないでしょ? お財布を確認して!」

 とカバンの中を確認するように促す。
 最初は、「大丈夫だから」と言って抵抗していたが、周りは暗くなってきて寒いし、目の前にあったマンションのエントランスに入った。
 オートロック式のエントランスなので、入り口のところまでしか行けないようになっている。ここなら冷たい風は防げる。腰掛けられるところがあったので、夫を座らせ、隣に黙って座った。

 しばらくすると、「お腹が減ってきた」と夫。だいたい夕方6時半頃だろうか。
 「帰ろうよ」と言っても、なかなかうんと言わない。

 ちょっと、頭に来て、「もう、知らない」と言って、私はマンションから外に出て、夫から見えない位置で少し待っていた。
 しばらくして、夫がマンションから出てきた。

 夫は、大通りを走る車の列を眺め、バスが来ると、そのバスに乗ろうというそぶりを見せるが、バス停はかなり離れたところにある。
 では、バス停まで歩いて行くのかと言うと、足が動かない・・・と言うか、真っ直ぐに立てずに、マンションの壁に寄りかかって立っている。
 そのうち、私の顔を見て、

 「キミを暖かい家の中に入れてあげたい」

 と言い始めた。
 (自分が寒くなって、暖かいところに行きたくなっただけじゃないの?とも思ったが)

 「じゃあ、あなたのお家に帰ろう。この坂を上って行ったら、すぐ近くだから。」

 「そう。この坂を上って行くんだったよね。」

 ようやく、家に戻ってくれそうだ。

 帰りの坂道、夫、足がまったく前に進まず。
 階段のような手すりがないので、後ろにひっくり返りそうになり、一人では上れない。
 いつもは、夫の手をひっぱり上げるようにして上るのだが、今日は、夫の背中にひっつくように着いて、夫の歩みを後ろからそっと支える程度に。
 そのうち、夫が後ろにいる私の両腕を持つようになり、二人で前後にくっつくようにしてゆっくり上がって言った。
 知らない人が見たら、いったい何をやっているのか?と思うだろう。

 自宅に着いてからは、ずっと穏やかになり、夕食を食べ、お風呂に入って、寝た。

 思うに、今日は晴れていたのに、一日中、家に閉じこもりだったのが良くなかったかな。
 天候が良い時には、できるだけ外に出て、適度な疲労感を持つことが、夕方から夜にかけて穏やかに過ごすコツかと思う。
 今日は、出掛けようか迷ったのだけれども、気温が低くて、ついおっくうになり、昼間から家でゴロゴロしていたら、案の定、夕方からこんな調子になってしまった。

h28-4遠藤正美作品
 先日、猫の町 「谷根千」 を夫と散歩中、遠藤正美さんという木彫り作家の作品展をやっていた。
 この木彫りの猫(壁掛け)が気に入って、うちの子になってもらった。

h28-4モカ
 「あんた、誰ニャー? 新しく来た子かニャー?」 


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どうしようもないことでも、「愛おしい」と思える

 今日は朝から弱い雨が降っていた。
 夫は午前中から午後までデイサービス。
 小規模多機能のデイでは、可能な限り、利用者の希望する時間に送り迎えをしてくれるのが、普通のデイサービスとは違うところ。
 でも、今日は午後2時半頃に、夫を迎えにデイへ行った。
 午後から雨が上がったので、車での送りをお断りして、夫と一緒にゆっくり歩いて帰ってきた。
 私の足では自宅まで徒歩10分だが、夫と一緒に歩くと30分以上かかる。
 でも、昨日の教訓・・・少し身体を動かして、適度な疲労をした方が、夕方から夜が穏やかに過ごせるようだから。
 すご~く、ゆっくり歩いているのだが、夫は「疲れた~、疲れた~」を連発。
 心臓が苦しいわけではない。
 呼吸が苦しいわけでもない。
 足が痛いわけでも、腰が痛いわけでもない。
 ただ、外という環境の中で、周りのいろいろなことに注意しながら、同時に、身体を足を動かす「協調運動」をするために、「脳が疲れる」のだろうと思う。
 支えていないと、転倒しそうになる。
 自宅前の坂に階段があるのだが、手すり付きなので、ここは比較的スムーズに登れる。
 では、杖や歩行器を使えばよいのでは?と思われるでしょうが、
 杖を持たせても、杖を地面につくという操作をすることを忘れてしまい、杖をブラブラ持っているだけで、杖の意味をなさない。
 車の付いた歩行器は、腕をぐっと伸ばして、歩行器に寄りかかるようになってしまい、どんどんスピードが付いてしまい危険。歩行器を手元に引きつけて、歩行器をコントロールしながらゆっくり歩くという作業が、認知症の夫にはとても難しい。
 一番安定するのが固定した手すりなのだが、普通の道には手すりなんかついていないから、結局、夫の側について腕を組むとか、手をつなぐとか、後ろから支えるとか、時には、夫の両手を持って、私が後ろ向きに進む手引き歩行とか・・・になる。
 このような歩き方は、私の足で10分ほどの距離の範囲の移動のみ。
 それ以上の距離を移動する時は車椅子が欠かせない。

 ・・・というわけで、自宅に着いたら、かなり疲れた模様。
 夕方、「外へ行きたい」という訴えはなかった。

 ただ、私が夫の古い写真の整理に集中している間、夫は、家の中でいろいろ「お仕事」をやってくれていた。

 夫とコタツに入ってまったりしていると、突然、洗面所?お風呂場で水の流れる音がし出したので、何事か?とドアを開けて見ると、バスタブから水があふれ出ている。
 夫がバスタブの中にシャワーヘッドを突っ込んで、水を出していたのだ。
 (ちなみに、我が家のお風呂は、全自動でお湯を張るタイプ。
 夫は、昔の感覚で、お風呂に水を入れてから、ガスで沸かそうと思ったのだ。)

 「ヒャ~、何してるの~!!

 と、つい夫をきつく叱ってしまうと、

 「ごめんなさい! お風呂を沸かして、二人で入ろうと思って・・・

 「・・・二人で入ろうと・・・? \(//∇//)\

 って、カワイイ! (*≧∪≦)

  怒っていたのが、何だか、おかしくなって、笑ってしまった (*´v`)

  いいよ、いいよ、ありがとうね!
  一所懸命やってくれたんだよね。
  その気持ちが、とっても、嬉しいよ。

  一杯になってしまったバスタブの水を洗濯機の中に移した。
  夫も、責任を感じて、洗濯機の中に水を入れるのを手伝ってくれようとしたが、水をわっしゃわっしゃこぼしてしまうので、さすがにここはご遠慮いただいたが・・・

 正直言って、夫のやることなすこと、「えっ? 何これ? どーしてよ?」ということがほとんど。
 だから、夫のやることは、いつもきちんと見守って(見張って!)いないと、とんでもないことになる・・・

 それでも、何かをやろうという夫の一所懸命な気持ちは、大事にしよう。 (→可能な範囲で努力。できないときも多いが。)

 こんなどうしようもないことでも、「愛おしい」と思える。
 だって、いつかは、こんなどうしようもないことも、「昔は、あんなこともできた」って思うようになる時が来るだろうから。
 今、この時を、大事にしよう。

h28-4ケマンソウ
我が家の鉢植えに、こぼれ種で根付いた「ケマンソウ」。
過酷な環境の中で、何の世話もしないのに、毎年咲いてくれます。

H28-4スミレ
スミレ2種。
その辺の道ばたや空き地に生えていたのを鉢植えに移植したもの。
こちらも、何お世話もしておりませんが、雑草の中で、毎年、咲いてくれます。

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熊本の友の無事を祈る

 熊本に夫の教え子がいる。
 上京した時にはいつも立ち寄ってくれる。前回会った時には、3人で春画展を見に行った。
 4月14日夜の最初の揺れの時、彼がどうしているかと心配した。
 けれども、電話もメールも熊本地域に殺到してつながりにくくなっており、電気の供給など先方の状況が不明だったので、連絡は控え、遠くから無事を祈っていた。
 そして翌15日の朝届いたメールに彼の名前があった。
 無事を知らせるメールかと思ったら、なんと2日前から上京中だと。
 「今日午後の飛行機で熊本に帰るが、その前にご挨拶に伺いたい」とのことだった。
 その日は午前11時から訪問リハビリがあったが、来宅した彼に愉快に応援してもらいながら、楽しく夫はリハビリをした。
 リハビリ後、彼が夫の車椅子を押して近くのカフェまで行き、3人で昼食をとりながら話した。
 彼(55歳、独身)は両親と同居。
 お母上は夫と同年齢の84歳。現在は認知症グループホームに入所しているそうだ。
 グループホームにいるお母さんは、スタッフと一緒だからとりあえずは大丈夫だろう。
 お父上は92歳。彼の話の感じでは、認知症というほどではないけど、MCI(軽度認知障害)程度かと。
 足は弱っているが、自宅で一人でトイレに行くのも大丈夫だし、寝起きもベッドではなく布団なんだそうだ。
 月~金は、朝ご飯の用意のみ彼が用意し、昼食と夕食はヘルパーさんが来て作ってくれていると(もちろんお父上の分のみで、彼の分は自分で調理・調達)。
 そうは言っても、震度7を観測した地点の隣町に彼の家はある。
 家の中も大変なことになっているんじゃないの?
 ヘルパーさんに連絡して、自宅内外を確認してもらったが、自宅の瓦がちょっと落ちているぐらいで、家の中は大丈夫のようだ・・・と。
 停電しているんじゃない? ガスや水道は?
 う~ん、ヘルパーさんが食事をつくれているみたいだから、大丈夫ということではないかな?
 でも、夜中の大揺れに、お父上はたった一人で、どんなに不安だったろう。
 余震も続いている。早く帰ってあげないと・・・
 気持ちは焦るが、飛行機の時間まで待つしかない。
 空港から自宅までは? 
 空港の駐車場に置いた車で帰るんだ。
 空港から自宅までの道も破損していて通れないかもよ?
 その場合は、まわり道して行けると思う・・・
 揺れが続いて今後の状況も不透明な地に、彼を帰すのは心配だけれども、高齢のお父上が一人で自宅で待っている以上、何としても帰らなければならない
 午後2時頃、彼は夫の車椅子を押して我が家まで送ってくれて、羽田空港へ発った。
 午後6時過ぎに彼から熊本空港へ到着のメール。
 彼の自宅に何とか無事に戻ったと思うが、まさかこれまでの地震が「前震」で、その日の晩に「本震」が来るとは思わなかった。
 16日未明の「本震」後、熊本空港も利用できなくなった。ぎりぎりセーフだった。
 その後、彼から連絡はない。
 「本震」後に、停電になったのではないか? 水道・ガスも止まっているのではないか? 避難場に移ったかも?
 高齢のお父上を抱えて、どうしているのか?
 たぶん無事だとは思うけど、この非常事態だから、ヘルパーさんだって来れなくなっているだろう。
 詳しい状況は何もわからない。
 遠くから無事を祈っているよ。
 早く余震よおさまれ! 被災地に大雨よ降るな!

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 熊本のM君からいだいた熊本銘菓 「陣太鼓」

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 炊き上げた大納言小豆の中になめらかな求肥が入っていて美味しい


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夫にとっての「あたりまえの暮らし」を

 熊本地震のテレビ報道を見て、落ち着かない夫。
 だからと言って、テレビを消すこともできず、テレビに釘付けの私。

 月に一度の趣味の集まりがある。
 こんな不安な状況で夫を車椅子に連れて出掛けるのもなあ・・・どうしよう?
 ぎりぎりまで迷う。夫に、
 「ねぇ、今日、●●の集まりがあるけれど、二人で参加する?」と訊く。
 先月は、小規模多機能居宅介護センターに夫を預けて、私だけで参加した。
 私は参加したいけど、今月は、雨が降ったり、夫が「行かない」と言えば、休むつもりだった。
 夫は、体調が悪かったり、気が乗らない場合は、はっきりと「行かない」と言う人だ。
 「うん、行きましょうか」というのが夫の返事。
 何度か重ねて訊いても、「行きます」ということなので、夫を連れて行くことにした。
 教え子のK君からも、「今日の会にボクも参加します。よろしくお願いします。」というメールが来ている。
 K君は、夫にとって、気安く話せる人。

 夫は、「自分は周りからヘンに思われている? ボクの話すことは何かヘンなんだ?」と感じ取るようだ。
 自分の言ったことに対して、相手の微妙な反応や表情などを鋭く感じ取るようだ。
 他方で、「この人は、多少ヘンなことを言っても大丈夫な人、気を許せる人だ」というのを、夫は直感的に選び取っているようで、K君は夫が気を許せる人らしい。

 私たちが会場に着くと、みんな暖かく迎えてくれる。
 だけど、趣味の会とは言え、「研究会」と名の付く場なので、正直言って、夫の今の状態では、会の内容には付いていくことはできない。
 ただ、夫は、自分の後輩たちが、懸命に発表したり、議論したりしている様子を眺めているのが嫌いではないようで、3時間以上の間、大人しく頑張った。
 ま、後半、集中が途切れてきたが、隣に座っているK君と話しをしたりしていたが。
どうせあの二人のことだから、どうせ馬鹿話だろうけど、末席でも夫が居られる場があって良かった。
 終了後、みんなと一緒に喫茶店にも行って、コーヒーとデザートを食べてから、私たちは一足先に帰宅した。

 こうして一日を過ごすと、夫は適度に疲労して、「さあ、家に帰ってくつろごう」という気になるから、自分の家がどこにあるかよくわからなかったとしても、「今から外へ出掛けなければ」と焦燥感に駆られることがない。
 昔から続いている人間関係の中で過ごすことが夫にとっては「あたりまえの暮らし」なのだ。
 認知症がかなり進んでしまった夫にとっては、いろいろ難しいチャレンジングなことも多いけれども(特にトイレ問題には気を遣う)、できるだけ夫にとっての「あたりまえの暮らし」が継続できるようにしたいな。


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プロフィール

アワキビ

Author:アワキビ
夫と2人暮らし。
子どもはいません。
2人と猫2匹の家族です。

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