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なんでだす?

 夫がおもむろに立ち上がった。

 「お手洗い、どこ?

 私はすぐさま夫の手をとって、トイレへ誘導。
 リハパンとズボンを下ろして、便座に座らせ、

 「ゆっくり、やってね~

と言って、ドアを閉めた。
 しばらくして、ドアを開けると、プ~ンと臭う。
 夫は立ち上がって、トイレットペーパーでお尻を拭こうとしている。

 「あっ、ウン●、出たの?」

 うん? それにしても臭いすぎ?
 床を見たら、ウン●  がころがっている。
 ちゃんと便座に座らせて、スタンバイOKだったのに・・・

 なんでだす?


 歯も磨いて、顔を洗って、着替えて、
 デイサービスのお迎えが来る時刻。
 私も同じ時刻に出掛けるので、自分の支度を・・・
 ふと、夫を見ると、
 私の化粧ポーチをテーブルの上に置き、
 スプーンとフォークを出している。

これ、どうしたらいいのか、わからない・・・

 と言いながら、おもむろに、フォークで化粧ポーチを突き刺した

 なんでだす?


 午前8時半になった。
 さあ、お迎えの車だ。
 さあ、早く早く・・・
 1階に下りてきた夫は、玄関脇の部屋を
チェック。
 さあ、早く早く・・・
 そのまま私も一緒に出掛けます。

 午後1時半、私が先に自宅に戻り、
玄関の鍵を開けると、ネコのミルクが
玄関前に出ている。

 おや? お出迎えですか?

 ふと玄関脇の部屋を見ると、
部屋のドアが閉まっている。

 えっ? (*゚Q゚*)

 我が家は猫たちの出入りために
すべての部屋のドアはいつも開けている。
 ドアを開けると、案の定、猫のモカが
部屋から出てきた。
 モカが鳴いていたので、ミルクが心配して
部屋のドアの前に来ていたらしい。
 朝から5時間も部屋に閉じ込められていたモカ。
 え~っ? 大丈夫?
 ざっと見渡すと、畳んで置いておいたシーツが
くしゃくしゃしている。
 見ると、

 コロコロした糞がたくさんシーツにくるまれている。

 シーツにくるんだのはモカだろう。モカには何の罪もないが、

 なんでだす?


 ああ、
 わかりました。
 すべて座敷童子さんの仕業だすなぁ~!



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認知症の人が起こした事故の家族の賠償責任

 以前このブログで 「認知症の人が他人に損害を与えてしまったら・・・」という記事を書いた。

 2007年、愛知県の認知症男性(当時91歳)が、妻(当時85歳)がまどろんだ好きに、外へ出て行き、駅構内で列車にはねられて死亡した事故。
 JR東海がこの事故により約720万円の損害を被ったとして、妻と横浜市在住の長男に訴訟提起し、一審名古屋地裁は妻と長男の両方に監督義務があったとして、連帯して720万円の支払いを命じる判決を出した。
 二審名古屋高裁では、同居していた妻にだけ監督義務を認め360万円の支払いを命じた。
 そして、双方が最高裁に上告して、2016年2月2日双方の意見を行く「弁論」を開いたのだ。

 最高裁で弁論が開らかれるのは、二審の判決を覆す時だけなので、これまでの一審二審の結論とは異なり、3月1日には、認知症の人の家族に有利な内容の判決が予想される。

 けれども、認知症の人が起こしてしまう事件・事故の内容は様々であり、今回の事件で出された判断が、どのような内容の事件にも自動的に適用されるわけではない。
 事案によっては、認知症の人の家族に監督義務ありとして、多額の損害賠償責任を負う場合もあり得ることを忘れてはならない。

 とりわけ、今回は認知症の人の家族という個人vs.大会社(公共交通機関)という事件だったけれども、これが、個人対個人での事件で、第三者をケガをさせたり、死亡させてしまったような場合に、誰も損害賠償責任を負わないというのでは、また、それも理不尽で不公平だと思う。

 そのため、私は、火災保険の特約に付いている「個人賠償責任保険に加入した」と、上記ブログに書いた。

 ところが、です!

 このたび、更新のために「約款(やっかん)」が送られてきたので、じっくり読んだところ・・・
 我が家が、現在、加入している保険では、仮に、夫が心神喪失状態に陥って起こしてしまった事故で第三者に損害を与えてしまった場合、カバーすることができないということが判明。

 そこで、責任無能力者の親族が、監督義務に基づく損害賠償責任を負った場合の損害を1回の事故につき、1億円を限度に補償する旨が「約款」に書かれている保険に乗り換えるべく、現在、鋭意検討中。


 実は、昨年2015年10月から、責任無能力者についての条項を入れた形に「約款」を変更した保険会社があるとの情報を得ていた。

 さっそく、複数の損害保険会社の代理店になっている保険の相談所に相談の趣旨を伝え、確認してもらった。
 すると、現在のところ、2つの損保会社が、責任無能力者の監督義務者への損害賠償を扱っていると。

 次の2社ですが、聡明なブログ読者の皆さんには、すぐに調べてお分かりになるでしょう。

  1. 朝ドラ「あさが来た」の主人公「あさ」の実家の旧財閥系損保会社。

  2.「あさ」の姉「はつ」を演じている女優の名前によく似た損保会社。


 複数の損害保険を扱っている代理店や相談所に確認していただくのがよいと思います。

 「あら? 我が家が契約している損保会社だわ。
じゃあ、我が家は大丈夫!」

 と思われた、そこのあなた!


 保険は、加入した時点での「約款」が適用されるので、
平成27年10月以降の「約款」に基づいた契約で、
個人賠償特約が付いていること
を必ず確認してください。


 新 「約款」には、「保険金を支払わない場合」として、
 「被保険者の心神喪失に起因する損害賠償責任」と明記されている。
 つまり、認知症の人が心神喪失状態に陥って第三者に損害を与えた場合は、保険金は支払われない。
 ここのところは、以前と変わらない。

 しかし、「被保険者の範囲」として、
 記名被保険者、その配偶者、同居の親族、別居の未婚の子が、「責任無能力者である場合は、その者の親権者、その他の法定の監督義務者(筆者注:成年後見人等のこと)および監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者(約款注:責任無能力者の親族に限ります)」という一文が、新「約款」には加えられている。

 これによって、被保険者の心神喪失に起因する損害賠償責任については、保険を支払わないけれども、被保険者が責任無能力者である場合は、その法定の監督義務者および監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者が法律上の監督義務に基づく損害賠償責任を負うことによって被った損害に対しては、保険金が支払われるようになった。(わかりにくい文章でスミマセン)

 今回の名古屋と同じような事故の場合にも、この保険に加入していたら適用になります。
この個人責任賠償特約は、単独の保険ではなく、火災保険や自動車保険の特約としてついているものです。
 我が家は、自動車を所有していないので、火災保険の特約としましたが、自動車を所有している場合は、自動車保険の特約で付けたらよいでしょう。
 個人責任賠償特約分の年間保険料は千数百円程度のものですから、これによって大きな安心が得られるのなら、お安いものだと思います。

 ※注意※
******************************
  この記事を書いた後、2016年2月26日の朝日新聞に、このケースでは保険金の支払いが難しいとの指摘が書かれていました。下記に引用しますので、ご注意ください。

 ◆個人保険 高まる関心
 徘徊など認知症の人の好意による万位チン損害への備えとして、民間の個人賠償責任保険に関心を持つ人が増えている。ただ、様々な条件から保険金が支払われない事例もあるため、公的補償の仕組みを缶ゲルべきだという指摘も出ている。
 日常生活で謝って人にけがをさせるなどして損害賠償金を支払わなければならなくなったとき、その費用を補償する保険だ。日本損害保険協会のウェブサイトによると、「陳列商品を落とし破損させた」「自転車で歩行者にぶつかり後遺障害を負わせた」など対象となる事故は幅広い。
 補償の対象となる人の範囲は一般的に、契約した本人と配偶者、同居の親族(仕送りを受ける学生ら別居の未婚の子も含む)。自動車保険や火災保険の特約として契約する例が多い。
 ただし、車やバイクの事故は補償対象にならない。
 この保険は、他人の身体や財物に直接損害を与えた場合に支払われることが原則だ。大手損保によると、例えば、線路内に認知症の人が立ち入って列車が遅れる損害が出ても、電車も壊れず乗客もけがをしていない場合は原則、保険金はしはらわれないという。(編集委員・清川卓史)
*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*

 あっ、それから・・・
 我が家の火災保険、今までは夫名義で契約をしていましたが、今回は、私名義で契約を締結するつもりです。
 私も家の持分を持っているので、私の名前で契約を締結できます。
 何故変えるかというと、夫が認知症であることを明らかにした上での契約だからです。
 あとあと、いざ保険請求をしようという段になって、「認知症の人が契約しているから、契約自体無効だ」などというような余計な争いを避けるためです。

 自動車保険については、所有者が誰であろうと、実際に運転する人の名前で保険に加入できますね。


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傷害保険という手もある

 昨日のブログ「認知症の人が起こした事故の家族の賠償責任」の続きです。

 当面の解決策として、昨年平成27年10月から、責任無能力者条項を入れて変更した約款のもと、火災保険や自動車保険に個人賠償責任特約を付けることをお勧めしました。

 けれども、既に加入している保険が、何らかの事情で変更することができない場合もあり得ますね。
 例えば・・・

 住宅金融支援機構で住宅ローンを借りているので、指定の火災保険会社があり、変更できない。
 既に長期火災保険をかけている。
 お付き合いで保険に入っているので、変えにくい。
 家は賃借だし、自動車も持っていません~。

 その場合、傷害保険に加入して、個人賠償責任特約を付けるという手もあります。
 もちろん、責任無能力者条項の入った約款を持っている傷害保険に!

 
 該当する保険を販売しているのは、現時点(H28年2月)では、昨日のブログに書いた2社のみと思います。

 我が家では、現在入っている火災保険を保険期間満了日にて解約するつもりですが、
その際には、「責任無能力者条項の入った個人賠償責任特約の付いた保険に変えたいから」
という理由を明確にその保険会社に伝えたいと思います。
 今後、他の保険会社にも、責任無能力者条項を入れた約款が広がってくれることを期待したいからです。

--------------------------

 ところで、認知症の人が起こしてしまった事故といっても、次の2通りのパターンが考えられます。

 1つめは、認知症による「心神喪失を起因とする事故」です。
 鉄道線路に入り込んでしまい、轢かれてしまったという事態は、心神喪失によるものでしょう。
 うちの夫も、「せん妄状態」に陥ってしまうと、普通では考えられないような、とんでもないことをやったりします。
そのような時に、もし、第三者に損害を与えてしまったら、心神喪失に起因する事故として、夫は損害賠償責任を負わない代わりに、妻である私が監督義務責任を問われます。
そんな時には、この個人賠償責任特約により補填をしてもらおうと思います。

 2つは、認知症による「心神喪失を起因としない事故」です。
 例えば、普通に歩行している最中によろけて転倒してしまい、ドアガラスを割ってしまった。
 あるいは、転倒した際に、側にいた高齢者にぶつかって転ばしてしまい、その方が頭を強打して重傷を負い死亡した、とか。
 このような事故は認知症の人でなくても起こしうるものなので、心神喪失を起因とした事故ではないのだから、通常の損害賠償責任を負った場合として、保険金が支払われるはずです。

 もし、このようなケースで、事故を起こした人が認知症であることを理由に、「心神喪失に起因するものだから保険金を支払わない」等と保険会社が言ってきたら、徹底的に争うべきです。
 これは被害者のためにも、そうすべきです。

 というのも、
通常の過失事故に基づく損害賠償金 => 監督義務に基づく損害賠償金
 だからです。

 仮に、被害者に1000万円の損害が生じて、その全額が加害者の責任と認定された場合は、責任賠償保険金として1000万円が支払われますが、もし、心神喪失が起因とされた場合は1000万円は支払われません。
 ここで、責任無能力者条項があれば、これに基づき、監督義務に基づいた損害賠償金に対して保険金が支払われます。
 しかし、監督義務を怠った程度にもよりますが、もとの損害賠償金額よりも下回る可能性が高いと思います。

 ちょっとマニアックな話になり、わかりにくいですよね。
 すみません。
 私は、保険について素人ですが、個人責任賠償保険について、私なりに理解したこと、問題だと思っていることを、つらつらと書き連ねてみました。
 もし、プロの目から見て、ここは間違っている・・・という点がありましたら、勉強したいと思いますので、ご教示いただければ幸いです。



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パラシュートで飛び降りたよ!

 横浜に住んでいる友人夫婦宅を訪ねるときに、いつも渋谷駅から東急田園都市線を利用する。
 電車が二子玉川駅を過ぎて多摩川を渡る時、夫が言った。

 昔、子どもの頃、この河川敷に、パラシュートで降りるところがあったんだよ。
 50メートルぐらいの高い鉄塔の上から、パラシュートをつけて、飛び降りるんだけど、
 ボクもパラシュートで飛び降りたよ。10歳ぐらいの時だったかな。
 子ども用のパラシュートには、ロープがついていて、下まで降ろしてくれるんだけどね。
 大人用のパラシュートの方は、ロープなしで地面まで降りるんだよ。

よみうり大落下傘塔_0001
 どんなふうなものだったのか、夫に、描いてもらった。
      絵の中の文字も夫が描いたもの。
 左側にぶら下がっているのは、ロープが付いている子ども用のパラシュート。
 子ども用のパラシュートには、ブランコみたいに座るところと掴むところがある。
 右側の大人用パラシュートは、自分でボタンを押すと、ロープが外れるようになっている。
 地上では、パラシュートに乗るために行列していた。
 鉄骨造りの塔で、エレベーターも付いていた。

よみうり大落下傘塔_0002
 右側は、初級の練習生。ヘルメット?を被っているようだ。
 1メートル30センチぐらいの台の上でパラシュートを付けてもらい、上に吊り上げられる。
 「丘陵」とあるが、たぶん多摩川の土手のことだと思う。
 パラシュートの頭にロープが付いているのが子ども用。

   ボクは、先生の引率で学校のみんなと一緒に行った。
   ボクを含めて5~6人がパラシュートに挑戦したよ。
   パラシュートで降りると、認定書をくれるんだ。

   大人用は、ロープを付けないでパラシュートだけで降りてくる。
   運動クツを履いて、足をバタバタさせて地面に降りてくる。


 以上は、夫が、朝からせん妄気味で、眉をしかめ、口をとがらしていた時に、以前、夫が話していた「大落下傘塔」のことを話題にしてみようと、夫に落下傘塔の絵を描いてもらいながら、質問を重ねつつ、聞いた話です。
   
よみうり大落下傘塔_0003

 夫の話した内容を確認するために、調べて見つけた写真。
      (『讀賣新聞八十年史』より)
 新撰組の隊服のようなダンダラ模様の入ったパラシュートが、
  夫の言っていた子ども用のパラシュートらしい。
    確かに、何か四角っぽい形のものが見えるが、
    これがブランコ用の乗るところだな。
 右側のパラシュートはロープが付いた状態。
 左側のパラシュートは、ロープが外されて、降下中。
 鉄塔の下のほうに、白っぽい台のようなものが見える。
   この台の上でパラシュートを付けてもらったようだ。
 鉄塔には、階段が付いているのが見えるが、鉄塔の中心を貫くように
鉄骨が走っている・・これがエレベータなのかな?
鉄塔の一番上のアームの下に、白い文字で右から左へ
「パラシュート塔」の文字が見える。
「讀賣パラシュート塔」と書かれてあったもよう。

よみうり大落下傘塔0004
 讀賣新聞 昭和15年11月8日付 掲載の写真(初等用パラシュートに乗っている写真) 
 昭和15年(紀元2600年)11月7日、讀賣新聞社が、よみうり遊園の中に「大落下傘塔」と「体験飛行場」を開場したことを報じた。
 このパラシュート塔は、米英との戦争開始後は、英語名を改め「落下傘塔」に。
 日本陸軍の落下傘部隊の訓練生が、民間人に混じって、落下傘の降下訓練をしていたそうだ。
 戦後、神奈川県江ノ島に移され「讀賣平和塔」となり、昭和28年に江ノ島展望塔に改称。
 平成14年末まで残っていた。

 夫が少年だった頃の時代に思いを馳せつつ・・・・今日はここまで。



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10人の来客

 趣味の会の会合が、我が家で開かれることになった。
 寒い季節の開催なので、車椅子で出掛けねばならない夫と私が参加しやすいように配慮してくれたのだ。
 でも、我が家で開いて、夫は大丈夫か?と逡巡した。
 何が大丈夫か?って・・・
 一つ目はトイレ。
 自宅に居る時、夫がトイレに行く時、いつもドアを開けて、便座に座るまで介助し、終わった後も、パンツやズボンを上げるのも介助している。介助しなくても、それなりに行うことはできるだが、トイレの床がビチョビチョになったり、床にウ●コが転がっていたり、パンツやズボンを半ケツ状態で出てきたり・・・。
 我が家のトイレは、来客が集う2階のリビングに接しているので、来客が居る前で、トイレに夫と一緒に入って介助するのは、ちょっと。
 もっとも1階にももう一つトイレがあるので、一緒に階段を下りて行って、そこで介助するという方法もある。
 それに、最近はトイレの場所がわからない。
 いつも私に「お手洗い、どこ?」と訊くけれども、先日は、私が席をはずした時に、来宅していた友人に「お手洗い、どこ?」と訊く始末。
 とにかく、少なくとも午後の来客がある前に、大の方は済ませてもらって、小の方は何とか自分でやってもらうことにし、来客への配慮にかこつけて、1階と2階のトイレのドアに大きく「トイレ」と書いた紙を貼り付けた。

 もう一つの心配は、たくさん人が集まって会合している中にあって、ここは自分の家ではないと感じて、みんなの前で「家に帰る!」と言い出さないか?ということだ。
 普段、二人で自宅に居る時は、午後から夕方にかけてせん妄を起こして、鞄を持って帽子を被り「家に帰る!」とソワソワし出すからだ。
 まあ、やってみるしかないな。

 午後1時過ぎに10人が来宅。
 巷では、インフルエンザが流行っているので、玄関先で、全員にアルコール消毒薬を手に吹き付けてもらい、荷物やコートは1階の部屋に置いてもらう。
 そして、2階のリビングの隣にある洗面所で、全員に紙コップでうがいもしてもらった。

 私たち夫婦を入れると総勢12人。今までの最多記録だな。
 我が家の狭いリビングに、コタツを2つならべて、ある限りの座椅子と座布団とソファと椅子をならべて、膝つき合わせるように座り、今後の運営方針についての話し合い。
 猫のモカも乱入するが、ミルクは小心猫なので、来客があると隠れて出てこない。

 夫は大人しく一人用のソファに座っていた。
 途中3回ぐらいトイレに立った。出てきた夫の格好を確認し、トイレの中を確認し、OK。
 話し合いには口を挟まなかったけれども(たぶん、話し合いの内容にはついていけない)、来客と挨拶を交わしたり、ちょっと一言二言程度話したり…
 夕方5時までの3時間半あまり、夫は居眠りしてしまうこともなく、ずっと起きていた。これも珍しいこと。いつもは午後居眠りすることが多いのだ。

 そして、みんなが帰る時、「じゃあ、また」等と挨拶されて、夫は、ここが自分の家だと理解したのか、一緒に帰ろうとするような混乱もなく、落ち着いた様子で、みんなを見送った。

 10人の来客と言っても、今回は最初から、会合の場所を提供するだけで、お茶等の接待はやらないことになっていたので、特に私がお世話をすることは何もなかったけれども、みんなが帰った後は、やっぱり疲れていた。風邪気味だったこともある。

 その晩は、夫も疲れたのか、いつもは就寝後に2~3回はトイレに起きるのだが、1回も起きずに朝まで。
 もちろん、紙パッドとリハパンはずっしり重くなっていたが・・・すっきりした顔つきで起きてきた。ちょうどいい具合に疲れて、熟睡できたんだろうな。
 夜中にトイレに何回も起きて、紙パッドやリハパンを濡らさないようにするよりも、きっちりと熟睡できた方が、夫も体調が良いみたい。
 もちろん、私も眠りをヘンな時間に中断されずに、ありがたい。

 今後も、また、みんなが訪ねてきてくれると嬉しいな。
ミルクヘン顔
モカヘン顔

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北朝鮮のミサイル発射で・・・

 今朝、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した。
 ミサイル発射予告を受けて、我が家のすぐご近所に、PAC3(パックスリー:地対空誘導弾パトリオット3)が(テレビで見たら2機のようだった?)配備されていた。
 そこがPAC3の展開地であることを知ったのは、数年前の新聞報道。
 ちょうどその頃、PAC3展開地の隣接地に超高層マンションが建設され売り出し中だった。
 万一、破壊措置命令を受けてPAC3が発射された場合、その風圧で超高層マンションの窓ガラスは全部割れてしまうと予想される、と。現在は、法律の規制がないので、PAC3展開地のすぐ側にこのような超高層マンションが建てられている、云々。
 こんな報道が出て、あのマンションを買う人がいるのかなあ?と思っていたが、結局、完売。閣僚経験のある某国会議員もそこに住んでいるようだ。
 ともかく、そんな恐ろしげな「展開地」が、こんな住宅街の我が家のすぐ側にあるというのは、ちょっとなあ。窓ガラスが割れてしまうのは、そのマンションに限らず、近隣一帯の住宅もじゃないのかな? 
 でも、このPAC3が発射されるのは、首都上空に飛んでくるミサイルを迎撃する時だろうから、マンションの窓ガラスが割れてしまうとか、そんな苦情を言っているレベルではない緊急事態なんだろう。

 戦後70年の間、戦争のない平和な時代が続いてきた。
 私は戦後生まれなので、自分の住んでいるところに爆弾が落ちるかもしれない・・・という緊迫した状況を経験したことがないが、夫の少年時代は、常に戦争と隣り合わせで毎日を送っていたんだよね。

 10年ぐらい前かな、東京ドームの前を通った時に、夫が言った。

 小学生の時、後楽園球場のグラウンドいっぱいに真珠湾の模型が造られて、そこで映画撮影のため、ミニチュアの軍機を飛ばして真珠湾を攻撃をするのを見たことがあるよ。

 えぇ? 後楽園球場で? 映画撮影のセットがあったの?
 なんじゃい、それは?

 調べてみたところ、ありました。
 昭和17年12月5日~14日まで、後楽園球場にて、大東亜戦争1周年記念「映画報国米英撃滅大展覧会の開催。
 『ハワイ・マレー沖海戦』の映画撮影に使用した真珠湾軍港のセットをそのまま、後楽園球場に移して、一般市民に無料で公開された。
 開戦1周年にあわせて撮られた映画『ハワイ・マレー沖海戦』が封切られてまもなくのことで、多数の市民が詰めかけたという。
 少年時代の夫も、これを見に行ったんだな。

 実はこの映画の特撮を担当したのが、あの『ゴジラ』や『ウルトラマン』の特撮で有名な円谷英二。
この頃から培った特撮技術だったんですね。
 映画『ハワイ・マレー沖海戦』には、先頃亡くなった原節子も出演している。

 最近、『ハワイ・マレー沖海戦』のDVDをAmazonで買って、夫と一緒に見た。
 けれども、夫は、ちらっと見ただけで、集中して見続けることができなかった。
 子どもの頃見たはずの映画なら、もしかしたら集中して見れるかな?と思ったのだけれども・・・残念。
 夫が今集中して見れるのは、ストーリーがなくてもわかる、猫やら犬やらの可愛い動物が出ているものぐらい。
 まっ、平和でいいかぁ~?

 
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父が行方不明 ((((;゚Д゚))))))) ・・・だった

 先週からの風邪がダラダラ長引いて、来客対応に追われた後は、家でゴロゴロ・・・
 が、風邪(?)はちっとも治らず、鼻水ずるずる、胸(気管支?)も異和感あり、後頭部が痛い…ので、実家に電話をするのを2日ほどさぼっていた。
 ほとんど毎日、母に電話をかけて、父母に異変がないかを確認しているのだが…
 今日も私の風邪は治らず、絶不調。でも、電話はしないと…

 以下は、電話での母の話。

 きのうはサア、私、出掛けるんで、朝、紙に書いて行ったのよ。
 お父さん寝てたから。
 「お昼までに帰ってくるから、家で待っていてください」ってね。
 それで、昼に帰ってきてみたら、お父さん、いないのよ。
 え~、ちゃんと待っているように書いておいたのに~。
 どこへ行っちゃったかなあ、お父さんの行きそうなところって…
 銀行かなぁ? イヤイヤ、日曜日だからやってないし…
 お父さんたら、あの足で、歩けないのに~。
 駅の方に行ってみたり、イ●ンを探してみたけど、いないのよ~。
 しょうがなくて、家に戻っていたんだけど。
 ちょうど、上(2階)に●子さん(弟の嫁の名)と▲▲(弟の名)も居たんだけど。
 ●子さんが、▲▲に事情話してくれたけど、▲▲は、
 「まあ、帰ってくるだろう~」って。
 なんか、先週も、市の放送で「65歳の人が行方不明になっている」って流れていて、その翌日もまた同じ人が行方不明で探しているっていう放送が流れてたけど。見つかったのかな? 見つかったときも、放送流してくれるといいのに…。
 で、うちも、放送、流してもらわないといけないかな~と思ってたら・・・
 駅の方から、お父さんがヨタヨタ、何かぶら下げて、歩いてくるじゃない・・・!
 何買ってきたのかと思ったら、キンカン(かゆみ止め)でさ。
 前から、「欲しい」って言ってたんだけど、ちゃんと病院でかゆみ止めもらったから、要らないのに、キンカンが欲しかったみたいで…
 で「レシート見せて」って見たら、髙●家ってあるじゃない、あそこでラーメン食べたらしいの。時間は12時15分だって。
 それから、レシートはなかったけれども、駅前の東●ストアの包みで、板チョコがたくさん、17枚も入っていて。
 バレンタインデーが近いから、きっと積んで売っていたのを買ってきたみたい。
 「これ、どうするつもり?」と訊いたら、
 「あげるの」って。
 「デイサービスに持って行くの?」
 「いやあ、まあ、上(2階の弟家族)にあげて」って。


--------------------
 いやいや、私が電話をしなかった日に、大変なことになっておりました。

 父は、買い物依存症で、お金を渡すと、どんどん使ってしまう。
 そのため、一時、私が父のキャッシュカードを管理していたが、自分で紛失届け出をして、再発行しキャッシュカードを取り戻した父。
 ところが、また自分で銀行のキャッシュカードを紛失させて以来、再発行していない。
 認知症が進んで、銀行で再発行手続きができなくなった。
 したがって、お金は持っていないはず。
 詳しくは、「父の認知症の発症」(1)~(4)

 「お父さん、お金、どうしたんだろう? お金持っているの?」と私。

 「いやあ、私はあげていないんだけど・・・? どこから、ねえ?」

 「まあ、なんかお金を見つけて、お金を手にしたら、買い物したくなったんだろうね。」

 「まあ、お父さん、足がアレだから・・・良かったけど、もし、元気だったら、電車に乗って、行っちゃっただろうね。」

 「うん、でも、あの足で、よく駅前まで歩けたね。
 お父さん、自分の住所は言えるの?」

 「言えると思う。まあ、だから、帰ってこれるかな。」

 「ふ~ん、そうか。いざとなれば、タクシーで帰ってくるか…
  ◆◆さん(夫の名)は、住所なんか言えないから、帰ってこれないわ。
  外へ行こうとはするけれども、もう、あんまり歩けないから、実際には出て行かないけどね。」

 私が母に電話をしない時に限って、何かが起きている。
 でも、母は、私が夫の介護で大変だからって、何かあっても、よほどのことがない限り、私に電話をしてこない。
 娘の私のことを気遣っているんだよね。
 2階に弟夫婦もいるのだから、そこは甘えさせてもらおう。


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確定申告: 障害者控除対象者認定を受けましたか?

 確定申告が始まっていますね。
 私は、早々と1月中に所得税の還付申告を済ませました。
 今年も、私たち夫婦と両親の4人分の申告書を作成しました。

 以前は、父自身が申告書作成をしていたようなのですが(税務署の確定申告書作成コーナーに書類を持って行き、そこで作成してもらっていただけ)、父の過去の申告書の控えを見ると、控除についての知識がないため、本来、控除できるはずのものも控除されていませんでした。
 父はずっと勤め人だったので、長年、所得税は源泉されていて、会社任せにしていたので、そもそも知識もなかったのだろうと思いますが、認知症が始まり、確定申告書の手引きの読解や必要資料の収集も困難になっていました。
 そこで、5年前から私が両親の確定申告書も作成をするようになりました。

 私は、長年、派遣やフリーの仕事をしていたので、ずっと自分自身で確定申告書を作成してきましたし、夫の確定申告書も私が作成してきているので、馴れているのです。
 10年以上も前のことですが、夫が確定申告書を提出しておらず、税務署から呼び出しを受けた時に、夫に付き添って税務署に行きました。この時、夫が確定申告書を作成できないと判ったのですが、今思えば、これも認知症の初期の徴候だったのかもしれません。

 確定申告書(還付申告)の作成は、源泉徴収票の他に、社会保険料額、医療費の領収書など、控除関係資料の収集が終われば、申告書作成の8割は終わったようなもの。
 あとは、国税庁のホームページの確定申告書作成コーナー利用して、入力していくだけなので簡単です。。
 医療費の計算は、領収書の数が少ない時は、作成コーナーの中で直接入力していっても良いのですが、領収書の数が多い場合は、あらかじめエクセルで入力して印刷しておいた方が楽です。領収書の束を封筒の中に入れ、エクセルで計算して印刷したものをその上に貼り付けて提出します。

 夫は、認知症以前に身体障害者手帳2級の障害があるため「特別障害者控除」があり、また昨年は1ヶ月入院したのでかなりの「医療費控除」(私の分と合算)があり、その他、「社会保険料控除」、「地震保険料控除」、「配偶者控除」、「基礎控除」の適用で、源泉徴収されていた所得税はわずかですが全額還付となりました。
 なお、私も夫も生命保険に加入していないので、「生命保険控除」はありません。

 私も昨年は3ヶ月だけ働いただけなので、源泉徴収された所得税はわずかですが、全額還付です。

 父の方は、「社会保険料控除」と「医療費控除」「地震保険料控除」「特別障害者控除」「特別配偶者控除」「基礎控除」があります。
 なお、父も「生命保険料控除」はありません。このブログをお読みになっている方は覚えているかもしれませんが、父はお金を浪費して預金を使い果たした末、電気料金が支払えなくなり、解約返戻金を手にするために生命保険を解約しています(解約返戻金も入金になった途端に浪費してるし)。
 それと昨年は、父も糖尿病が悪化して、血糖値コントロールのため1ヶ月近く入院していたため、医療費がかなりの額になりました。今回、母には源泉税がなかったので、父と母の医療費を合算したものを、父の「医療費控除」にしました。
 それから、皆さんも既にご存じとは思いますが、要介護認定を受けている場合、障害者手帳を持っていなくても、役所に「障害者控除対象者認定書」をもらうと、障害者控除が受けられるようになります。これは、毎年、その都度、申請をして、「認定書」をもらわなければなりません。
 昨年までは、「知的障害(軽度)」でしたが、今年送られてきた「認定書」を見たら、「知的障害(重度)」に○がついていて、ちょっと、びっくり 
 障害の程度は、本人申請ではなくて、お役所が、介護保険の情報をもとに判断して決めているものです。
 ああ、そうか、父の認知症も、客観的に見ると重度障害の域に達しているんだなあ…
 というわけで「障害者控除」ではなく、「特別障害者控除」となり40万円が控除。

 その上、父は、平成27年分は、年金受給者の「現況届け」を提出していなかったようで(書類が郵送されてきても、意味がわからず放置したか、整理が悪くて紛失したか?)、何も控除されずに源泉税が計算されており、高額の源泉税を納めていたため、結局、計算すると十数万円が還付となりました 

 母は、そもそも源泉税がなかったので、還付もありません。
 ただ、公的年金収入以外に、保険年金収入があり、「保険料控除」もありで、確定申告書を作成し、父の分の確定申告書と一緒に、管轄の税務署へ郵送しました。控えは、直接、実家に返送してもらえるように返信用封筒を付けて。


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木の芽時の夜の徘徊デート

 今日はいきなり暖かくなりました。
 我が家の3階の部屋は、エアコンを付けていないにもかかわらず、30度を超えました。午後2時頃には33度ぐらいもあったのです。
2016-02-14気温

 この突然の陽気に、夫の体内時計も「木の芽時が来た!」と反応したのでしょうか、久し振りに外へ出て行きました。

 夕食を食べ、歯みがきに誘いました。
 いつもは口をブクブクうがいをしてから、入れ歯を外してもらって、洗うのですが、今日は入れ歯を外すように言っても、なかなか聞いてくれません。

  これは外せないよ。立川の歯科技工士との間でトラブルになっているんだ・・・

などと意味不明なことを曰う。

 まったく何を言っているんだか…と困ったが、何とか歯をきれいにしたいので、「こちらの新しい入れ歯と取り替えるからね」(夫は2つの入れ歯を毎日交互に使っているので)と見せて、ようやく入れ歯を外してもらい、洗浄終了し、新しい方の入れ歯を口の中に収めた。

 いつもだと、眠くなる時間なのですが、今日は目がぱっちり開いていて、

 これから、車が迎えに来て、出掛けるから…。相談事に呼ばれているんだ。
 たぶん8時くらいには戻ってくると思うから。


 もう夜の8時を回っているけど…

じゃあ、行ってくるね」と、夫は鞄を持って、室内の服装のままで(今日は暖かいしね)、玄関へ向かった。

 ええっ? マジで外へ行くのかよ~
 ちょっと、放っておこうか~とも思ったけれども、夫は足下が不安定な上、夜だと目もよく見えない。
 転倒が心配だから、やはり一緒に付いて行かねば…

 急いで、ズボンを履き替え、上着を着て、リュックをひっつかんで・・・玄関のところで、夫に追いつく。
 すぐに帰るだろうと思ったので、玄関ドアの鍵もかけずに、夫の後に付いていく。

 家の前の道に出たら、
  なんと、タクシーの迎車が止まっている!
    ドライバーさんが車の外へ出て、お客さんを待っているではないか!

 私たちが外へ出てきたので、お客さんだと思ったようで、会釈をしてきた。

 夫は、すっかり、自分のお迎えの車だと思っている様子・・・
 私は、すかさず、

    「いえ、いえ、うちじゃあ、ないですよ。」

    「●●さんって、どこですかねぇ?」

    「お向かいのそちらの家ですよ」

 アブナイ、アブナイ!
 もし、夫を一人で外へ出していたら、このタクシーに乗っちゃったかもしれない。
 そうこうするうちに、お向かいのお家の方が出てきた。

 ともかく、夫の手をとって、どこへともなく、歩き出す。
 夫も、しっかり私の手を握ったまま、歩き出す。
 さて、どこへ行こうというのか?

 大通り方向へ進んでいくと、また、もう一台乗車中のタクシーが来た。
 この道の奥は行き止まりなので、ここに入ってくるタクシーは、迎車か、この近隣で降りる人を乗せたタクシーか、いずれかだ。
 夫は、このタクシーを見て、またもや、自分の迎えのタクシーだと思ったようだ。

  これは違うよ。今日は、迎えの車は来る予定がないからね。

 たぶん、デイサービスに行く時に、いつも車が迎えに来てくれるので、その印象から、自分を迎えに車が来ると思うようだ。
 大通り方向へ坂道を下る。夫は私の手をぎゅっと掴んだまま、転げるように前のめりになって坂道を下りるので、転ばないように、力を入れて夫の手と身体を支えながら坂道を行く。

 大通りに出た。さあ、どこへ行こう?
 夫に「どこへ行くの?」と訊くと、「●●電鉄に乗る」と言う。
 ●●電鉄は、夫の実家の方の鉄道会社だ。

 まあ、とにかく歩きましょう。
 この1区画をぐるっと周って帰ってくればいいやと私の方では算段する。

 夫は、少し歩き始めたが、歩くのがしんどいようで、何度も何度も振り返っては、迎えの車が来ていないかを探している。

 迎えの車は来ないよ。お金もないからタクシーにも乗れないよ。
  自分で出て行くと決めて、外へ出たのだから、自分で歩いてくださいね。


 この大通り沿いの道は、今の夫には見知らぬ道に見えるのだろう。
 自分でどこへ歩いていくのかもわからないせいもあり、夫の歩みは亀のよう。
 そのうち疲れて来たのか、

キミ、ボクの家に来る?

  私も、もう家に帰りたいから、帰りましょう。

家は、あっちだよ

    と、元来た道の方を指す。

   こちら側からぐるっとまわっても、家に帰れるからね

遠いんじゃない?

   大丈夫!


 夫の手を握って歩く。途中でちょっと石段に座って一休み。
 さあ、もう一度歩こう。ゆっくり、ゆっくり歩く。
 このあたりの道は、いつも駅への行き帰りに利用する道だから、少しは夫の記憶に残っているかもしれない。
 夫はだんだん疲れて来ているようで、足が進まない。
 夫に肩を貸して、私に寄りかからせるようにして、ゆっくり歩く。
 角を曲がる。

   家に帰るんだよ。

 わかってる。家に帰る。

 ゆっくり歩く。このあたりまで来ると、自分の家が近いというのがわかるみたい。

   あともう少しで家だよ。

 申し訳ない。キミにたくさん迷惑をかけて、スマナイ。
 もう一度、ここで二人はやり直せるように思う。


  はい、はい、大丈夫だよ。
  二人でこうしてデートできて、楽しいね。幸せだね。


 ああ、ようやく、よく見知った家が見えてきた。
 部屋の電灯は点いたままだ。

 さあ、我が家へ着きましたよ。

 夫に書いてもらった今日の日記。

 今日はバレンタインデーなので夕食後、チョコレートと珈琲をいただき、そのあとの夜は8時前から●●(夫の名)と▲▲(私の名)と二人で夜の町をデートをした。30分位。短すぎる×たけどたのしかった。

 (日記の文章は、私が口述したものを、夫が一単語ずつ書き取る方法で書いています。
 「短すぎる×たけど」は、夫が自分で考えて加えた文です。)


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介護者の易怒にも「抑肝散」

 べりっ、べりっ

 ハッと我に返って、夫のもとに駆け寄り、夫の腕を強くバシバシ叩いて止めた。

  も~う! やめてよ~! 
  なんで、明日、明後日の日めくりまで、破っちゃうのよ~。
  もう、もう、も~っ!


 夫は、私の剣幕に目を丸くしながら、

  だって、そうしなさいって言われたから・・・

 誰がそんなこと言ったの!

 夫の手の中の破られた日めくりを奪い取って、セロテープで元にくっつけながら、私は怒りを静めようとした。

  さあ~、日めくりを破れぇ! 今、破るのだぁ!
 イチマイ~、ニィマイ~・・・


 とかって聞こえてきたから、それに従ったって言うの?

 ・・・・ 

 ああ、こんな些細なことなのに、私ったら、ムキになって怒って、夫に暴力振るって・・・

  私って、ひどい女だね? さっき、●●(夫の名)を叩いたんだよ。ごめんね。

  そんなことない。いいよ。許します。そういうことも必要なことだよ。いいんだよ。

 と、夫は神のような対応。
 いつも怒っているのは私の方ばかり。
 夫は、認知症になっても、私に対して、声を荒げて怒ったり、暴力を振るったりしたことがない。とても、とても優しい人だ。
 私は、夫でなかったら、きっとやっていけなかっただろう。

 認知症の人の「易怒」とか「興奮」を抑えるのに、しばしば「抑肝散」が処方されます。
 夫の場合は、レム睡眠行動障害(寝言とか、悪夢とか、手足をバタバタさせるとか)を抑える効果を狙って、夜寝る前に飲んでいますけど。

 この抑肝散、子どもの「疳の虫」のお薬としてよく使われていた漢方薬だそうです。
 仄聞するところによると、漢方の本に

「抑肝散は、子どもに飲ませると同時に、母親にも飲ませるように」

 という趣旨のことが書かれているそうな・・・。
 子どもの「疳の虫」は、密接な関係にある親子の精神状態が互いに影響しあってのこと・・・という思想があるのでしょう。

 なので、介護者の「易怒」にも、抑肝散! 
 ペアで、おひとつ、いかがでしょうか?


 私も、時々、飲んでます~。


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Author:アワキビ
夫と2人暮らし。
子どもはいません。
2人と猫2匹の家族です。

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