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私が成年後見制度を利用しない理由

 かつて、私は法律事務所で成年後見人や成年後見監督人の仕事のお手伝いに携わっていたので、その経験をもとに書きたいと思います。
 毎度のお断りですが、私は法律の専門家ではなく単なる事務員をやっていただけですので、下記の内容には誤りがあるかもしれません。鵜呑みにせずに、各自必要な情報については確認・検証をしてくださいね。

 さて、ある人が認知症等になり自身で財産管理をできなくなって、成年後見開始申立をすることになった理由としては、だいたい次のようなものでしょう。

1.同居して家計を同じくしている家族がいない(ので、本人名義の預貯金の払い出しができない。同居して生計を同じくしている家族がいても、キャッシュカードを利用せず、いつも通帳と印鑑で下ろしてきた。)
2. 生計を同じくしている家族がいても、生活費以外に、本人名義の預貯金から多額の払い出し等の銀行取引が必要。
3. 不動産賃貸収入等がある個人事業主であったが、その事務ができなくなった。
4.不動産を処分する必要性ができた。
5.多額の保険金等を受領することになった。
6.遺産分割協議調停、その他、訴訟行為が必要になった。

 私は、認知症の夫の成年後見開始申立をしないのは、上記1~6のような事情にはないからです。

 夫と私は生計を同じくしており、家計の主たる収入は夫の年金。
 夫の預貯金をもとにした家計管理は、以前から妻の私がやっています。

 夫はまだ自分で署名ができるので、金融機関窓口に連れて行って手続きをすることもできますが、将来、署名ができなくなっても、基本的にはキャッシュカードと夫のクレジットカードの家族カードを利用して、支払い等の処理ができます。

 今のところ不動産の処分や購入を予定していないし、訴訟等の当事者になる予定もなく、その可能性も低いでしょう。

 10万円以上の振込送金が必要な場合もネット銀行でできます。

 けれども、何と言っても、私が夫の成年後見制度を利用したくない理由は、次のようなめんどうなことがあるからです。

1.申立手続きが煩雑

 とりわけ、成年後見制度の開始申立を家庭裁判所(以下「家裁」という)にするあたっては、夫の推定相続人全員から、成年後見開始申立や、成年後見人の候補者について「同意書」をもらうようにしなければなりません。

 以前「認知症と診断を受け、公正証書遺言を作成する」のブログにも書きましたが、夫には6人の兄弟姉妹(全く会ったことのない異母妹含む)、もし万一他の兄弟姉妹が死亡したりすると甥姪まで推定相続人ということになるので、これだけでもとても大変。

 もっともどうしても「同意書」をもらえない場合とか、連絡がとれない場合には、家裁の調査官が調査をしてくれるのですが・・・

2.成年後見制度の利用=「公的な管理のもとにおかれる」

 他の推定相続人からの反対がなく、私が成年後見人に選任されたとして、成年後見制度を利用するということは、夫の財産=私たち夫婦の家計が「公的な管理のもとにおかれる」ということになります(そのように考えるのが実態に合っていると思います)。

 つまり、夫名義の預貯金その他の財産は、すべて財産目録にし、収支計算を1円単位できっちりと合わせて、預貯金通帳のコピーを添付して、年に1回、成年後見監督人や家裁へ報告しなければならないのです。

 我が家の場合、夫の年金が、私たち夫婦の主たる家計の収入になるので、私の生活費も含めてその収支をつまびらかにし、「公的な管理のもとにおかれる」という感じで、私たち夫婦の家計のプライバシーはなくなるということです。

 収支は原則すべて出納帳につけておくことが求められますし、現在、私が利用している夫のクレジットカードの家族カードについても、利用明細書のコピーの提出が必要になるでしょう。

 何もやましいことはないのですが、ちょっとした旅行や少し値のはる買い物をしたい時に、あらかじめ成年後見監督人や家裁にお伺いをたてて相談しなければなりません。
 旅行や高価な買い物がまったくダメだということはないのですが、「相当な範囲」という一定の制限を受けます。
 どこまでが「相当な範囲」かというのは難しい問題です。

 さらに、もし、推定相続人から私が成年後見人になることを反対する意見が出れば、第三者の弁護士が成年後見人になり、原則、夫名義の預貯金通帳を成年後見人に引き渡して管理してもらわねばならず、成年後見人から毎月の生活費をもらう・・・ということになりかねません。
 こんな事態は、ちょっと、勘弁して欲しいな・・・と思います。

3.成年後見人や成年後見監督人に対する報酬金の支払いが負担

 それに、東京家裁の場合、親族が成年後見人に選任された場合は、職権で、成年後見監督人を選任するという運用にしているのですが、この成年後見監督人に対して、報酬の支払いが生じるのです。

 「職権で」というのは、申立人や本人の希望の有無にかかわらず、家裁の職権で成年後見監督人(弁護士等です)を選任してしまうということですが、それなのに報酬金の支払いは、家裁ではなく、こちらもちになるです。何となく納得がいきませんが、そういうことになっているので、仕方がないですね。

 (尚、後見申立の件数が少ない地方の家裁では、親族が成年後見人になった場合でも、成年後見監督人を付けないで、家裁が、直接、親族後見人を指導監督しているところもあると思います。この場合、家裁に対しての報酬支払いはありません。)

 この成年後見監督人に対する報酬金は、1年に1回の財産目録・収支計算書・後見事務(監督事務)報告書提出後に、家裁が報酬決定を出すのですが、月額あたり最低でも2~3万円以上(資産の総額や業務の大変さ等により異なる)となります。
 報酬金は、毎月支払うのではなく、家裁の報酬決定が出た時に、被成年後見人本人の財産からまとめて支払います。

 親族が後見人にならずに、弁護士や司法書士等の専門職が成年後見人に選任された場合も同様に月額最低2~3万円以上かかります。

 私がもし夫の成年後見人になったら、自分の後見業務に対しての報酬請求をし、家裁の報酬決定を得て、夫の預金から私に支払ってもらうことはできるのですが、夫と私は家計が同一なので、同じ財布の中でお金のやりとりをしても意味がありませんよね。

 まとめると、私が夫の成年後見人になっても、別途、成年後見監督人が付いてその報酬金の支払いが発生します。弁護士等が夫の成年後見人になっても報酬金の支払いが発生する。その額はいずれも月額2~3万円ぐらいと予想されます。

 この支払い報酬額は、実に我が家の月あたりの家計収入の1割以上となる  ので、私が成年後見制度を利用したくない理由をご理解いただけるかと思います。

4.成年後見制度を一度利用し始めると止めることができない

 成年後見制度の利用を開始してから、思った以上に事務が繁雑で大変だったり、毎年報酬金が多額にかかるので、「もう、成年後見制度の利用をやめたい」と思っても、一度、成年後見の開始決定がなされると「やめることができません」。

 成年後見人が辞任したり、解任されたりで、替わるということはありますが、本人に一度、成年後見人が付けられると、本人が死亡するまで成年後見人を付けて財産管理をしなければならなくなります。

 例外は、精神疾患にかかっていた人が治癒して、自分で財産管理ができるように回復した場合は制度利用をやめるということがあり得るのですが、認知症の場合は進行性の疾患ですから、認知症であるという診断が誤診で(例えば、鬱病が誤診されて認知症と診断されたが、その後、鬱病が回復して、財産管理ができるようになった)ということがない限り、後見開始決定が出たら、制度利用を止めることができないのです。

 成年後見制度の実情をよく知らずに、後見開始決定が出た後、「こんなはずじゃあ、なかった」と思っている人は結構多くいるように思います。

5.「任意後見契約」の場合

 任意後見というのは、本人が、将来、自分が認知症になって財産管理ができなくなった時に、ある人に自分の後見人になってもらうという契約を、本人と将来の後見人との間で締結し公正証書にしておくことです。
 本人が認知症になってから、四親等内の親族等が「成年後見申立」をすることの違いは、本人が、自分の後見人になって欲しい人を、あらかじめ決めておくことができるということですね。

 通常の「成年後見申立」の際には、成年後見人候補者をあげて家裁に申立をしますが(候補者がいなくても構いません。その場合は家裁が家裁の持っている候補者リストの中から選任します)、家裁は、推定相続人らの意見を聞き、申立の成年後見人候補者が成年後見人になることに反対する意見が出た場合は、申立をした候補者ではなく、第三者である弁護士等の専門職を成年後見人に選任するのです。

 通常の「成年後見」は、家裁が後見人を選任するので、本人が後見人になって欲しいと思っていた人が後見人には選任されないことがあり得るので、この点では「任意後見契約」は、本人の希望する後見人を決めておけるというメリットがあります。
 
 ただし、「任意後見」の場合も、本人が認知症になって財産管理ができなくなり、「任意後見を開始したい」と家裁に申し出ると、その段階で、任意後見監督人が選任されるようになっています。その旨が「任意後見契約の公正証書」に記載されています。

 当然、任意後見監督人への報酬も発生するということになります。
 こちらも報酬決定は家裁が行い、最低月額2~3万円は支払わねばなりません。

 そして、「任意後見人は、3ヶ月に一度、任意後見監督人に対し、財産目録や収支状況を報告する」という契約内容のことが多いです。おそらく、公証役場で作成する任意後見契約の公正証書の「ひながた」が、「3ヶ月に一度の報告が必要」となっているのでしょう。

 任意後見人は、通常、自分の家庭や仕事を持ちながら、それに加えてこの任意後見事務を行わねばならないので、3ヶ月に一度の報告というのは、かなり大変な作業です。

 私は任意後見監督人の事務のお手伝いもしていましたが、3ヶ月に一度きちんと報告してくるのはせいぜい最初の1回と2回ぐらいまでで、その後は、監督人が報告の督促を繰り返して、遅れに遅れてやっと報告してくる・・・という感じでした。
 「任意後見人の事務がこんなにも大変だとは思わなかった」というぼやきが聞こえてきそうです。

 この報告の期間を3ヶ月に一度ではなく、通常の成年後見と同様に一年に一度の報告という契約にすることも可能なはずなのですが、皆さん、このあたりのことを深く考えずに、公証人が用意した「ひながた」をそのまま使って、公正証書を作ってしまうのでしょう。

6.後見事務はとても細かく大変な作業である

 成年後見人になった場合は、財産目録や収支計算書を作成するために、Excel等の表計算ソフトを使えることが必須です。通帳の残高や財産目録や収支計算書の数字を1円単位ぴったり合わせなければならないからです。

 親族後見人の中には、Excel はもちろん、そもそもパソコン自体を使えず、まったく数字が合っていない手書きの計算書を提出してくるとか、成年後見人としてしなければならない事務がほとんどできていない方も結構いらして、結局、成年後見監督人が通帳や出納帳をチェックして、個々の数字を拾って細かく計算をし、後見事務報告書一式を作成しなければならなくなり、これでは成年後見人がいる意味がないのでは?と思うこともありました。
 (まあ、成年後見監督人は報酬金をいただくわけですから、文句を言う筋合いはないかもしれませんがね。)

 東京家裁が、親族後見人に後見監督人を選任している理由は、あまりにも多いこうした例に対して、家裁の書記官が細かく指導・監督している余裕がないので、家裁の仕事を後見監督人に外注しているという側面があるのでしょう。

 こうした事務ができない場合は、成年後見人を二人体制にして、身上監護関係を親族後見人が行い、財産管理事務を弁護士等専門職が担当するというのもひとつの手です。

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 以上、きちんと整理しないまま、とりとめなく書き連ねましたが、これから成年後見開始の申立をしようとか、自分が成年後見人や任意後見人になろうとお考えになっている方に、成年後見申立をする場合は、報酬金や事務作業の負担について、かなりの「覚悟」が必要ですよ~ということが伝わりましたでしょうか。

 何より、本人(被成年後見人)の財産が「公的な管理のもとにおかれる」ということになる、収支についてすべて細かくチェックされ、介入を受けることになる、と肝に銘じて、成年後見制度の利用を検討するようにしてください。

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入院20日目・・・また逆戻り?

 わが夫、圧迫骨折で入院20日目。

 昨日は、ベッド上の寝返りはもちろん、四つん這いになることもでき、身体の動きが全体にスムーズで、昼間はトイレへも毎回歩いて(転倒しやすいので、側にずっと付き添っている必要があるが)行っていた。
 リハビリでの動きや歩行もだいぶ良い調子。PTさんの指示の入りも良かった。

 ところが、一転、今日は朝から腰痛がぶり返し、ベッドから起こすのに、また、激痛と闘わねばならなかった。
 歩こうと足を踏み出すと、腰のあたりに痛みが走る。
 本人が言うには、「肛門の上あたりの背骨が痛い」「腰の両サイドにも痛みが走る」「腕のところにも痛みが走る」「両足がしびれている」等々。

 そのため、今日はトイレに行くにも、シャワー室へ行くにも、再び、車椅子に乗って。
居室内をほんのちょっと歩くにも、痛みに顔をしかめている。1週間ぐらい前に戻ってしまったような感じ。

 シャワー室から車椅子に戻り、車椅子でベッドサイドまで連れて行き、そこでベッドに座らせようと、立たせたところ、夫はベッドの方ヘ向き直ろうとした拍子に、後ろへバランスを崩した。危うく、後ろへ転倒しそうになったが、たまたま後ろに置かれていたパイプ椅子が夫の腰あたりにあたって、倒れずに済んだ。この時、車椅子はベッドとサイドテーブルの隙間ぎりぎりに入れ、私は車椅子の押し手の側にいたので、夫が倒れそうになっても、すぐに側に行って支えることができない位置にあったので、肝を冷やした。

 今日は他にも、後ろによろめいたことが1回あり、本当に怖い。
 ほんのちょっとした転倒でも、簡単に骨が折れてしまうというのは、辛いなあ。
 一所懸命見守りしても、看護師さんやヘルパーさんの力を借りても、ほんのわずかな瞬間に転倒したりする。
 大腿骨頸部骨折を防ぐお尻のサイドにつけるヒッププロテクターというのを見たことがあるが、圧迫骨折を防ぐようなプロテクターもあるのかな? でも、あったとしても、鎧みたいで、トイレに行くにも簡単に取り外しができなさそうだし。悩ましい。

 今日、主治医と話をして、来週には退院・・・ということになったが、このまま自宅に帰って大丈夫だろうか?

 自宅に帰っても、階段が上れなければ、介護ベッドのある1階の部屋だけで過ごすことになる。
 すなわち、我が家は、トイレは1階と2階にあるから問題ないが、台所・リビング・洗濯機・浴室は2階なので、私が家事を行うのは全部2階になる。
 夫が2階に上がってこれないとなると、私は家事をしながら、5分~10分おきに夫の様子を見に1階へ階段を駆け下りねばならない。
 せめて、私が家事をしている間、2階のリビングの椅子に座っていることができれば、安心なのだが・・・
 2階まで階段を上がれれば、お風呂にも入れるだろうが、階段が上がれない場合は、入浴はデイサービスに行ったときのみとなる。

 まあ、でも、そんなことより、やはり転倒しないように見守ることが一番の課題だな。

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入院21日目・・・階段の上り下り練習開始

 わが夫、圧迫骨折で入院21日目。

 この間ずっと夫の付添で泊まり込んでいる。
 そばに付いていると、夫は不安にかられることが少なくなり、安心するのか笑顔もよく見られる。
 21日間も病院に入院し続けているのに、夫は今も自分が病院にいるということがまったく認識できていない。
 けれども、看護師さんたちに声をかけられると、満面の笑顔で、本当に楽しそう。

 今日は、私が体操教室に参加するため、午前9時頃に病院を出て、昼食時間の正午までに帰ることができない。
 朝、私が出掛けるときは、ベッドの上に寝かせておき、看護師さんに、時々、部屋を覗いてもらう。その後、夫がもそもそと起き上がりそうだったら、起こして、車椅子に座らせ、ナースステーションへ移動。昼食もそのままナースステーションで・・・そうしないと、夫は一人で立ち上がって、不安定なまま歩き出してしまうからだ。歩く時は、まだ誰かと一緒でないと危険なのだ。

 正午を30分ほどまわったところで、私は病院へ戻った。
 ナースステーションを覗いてみたが、夫がいない。あれ?
 部屋へ行ってみると、夫がベッドに腰掛けて昼食を食べており、その隣に看護師さんが腰をかけて、夫に付き合ってくれていた。
 夫は、私の顔を見ると、ちょっと困ったような顔をした。
 「あっ、他の女の人と一緒にいるところを見られて、しまった!マズイって顔をしているよ~」とからかうと、夫は苦笑い。

 今日も、歩行の調子はあまりよくはない。立ち上がって、歩き始めると、「下から突かれるように痛い」のだそうだ。だから、テーブルや椅子、その他、手近なものに掴まって、腰を折ってそろそろ歩く。
 トイレまで行くには、廊下を歩かねばならない。壁際に手すりは付いているが、病室のドアのところでは手すりが途切れている。結局、手引き歩行をせざるを得ないのだが、この時、夫の肩を上にして私の肩を下にして組んで歩くと、意外と歩きやすい。足腰にかかる体重の負荷を軽くすることができるからだろう。このようにすると腰をかがめることもない。

 夕方のリハビリの時、初めて病院内の階段を使って、上り下りの練習をした。
 一段ずつ片足で交互に上がるのは、まだムリなので、一段上っては、そこで足を揃えてから、また、一段上る。下りも同様。
 夫は右足の方がより痛みが強く弱い。PTさんからのアドバイスは、

   上りの時は、強い方の左足を先に出して上ってから、右足を揃える。
   下りは逆に、弱い方の右足を先に出して下りてから、左足を下ろす。
つまり、強い方の左足が、常に、階段の上側になるようにして上り下りする。

 今日は、7段ぐらい上り下りをして終えた。最初からムリしないように。
 階段を上り下りしてみて、夫に「どう? 痛い?」と訊くと、「痛くない」という。
フラットなところを歩く方が痛いと。たぶん、手すりを掴んで手の力で上がっているので、痛いところに負荷があまりかからないのだろう。
 病院の階段の手すりは片側にしかないが、自宅の階段は両側に手すりがついているので、より上りやすいと思う。
 夫は、足の筋力が弱く、今回の転倒前から、階段は、足で上るというようりも、手の力で上るという感じだった。

 今日のリハビリで階段は何とか上り下りを試してみて、何とか自宅に帰っても大丈夫かな・・・と思えた。

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入院生活22日目・・・夫の心を元気にしてくれるもの

 わが夫、圧迫骨折で入院22日目。

 今日は、私の体調も不調。慢性的な肩こりだけでなく、少し頭痛がする。喉も少し痛い。薬局で、葛根湯を買ってきて飲んで、午後1時~2時半くらいまで夫とともに昼寝。

 夫は、今日のリハビリの時も、相変わらずリハビリに身が入らず、歩くと痛いと顔をしかめ、階段の上り下り練習も取りやめ。来週、退院して自宅に帰るのだから・・・という私の焦りも、夫にはどこ吹く風。

 リハビリ後、家事のために私が自宅に戻る時に、いつものようにナースステーション内に車椅子に座って待っていてもらうようにお願いした。
 夕食前に戻って、ナースステーションに顔を出すと、ちょうど夫が車椅子に乗せられてやってきた。
 「トイレに行きたいというので連れて行ったんですが、してないみたいなんです。」
 すると、夫は、
 「お手洗いに行きたい」
 看護師さんからバトンタッチをして、夫をトイレに連れて行く。
 この時、夫は既に妄想に入り込んでいるようで、私の顔を見ても、誰かと言うことを認識できていない。別の誰かと思って、話をしている。そして、
 「今日、鹿児島に飛行機で行くことになっていたんだけれど、行かなかった。まずいけど、もう仕方ないな。」と。
 また、便器を前にして、上から覗き込み、不思議そうな顔をしている。
 「水が流れてないよ」とか、何とか訳のわからないことを言っていて、そこが用を足す場所だとは認識できていないふうだ。無理に座らせてはみたが、出ない。

 その後も2回「お手洗いに行きたい」という夫からの訴えで、トイレに連れて行き、結局、出ない・・・を繰り返した。
 体調が悪いのか、膀胱炎か、尿道炎か起こしているのか?
 熱を測ってみたがない。
 看護師さんも心配して、お腹を触ってみたが、それほど尿が溜まっているふうでもないようだ。
 少し水分を多めにとるようにして、夕食を済ませ、夕食後に「お手洗いに行きたい」。
 ・・・今度はようやく出ました。それに・・・尿パッドにもだいぶ出ていた。

 どうも、今日は、夫の妄想や錯視が激しい日らしく、トイレを見ても、「これは何?」という感じで、おしっこが出せなかったものと思われる。こんな時は、洋式便器だけではなくて、男性用の小便器もあったら、用が足せるのかもしれない。

 自分の病室に戻っても、「ネズミがいる」と物入れの黒いネジを指さすので、「ネズミじゃあないよ」と、夫の手を黒いネジまで持っていって触らせると、「あ、な~んだ」と納得。
 どうも、夫の目の見え方にも問題があり、それに妄想が重なっているという感じだろうか。
 錯視を起こしている時には、「どれ? どれ?」と夫の見ているものを、私が指さして特定してから、夫に実際に近づいてその物に触らせると、「あ、違った」ということが多いのだ。

 夫が妄想や錯視を起こしている時、訳のわからないことをいろいろ言うので、つい、私もムキになって怒ってしまう。そんな時、夫は、

 「怒らせてしまって、ごめんなさい。みんなに迷惑をかけて、ボクが悪かった」

と言う。夫は、私なんかよりも、ずっとエライ。
 私が夫とこうしていられるのも、ひとえに夫のこういう人間性によるところが大きい。

 そして妄想の中で、夫と二人煮詰まってしまっている時に、明るく元気な夜勤当番の看護師さんが顔をのぞかせた。
 「元気? 久し振りだね!」
 夫は顔をぱぁ~と輝かせて、「うん、久し振り」
 「どう? 痛い?」
 「うん、痛かったけれども、痛みはなくなったよ」
と夫も元気に明るい顔になっている。

 二人で煮詰まってしまっている時に、明るく元気な第三者が入ってくることで、その後の雰囲気も変わる。

 その後、別の方(夫の通っている小規模多機能施設の1階にある同じ法人の認知症デイサービスのスタッフの方、たまたまご家族が同じ病院に入院していて毎日夕食時の介助に来院)も、午後7時の面会終了時の時に、夫に声をかけていってくださる。その時も、夫は、顔をぱぁ~と明るくして、嬉しそうに、元気そうに応答している。
 夫はどこの誰かは全く分かっていないのだが、自分に好意を持っていてくれる人だということが分かるんだなあ。

 それから、夫が入院した時から、同じく入院している70代後半から80代ぐらいの女性。いつも病院の廊下を、歩行の訓練のためかよく歩いていらっしゃる。
 私がいつも夫を車椅子に乗せて、歯磨きに出ていると、その方といつも洗面所ではち合わせしていた。
 今日、私が、夫と肩を組んで、トイレに向かって歩いていると、その女性が廊下の向こう側からやってきて「まあ、まあ! 歩いていらっしゃるの! すごいわ」と声をかけて、夫の手を握ってくださった。
 夫も嬉しそうに、そして夫もその方に「お大事にね」と声をかけていた。
 この時、夫はまだ妄想の中にいたはずだが、こんなふうに他人との温かい触れ合いは、夫の心を元気にしてくれる。

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入院23日目・・・魔界への入り口

 わが夫、圧迫骨折で入院23日目。

 今朝、夫が「●美、大好きだよ」と、私の名前を呼んで言ってくれた。

 昨晩は、私の顔を見ても認識できず、誰か別人だと思って話すので、つい私もムッとなってしまったばかり。日によって、時間によって、認知機能が変動する。

 朝、自宅に猫の世話や家事をしに戻る際、夫をベッドの上に寝かせて(よく寝ていた)、看護婦さんらに声をかけて出掛けた。

 午前11時半頃、病院に戻ると、夫は車椅子に座って、ナースステーションにいた。
 看護師さんから「部屋の中で、ウロウロ歩いていたので、車椅子に乗せて連れてきました」とのこと。

 夫がベッドから一人では起きにくいように、ベッドをフラットにして出掛けたのに、一人で起きられるようになったのだ。

 ふと気がつくと、洗面台の上が妙にこざっぱりしている。
 洗面台の上に、洗濯洗剤やら畳んだタオルやらがめいっぱい置いてあったのが、なくなっている。
 あれ? 夫が整理をしてくれたのかな? 

 洗剤類は棚の上に移動し、タオルは紙オムツ等をしまってある、扉付きの棚の中にきちんと畳んだ状態で積んであった。

 看護師さんやヘルパーさんは私物に触ったりしないので、これは、洗面台の上が乱雑になっているのを見かねて、夫が整理してくれたらしい。

 日頃から、洗い物が流しに残ったままだと、洗って、食器棚の中にしまってくれる夫の面目躍如と言ったところ。

 夫は「痛い、痛い」と言いながらも、今日は、トイレまで私が手を貸して歩いて行った。手すりや手引きがない状態で歩くのは、痛みがあって、まだ無理らしい。

 トイレから部屋に帰ってきて、よろよろと夫はベッドの端に腰をかけ、

 あぁ~、腰が痛いなあ・・・
 これから、体調は良かったり悪かったりの波が繰り返すだろうな。
 大病にかかるかもしれない。波間のどこかに、「魔界への入り口」がぽっかり開いていて、そこに落ち込んでしまうかもしれない・・・


 と不安を口にする。

 大丈夫。「魔界への入り口」に落ちそうになっても、私が手を握って離さないから、
落ちたりしないよ。大丈夫だよ!


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入院24日目・・・魔界への入り口で足をすくわれた

 わが夫、圧迫骨折で入院24日目。

 昨日は私「魔界への入り口に落ちそうになっても、私が手を握って離さないから、落ちたりしないよ。大丈夫!」等と殊勝なことを言っていたが、もう今日には、魔界への入り口(?)らしきところで、私のほうが足をすくわれ、自信喪失・・・

 今日は午後から夕方にかけて妄想全開で、不穏と私の対応のまずさで険悪な状態に・・・

 今日の担当PTさんが休みなので、自主的にリハビリをしようと、病院の階段の上り下りをやってみた。夫の身体を支えながらだが、1階分を下りて上ってくることができた。いきなりたくさんやり過ぎると疲れるだろうから、このあたりで切り上げて、部屋に戻り、夫に今日の分の日記を書いてもらうことにした。

 (「3年日記」の一日分の数行をできるだけ毎日、夫に書いてもらっている。今年で7年目(3冊目)。日記を始めた当初から、夫はその日に起こった事柄を覚えていなかったので、私が「今日はこういうことがあったよ」と言って、それを書いてもらう方式で。その他、夫がその日思っていることを適当に書く。事実でないことを書くこともあるが、それはその時の夫が認識していることとして。
 最近は、一文の文章を覚えていることができず、単語ひとつひとつを言って、それを書きとってもらったりするが、漢字もだいぶ忘れて、音は合っているけど、漢字が違ったり、これ漢字?というような意味不明の文字や文もあるが。)

 今日の日記を書くときに、
 「あと3日病院に泊まったら、家に帰るよ~」
 「家に帰ったら、階段の上り下りがあるから、大変だよ。」
 「だから今日は階段の上り下りの練習をしたよね~」
 等と私が日記に書く内容を誘導していたのだが、夫は
 「家があるなら、暮らしやすい家を求めたい」
 と書いた。
  私はこの文を見て、思わず、イラッとしてしまい、
「何を言っているの?! 二人で買った家があるじゃない。●●町に!」とつい強い口調で言ってしまった。
「え~? そんな覚えはないよ」
「二人でお金を出し合って、買ったじゃない」
「ボクは了承した覚えはない」
「もう、知らない! 私たち夫婦で築いてきたことをみんな忘れてしまうんだから!」
・・・等と、夫は認知症で、重症の記憶障害者だから、本当に詮無いことなのに、ついついムキになって怒ってしまう私。

その後、何となく、夫は不穏な状態になり、妄想がひどくなって行った。
「今から集まりがあるから、出掛ける」と言って訊かない。
「ある女性に(お見合い相手の)男性を紹介することになっているんだよ。行かなくっちゃ。」
「そんな約束はないはずだよ。行かなくていいよ」
「行かなかったら、信用をなくしちゃうよ。
 幸せになってもらいたいんだよ!」
と、何とも夫らしい物言いで、病室から出て行こうとする。
 しかし、歩くと腰が痛いようで、痛そうに顔をしかめながら、病室の廊下に出ていったので、後ろからついていく。廊下で出会った看護師さんに、
「歩く練習ですか?」と訊かれるが、
「今から私は集まりに出席するため出掛けます。用事は後にしてください。」と夫。
私が「今、妄想中なんです」と耳打ちすると、看護師さんも「あら? 確かに、いつもと目つきが違うわ」と。
 そして、「腰が痛い!」と言うので、一旦病室に戻し、「ここは病院で、今、入院中なんだよ。約束はないから、行かなくていいんだよ」と言っても納得せず、
「院長に話をしてくる」と言って、また病室を出る。

仕方がないので、また、夫の後をついて廊下を歩くが、他の患者さんの病室のカーテンを開けてしまったりする。
「ここは病院だからね。他の患者さんの病室に入らないようにね」と言うと、病室の前に掲げられている名札を見て、
「知り合いがいるようだ」等と言い、
女性患者の病室に入ろうとするので、それを押しとどめると、
腰のあたりを抑えて「痛~い、痛~い!」と言いながら、すごい力で抵抗する。
これはかなりアブナイ状況。
 看護師さんを呼ぼう・・・と思ったところへ、廊下に出てきた看護師さんがいたので、
 「スミマセン、車椅子持ってきていただけますか?」
看護師さんが車椅子を押して近寄って来ると、夫は本当にもう足腰が痛くて限界だったようで、ホッとしたように、おとなしく車椅子に座った。
 「あまり無理をしないでね」という看護師さんに、
 「今、妄想中なんです」と耳打ち。

自分の病室に戻っても、車椅子に座ったままで下りない(足腰が痛い?)。
抑肝散をイチゴチョコ味のゼリーに混ぜたものを渡すとおとなしく食べた。
少し気分転換になったかな? 
 また、リンゴを剥いてヨーグルトをかけたものを渡すと、それも半分ほど食べ、残りを私にくれた。

その後、自分のケータイのメールをいじっている(昨年ぐらいからケータイは使えなくなっているが、GPS機能も付いていて位置情報の検索ができるようになっているので、お守り代わりに持っている)。
 私のケータイから、夫のケータイにメールを送ると、一応、一所懸命読んでいるようだが、何だか、トンチンカンなことを言っている。

少し放っておこうと、私がテレビを見始めてしばらくすると、夫は疲れたのか車椅子に座ったまま居眠りを始めた。

しばらくして目を覚ました夫に、私は思いっきり笑顔で  話しかけると、少し、いつもの夫に戻っていた。
 きっと、妄想中の夫を対応している私の目は三角になってカリカリ  していたので、それに夫は反応していたに違いない。

そして、「お手洗い!」と言うので、車椅子に乗せてトイレに連れて行く。
 が、洋式便器を前に、また、怪訝な顔をする。
 無理に便器に座らせようとしたが、抵抗するので、これは便器と認識していないなと感じ、あきらめてトイレから出た。

ふと、病棟に1カ所だけ、男性用小便器があるのを思い出した。
 そこへ連れて行くと、案の定、そこで「腰が痛い、足が痛い」と言いながらも、立って用を足した。
 記憶障害・妄想中の夫には、自分が慣れ親しんだ便器は、たぶん、洋式便器ではない昔のスタイルのものなのだろう。

 う~ん、我が家は洋式便器しかないけど、自宅に帰って大丈夫か?

 退院を目前にして、このような現実を突きつけられて、辛いなあ。
 自宅でこのような妄想が起こったら、たった一人で対応しなければならないから。
 辛いなあ 

・・・就寝後、4回目のトイレの時、

 ありがとうね・・・あなたが好きです。

 みんなボクのこと頭が壊れているって見てるんでしょう。
 みんな馬鹿ではないからね。

 でも、ボク、幸せです
 

 と言ってくれた。

  魔界への入り口で、
    私のほうが足をすくわれたけど、
      夫の言葉で、救われた。


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入院25日目・・・受傷後1ヶ月経過

 わが夫、圧迫骨折で入院25日目。受傷後1ヶ月になった。

 昨日は一日中妄想、夜中も妄想というか夢をずっと見ていたようで、寝言も多かったせいか、今朝は午前7時30分の朝食時間にもなかなか起きられず、何とか起こして少し食べさせ始めたが、お腹を押さえて、「食欲がわかない。あとで食べる。もう少し寝る」と言って、再び、横になってしまった。

 横になってしまったのだが、歯磨きができていないことが気になる。

 夫は総入れ歯だ。

 横になったままの夫に、「入れ歯、出して」と促し、入れ歯だけを先に洗う。

 それから、吸い飲みで冷たい水を口に入れて、「ぶくぶくして、それから飲んでね」。

 (イメージ的に気持ち悪いかもしれないけれども、さっきまで食べていた食物の残渣だから、汚くはないと思う。
 夫は、唾液が少ないため、噛んでバラバラになった食物を、喉まで十分送り込むことができず、入れ歯にくっついたままになっていたり、口の中にたくさん残ってしまっている。
 食べたばかりのうちに、それらを水で流し込むだけと思えばね。)

 何回か、水でぶくぶくして飲み込んだ後、「歯みがきティッシュ」(ハビナース歯磨き、ピジョン)を人差し指に巻いて、夫に口を開けてもらい、歯茎に残渣がないかをチェックし、あれば掻き出し、舌の上をこする。
 (ケアハートの口腔専科「お口キレイスポンジ」も試したが、私は「歯みがきティッシュ」の方がやりやすい感じ。)

 その後、洗った入れ歯を夫に渡して、自分で装着してもらう。

 入れ歯と取り外したり、装着するのは、今のところ、夫自身にやってもらっている。
 妄想気味の時は、「入れ歯を外して」と言っても理解しなかったり、入れ歯の上下を間違えて入れようとしたり・・・はあるが。

 その後、夫に「お手洗いに行きたくない?」と訊いたが、夫は「さっきしたから」と言うので、午前9時頃、私は、猫2匹のお世話とその他家事をするために、看護師さんらに声をかけてから、自宅に戻った。

 午前11時半頃、病院に戻ると、夫は病室のベッドで寝ていた。あれ? ずっと寝ていたのかな?
 ふと、洗面台を見ると、「洗濯物」と手書きされたビニール袋に、夫が朝着ていた介護用ズボンと布製の上履きが入っている。
 うん? 確認すると便で汚染されている。

 看護師さんに状況を確認すると・・・

 看護師さんが気づいた時、夫は病室を出て、病室の近くの廊下に立っていて、ズボンを脱いでいた。大小便が出ていて、気持ち悪くて、脱ごうとしていたらしい。幸い、廊下には誰もいなかったが。
 ウォッシュレットでお尻を洗って、新しいリハパンと尿パッドをつけ、新しいズボンに着替えさせたとのことだった。

 ベッドのシーツや上に着ていた衣服は無事だったようだから、ベッドから立ち上がってから、間に合わずに洩らしてしまったのではないかな。

 ナースコールはベッドの夫の手の届くところに置いて出掛けているのだが、夫はどうもナースコールが使えない。

 トイレに行きたくなって、何とか、ベッドから自分で起き上がり、廊下に出たが、トイレを見つけることができなかったのだろう。

 入院してからは、トイレに行く時は、私か看護師さんかヘルパーさんが連れて行っている。しかし、何回トイレに行っても、夫はトイレがどこにあるか判らない。

 廊下にトイレのマーク(男女の赤青マーク)は出ているのだが、指し示してやらないと自分で見つけることができないようだ。

 それで、一人でトイレに行こうとした夫は、トイレを見つけることができないまま、こういうことになってしまったのだ。
 そして、気持ちが悪いので、ズボンを脱いで・・・という場面で看護師さんに発見された次第。

 昼食後、午後2時頃にシャワー浴。バスタブは付いていない。シャワー室・脱衣所の中での夫の動きは、最初の頃に比べて良くなっている。

 しかし、歩行については、相変わらず腰と足の付け根あたりに痛みがあり、何も掴まらないで歩くということはできない。体重の負荷がかかると痛むようで、手すりがあるところでは手すりに、ないときは適当な家具などに手をかけて、あるいは私が肩を組んで歩き、できるだけ足腰に体重がかからないようにかばって歩いている。

 この歩行時の痛みについては、日数が立っても、あまり改善されているようには思えない。

 あとは、ベッドからの起き上がり時の痛み、逆にベッドに寝るときの痛み。毎回毎回「ギャ~、イタ~イ!」と叫んでいる。この痛みは、動かす時の痛みなので、体勢が安定して少しすれば消える。

 けれども、歩行時の痛みというのは、歩行をしている間、ずっと痛むので、これでは歩行への意欲が減退してしまう。そもそも、痛いのに無理して歩くのもあまり良くないようにも思う。

 昨年の圧迫骨折は、「胸椎」の圧迫骨折だったので、寝起きの痛みは同じだが、一旦、起き上がってしまえば、最初から結構歩けた。昨年は歩くこと自体の痛みというのは、あまりなかったのだが、今年は「腰椎」?の圧迫骨折?で、骨盤や足の骨に影響して痛みが出ているのかもしれない。

 今日も多少は妄想が出ていたが、昨日に比べて妄想のパワーが少なく、おだやか・・・というか寝ている時間が多かった。目も小さくなって、妄想というより、夢の中で「眠~い」一日だったみたい。寝てばかりだと、それはそれで心配です。
 いっつも心配ばかり。夫の具合が悪くなると、いつも一緒に具合が悪くなってしまう心配性です。

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入院26日目・・・妄想とのつきあい方

わが夫、圧迫骨折で入院26日目。

 明日は退院予定。CTをあらためて撮影し、担当の整形外科医と話をする。
 入院当日のCT と比べて腰椎の3番のへこみがやや大きくなったのは、骨の潰れが少し進行したのだろう。骨の潰れが固まってくれば、痛みは治まってくるだろう。腰の両サイド(骨盤あたり)が痛いのは、圧迫骨折の箇所からの影響で痛むのだろう・・・ということだった。退院後もリハビリのため通院する予定。

 昼食後の午後1時頃、疲れたとベッドに横になってから、しきりに時計を見ては、ソワソワし出す。

 「そろそろ出掛けなければ・・・」
 「集まりに出席しないと、トラブルになっているから」

 一昨日、夫の妄想にムキになって対応して、かえって状況を悪化させたから、今日は、もう少し冷静に対応しようと思う・・・が、夫が思い詰めた顔で、いろいろ言っているのを無視することもできず、きつい言い方にならないように、今病院に入院していること。入院も1ヶ月ぐらいになること、だからそのような集まりや約束はないはずだと言ってみる。夫に今の年齢を訊いてみると、今日は「62歳」だそうだ。

 どうしよう・・・やはり抑肝散を飲ませよう。
 イチゴチョコ味の服薬ゼリーに混ぜて、抑肝散を夫に渡すと、素直に飲む。

 「ボクのせいで、あちこち迷惑をかけているから、行かなくちゃ」
 「いろいろトラブルになっているんだ。ボクの責任だから、行って、よく話をしなくてはならないんだ」

 と言いながら、ベッドから起き上がろうとして、腰に走る痛みに驚き、「痛い!」と苦痛に顔をゆがませる。

 「痛いでしょう? だから、今、骨を折って、病院に入院しているんだから。行かなくていいんだよ。みんな、あなたが入院しているって知っているから、行かなくても、誰も責めたりしないよ」

 夫は「苦しいよう。
 みんなに誤解が広がっているから、ちゃんと話をしなくちゃ。
 ボクのせいだから、ボクが行ってみんなに話をしなくちゃいけないのに。
 あっちこっちで人間関係が壊れてしまっている。
 何とかしなくちゃ。」
 とまたベッドから起き上がろうとしては、腰の激痛で起き上がれず、
「苦しいよう。どうしていいのかわからない」
 と、辛そうにうめいている。

 私は、少し離れて、夫の様子を見守っていたが、夫があんまり「苦しいよう」と言うので、どこか身体の具合が悪いのか、気分が悪いのか、お腹でも痛いのか?と訊いてみるが、そうではないらしい。
 「行かなければならないことがあるのに、行けないことが、どうしようもなく苦しい」と言っている。
 その様子があまりにも不憫で不憫で、夫の手を握って、
 「苦しいんだね。辛いんだね」と言ってあげるしかない。

 人間は、記憶ができなくなると、過去のまだ消えていない記憶が頭の中に浮かび、その記憶を頼りに、現在を生きていこうとするようだ。
 夫には、過去に、気がかりな未解決な問題があって、それを解決しなければ・・・と、今、気に病み、苦しんでいるのだろう。
 夫の妄想に対応するのは、私にとっても辛いことだが、その妄想の中でも、夫の誠実さや一所懸命さを感じ、あらためて夫に尊敬の念を感じる。

 そのうち抑肝散が効いてきたのか、自然にそういう波がやってきたのか、少し落ち着いてきて、そのうち夫は眠りに落ちた。

 午後3時半頃、PTさんがリハビリに呼びに来たとき、夫はまだ寝ていたので、4時頃にまた来てもらうことにして、夫を起こしにかかった。

 目を覚ますと、まあまあかな? フェルガードB1包をレモン味の服薬ゼリーに溶かしたものを食べさせると、「おいしいね」。
 ベッドから、助け起こすと「痛い~!」と言いながらも起きた。
 「リンゴ食べる?」と訊くと、「食べる」と言うので、リンゴを剥いて、小さく切って、ヨーグルトをかけて渡す。
 リンゴヨーグルトをほとんど食べ終わったところで、PTさんが再び登場し、リハビリへ。

 リハビリ中、相変わらず、集中力がなく、いつも同じ運動をやっているのだが、PTさんからの指示を理解するのに時間がかかる。
 歩行時は痛みがあるにはあるようだが、両サイドのバーの間を歩くのは、両方に手すりがあるので、ずいぶんスムーズ。
 その後、階段を1階分、上って、下りて、リハビリ終了。
 自宅の階段は、両サイドに手すりがあるので、たぶん、大丈夫だろう。
 階段より手すりのない部屋の中を歩く方がきっと大変だろう。
 当面は椅子やテーブルや家具などをうまく伝って歩くことになるだろう。
 でも、何もない空間もあるし、どうかな? やってみないとわからない。

 リハビリ後、部屋に戻ってから、日記を書いてもらう。
 今日はあまり認知機能がよくないことをあらためて感じる。

 私が「今日で●●病院に入院して約1ヶ月」等と言って、それを書き取らせようとすると、夫は「Today ●●(病院名をローマ字で)hospital」と書き始め、「enter」→入院という意味らしいが、その後、続かず。でも、英単語が書けるんだ~ちょっと意外。
 「リハビリで」と書いてもらおうとするが、「リハビリ」というカタカナ語が入らないようで、最初の音が似ている「理髪」と書いている。「リハツではなくて、リハビリだよ」と繰り返すが、この言葉自体がよく理解できない様子。
 英語で書ける単語がある一方で、「リハビリテーション」「リハビリ」という言葉はわからないみたい。
 「階段の上り下りの練習をやった」と書いてもらおうとしたが、
 「階段の英語は何だっけ?」と戸惑っているので、「日本語で書いていいよ」と言うと、「カイダン」とカタカナで書くので、「ちゃんと漢字で書いてよ」と促すが、どうやら「階段」という漢字が思い出せないらしい。
 もしかして、漢字が思い出せないから、英語で書こうとしていたのか?
 最初の「カイ」の音と同じ「回」という漢字を書いたので、もう一度「階段だよ」と言うと、自分で間違いに気づき「階」までは書けた。
 が、「段」が思い出せないらしい。
 私が「階段」と書いて見せると、「ああ、そうだった」。

 日記を書かせてみると、その時の夫の認知機能の状態がよく現れる。
 ここ数日の認知機能はよくないらしい。
 文字もかなり崩れており判読不明、文章もよく判らないものになっている。
 けれども、それがその時々の夫の状態の記録になるので、とにかく可能な限り、毎日夫に何かを書いてもらうようにしており、今後も続けていくつもり。

 就寝前に、再び、妄想が始まる。
 妄想が始まると、顔つき、目つきが替わるので、すぐに「あっ、今、妄想中だ」と判る。
 時計を見ながら、「今からなら、東京へ帰れるな」とか、「じゃあ、今から帰ろう」とか繰り返し言うので、また私もちょっと辛い気分になる。
 今、入院中であること、もう1ヶ月近くこの病院に入院していて、明日は退院して自宅に帰るけど、今晩はもう1泊この病室に泊まること等を繰り返し話して、立って行こうとする夫を何とかベッドに座らせ、「もう、寝ましょう」と横にさせる。
 そのうち疲れたのか、眠り始める。

 ハァ~・・・自宅に帰っても、こんな感じが続くのかな? 
 以前、妄想がひどくなった時、中核薬のリバスタッチを止めたら、ここしばらくは「出て行かなくちゃ、帰らなくちゃ」と外へ出て行くような妄想はなくなっていたのだが・・・
 入院して持参薬がなくなった後、今まで服用していた薬とは違うメーカーの薬に変えて服用してきているが、薬効が同じといっても成分が多少は違っているだろうから、そのうちの何かが作用しているのだろうか? わからない・・・

 退院後は、在宅クリニックの先生に、以前と同様の薬を処方してもらうつもり。

 それでも、このような妄想が続くと、私も、ちょっと辛いので、コウノメソッド実践医のところで、妄想に対する薬の処方を相談してみようと思う。

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退院しました・・・お尻に鎧をつけてみました

 わが夫、圧迫骨折で入院27日目にて、ようやく退院しました。

 午前11時30分に小規模多機能居宅介護サービスセンターのスタッフが車で病院まで迎えに来て、自宅まで送ってくれました。通常のデイサービスではできないことですが、小規模多機能居宅介護サービスでは可能なのです。
 雨降りの中、家の前に車を停め、玄関ドアまで行く途中に2段ほどの階段があるので、そこまでは車椅子で。階段のところで、夫を立たせて、玄関ドアまでは肩を組んで歩く。
 玄関ドアを開けると、キジ猫のモカ(肉球がコーヒー豆様なので)がニャーニャーいって出迎えていた。

 玄関を入ってすぐ左が介護用ベッドのある居室だが、夫はベッドでは休まず、すぐに2階のリビングへ階段を、両サイドの手すりを使って、ゆっくり上がっていった。無事上がれました。
 昼ご飯から午後いっぱい結局、ベッドで寝ることはせずに、ずっと2階のリビングに居た。病室ではあまり歩かなかったけれども、家に帰ってからは、椅子から立ち上がって、結構フラフラ歩く。
 転んで受傷し、病院に1ヶ月近く入院していたことも記憶にないので、普段通り歩こうとして、「痛いなあ。身体がおかしいようだ」と顔をしかめながらも、不安定ながらも歩き回るので、また転倒しないか、怖い。

 そこで、お尻に鎧(ヒッププロテクター)をつけてみました!

 高齢者向けの大腿骨頸部骨折予防のヒッププロテクターも売っていたが、夫の場合は、後ろに転倒しやすい。昨年も今年も尻餅をついて圧迫骨折をしたので、お尻のところにクッションがあるものが欲しかった。
 ネットで検索すると、下記のスノーボード用ヒッププロテクター金1760円が良さそうだったので、Amazonで注文した。

 スノーボード用
 ケツパッド ヒッププロテクター ヒップパッド 耐衝撃パッドXL
SHEN HENG社製

後ろ姿(写真は病院の病室で撮りました)
protector-back.jpg

座ったところ(前から)
protector-front.jpg

座ったところ(後ろから)
protector-side.jpg

 それほどぴっちりを張り付く感じではなく、ズボンの上からでも履ける。
 お尻の部分と腰の横にもプロテクターが付いているので、圧迫骨折や大腿骨頚部骨折の両方が予防できるのでは?
 トイレに行くときも、ズボンと一緒にさっと脱がせられる。
 (前の部分にマジックテープがついており、前開きになっているので、小の時にそこから出せるようになっている。が、夫の場合はリハビリパンツなので、ズボンごと脱がすことになる)。

 私も試しにこのプロテクターをはいてみた。
 う~ん、薄いズボンの上に履いたら、メッシュが付いている部分の縫い目がチクチクする。厚めの生地のズボンの上にはかないと・・・。
 椅子に座ると、ややゴツゴツした感じがある。短時間ならいいけど、長時間は?
 それとも、これも馴れていくかな?

 就寝する時は、もちろんはずすが、一人でどんどん歩くのを止めることはできないので、しばらくは、付けておいたほうが安心かな。

 夕食後、1ヶ月ぶりに自宅のお風呂に入ることに。
 リビングからドアを隔てて洗面所兼脱衣所、お風呂がある。
 リビングの椅子に腰掛けた状態で、服を脱がし、リハパンも脱いで、お風呂へ・・・と思ったら、夫は「おしっこ」とトイレに行こうとした途端に、ちょびちょび漏れ出し、「あ~あ!」と思ったが、トイレドアに手をかけた状態でジョボジョボ放水(なのに、夫は放水していることにも気づかない様子)。やっとトイレに腰をかけさせて、残りを放水。
 「座ったまま動かないで!」と言って、急いで床を拭く。

 教訓: リハパンを脱がす時は、必ず、トイレの中で!

 病院ではシャワーだけだった。自宅では、昨年、圧迫骨折時に買ったシャワーチェアを再び出して、シャワーチェアを使いながら、慎重に、身体を洗ったり、バスタブの中に入る。
 バスタブの中に入るも出るのも、夫は自分から行う。バスタブから出る時は、バスタブの中で足を滑らせやすいので、手すりにつかまらせながら、身体を支えて、出る。比較的スムーズにできた。

 就寝時は、猫のモカが夫の上に乗っかりゴロゴロと甘えている。
 白黒の猫のミルク(牛模様だから)は私に頭をすりつけて喜んでいる。
 猫たち2匹だけで1ヶ月近く留守を守っていたので、淋しかったらしい。

 「1ヶ月ぶりで家に帰ってきたよ~。良かったね!」

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大雨の日の「秋刀魚」

 今般の大雨による被害を受けた方々に、心よりお見舞い申し上げます。

 この天候の影響か、昨夜から明け方まで、夫はずっとうめき声を上げ続けていた。

どこかが痛いということではなくて、何か悪夢を見て、うめいているのだ。

 あまりひどいので、夜中に抑肝散にイチゴチョコの服薬ゼリーを混ぜて食べさせたが、今回はあまり効かず、猫2匹も代わる代わる何だかんだと甘えてきて、私はあまり眠れなかったため、今日は一日ふらつくような感じでフワフワして、気分がよくなかった。血圧があがっているのだろう。

 夫は、認知機能が低下しているため、テレビで見たものを、そのまま現在の自分の置かれている状況と混同してしまうので、殺人事件や今回のような災害被害のニュースに接すると、不安感が大きくなってしまう。

 今日、デイサービスの書道で夫が書いた「秋刀魚」

秋刀魚

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プロフィール

アワキビ

Author:アワキビ
夫と2人暮らし。
子どもはいません。
2人と猫2匹の家族です。

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