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もう一つの介護の話

 新年明けましておめでとうございます。
啓翁桜
山形に居る夫の末弟が昨年末に送ってくれた「啓翁桜」の枝が、
満開になりました。


 元旦の今日は、夫を車椅子に乗せて、我が家から電車を乗り換えて約1時間の隣県にある私の実家にお年始の挨拶に行って参りました。
 当ブログを長くお読みになっている方は、感づいていることかと思いますが、私と夫はいわゆる「年の差婚」なので、私自身の両親は、まだ、生きています。「健在です」と書けないのが辛いところですが…
 
 両親は、私たち夫婦とは別居しており、私の弟(夫婦+子ども2人)の家族と二世帯住宅に同居しています。
 玄関は同じだけれども、食事や家計等は別で、1階が両親、2階が弟の家族。
 住居は、私と弟が育った住居を壊し、父は退職金、弟はローンを組んで、二人の名義で建てたものです。

 父の異変に気づいたのは約5年前のこと。
 詳しい経緯はまたあらためて書きたいと思いますが、父が認知症であることが判明し、介護保険の申請をして、介護サービスを利用し始めました。
 その後の脳梗塞と入院を経て、現在、父は要介護2で、週に5日間デイサービスを利用しています。
 私の夫も同じ要介護2ですが、妄想全開で記憶障害重度の夫に比べると、父の認知症の「中核症状」はずっと軽いです。しかし、父には、夫にはない「扱いが難しい周辺症状」があり、母を悩ませています。

 これまで母は、家の事務的なこと、電気関係のこと等、一切合切を父に頼ってきていました。その父が認知症になってしまったため、母がそれらを担わなければならなくなったのですが、役所から届く文書等は母にはチンプンカンプン。

 弟は両親のことには、ほとんどノータッチ・・・というか、自分自身の妻や子どもにもきちんと向き合わず、仕事と自分の趣味関心のみで生きている人間なので、両親のために時間を割いたり、心を配るということはほとんど期待できません。

 そんなわけで、5年前から両親についての行政手続きや確定申告、病院・介護関係の手続きを管理するのは、私の役目になりました。
 今は母にも実際に足を運んでもらって書類提出などはやってもらうことができますが、「何を、どうすべきなのか?」という判断や、提出すべき書類の作成は私が担当です。父の介護についてのキーパーソンも、同居の母や弟、あるいはお嫁さんではなく、私になっています。

 幸い母がまだ元気なので、何とか「老老介護」で在宅生活をやれています。

父はリハパンやパッドを自分で履いて替えられるし、お風呂はデイサービスで入れてもらえるし、その他の日常生活動作も見守りがあれば、一人でやれるというレベル。
 場所や人についての見当識障害がないため、一人で留守番もできるので、母は日帰り旅行や1泊旅行にも行っています。
(弟の家族と同居なので、お嫁さんが声かけをするぐらいで、父は一人で何とかやれているのです。)

 ところが、その頼りの母に、最近「うっかりミス」が増え、「え~?そんなことあったけ? 覚えていないな~」という現象が時々あり、軽度認知障害(MCI)の可能性ありかと思われるようになりました。

 父のケアマネがとても有能で頼りになる方なので、最近の母の状態も相談しています。
今は、母もいろいろ頑張ってやっているので、その意欲や気持ちをそがないように、当面は注意して見守るとことにしましたが・・・

 現在の「老老介護」が、将来「認認介護」になった時には、夫を在宅で介護しながら、さらに別居の両親を在宅で介護するのは無理だろうなあ・・・。それが遠い先のことであるとは、とても思えないなあ (´・_・`)

 今日も、お節を食べ終わり、談笑も一区切りついたところで、母が役所から届いた封筒2通テーブルに出し、「これ、何かやらなくちゃいけないことはあるの?」と訊いてきた。
 早速、文書の内容を確認。
 一つは年金から天引きされているのでOK。
 もう一つは後期高齢者医療保険料決定書。半年ぐらい前に届いたものだな。
 これは年金からの天引き(特別徴収)ではなく、普通徴収になっている。
 はて、これは口座自動振替になっているのかな?
 母に通帳を持ってきてもらって、確認すると、既に口座振替になっていて、引き落としがされている。
 いずれもこちらでやるべきことはない書類だ。

 ただ、確認のために通帳取引を一瞥した時に、見慣れないクレジットカードの年会費が引き落とされているのを発見!
 母がふだん使っているクレジットカード会社のものとは違う会社のものだ。
 母に訊くと、「そんなクレジットカードは持っていない」と。

 う~ん、このクレジットカードは、昔、実家の近くにあった某スーパーマーケット系列のもの。
 きっと店舗で、「1年目は年会費は無料ですよ~。商品が割引で購入できますよ~」等と勧誘されて加入したものだろう。
 その後、某スーパーマーケットは撤退し、そのままクレジットカードの存在は忘れ去られ、年会費だけを延々と支払い続けてきた模様。
 探し回った末に、やっと某クレジットカードが見つかった。
 ちょうど今年7月で有効期限が切れるが、自動更新されてしまう前に、解約手続きが必要だ。
 明日、クレジットカード会社に電話をして、解約書類を母の元に郵送してもらうように手配しよう~。

 夫そっちのけで、母とこのやりとりをしているうちに、夫は、実家のテーブルの上に置いてあるものを手にして、片付けを始めた。

 こらこら、他人の家に置いてある書類や物を勝手に片付けてはいけないよ~ ( ノД`)

 夫が「おかしいな?」という言葉を発し出している。
 もうそうです、夫が「せん妄」状態に突入した時に出る言葉。
 その後、妄想話、炸裂 w(゚o゚)w
 
 そろそろ限界らしい。早くこの場を撤退しよう。

 もう、家に帰ろうね。

  その前に、ボクはこれから東京で会議があるから、そちらの方に出なきゃならないんだよ。
  あれ~? ボクの荷物がないよ。書類は3階に置いてあるから、取りに行かないと。


と、弟の家族の住居のある2階に上がって行きそうになる。
慌てて、あれこれ言って、何とか押しとどめ、急いで夫に上着を着せて、帽子を被せて、車椅子に乗せ、両親の確定申告の医療費控除等に必要な領収書類を鞄にしまって、実家を後にした。

 帰宅後、別の懸案事項について、ネットで検索し、また、母に電話をかけ、「これについては、ここに電話をして、このようにして」と電話で指示。

 なんだかなあ、綱渡りだなあ。

 こんな実両親のことについても、今後、折に触れて、当ブログに書いていきたいと思います。

 今年も、当ブログは長々とした文章ばかりです。
 それにも関わらず、読んでいただいている皆さん、また、コメントくださる方々、とっても励みになっています。
 ありがとうございます。

 今年も引き続きよろしくお願い致します。 


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父の認知症の発症(1)

 父の異変に気づいたのは東日本大震災が起きた2011年の9月のことだ。
 仕事中の私の携帯電話に、突然、父から電話があった。
 この当時、父にしても母にしても、私に電話をしてくることはめったになかったし、私自身も両親とのコミュニケーションをかなりおろそかにしており、我が家から1時間ほどの実家に訪ねて行くのも、せいぜい年に2回程度だった。
 電話の向こうで父は言った。

  あのさあ、ちょっと、通帳にお金がなくってね。
  電気代が支払えなくなったんで、保険を解約したんだよ。


 ?! 
 通帳にお金がなくて電気代が支払えない?
 そんな馬鹿な?

 「あのね、今、私、仕事中だから。また、夜に電話するから」と言って電話を切った。

 仕事が終わり、帰宅してから、夜、実家に電話をすると、母が電話に出た。

「なんか、お父さんから、通帳にお金がなくて、保険を解約したっていう電話があったけれども、どういうこと?」

「うん、そうなのよ。なんか、お金が全然ないらしいのよ。」

「だって、そんな馬鹿なことあるわけないじゃないの? 退職金だってあったでしょ? 毎月年金だって入るでしょ? それが電気代も支払えなくなるほど、どーして、なく なるわけ?」

「なんか、わかんないのよ。」

「どうして?」

 母によれば、父からは、日常の生活費をもらっていないらしい。
 公共料金その他定期的な支払いは、父の口座から自動引き落としされ、その他、日常の食料などの買い物は、母は自分の年金から支払っている。
 父は自分の預金を自分の好きなように使っているので、母は父の預金についてはまったく把握していないというのだ。

 「ちょっと、お父さんに電話かわってよ~」
 「お父さん、通帳にお金がないってどういうこと? どうしてないの?」

 「いやあ、あれこれ使うことがあってね・・・」

 「あれこれって何よ? 電気代も支払えないくらいお金がないの?」

 何を訊いても、父はのらりくらりと要領を得ず。
 最後には、私は

 「ちょっと、お父さん! 通帳を見せてよ~!」

 と叫んでいたが、電話で叫んだところで、埒があかない。
 もう一度、母に電話をかわってもらう。

 「お母さん、ちゃんとお父さんの通帳を見て、どうなっているのか、確認して!
  娘に通帳なんて見せてくれないよ。
  夫婦なんだから、お母さんが、お父さんの通帳を見せてって言って、確認してよ!」

 「あのね、心配しなくて大丈夫だから。
 お母さんも少しはお金を持っているから。
 こっちで何とかなるから。」

 いや、お母さん、何とかなるとかそういう問題じゃなくてね・・・と
言いたかったが、この時の母は、私に心配させまいと思ったのか、
それ以上の話ができなかった。

 この出来事が、父の認知症の発覚に至たる序章だった。

 その2ヶ月後に、母から私宛に手紙が届いた。

 つづく・・・


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父の認知症の発症(2)

 父の異変に気づいたのは東日本大震災が起きた年の2011年9月。
 この時は、まだ、母が「大丈夫だ」と言い張ったので、静観をすることにした。
 その2ヶ月後の11月に、めずらしく母から私宛に手紙が届いた。
 
 お母さんや●子さん(弟のお嫁さん)が、お父さんに「これはおかしい。詐欺だよ」と言っても、お父さんは「違う!」と言って聞き入れてくれません。
 弁護士さんに聞いてもらえますか?

 そして、「賞金が当たりました。」「1,000,000,00円」「賞金当選のための資格を獲得のために、申込金を支払って下さい。」云々と書かれたDMが複数同封されていた。
 DMには返信用紙と、返信用封筒が同封されており、賞金を獲得するには、返信用紙に個人情報などを記入して返信する。支払い方法はクレジットカード払い、定額小為替、現金の郵送の中から選択するというもの。

 当時、私が法律事務所に勤めていたので、「弁護士に訊いて欲しい」と書いてきているのだが・・・
 こんなの! 弁護士に訊くまでもなく、明々白々の詐欺じゃない!

 早速、母に電話をすると次のようなことの次第だった。

 自宅最寄り駅前の銀行(父が主に利用しているところ)の隣にある交番から電話があった。
 最初は母に電話をしたそうだが、不在だったので、お嫁さんの方に電話があり、お嫁さんから母に電話が行き、母が交番まで父
を迎えに行ったというのだ。

 父は、くだんのDMを手に、銀行へ行って、指定口座に申込金を送金しようとしたようだ。
 おかしいと気づいた銀行員が、恐らくは、父に思いとどまらせようとしたのだが、どうしても納得しないので、「隣の交番に行っていただき、おまわりさんが「いいですよ」と言うのであれば、お受けしますよ」等と言うので、父は交番のおまわりさんを訪ねたようだった。
 そこで、おまわりさんから、家族のほうへ連絡があった・・・

 おまわりさんから、「奥さん、旦那さんの財布はきっちりと握っておかなくちゃ、ダメですよ」と叱られたとか・・・

 その日は、そのまま大人しく自宅に帰ってきたそうだが、翌日、父は、今度はこっそり郵便局に出向いて、定額小為替を買って、送金してしまった・・・ということが判明。

 母の言うことなど父は聞かないので、お嫁さんに加勢してもらったが(弟はどうした?)、父は頑として聞き入れないのだという。そして、同じようなDMが一日に何通も届き、それを見た父が、また、送金しに行こうとするので困っているという。

 さっそく、仕事が休みの次の土曜日だったか、日曜日に実家を訪ねた。

 久し振りに訪ねた実家は・・・

   荒れ果てて、ゴミ屋敷同然 

 廊下やすべての居室、台所、お風呂場に至たるまで、床に物が積み上げられている。
 通されたリビング兼ダイニングも、物が詰め込まれたレジ袋や積み上げられた物々で足の踏み場もない。

 母がお茶を入れてくれたが、テーブルの上に置かれた書類や物で、湯飲みを置くスペースがない。
 仕方がないので、置かれた書類や物をちょっと横に置いてスペースをつくり、湯飲みを置く始末。
 これでどうやって、毎日ご飯を食べているのだろう? ( ノД`)

 元々、私の両親は、私の子どもの頃から整理整頓は悪かった。
 洗った洗濯物はタンスに入れず、部屋に積み上げるか、部屋の壁の桟等に針金ハンガー等にかけて吊していた。
 数年前から、私たち夫婦がお正月に実家を訪ねるのも、母は「片付いていないから、来なくていいよ…」等と言って渋るようになった。
 それでもと訪問すると、雑然とした部屋ながら、まあ、一応片付けているふうだった。
 ところが、トイレに立ち、ふと洗面所兼脱衣所で手を洗う際に、ふと風呂場のドアを開けてみると、ナント、風呂場いっぱいにたくさんの物が積まれ、押し込まれていた。
 これじゃあ、お風呂にも入れないじゃない。
 私たちが来るというので、とりあえず、たくさんの物を風呂場に突っ込んでおいたというところだろう。
 そんなふうだったので、

 「お母さん、片付け、手伝おうか? これ要るものなの?」

と、床に置かれたたくさんのレジ袋の中身を見ながら言うと、

 「全部要るものだから。いいから! お母さんが自分でやるから!」

 私も、いったい、どこからどうやって手を付けてよいか分からないような状態だったので、とりあえずは、そのままに・・・

 この頃、既に私の夫の認知症も判明し、私もフルタイムで働いていたので、日々の自分の生活だけでいっぱいいっぱいだったので・・・これは言い訳ですがね。

 こうして早めに手を打たなかったツケが回った2011年の11月、実家は、数年前の様子より、もっともっと荒れ果てていた。

つづく・・・

 なお、賞金DM詐欺については下記のURLに詳しいです。
 国民生活センターの発表情報 2012年3月15日公表
「賞金が当たった」という詐欺的なDMに注意!
    -全国の消費生活センターに寄せられたDMの分析をふまえて-


  


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父の認知症の発症(3)

 父の異変に気づいたのは東日本大震災が起きた年の2011年9月。
 母が、父の扱いにお手上げとなり、ヘルプ要請が来たのが11月。
 久し振りに訪ねた実家はゴミ屋敷同然に荒れ果てていた。
(二世帯住宅で、弟夫婦と甥姪も2階に住んではいましたがね。)
 
 部屋中にうず高く積まれた物々(両親はどれも必要な物だと言うけれども)の間に小さくなって座っている父と母を見て、悲しくなった。

 父の通帳を見せてもらって愕然とした
 わずか数年の間に、大変な額のお金が引き出されている。
 その額たるや、東京近郊に一戸建てが買えるぐらいの残高が、雲散霧消~
 多い時には、月50万円から200万円もの現金を引き出している。

 しかも、9月に解約したという保険の返戻金40数万円も、通帳に入金されるや直ちに全額引き出して使ってしまっている。
 それで、現在残高、数千円ですか?

 「こんなにたくさん一体何に使ったの?」

 「え~、旅行へ行ったり、いろいろ…」ゴニョゴニョ、口ごもっている。

    何言ってるの? 
    海外旅行へは行ってないし、せいぜい国内旅行で、
      それも数回しか行ってないじゃない。

 「お母さん、お父さんがこんなにたくさん使っているの知ってたの?」

 「いや~、知らなかったわぁ」

 それに!
 母が言うには、弟のお嫁さんから、

 「●●さん(弟の名)が生活費をくれないんです~。
 お父さん、お母さんから何とか言ってください~」

 と泣きつかれて、孫の教育費として、毎月10万円~15万円を援助している・・・というのだ!

 何、寝ぼけたこと言っているの?
 弟は、一応、上場企業で役職持ってるじゃない!
 お嫁さんも常勤で女性としては高収入な仕事に就いているの。
 どう考えても、年金暮らしの両親の月額収入より、弟世帯の収入の方がずっと多いじゃないの。
 弟が、妻に生活費を渡さないのは、それは弟夫婦の問題であって、それをどうして両親が援助しなければならないのよ?

 弟家族へのこれまでの援助金は、ノートに記録されていたので、これは金額がはっきりしている。
 計算すると約450万円ぐらいだった。
 まあ、いいでしょう。お嫁さんや孫のために使ったものなら、いいんです。

 それ以外の、数千万円はいったいどこへ消えてしまったの?

 自宅内にうず高く積まれた物々の中には、ノートパソコン(買ってきて一度も明けていない状態のものもあり)が数台、OSソフトパッケージ(開けていない)ワープロソフトパッケージ(開けていない)、パーソナルプリンター3台(開けていないものあり)、デジカメ4~5台、デジタルビデオ2台、初代iPad(どれも、適合する電源コードがどこにいったのか判らず、ちゃんと動かない。購入して数年が経っており既に型落ち状態)、電子辞書数台、その他、訳のわからない機械やら、何やらの他、100円ショップで文房具類(同じ種類のものをいくつもたくさん購入する)等が埋もれている。

 それから、宝くじが山のように出てくるわ、出てくるわ~。
 しかも、封が開いていない。開けて見ると、既に換金期間が過ぎてしまっているものも多数。
 母に言って、これらの有効期間内の宝くじを、宝くじ売り場でチェックしてもらう。
 全然、あたりゃしなかったけれどもね。せいぜい数千円ってところ。

 どれも、買うだけ買って、満足し、ろくに使えていないようだ。
 買い物依存症かな?
 これらのガラクタ(にしてしまったもの)を全部併せても100万円超えるかどうか?
 
 では、残りは何に使ったの?

 何やら手書きのメモが出てきた。
  某宗教団体に寄付50万円

 ちなみに、父はその宗教団体をきちんと信仰しているわけではありません。
 そんな気配はみじんもなし。ただ、多額の寄付をするせいで、ちやほらされていい気になっているらしい。

 父は、昔から、八百万の神が好き。
 いくつものお守りをじゃらじゃら持って歩いている。
 呪いや御札、オカルト関係大好き。
 「ムー」という雑誌も好きでしょっちゅう購入。

 父はまた、自分が会長をしていた某サークルで、皆に気前よく飲食をおごってやったりしていたらしい。

 何かに騙されて、送金したりしていないかと、掃除をしながら探してみたが、それらしき書類やメモは見当たらなかった。
 恐らく、父は全部現金で引き出し、現金で寄付したり、おごってやったり、誰かにやってしまったのだろう。
 お金をばらまけば、周りの人間はチヤホヤしてくれるから、それが気持ちよくて、やっていたっていう感じかな? 

 まるで芥川龍之介の「杜子春」のよう。
 金持ちにしてくれる仙人の代わりに、宝くじを買ったり、賞金詐欺のDMにひっかかったりするっていうわけだ。

 少しでもお金を払ってしまったからか、この詐欺DMが山ほど来るわ来るわ。
 どうやら、カモリストに載ってしまっているらしい。

 母には、こうしたDMが届いたら父の目に触れないうちに廃棄するように、と言ってあったが、
たまたま、私が実家の片付け掃除に行った日、父が郵便受けに来ているDMを見つけてしまった。

 「あ~! お父さんが! お父さんが~、それはダメダメ!」という叫び声が聞こえた。

 何事かと見ると、父が、新しく来た 賞金詐欺DMを手にしている。

 「お父さん、それはね、弁護士に訊いたんだけど、詐欺だってよ。
 だから、そんなものにお金を支払ってはだめなんだから、こちらにちょうだい」

 と、父の手にあるDMを取ろうとすると、

 これは、お父さんのお金だ! 
 お父さんが当たったんだから、お父さんものだよ!
 そんな警察だか、弁護士だかが何と言おうと、関係ない!


 そんな1,000,000,000円などという数字を見て、本気で、言っているんだ。
 この時、はっきりと、父が認知症になっていることを痛感した。
 いくら理屈で説得しようと試みても、無駄だ。

 本人にお金の使途を訊いても、はぐらかしているのか、本当に覚えていないのか、全然わからない。
 挙げ句、

 「お父さんは、死んだら、お葬式なんて派手にやらなくていいんだからな!

 と憎たらしいことをのたまう父。

 「お父さん、人間はね、そう簡単には死ねないの! 
  死ぬ前に、介護費用とか医療費とか、たくさんかかるのものなのよ!」

 もうこれ以上追及したところで、お金が返ってくる見通しはない。
 借金をしていなかっただけマシと思って、すべて諦めるしかない。

 けれども・・・
 不肖、私、法律事務所で働き、多重債務者の借金整理や生活の立直しや成年後見人の事務で他人様の財産管理等、他人様のお世話に関わってきたのに、一番身近な両親を守れなかった・・・

 本当に情けない (;д;)
 それもこれも、私自身が、両親にちゃんと向き合って、コミュニケーションをとってこなかったから、こんなことになってしまったのだ。

 弟は、まったく頼りにならない。でも両親と同居してくれているだけでもありがたいことだ。少なくとも両親の安否確認はできる。
 弟のお嫁さんには、まあ、罪がない。そもそも、弟が自分の家族に向き合っていないことが原因なのだから。
 弟とお嫁さんの関係が悪いのに、両親の介護をやってもらおうなんて、そんなこと思ってはいけない。
 お嫁さんも常勤で働いているのだし、お嫁さん自身の両親のことだってある。我が両親と一緒に暮らしてもらっているだけでありがたいことだ。

 けれども、両親にははっきりと言った。
 「自分自身の生活が破綻している状態なのに、孫に援助している場合じゃないでしょ!
  今後は、お嫁さんと孫への援助は止めて下さい。」

 弟には、お嫁さんの居ない時に、電話をかけて事情を話した。
 「お父さんとお母さんが、毎月●子さん(お嫁さんの名)に10万円~15万円のお金を渡してきているんだけど、あなた知ってた?」
 「え~、まったく知らなかった・・・支払う必要なんかないよ。」
 「当然です。もう、お父さん、お母さんのお金が全然なくなってしまったんだから、そんなことできないよ。」

 さて、どうやって、両親の生活を立て直したものか?

 つづく・・・


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父の認知症の発症(4)-財産管理

 父の異変に気づいたのは東日本大震災が起きた年の2011年9月。
 これは認知症であると確信したのが2011年11月。

 やるべきことはたくさんある。
 1.病院への受診
 2.介護保険の申請
 3.父の財産管理

 1から順番に書いていこうと思ったが、今日また父の財産関連でちょっとしたできごとがあったので、そのことを書こう。

 成年後見の申立も、一応、検討したが、父の住んでいる県の家裁の「成年後見申立の手引き」(裁判所のホームページで公開されている)を読んだところ、全件について「鑑定を要する」となっていた。

 「鑑定」というのは、本人の判断能力がどの程度あるのかを医学的に判定するための手続きだ。

 ケアマネに、成年後見申立の話をしたところ、父の認知症の主治医になってもらった精神科クリニックでは、成年後見申立の鑑定をすることができないというのだ。この県では精神保健指定医しか成年後見の「鑑定」をやれないことになっており、父の居住地の近隣では、●●病院という精神科の大きな病院にしか精神保健指定医がいないというのだった。

 鑑定は、この病院に入院して検査をしてもらわなければならないのですよと説明を受けた。

 え~、それは、かなり大事だなあ。父の住民票を私のところに移して、東京家裁で申立をしようかと考えたほどだった。東京家裁では、主治医の診断書と調査官面接で決定が出るので・・・
 (なお、5年後の現在、あらためて「成年後見申立の手引き」を確認したとろ、この「全件鑑定要」は、「鑑定の要否は、申立書類一式、面接の結果等を勘案して、事案ごとに裁判官が判断します」に改められていた。実際、昨年私が仕事で関わった同県での成年後見申立に際しては、精神保健指定医資格のない主治医の診断書のみで、成年後見開始がなされた。)

 けれども、問題は、父の認知症の程度で、5年前の当時は、鑑定の結果、「後見相当」ではなく、「保佐相当」が出るかもしれないという微妙なところにあるんじゃないかということだった。

 大変な思いをして「鑑定」した結果、「保佐相当」だった場合、例えば、父の通帳や印鑑、キャッシュカードを管理したいと思っても、父から、通帳管理や年金受領手続き等の「代理権の付与」が得られなければ、それができないのだ。
 これが「後見相当」となると、後見人は、あらためて「代理権の付与」をもらわなくても、通帳その他の財産管理ができるのだが。
 
 5年前の父の状態では「鑑定」の結果、「後見相当」になるか「保佐相当」になるか、どちらにころぶのか判らないというリスクがあったので、成年後見申立は止めたのだった。
 (その他にもいろいろ理由はありますが、詳細はこのブログの「私が成年後見制度を利用しない理由」を参照)

 それで、法的に正式な形にはなっていないけれども、「事実上・・・」ということで、私と母で父の2つの預金口座を1つずつ管理することにした。

 父の年金の入る口座は私が管理を担当し、あまり動きのないもう1つの口座は母が担当する。
 私が、必要に応じて、父の口座からキャッシュカードで現金を引き出して送金していた。

 一応、父も納得の上で、通帳やキャッシュカードを引き渡してもらった(はず・・・だった。)

 ところが、約1年を経過したある日、私が銀行で父の預金通帳を記帳しようとしたら、突然「この通帳は使えません」と。
 キャッシュカードも使えなくなっていた。

 なんと、父が、自分で銀行へ出向き、通帳とキャッシュカードの紛失届け出をして、通帳とキャッシュカードの再発行をしてもらっていたのだ!

 当時、父の認知症が判明して、父が詐欺ダイレクトメールにひっかかりそうだったため、父宛の郵便物は、全部、私のところに転送されるように郵便局に手続きをしていた(1年間のみ転送してくれる。)
 父宛には、こうした詐欺DMが週に4通も5通も届き、そのたびに封筒に付箋を貼って「受領拒否」と書いて、押印してから、ポストに戻すということを続けていた。こうして、1年でほとんだ詐欺DMはなくなったが。

 郵便物が私のもとに転送されるようにしていたため、父が銀行でキャッシュカードの再発行を依頼しても、キャッシュカードは「転送不要」となっているため、父のもとには届かない。(もちろん、「転送不要」郵便物は、私のもとにも届かないが)

 父は、キャッシュカードが届かないので、銀行へ問い合わせをしたらしい。
 そうしたら「転送不要」で銀行へ戻ってきていますよ・・・という説明をされた模様。

 すると父は、自分宛の郵便物を郵便局の「局留め」にするよう手続きをして、キャッシュカードをゲットしたのだった。

 こういう知恵は働くけれども、全体的な判断がとんでもなくおかしいので、困ってしまう。

 こうして父は、自分の手元に通帳とキャッシュカードを取り戻し、自分の好きなようにお金を下ろし、再び、宝くじなどを買ったりし、いろいろ購入するようになった。
 しかし、その後、父の認知症は更に進んだ。
 父は、通帳とキャッシュカードを実家の金庫の中にしまったが、そのまま金庫を「開けられなくなり」、取り出せなくなった。
 (今も金庫は開いていない。しばらくそのままにしておく予定。)

 父は、再度、通帳とキャッシュカードの発行を依頼しようと、銀行に何度も足を運んだようだ。
 しかし、悲しいかな、認知症の進んでしまった父には、もう再発行に必要な手続き書類を揃えたりすることができなくなり、銀行の方も認知症だと察しているためなのか、今のところ、通帳やキャッシュカードの再発行は成功していない。

 父名義のクレジットカードについても、カードで好きなように買い物をしたり、キャッシングをされては困るので、私がいる目の前で、父にカード会社に電話をかけさせて、すべて解約させた。

 ところが、その2年後、父は、また、あらたにクレジットカードの契約をしていたことが、あとになって判明。
しかし、使い方がわからなくなっていたのか、カードの利用はないまま、毎年年会費のみが引き落としされていた。

 今日、母と電話でこんなやりとりをした。
 
 この間、あなたが帰った後に、お父さん名義の○オンのカードが置いてあったのよ。

 え~、私、お父さん名義の○オンのカードなんか知らないよ。

 なんか、突然出てきたから、あなたが置いていったのかと思った。違うの?

 私、そんなもの置いて行かないよ。
 それで、○オンのカードって、○-ONカードとかではなくて、本当にクレジットカードなの?


(16桁の数字が刻んであることを確認。クレジットカードだ~)

 ○オンで、買い物する時、使えたんだよ。○オンカードって、普通は青っぽいでしょ。
 でも、これは黒っぽくて、▲CBって書いてある。


 えぇ、黒いカード? 
 え~、お父さん、もしかして年会費の高いカードを作ったんじゃないの?
 まったく、もう、何考えているんだか?
 それで、カードを使ったって言ったけど、お父さんが使ったの?


 ううん、私が使ったの。
 そしたら、カードの裏に名前が書いてないですねって、店員に言われて、何か紙に書かされたわ。
 それで、カードの裏に名前を書いておくようにって言われたから、名前を書いたの。


 ひぇ~! それって、お父さん名義のカードなんだよね?
 それにお母さんの名前を書いて、使っちゃったの?


 だって、店員に、カードには名前を書いておくようにって言われたから・・・

 ひゃ~! 
 そんな、カード名義と署名の名前が違っているカードなんて、もう使えないよ~。
 そもそも、お母さん、他人名義のカードは使っては、い・け・ま・せ・ん!
 自分の○オンカードを持っているでしょ。
 それを使うようにしてね。


 なんか、見あたらなくって・・・

(え? お母さん、自分のクレジットカードなくしたって言った?
 あとで、もう一度、確認しておかないと~)

 いったん電話を切って、父の郵便物を調べたら、その▲CBマークのあるカードは、◆菱◆FJ●コス発行のカードだった。
 以前から、このカードは解約しなければと思っていたが、カード自体が見当たらなくなっていたので、どうしようかと思案していたものと同一のカードだった。見つかって良かった。

 しかし、母ったら、○オンで使えたから、○オンカードだと思ったとは・・・。

 いずれにしても、クレジットカードの仕組みを理解していない父と母、カードの管理もできない父と母が、クレジットカードを利用するのは、もう無理・・・っていうか、利用してはいけない。

 両親と同居している弟に電話で事情を話し、「裏に母の名前が書かれた、父名義のカード」は、弟に解約手続きをとってもらった。

 併せて、実家の家の修繕や電気関係のことなどは、今後はどんどん弟に頼んでやってもらうように、母に伝えた。
 さっそく、母は、弟に壊れた包丁入れの取り付けや、壊れた換気扇の手配・取り付け等を頼んだところ、すぐにやってくれているようだ。

 これで私も少しは安心です。

 今回は、また、長々とややこしいことを書き連ねてしまい、読みづらかったと思います。
 スミマセン・・・

 つづく・・・

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プロフィール

アワキビ

Author:アワキビ
夫と2人暮らし。
子どもはいません。
2人と猫2匹の家族です。

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