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成年後見制度の利用について

 このブログの「認知症の診断を受け、公正証書遺言を作る」という記事に関して、「あわきびさん自身が成年後見人になられては?」というコメントをいただきました。

 このコメントは、公正証書遺言を提示しても金融機関が預貯金の解約・払い戻しに応じないことについて、「成年後見人になっていれば、相続人全員の実印と印鑑証明書がなくても、払い出しできるのでは?」という趣旨だろうと思います。

 いずれブログのどこかで、成年後見制度の利用について、私が考えていることを書きたいと思っていましたので、今回書いてみたいと思います。

 もし万一、被成年後見人が死亡した時に、成年後見人が金融機関に出向き、成年後見人が管理していた預貯金口座の解約を申し出た場合、被成年後見人が死亡した事実を告げない限りは、金融機関は預金の解約払い出しに応じるでしょう。

 しかし、法的に見ると、被成年後見人が死亡した時点で、被成年後見人の財産は「相続財産」になってしまうので、成年後見人には、この「相続財産」を処分する(解約して、払い出したりすることも含めて)権限がなくなります
 成年後見人が管理していた被成年後見人の財産は、「相続財産」となった時点で、相続人へそのまま引き渡さなければならないということです。
 これが原則です。

 それでは、被成年後見人の最期の未払いの医療費や葬儀費用はどうなるのか?

 未払いの医療費は「相続財産」のうちの「負債」として、相続人へ引き継ぐことになります。あくまでも「相続人」が「相続財産」から支払うべきものであり、「成年後見人」が成年後見人として管理している財産から支払うものではありません。

 葬儀費用は、「成年後見人」という「外形」を使って金融機関から払い戻した現金(本来は相続財産です)を使って、他の相続人らの了承がないまま、葬儀費用を支払ってしまうと、あとで相続人から「そのような過大な葬儀費用は認められない」等といったトラブルになりかねないので、注意が必要です。
 とにかく、死亡時点での財産額が「相続財産」の基準となるということです。

 尚、余談ですが、プラスの相続財産よりマイナスの相続財産(負債)の方が多くて、「相続放棄」の申述をしたい場合には、相続財産から、未払いの医療費や相続費用等を支払ってしまっていると、家庭裁判所によって相続放棄の申述が認められなくなりますので、ここは本当に注意が必要なところです。

 成年後見人は、被成年後見人が死亡した時点での、財産目録や収支報告書を作成して、通帳等のコピーを添付し、成年後見業務の終了報告書を家庭裁判所に提出します。

 財産目録は、死亡日までが基準時ですので、死亡日当日の通帳残高となります。

 未払いの医療費等がある場合は、「負債」の項目に入れておきます。

 そして、この死亡日までの財産総額(負債も含めて)が、すなわち「相続財産」となり、相続人の間での遺産分割協議の対象となるものです。

 ですから、もし、私が成年後見人でかつ相続人の一人という立場にあったら、

 1.死亡日当日の預貯金残高の通帳のコピーをまず全部とります。
   (これを、家庭裁判所に後見事務終了報告書や財産目録・収支計算書に添付して提出します。)

 2.死亡当日の残高が出ている通帳のコピーをとってから、預貯金口座の解約・あるいは全額の払い出しをするようにします。

 対 金融機関には「成年後見人」としての行為という外形をとりますが、実質的には、「相続人代表者」としての行為ですね。
 成年後見人自身が相続人のうちの一人の場合には、「「相続人代表」として、預貯金を解約しました」ということになります。

 「相続人代表」という言い方をしているのは、まだ、遺産分割協議が整っていない段階だからです。
 本来なら、相続人全員の実印と印鑑証明がなければできないことを、成年後見人という「外形」を使って、解約し払い戻しただけですので、払い戻した現金は、あくまで、相続人代表者として、遺産分割協議が整うまでの間、預かっているだけであって、他の相続人たちと協議をして、いくらずつ分けるということが決まらない限りは、自分のものになりません。

 繰り返しますが、金融機関に、被成年後見人が死亡したという事実を伝えてしまうと、いくら成年後見人が口座を解約したいと言っても、解約できません。
 成年後見人には「相続財産」を処分する権限がないからです。


 家庭裁判所的は、死亡当日までの収支計算書と財産目録がきちんと計算して、後見人としての最終報告書を提出していれば、問題ありません。家庭裁判所が「成年後見」について関与するのは、死亡日までの財産管理までであって、それ以後は「相続」の問題になり、成年後見を監督する家庭裁判所は関知しません。(あらためて家庭裁判所に「遺産分割協議の調停」が申し立てられれば、家庭裁判所が関与してくるのですけどね。)

 あとは、成年後見人がこの最後の収支計算書と財産目録等を、すべての相続人にきちんと報告をして、相続財産を相続人らに引き渡せば良いのです。

 成年後見人が、相続人の一人であれば、他の相続人にこの最後の収支計算書と財産目録を報告して、「さあ、相続人の皆さん、この「相続財産」の分け方を決めましょう(遺産分割協議をしましょう)」ということになります。

 くれぐれも、他の相続人にこの「相続財産」を隠して、自分のものにしてしまう等ということは考えませんように。そのようなことはできません。あとで必ずトラブルになり、裁判ということにもなりかねません。

 さて、この段階で、公正証書遺言が生きてくるのです。
 相続人代表者として金融機関から払い戻して現金になった相続財産を、遺言執行者が公正証書遺言に従って、分ければよいのです。

 夫の場合は、両親は死亡し、子どもはなく、配偶者以外の相続人は兄弟姉妹だけです。夫が「全財産を配偶者に相続させる」と遺言公正証書を作っていると、兄弟姉妹には「遺留分」というものがないので、遺言の内容どおりに確定します。

 しかし、遺言によって相続財産をもらえないとされた相続人が、配偶者や子どもである場合には、遺言にかかわらず、その「法定相続分の2分の1」(例えば、配偶者なら1/2×1/2=1/4)を相続財産から支払うように求めることができます(これを遺留分請求と言います)。
 ですから、この場合は、遺言があっても、まだ確定したわけではないので、遺言執行者は、他の相続人に遺言の内容をきちんと伝えて、遺留分請求の希望があるなら、請求するよう促さなければなりません。
 遺留分請求される可能性がある間は、間違っても相続財産を全部使ってしまうようなことがないように注意が必要です。

 コメントをいただいた方からご指摘があったように、私が夫の成年後見人になって、以上のような方法で預貯金口座を解約すれば、「公正証書遺言を提示したにも関わらず、金融機関が預貯金の払い出しに応じない」という問題はクリアできるということになります。

 でも、私は、少なくとも現時点では、家庭裁判所に夫の成年後見開始の申立をして、夫の成年後見人になるつもりはありません。
 同様に、夫と私との間で、将来、私が夫の任意後見人になるという趣旨の任意後見契約を締結する公正証書を作成するつもりもありません。
 その理由については、また、次回のブログで書きたいと思います。

 とても読みにくい文章になっていると思いますが、関心のある方は、何とかご解読ください。
 また、繰り返しますが、私は法律の専門家ではなく、かつて法律事務所で仕事をしていた中で、「そうなんだ!」と私自身が「これは、目からうろこだわ!」と思った事柄を書いているだけです。きちんと六法で確認して書いているわけでもありませんので、間違っているところがあるかもしれません。
 あくまでも「こういう問題があるので、注意が必要ですよ」というヒントにしていただき、ご自身で実行する場合は、このブログを鵜呑みにしないで、必ず、法律の専門家に相談し確認してください。

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私が成年後見制度を利用しない理由

 かつて、私は法律事務所で成年後見人や成年後見監督人の仕事のお手伝いに携わっていたので、その経験をもとに書きたいと思います。
 毎度のお断りですが、私は法律の専門家ではなく単なる事務員をやっていただけですので、下記の内容には誤りがあるかもしれません。鵜呑みにせずに、各自必要な情報については確認・検証をしてくださいね。

 さて、ある人が認知症等になり自身で財産管理をできなくなって、成年後見開始申立をすることになった理由としては、だいたい次のようなものでしょう。

1.同居して家計を同じくしている家族がいない(ので、本人名義の預貯金の払い出しができない。同居して生計を同じくしている家族がいても、キャッシュカードを利用せず、いつも通帳と印鑑で下ろしてきた。)
2. 生計を同じくしている家族がいても、生活費以外に、本人名義の預貯金から多額の払い出し等の銀行取引が必要。
3. 不動産賃貸収入等がある個人事業主であったが、その事務ができなくなった。
4.不動産を処分する必要性ができた。
5.多額の保険金等を受領することになった。
6.遺産分割協議調停、その他、訴訟行為が必要になった。

 私は、認知症の夫の成年後見開始申立をしないのは、上記1~6のような事情にはないからです。

 夫と私は生計を同じくしており、家計の主たる収入は夫の年金。
 夫の預貯金をもとにした家計管理は、以前から妻の私がやっています。

 夫はまだ自分で署名ができるので、金融機関窓口に連れて行って手続きをすることもできますが、将来、署名ができなくなっても、基本的にはキャッシュカードと夫のクレジットカードの家族カードを利用して、支払い等の処理ができます。

 今のところ不動産の処分や購入を予定していないし、訴訟等の当事者になる予定もなく、その可能性も低いでしょう。

 10万円以上の振込送金が必要な場合もネット銀行でできます。

 けれども、何と言っても、私が夫の成年後見制度を利用したくない理由は、次のようなめんどうなことがあるからです。

1.申立手続きが煩雑

 とりわけ、成年後見制度の開始申立を家庭裁判所(以下「家裁」という)にするあたっては、夫の推定相続人全員から、成年後見開始申立や、成年後見人の候補者について「同意書」をもらうようにしなければなりません。

 以前「認知症と診断を受け、公正証書遺言を作成する」のブログにも書きましたが、夫には6人の兄弟姉妹(全く会ったことのない異母妹含む)、もし万一他の兄弟姉妹が死亡したりすると甥姪まで推定相続人ということになるので、これだけでもとても大変。

 もっともどうしても「同意書」をもらえない場合とか、連絡がとれない場合には、家裁の調査官が調査をしてくれるのですが・・・

2.成年後見制度の利用=「公的な管理のもとにおかれる」

 他の推定相続人からの反対がなく、私が成年後見人に選任されたとして、成年後見制度を利用するということは、夫の財産=私たち夫婦の家計が「公的な管理のもとにおかれる」ということになります(そのように考えるのが実態に合っていると思います)。

 つまり、夫名義の預貯金その他の財産は、すべて財産目録にし、収支計算を1円単位できっちりと合わせて、預貯金通帳のコピーを添付して、年に1回、成年後見監督人や家裁へ報告しなければならないのです。

 我が家の場合、夫の年金が、私たち夫婦の主たる家計の収入になるので、私の生活費も含めてその収支をつまびらかにし、「公的な管理のもとにおかれる」という感じで、私たち夫婦の家計のプライバシーはなくなるということです。

 収支は原則すべて出納帳につけておくことが求められますし、現在、私が利用している夫のクレジットカードの家族カードについても、利用明細書のコピーの提出が必要になるでしょう。

 何もやましいことはないのですが、ちょっとした旅行や少し値のはる買い物をしたい時に、あらかじめ成年後見監督人や家裁にお伺いをたてて相談しなければなりません。
 旅行や高価な買い物がまったくダメだということはないのですが、「相当な範囲」という一定の制限を受けます。
 どこまでが「相当な範囲」かというのは難しい問題です。

 さらに、もし、推定相続人から私が成年後見人になることを反対する意見が出れば、第三者の弁護士が成年後見人になり、原則、夫名義の預貯金通帳を成年後見人に引き渡して管理してもらわねばならず、成年後見人から毎月の生活費をもらう・・・ということになりかねません。
 こんな事態は、ちょっと、勘弁して欲しいな・・・と思います。

3.成年後見人や成年後見監督人に対する報酬金の支払いが負担

 それに、東京家裁の場合、親族が成年後見人に選任された場合は、職権で、成年後見監督人を選任するという運用にしているのですが、この成年後見監督人に対して、報酬の支払いが生じるのです。

 「職権で」というのは、申立人や本人の希望の有無にかかわらず、家裁の職権で成年後見監督人(弁護士等です)を選任してしまうということですが、それなのに報酬金の支払いは、家裁ではなく、こちらもちになるです。何となく納得がいきませんが、そういうことになっているので、仕方がないですね。

 (尚、後見申立の件数が少ない地方の家裁では、親族が成年後見人になった場合でも、成年後見監督人を付けないで、家裁が、直接、親族後見人を指導監督しているところもあると思います。この場合、家裁に対しての報酬支払いはありません。)

 この成年後見監督人に対する報酬金は、1年に1回の財産目録・収支計算書・後見事務(監督事務)報告書提出後に、家裁が報酬決定を出すのですが、月額あたり最低でも2~3万円以上(資産の総額や業務の大変さ等により異なる)となります。
 報酬金は、毎月支払うのではなく、家裁の報酬決定が出た時に、被成年後見人本人の財産からまとめて支払います。

 親族が後見人にならずに、弁護士や司法書士等の専門職が成年後見人に選任された場合も同様に月額最低2~3万円以上かかります。

 私がもし夫の成年後見人になったら、自分の後見業務に対しての報酬請求をし、家裁の報酬決定を得て、夫の預金から私に支払ってもらうことはできるのですが、夫と私は家計が同一なので、同じ財布の中でお金のやりとりをしても意味がありませんよね。

 まとめると、私が夫の成年後見人になっても、別途、成年後見監督人が付いてその報酬金の支払いが発生します。弁護士等が夫の成年後見人になっても報酬金の支払いが発生する。その額はいずれも月額2~3万円ぐらいと予想されます。

 この支払い報酬額は、実に我が家の月あたりの家計収入の1割以上となる  ので、私が成年後見制度を利用したくない理由をご理解いただけるかと思います。

4.成年後見制度を一度利用し始めると止めることができない

 成年後見制度の利用を開始してから、思った以上に事務が繁雑で大変だったり、毎年報酬金が多額にかかるので、「もう、成年後見制度の利用をやめたい」と思っても、一度、成年後見の開始決定がなされると「やめることができません」。

 成年後見人が辞任したり、解任されたりで、替わるということはありますが、本人に一度、成年後見人が付けられると、本人が死亡するまで成年後見人を付けて財産管理をしなければならなくなります。

 例外は、精神疾患にかかっていた人が治癒して、自分で財産管理ができるように回復した場合は制度利用をやめるということがあり得るのですが、認知症の場合は進行性の疾患ですから、認知症であるという診断が誤診で(例えば、鬱病が誤診されて認知症と診断されたが、その後、鬱病が回復して、財産管理ができるようになった)ということがない限り、後見開始決定が出たら、制度利用を止めることができないのです。

 成年後見制度の実情をよく知らずに、後見開始決定が出た後、「こんなはずじゃあ、なかった」と思っている人は結構多くいるように思います。

5.「任意後見契約」の場合

 任意後見というのは、本人が、将来、自分が認知症になって財産管理ができなくなった時に、ある人に自分の後見人になってもらうという契約を、本人と将来の後見人との間で締結し公正証書にしておくことです。
 本人が認知症になってから、四親等内の親族等が「成年後見申立」をすることの違いは、本人が、自分の後見人になって欲しい人を、あらかじめ決めておくことができるということですね。

 通常の「成年後見申立」の際には、成年後見人候補者をあげて家裁に申立をしますが(候補者がいなくても構いません。その場合は家裁が家裁の持っている候補者リストの中から選任します)、家裁は、推定相続人らの意見を聞き、申立の成年後見人候補者が成年後見人になることに反対する意見が出た場合は、申立をした候補者ではなく、第三者である弁護士等の専門職を成年後見人に選任するのです。

 通常の「成年後見」は、家裁が後見人を選任するので、本人が後見人になって欲しいと思っていた人が後見人には選任されないことがあり得るので、この点では「任意後見契約」は、本人の希望する後見人を決めておけるというメリットがあります。
 
 ただし、「任意後見」の場合も、本人が認知症になって財産管理ができなくなり、「任意後見を開始したい」と家裁に申し出ると、その段階で、任意後見監督人が選任されるようになっています。その旨が「任意後見契約の公正証書」に記載されています。

 当然、任意後見監督人への報酬も発生するということになります。
 こちらも報酬決定は家裁が行い、最低月額2~3万円は支払わねばなりません。

 そして、「任意後見人は、3ヶ月に一度、任意後見監督人に対し、財産目録や収支状況を報告する」という契約内容のことが多いです。おそらく、公証役場で作成する任意後見契約の公正証書の「ひながた」が、「3ヶ月に一度の報告が必要」となっているのでしょう。

 任意後見人は、通常、自分の家庭や仕事を持ちながら、それに加えてこの任意後見事務を行わねばならないので、3ヶ月に一度の報告というのは、かなり大変な作業です。

 私は任意後見監督人の事務のお手伝いもしていましたが、3ヶ月に一度きちんと報告してくるのはせいぜい最初の1回と2回ぐらいまでで、その後は、監督人が報告の督促を繰り返して、遅れに遅れてやっと報告してくる・・・という感じでした。
 「任意後見人の事務がこんなにも大変だとは思わなかった」というぼやきが聞こえてきそうです。

 この報告の期間を3ヶ月に一度ではなく、通常の成年後見と同様に一年に一度の報告という契約にすることも可能なはずなのですが、皆さん、このあたりのことを深く考えずに、公証人が用意した「ひながた」をそのまま使って、公正証書を作ってしまうのでしょう。

6.後見事務はとても細かく大変な作業である

 成年後見人になった場合は、財産目録や収支計算書を作成するために、Excel等の表計算ソフトを使えることが必須です。通帳の残高や財産目録や収支計算書の数字を1円単位ぴったり合わせなければならないからです。

 親族後見人の中には、Excel はもちろん、そもそもパソコン自体を使えず、まったく数字が合っていない手書きの計算書を提出してくるとか、成年後見人としてしなければならない事務がほとんどできていない方も結構いらして、結局、成年後見監督人が通帳や出納帳をチェックして、個々の数字を拾って細かく計算をし、後見事務報告書一式を作成しなければならなくなり、これでは成年後見人がいる意味がないのでは?と思うこともありました。
 (まあ、成年後見監督人は報酬金をいただくわけですから、文句を言う筋合いはないかもしれませんがね。)

 東京家裁が、親族後見人に後見監督人を選任している理由は、あまりにも多いこうした例に対して、家裁の書記官が細かく指導・監督している余裕がないので、家裁の仕事を後見監督人に外注しているという側面があるのでしょう。

 こうした事務ができない場合は、成年後見人を二人体制にして、身上監護関係を親族後見人が行い、財産管理事務を弁護士等専門職が担当するというのもひとつの手です。

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 以上、きちんと整理しないまま、とりとめなく書き連ねましたが、これから成年後見開始の申立をしようとか、自分が成年後見人や任意後見人になろうとお考えになっている方に、成年後見申立をする場合は、報酬金や事務作業の負担について、かなりの「覚悟」が必要ですよ~ということが伝わりましたでしょうか。

 何より、本人(被成年後見人)の財産が「公的な管理のもとにおかれる」ということになる、収支についてすべて細かくチェックされ、介入を受けることになる、と肝に銘じて、成年後見制度の利用を検討するようにしてください。

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遺産分割未了の実家の家屋

お正月に、隣県にある夫の実家(末の妹が住んでいる)へ夫と共に行ってきた。
夫の実家は、東京大空襲で焼け出されたので、隣県の借地の上に、夫の父が家屋を建てた。
昭和23年頃のことだと思う。
夫が、みずから「自分の家」として認識できるのは、この隣県の家なのだが、実際に行ってみると、そこが「自分の家だったところ」とは気がつかない。外装も内装もリフォームして、あまりにも変わってしまっているから。
現在は1階を食事処としてお店に貸し、2階に義妹とその内縁の夫が住んでいる。
1階のお店からの賃料を受け取り、そこから地代を支払って、やりくりしてきたのだ。

この家屋、義父が亡くなったときに、一応、遺産分割をして、義母と兄弟姉妹(異母妹含む)が持分を持っている。その後、義母が亡くなった時は、遺産分割協議をしていないので、亡義母の名義が入ったままになっている。
兄弟姉妹は、実家に住んでいる末妹を除いて、それぞれ自分の住み処を確保している。
(あっ、異母妹の事情は不明。)
末妹は現在74歳だが、認知症の初期にあり、外階段を使って登る2階の家に住み続けることは難しくなるだろう。
だから、できるだけ早い内に遺産分割協議をして、この借地権付き家屋を処分し、末妹名義の財産を確定させて、今後の住まいのことやらを決められるようにしなければならない。

1階のお食事処で、この問題を、末妹夫婦と私たち夫婦で話し合ったのだ。
・・・と言っても、夫にはもう何の話をしているのかはチンプンカンプンだ。
末妹は、短気記憶障害はあるけれども、まだまだ初期なので、普通に会話はできる。
話の大筋も理解できる。もっとも細かい点になると内縁の夫のサポートがないと無理なのだが。

夫は自分の持分については、基本的には、末妹に無償で譲渡してよいという考えだ。
恐らく他の2人の上の妹たちも末妹に譲渡する方向でよいと思っているのではないか。
しょっちゅう兄弟姉妹にお金をせびっている末弟は法定相続分は欲しいと言うだろう。
異母妹も、きっと、法定相続分は主張するだろう。
昨年亡くなった義弟の持分については、義弟は遺言書を残したときいているが、実家の持分について、どのように遺言しているのか判らない。
本当は、家業を継いだ義弟が兄弟姉妹の中のリーダーとして、この懸案をまとめる方向で動くことになっていたそうなのだが、着手する前に亡くなってしまった。

昨年末、義弟の奥さんから我が家に電話があり、実家の家屋の持分の名義書換を進めたいという話だった。もちろん、うちは「協力します」と返答し、この正月に末妹のところへ行って、情報交換をし、お互いの考えをざっくばらんに話し合った。
とにかく、今年中に、この問題について解決しよう・・・と。

兄弟姉妹間の話し合いの方向がついても、その後、地主(とっても難しい人たち)との交渉もあるので、年内にすべて終えるのは難しいだろうな・・・というのが末妹の内縁の夫の見立て。

とにかく、できるだけ早く、この問題を解決しなければ!
夫が自分の名前を書けるうちに!
夫は、意識レベルが良い時には、自分の名前を一応は書けるが(見本がないとちょっと心配だが)、意識レベルが悪い時は、自分の名前が書けなくなる。
遺産分割協議書や委任状に氏名を書けなくなってしまうと、成年後見人を立てないとならなくなってしまう。そのような事態は絶対に避けたいのだ。→(「私が成年後見制度を利用しない理由」を参照してください。)

末妹だけでなく、二番目の妹も認知症の初期なので、綱渡りだ。
しかも、兄弟姉妹の中でリーダーシップをとる人がいなくなってしまった。
結局、夫の実家○○家にとっては他人の、末妹の内縁の夫や、亡義弟の妻や、私らが実質的なことを進めていかねばならなくなってしまった。

兄弟姉妹に、もっと知力、気力、体力のあるうちにこうした問題は解決しておくべきだった。
先延ばしに、延ばした結果がこれだ。
この件、ちょっと気合いを入れて、頑張らねば。

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成年後見人が必要かな

昨年亡くなった義弟(夫の弟)の奥さん(K子さん)に電話をした。
夫の実家の家屋の名義が、亡義母と兄弟姉妹の名義になっているのを、そこに現在住んでいる義妹のM子さん(夫の妹)名義に書き換えようという件についてだ。
K子さんとしては、亡くなった自分の夫の名義が入って降り、その相続問題を解決する目的で、税理士に依頼をしている。

K子さんは、今年になって、既に2回、M子さんを訪ねているそうだ。
私たち夫婦が、正月にM子さん宅を訪ねたことを言うと、K子さんは、まったく聞いていないと。
「M子さんの認知症、だいぶひどくて、1時間前のことだって忘れちゃうのよ。
 借地契約書も、金庫の中を探してもらったけれども、見つからなくて、しょうがないから、地主さんに頼んでコピーしてもらったの、借地契約書を見たら、M子さんとTさん(亡義弟)の名義になっていたわ。ようやく昨日、税理士さんに郵送したところ。
 今、1階を食事処に貸しているのも、賃貸借契約書もないのよ。
 (そもそも最初から作っていないのか、無くしてしまったのか、不明。)
 金庫の中に、くしゃくしゃになった100万円の定期預金証書があって(本人はすっかり忘れていて)、一緒に銀行まで行って、普通預金に入れてもらったのよ~。」

K子さんに、「夫については、既に遺産分割済みの分についてはM子さんに「贈与」し、未分割の義母名義の分については「相続分の譲渡」をする意向なので、税理士さんから直接、我が家に電話をしてもらって構いません。連絡をお待ちしています。」と伝えたのだが・・・

よく考えたら、K子さんは、あくまでも自分の相続問題で、税理士に依頼しているのだ。
税理士への委任の範囲がわからない。
少なくとも、現段階で、M子さんからその税理士に依頼しているわけではないのだから、夫からM子さんへの「贈与」や「相続分の譲渡」について動いてくれるわけはない・・・な。
それに税理士はあくまでも税務上の問題の相談と処理が仕事なのだから。
ここはやはり、M子さんが司法書士か弁護士を代理人に依頼をして、処理を進めていかないと、事は動かないよね。

K子さんに、
「M子さんへの名義書換の問題ですけど、ここは、やはり、Rちゃん(M子さんの一人娘、夫と小学生の子1人)に関わってもらったほうがいいと思うんですけど、Rちゃん、去年からフルタイムの仕事に就いたそうですよね? 忙しいのかしら?」と言うと、
「Rちゃんはね大変なのよ。
 Rちゃんはね、M子さんに冷たいの。厳しいのよ~。」

「大変」の中身が、何だかわからない。
 ただ、M子さんの元夫(Rちゃんの実父)は、直接は知らないが、みんなの話を総合すると、ヤミ金に手を出して、元夫はどこかに逃げ出して不在の自宅まで取り立てにこられて・・・という苦労をした末、離婚。
 現在は、M子さんは内縁の夫(Iさん)と暮らしている。たぶん、それぞれ子どもがいるので、相続問題とか、ややこしいから、籍を入れないのだろうと想像している。
 私の知らないこれまでの家族の歴史、親子関係の歴史があるのだろうな。

 だけど、M子さん(74歳)の今後の生活を考えると、実家の名義の権利関係が複雑なまま放置しておくわけにはいかない。
 とにかく、認知症初期だけれども、短期記憶障害はだいぶ進んでいるM子さんが、名義買い換えについて、自分で手続きを進めていくのは無理だ。
 まさに成年後見人が必要にな局面だけど・・・

 「不動産処分に限ってだけ成年後見人を付ける」というのが制度上認められていないから、一度、成年後見人が付くと、本人が死ぬまで成年後見人を付けないといけない。それはちょっとなぁ~。
 成年後見人を付けると家計のいちいちを全部報告していかないといけない。
 M子さんは内縁の夫Iさんと生計をともにしているので、難しい面があるよぁ。
 M子さん自身は、離婚後、飲食店を経営していたけれども、国民年金だけだから、年金額は月額数万円ぐらいではないかと思う。
 今までは、実家に住んでいるから家賃がかからず、二人の生活費の多くは内縁の夫の年金から出してもらって、やりくりしてきているのだと思う。
 内縁の夫のIさんが成年後見人になって・・・というのが良いようにも思うけれども、Iさんも今年80歳になるから、いくらしっかりしているとは言え、細かい成年後見人の事務や報告をきちんとやるのは難しいだろう。
 実子のRちゃんが成年後見人になったらなったで、Iさんを含めた生活費について、つまびらかにしてもらわないといけなくなり、それはRちゃんにとっても、Iさんにとっても、やりにくいことだと思う。
 はぁ~、難しいなあ。
 
 今なら、RちゃんがM子さんをサポートしながら、司法書士か弁護士に依頼をして、交渉や事務手続きを進めていけるはず・・・と思うのだが。
 とにかく、今、中心になって進めていく人がいないので、やきもきしている。
 なんだか、みんな、中途半端な立場なので、動きにくいのだ。
 どうしたものかな?
 もう、しばらく様子を見て、何らかの連絡があることを待ってみる。
 それから、私がどんなふうに動けるのか考えよう。


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夫の実家の借地権処分問題

夫の実家は、借地上に義父名義の建物を建てた。
その後、義父が死亡した際に、義母と兄弟姉妹で共有する形での登記を経た。
義母が死亡した時には、何の手続きもとることなく、現在も義母名義が残っている。

実家の建物には、現在、末の義妹が内縁の夫と住んでいる。
 内縁である事情は詳しくは知らない。
 おそらくはそれぞれに子供があるので、相続関係でもめたくないからではないか。
 兄弟姉妹間では、義妹の夫として認知されており、互いの族の冠婚葬祭には配偶者として出席している。

その義妹、現在74歳、認知症を発症している。
うちの夫とほぼ同年齢頃の発症だと思う。
夫と末の義妹は両親から似た性質(体質、素因)を受け継いだのだろう。
そうすると、妹の認知症は、夫の辿った経過から、およそ予測できると思う。
そろそろ調理などは一人で任せることが難しくなってくるだろう。
サポートがあれば、結構、まだ大丈夫。
おそらくは80歳ぐらいまでは元気に在宅で暮らせるだろう。
80歳を超えてから、在宅介護が難しくなってくるかもしれない。
義妹のパートナーは、義妹よりも年齢が上であるし、
もともと家事や子供や人のお世話などをやった経験がないか、少ない男性が、認知症になった妻を介護するということは、並大抵のことではない。
内縁関係だから、法的安定性も低いので、場合によっては、認知症になった内縁の妻を捨てて(?)どこかへ行ってしまわないとも限らない。
義妹のパートナーはかなり良い人なので、きっとそうはならないとは思うが、世の中に絶対ということはないし・・・
いずれにしても、在宅で義妹のめんどうを内縁の夫が見ていくのは(例えば、下の世話などができるのか?)、デイサービスを利用したとしても現実的ではないように思う。
もちろん、認知症になった妻を献身的に介護している男性介護者をたくさん知っているけれども、どちらかというと若年の方々で、超高齢者に属する老老介護となると話は別という気がする。
夫婦のあり方や価値観も、育ってきた世代によって違う。
ムリをして抱え込んでしまって、ネグレクトや虐待などになったりしないように、一定の時期にグループホーム等を利用するのが良いような気がする。
これは、義妹とは言え、他人の家庭のことだから、まったくの私の予想でしかない。
義妹には一人娘がいるので、一人娘が中心になって考えていけばよいと思うけれどもね。

でも、グループホームを利用するという段階になった時に、
今のままだとお金が不足する見通しなのだ。
義妹の年金は月額5万円。
内縁の夫の年金があるから、今はやりくりできている。
義妹はある程度の預金をしているようだが、それでも、グループホームで暮らすようになれば、数年で底をつくと思う。
万一、内縁の夫が先に逝くようなことがあれば(ごめんなさい、内縁の夫さん。でも、シビアに見通しを立てていかねばならないのでね)、生計を一つにしている内縁の妻は遺族厚生年金を受け取れるので、それがあるとすごく助かると思う。
けれども、グループホームへの入所をきっかけに、内縁関係の解消がないとは保証できないような気がする。

まあ、そんないろいろな背景事情と、兄弟姉妹みんなが高齢化してしまった今、借地権を売却するしかない(昭和20年代に建てた建物は価値ゼロです)ということになった。

それから、うちの夫について言うと、夫が自分の名前を書けるうちに、この件の処理を終えたいのだ。
義妹のために、借地権が売却できるように協力したいと思っても、もし、夫が自分の名前を書けなくなっていたら、その処理ができない。
いや、そのために、夫に成年後見人をたてなければならなくなってしまう~!
それは避けたいのだ。その理由については、先にブログ「私が成年後見制度を利用しない理由」を参照してください。

しかし、兄弟姉妹関係者(一人死亡して新たに相続人が出ている)は全部で7人。
この7人全員で共有し、半数は80歳以上、しかも、遠い地方に住んでいたりして、気軽に会えるわけでもなく、遺産分割協議書の作成はそうすんなりいきそうにはない。
事がなかなか進まないうちに、夫の認知症が進んでしまって、名前を書けなくなってしまったら、大変だ!

そこで、今日は義妹と亡弟の奥さんと三人で税理士の先生のところへ行き、この処理にあたってかかるお金(税金)関係のことを聞いてきた。
今日の税理士の先生の話を踏まえて、次のようにしようと夫と話した。

 1.義母名義の未分割の相続分の全部を、末の義妹に譲渡する(印鑑証明付き譲渡証書を作成する)。あとで、他の兄弟姉妹関係者の間で遺産分割協議書を作成できた時に、この譲渡証書を添付して、登記する。登記の際には、最新の印鑑証明書を提出する。

 (あ~、でも、印鑑証明書のところは確認が必要だなあ・・・印鑑登録カードと申請書に本人が名前を書かないと行けないはずだな。やっぱりできるだけ遺産分割協議書の作成も急いでもらわないとダメだなあ。)

 2.既に登記されている義父から相続した夫名義の持ち分については、末の義妹に贈与する。

 義妹に贈与税がかかってしまうのは、やむを得ない。贈与税を計算するのは、贈与時点での路線価を基に借地権の価額を算定するのだそうだ。将来、実際に借地権が売却できたとして、路線価額を下回るリスクはあるが、もう、それはやむを得ないことだと思う。
 およその贈与税の額を今日教えてもらったが、義妹には何とか工面できる額だと思う(贈与税の申告納税は来年の3月だが、その時点でまだ借地権の売却ができていない可能性もあるので、お金の工面が課題であった。)
 贈与税は累進課税なんだそうだ。夫以外にも、兄弟姉妹関係者が、既に登記済みの持ち分を義妹に贈与するような場合、贈与額が増えて、その分納める税金額が累進的に増える。
 贈与額は年度ごとに計算するので、贈与をするなら、年をまたいで少しずつ贈与した方が良いということがわかった。
なので、もう、躊躇なく、夫がまず先に義妹に贈与するということにした。

これらの1と2の法律行為は、他の兄弟姉妹の意向とは関係なく、夫と末の義妹との間だけで行うことができるので、司法書士に依頼して、できるだけ早く進めることにする。

こういう問題は、関係ない方々には興味がないかもしれないけれども、認知症になってしまった場合、まだ自分の名前が書けるうちに、解決すべき問題が残っていないか(不動産の売却とか、遺言作成とか)、よくよく考えて進めていかねばなりません。

なお、もし、夫が自分の名前を書けなくなって、成年後見人をたてなければ、実家の不動産を処分できなくなってしまうと、家庭裁判所は、ほぼ100%、夫の持ち分を義妹に譲渡したり贈与することを許可しないでしょう。
「きちんと法律で定められたとおりに受領してください」となります。
本来、法律で定められた持ち分だけをもらうことに何の不服があろうか?とも言えるけれども、兄弟姉妹思いの夫としては、今後の生活に困る可能性が高い義妹に譲渡・贈与してあげたいと思うでしょう。
今、夫に訊いても、「末妹にあげましょう」と答えています。
だからね、急いでやりたいと思うのです。

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2人と猫2匹の家族です。

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